1195人で開幕――進化するリトルシニア北海道連盟

1195人で開幕――進化するリトルシニア北海道連盟

全国準優勝の快挙を追い風に、新たな時代へ/北広島中央・北見が新規加盟、育成と競技の両輪で発展へ

5大会合同開会式、1195人で今季スタート

 中学硬式野球のリトルシニア北海道連盟は4月29日、札幌市のモエレ沼公園野球場で5大会合同開会式を行った。今年は新たに1年生428人を迎え、総勢1195人で2026年シーズンがスタートした。

 開会式では選手を代表して、札幌西リトルシニア主将の金田 一輝(前田リトル出身/3年)が堂々の選手宣誓を務め、大会の幕開けに花を添えた。

 また今春の全国選抜大会では、札幌北リトルシニアが北海道勢初となる決勝進出を果たし、準優勝という快挙を達成。開会式前には主将の近藤 健翔(前田リトル出身/3年)にインタビューを行った。

 さらに同大会に北海道代表として出場したとかち帯広リトルシニア主将の菊池 春馬(柳町イーグルス出身/3年)、恵庭リトルシニア主将の城間 奏良(千歳タイガース出身/3年)にも話を聞いた。

モエレ沼公園野球場に一同に介したリトルシニアリーガー
モエレ沼公園野球場に一堂に会したリトルシニアリーガー

新規加盟で広がる受け皿 北広島中央・北見が参入

 リーグとしては今季、北広島中央リトルシニアと北見リトルシニアが新規加盟した。

 北広島中央は5月30日に開幕する第2回KOKAJI CUP全道大会から、北見リトルシニアは8月1日に開幕するJAL沖縄Rookies Baseball Cupからそれぞれ出場予定となっている。

 一方、北広島リトルシニアは選手不足の課題を抱え、現在も選手募集を継続。チーム再建に向けた取り組みが進められている。

最後のチームとして入場行進する北広島中央リトルシニア
最後尾で入場行進を務めた北広島中央リトルシニア

伊藤理事長が語る今季の展望と育成の方向性

 中学硬式野球・リトルシニア北海道連盟の伊藤 儀隆氏に、開会式直前のタイミングで今季の動向について話を聞いた。

 今季は新たに2チームが加わり、連盟の活性化が進んでいる。その一つが北見リトルシニア。過去に活動していたチーム名を引き継ぐ形ではあるが、「以前のチームとは全くの別組織。今回は新規加盟としてのスタート」と伊藤理事長は強調する。かつて北見で理事を務めた佐藤氏が役員として関わるものの、あくまで新たな球団としての船出となる。

 もう一つは北広島エリアの新チーム。さまざまな経緯を経て新たな形で立ち上がったチームであり、地域における受け皿拡充という意味合いが強い。競技人口の維持・発展に向けた前向きな動きといえる。

 大会運営に目を向けると、1年生および2年生以下の大会が明確に位置づけられている点も特徴だ。

 まず、2年生以下を対象とした秋季全道大会の前哨戦として位置づけられる「第2回KOKAJI CUP全道大会」が5月30日に開幕する。新体制となったチームにとっては、シーズン序盤に実戦経験を積む貴重な機会であり、秋へ向けたチームづくりの土台を築く重要な大会となる。

 一方で、1年生主体の大会は春先ではなく、8月1日に開幕を迎える。中学進学と同時に多くの選手が軟式野球から硬式野球へ移行する中、一定期間をかけて環境やプレースタイルに順応していく必要がある。そのため同連盟では、基礎技術の習得や体力面の強化を経た“慣れ”のタイミングを見極め、夏場に大会を設定している。

 この1年生大会は、これまで積み重ねてきた練習の成果を発揮する場として位置づけられており、選手たちにとってはシーズン最初の大きな目標となる。伊藤理事長も「まずはしっかりと土台をつくり、その上で実戦の中で成長を促していきたい」と語り、段階的な育成の重要性を強調する。

 春から夏、そして秋へ――。大会ごとに明確な役割を持たせることで、選手の成長曲線を意識したシーズン設計がなされている点も、リトルシニア北海道連盟の大きな特徴と言える。

伊藤理事長
大会長として挨拶する伊藤理事長

全国への道と地域連携 新たな取り組みも始動

 全国大会への道筋にも変化が見られる。今年は1年生世代の全国大会(いわゆるJALカップ)が、内容面の充実が図られており、北海道からの出場機会にも注目が集まる。一方で、従来の大会体系も維持されており、育成と競技のバランスを重視した構成となっている。

 さらに、開会式の演出にも新たな試みが取り入れられた。今回は札幌市立札幌栄南中学校および札幌市立丘珠中学校・吹奏楽部の生徒たち、計約40人による生演奏が行われた。「同じ中学生同士で大会を盛り上げたい」という思いから実現したもので、地域と野球をつなぐ新たな形として注目される。

 夏には東日本大会(8月8日開幕)が控え、北海道からは4チームが出場予定。暑さの中で繰り広げられる真夏の戦いに向け、各チームの準備も本格化していく。

 新規加盟チームの誕生、育成大会の充実、そして地域連携の強化――。2026年シーズン、リトルシニア北海道連盟は新たなフェーズへと歩みを進めている。

札幌市立栄南、丘珠中学校・吹奏楽部の皆さん
札幌市立栄南、丘珠中学校・吹奏楽部の皆さん

感謝を力に――主将・金田一輝、宣誓に込めた覚悟と日本一への誓い

 開会式で堂々たる選手宣誓を務めた金田 一輝に、宣誓に込めた思いとチームの現在地を聞いた。

 「一番伝えたかったのは、監督・コーチ、そして家族への感謝の気持ちです」。
 宣誓の中で語られた言葉の核は、日頃支えてくれる存在への想いだった。

 宣誓文は自ら考えたもの。主将に決まった直後から構想を練り始め、チームメートや指導者の助言を受けながらブラッシュアップを重ねたという。「試行錯誤しながら作り上げました」と振り返り、その出来については「120点です」と自信をのぞかせた。

 昨秋の戦いを経て見えた課題に対して、この冬は“自分たちと向き合う”ことをテーマに掲げた。まず取り組んだのはチームの雰囲気づくり。その上で守備の基礎やスイングスピードの向上など、具体的な課題を一つひとつ積み上げてきた。

 チームの強みについては「試合の入りから100%の力を出し、自分たちで試合をつくれるところ」と語る。先頭打者が出塁し、そこからつないでいく攻撃スタイルこそが持ち味だ。

 自身は1番・三塁手としてチームをけん引。「塁に出て、走って、流れをつくるのが自分の役割。足を生かした走塁とバッティングが武器です」と力を込める。

 今季のチーム目標は明確だ。
 「日本選手権優勝」。
 そのために主将として、そして中心選手としてチームを引っ張る覚悟を示す。

 個人としては「出塁率10割」を掲げるなど、強い意志がにじむ。

 仲間とともに積み上げた冬を経て迎えた春。主将の言葉通り、感謝の思いを力に変えた戦いが、ここから始まる。

金田主将(札幌西リトルシニア)
選手宣誓の大役を務めた金田主将(札幌西リトルシニア)

金田 一輝(かねだ・いっき)
札幌西リトルシニア/3年 主将
前田リトル出身
右投げ、左打ち
166センチ、58キロ
家族は両親と妹の4人(妹も同チーム所属)
チームでは主に1番・三塁手として活躍。
野球は小学5年から友人の誘いで手稲区の前田リトルで競技をスタートさせる。

全国準優勝の先にある頂点へ――札幌北リトルシニア、春夏連覇と日本一への挑戦

 全国選抜大会で準優勝という快挙を成し遂げた札幌北リトルシニア。その主将である近藤 健翔に、大会を振り返るとともに、今後への展望を聞いた。

 「自分たちがここまでやってきたことの成果を出せた大会だったと思います」。
 全国の舞台でつかんだ準優勝。その言葉には、これまで積み上げてきた日々への確かな手応えがにじむ。

 特に評価するのは投手陣の成長だ。「秋からしっかりと力をつけてくれた。ピッチャーのおかげと言っていい」と語り、冬場のトレーニングの成果が結果に直結したと分析する。投手力を軸に勝ち上がった戦いは、チームの大きな自信となった。

 一方で、全国の頂点にはあと一歩届かなかった。「ここぞという場面でのプレーの精度。細かい部分での差が出た」と課題も明確だ。勝負を分ける局面での完成度――この部分の底上げが、次なるテーマとなる。

 それでも主将の視線はすでに前を向いている。「もう一度、全国の舞台に立てるように、日々の練習に取り組んでいきたい」。その言葉からは、さらなる高みを目指す強い意志が伝わってくる。

 今季の目標は明快だ。
 「春夏連覇、そして日本一」。

 北海道、そして全国――両方の頂点を見据えた挑戦が、ここから始まる。準優勝に満足することなく、頂点だけを見据える姿勢こそが、このチームの真価と言えるだろう。

近藤主将(札幌北リトルシニア)
近藤主将(札幌北リトルシニア)

近藤 健翔(こんどう・けんと)
札幌北リトルシニア/3年 主将
前田リトル出身
右投げ、右打ち
173センチ、78キロ
家族は両親と3人
野球は父の影響で小学2年から手稲区の前田リトルで競技をスタートさせる。
主将として周りを見る目と気配りのできる選手で全国準優勝での影の立役者である。

全国の悔しさを力に――走塁と考える野球で頂点へ、とかち帯広リトルシニアの逆襲

 全国選抜大会に出場したとかち帯広リトルシニア。その主将・菊池 春馬に、全国の舞台で得た経験と今後への意気込みを聞いた。

 「全国では、自分たちの野球を発揮できなかった」。
 率直な言葉の裏には、悔しさと課題認識がにじむ。

 しかし、その経験は確かな糧となった。「全国の雰囲気や相手の強さを肌で感じて、まだまだ足りないと実感した。すごく学びの多い大会だった」と振り返る。強豪との対戦や他チームのプレーから受けた刺激は、チームの意識を大きく変えた。

 チームの最大の強みとして挙げたのは“走塁”。「打たなくても点を取れるのが自分たちの野球」。昨季も走塁で得点を重ねてきた実績があり、日頃から意識的に取り組んできた部分だという。

 さらに「頭を使う野球」も特徴の一つ。他チームがやらないプレーにも積極的に挑戦し、試合の流れを引き寄せる。機動力と戦術眼を兼ね備えたスタイルこそが、チームの真骨頂だ。

 今季は、その強みを公式戦で証明するシーズンとなる。「北海道の大会では、自分たちの野球をしっかりやって、すべての大会で決勝に進み、優勝することが目標」と力強く語る。

 個人としては、4番打者としての責任を背負う。「この1年、4番は譲らない。キャプテンとしてチームをまとめ、勝利に導きたい」と覚悟を示した。

 全国で味わった悔しさを胸に――。
 “必ず優勝する”という決意のもと、とかち帯広ナインの挑戦が再び始まる。

菊池主将(とかち帯広リトルシニア)
菊池主将(とかち帯広リトルシニア)

菊池 春馬(きくち・はるま)
とかち帯広リトルシニア/3年 主将
チームでは4番・捕手としてチームをけん引。
右投げ、右打ち
170センチ、63キロ
野球は当時のチームの先輩の影響を受け、小学1年生から柳町イーグルスで競技をスタート。学童時代の6年時には日本ハムジュニアにも選出されるなど、将来を嘱望される逸材だ。

悔しさと学びを胸に――恵庭リトルシニア、結束の力で頂点へ

 全国選抜大会で初戦を突破し、2回戦で惜敗した恵庭リトルシニア。主将の城間 奏良に、大会を通して得た手応えと課題を聞いた。

 「一言で言うと、楽しかったです」。
 そう振り返る全国の舞台。しかしその裏には、特別な立場から見つめたチームの姿があった。自身はケガの影響で試合に出場できなかったが、「チームの雰囲気がとても良かった」と語る。仲間同士が励まし合い、支え合う姿が印象に残ったという。

 大会での手応えは、冬場に積み重ねてきた打撃強化にあった。「たくさん振り込んできた成果が得点につながった」。努力が形となり、チームの盛り上がりを生み出していた。

 一方で、敗戦から得た教訓も大きい。2回戦では多摩川リトルシニアに延長戦の末敗戦。接戦の中で迎えた終盤、「一つのミスが流れを変えてしまった」と振り返る。サードでの失策をきっかけに失点が広がり、勝機を逃した。「あのミスがなければ結果は違ったかもしれない」と、細部の重要性を痛感した。

 それでも、この経験は確実に次へとつながる。「大会はすごく意味のあるものになった」と語り、春の戦いに向けて課題を明確にした。

 目標はシンプルだ。
 「優勝します」。

 全国の舞台で得た学びと悔しさを胸に――。主将の力強い言葉とともに、恵庭ナインの新たな挑戦が始まる。

城間主将(恵庭リトルシニア)
城間主将(恵庭リトルシニア)

城間 奏良(しろま・そら)
恵庭リトルシニア/3年 主将
右投げ、右打ち
163.5センチ、65キロ
家族は両親と兄と2人の弟の6人。
野球は小学3年から友人の誘いで千歳タイガースで競技をスタートさせた。

協力:一般財団法人 日本リトルシニア中学硬式野球協会

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