七回裏に追いつき、八回裏は一死満塁から4得点。エース千葉が投打で躍動、全員野球でつかんだ価値ある逆転劇
あと一歩で敗戦――。そんな空気を、岩見沢リトルシニアは自らの手で打ち破った。7月23日、佐賀県・花林かいぞくスタジアムで行われた「JA共済第17回林和男旗杯野球大会」1回戦。九州連盟・大分北部リトルシニアとの一戦は、七回裏に執念で同点へ追いつくと、一死満塁から始まる八回タイブレークへ突入。延長八回表に3点を勝ち越される絶体絶命の展開から、その裏に4点を奪って7-6で劇的なサヨナラ勝利を飾った。北海道で積み重ねてきた「全員野球」が、全国の舞台で大きな花を咲かせた。
イニングスコア
◆1回戦(7月23日、花林かいぞくスタジアム)
岩見沢リトルシニア(北海道)(4)3-3(3)大分北部リトルシニア(九州)
大分北部
10101003=6
10010014=7
岩見沢
(八回タイブレーク)
(大)中井、島井ー糸永
(岩)千葉、砂田ー奥山
▽二塁打:糸永、榎園(大)
「終わらない」――七回裏、執念が試合を振り出しへ
立ち上がりから試合は互いに譲らないシーソーゲームとなった。
岩見沢は得点を重ねて主導権を握りながらも、守備のミスから相手に流れを渡し、終盤には勝ち越しを許す苦しい展開。それでも選手たちの表情に諦めの色はなかった。
迎えた七回裏。あと3アウトで全国初戦が終わるという場面でも、ベンチとグラウンドは一つだった。
先頭の9番・荒関朔(三笠スピリッツ出身・2年)に代わって打席に立った松永隼汰(栗沢コンバット出身・2年)が四球を選ぶと、相手バッテリーのミスで二塁へ進塁。続く1番・竹田龍矢(岩見沢学童野球クラブ出身・3年)が内野安打を放ち、無死一、三塁と絶好のチャンスをつくる。
一死となった後、3番・山本塁斗(岩見沢学童野球クラブ出身・3年)の内野ゴロの間に途中代走として出場した三走・橋元亜門(栗山ロッキーズ出身/2年)が生還し、ついに同点。粘り強くつないだ攻撃が実を結び、試合を振り出しに戻した。勝負は、一死満塁から始まる八回タイブレークへともつれ込んだ。
八回表3失点、それでも折れない――最後は歓喜のサヨナラ
延長八回表、タイブレークで岩見沢は3点を失う。
再び追い込まれ、全国初戦は万事休すかと思われた。しかし、この日の岩見沢には最後まで諦めない強さがあった。
一死満塁から始まる攻撃で、6番・千葉がライト前タイムリーで1点。続く7番・渋谷旺佑(岩見沢学童野球クラブ出身/3年)が、レフトオーバーとなる一打で走者一掃となる3点三塁打を放ち見事サヨナラ勝ちで決着をつけた。
打線は一人ひとりが役割を果たす。走者を返し続け、じわじわと相手を追い詰める。そして最後はサヨナラとなる一打が生まれ、4点を奪って試合をひっくり返した。
歓喜の瞬間、ベンチから選手たちが一斉に飛び出し、劇的勝利の輪がグラウンドいっぱいに広がった。

エース千葉が投打で躍動 苦しい流れを断ち切る
試合後、谷口正行監督は序盤を振り返り、「初回と三回、ミスがらみで失点してしまった。九州の暑さの中で集中力が切れていた」と課題を口にした。
それでも「途中、父兄の給水などサポートにも助けられ、何とか立ち直ることができた」と、スタンドから支え続けた保護者への感謝も忘れなかった。
投げては暑さの中で粘り強く腕を振り続けたエース・千葉については、「序盤、試合を作り踏ん張ってくれた。打つ方でも6番としてチャンスメークやタイムリーを放つなど、投打でよく頑張ってくれた」と、その働きを高く評価した。


「明日も等身大で」 指揮官は次戦へ視線
谷口監督は対戦した大分北部についても、「特に捕手が肩も強く、とてもいい選手だった。チーム全体としても非常にまとまった、いいチームだった」と相手を称えた。
その上で、「明日も今日の良いイメージを大切にして、しっかり準備したい。この暑さを何とか気持ちで乗り切り、試合では等身大の自分たちの野球をやりたい」と力強く次戦を見据えた。
苦しい展開を二度跳ね返し、最後まで勝利を信じ続けた岩見沢リトルシニア。その執念と結束力は、全国の大舞台でも十分に通用することを証明した。
劇的な逆転サヨナラで手にした一勝は、単なる初戦突破ではない。全国制覇を目指すチームにとって、これ以上ない大きな自信となる価値ある白星となった。

協力:岩見沢リトルシニア
