地元・山城ファイターズとのタイブレークを制す 中垣優太が二死満塁でサヨナラ打
徳島県で開催中の「阿波おどり全国学童軟式野球大会2026」に北海道代表として初出場している岩見沢学童野球クラブが8月7日、2回戦で徳島県代表・山城ファイターズを7-6(六回タイブレーク)で破り、全国ベスト8進出を決めた。四回に一時逆転を許しながらも、その裏にすぐ追いつく粘りを発揮。大会規定によるタイブレークでは六回表を無失点でしのぐと、その裏、二死満塁から2番・中垣優太(6年)がセンター前へ劇的なサヨナラタイムリーを放った。森拓実監督は「北海道で数多く経験してきた接戦が、この勝利につながった」と選手たちの成長をたたえ、7月の「野球のまち阿南第14回少年野球全国大会~こども甲子園~」に続く全国2冠へ、あと3勝と迫った。
イニングスコア
◆2回戦(8月7日、むつみスタジアム)
岩見沢学童野球クラブ(北海道)(1)6-6(0)山城ファイターズ(徳島県)
山城ファイターズ
002400=6
202201=7
岩見沢学童野球クラブ
(六回タイブレーク)
(山)川崎、下川ー中川、北田
(岩)渋谷、對馬、笹野燈ー中垣
▽本塁打:北田RH(山)
▽三塁打:國金、中川(山)、山本楓、對馬(岩)
▽二塁打:山本2(山)、中垣、山本楓(岩)
追いつかれても崩れない 北海道で積み重ねた経験が土壇場で生きた
勝敗を分けたのは、技術だけではなかった。
4-2とリードして迎えた四回表、山城ファイターズ打線の反撃を受け、一挙4失点。試合をひっくり返され、4-6と苦しい展開に追い込まれた。
それでも岩見沢学童は下を向かなかった。
その裏、一死から9番・伊藤聖真(6年)が四球で出塁すると、1番・山本楓(6年)が右翼フェンス際へ運ぶ二塁打で好機を拡大。相手のミスで1点を返し、さらに2番・中垣の犠牲フライで同点。試合を振り出しへ戻した。
「4回裏に同点へ追いつけたことが本当に大きかったです」
森拓実監督が最初に挙げた勝因も、この攻撃だった。
先頭打者には代打・中島颯汰(6年)を起用。結果は送りバントではなく、冷静にボールを見極めて役割を果たし、相手投手交代を引き出した。
「しっかりボールを選びながら打ってくれました。それが投手交代につながり、同点に追いつくことができました。冷静に役割を果たせるようになったと感じました」
逆境でも焦らず、一人ひとりが自分の役割を遂行する――。その積み重ねが、試合の流れを引き戻した。

「普通に守るだけ」 指揮官の言葉通り、無失点で切り抜ける
6-6で迎えた六回は無死一、二塁から始まるタイブレーク。
誰もが緊張する場面だったが、森監督は選手たちへ意外な言葉を掛けた。
「ノーアウト一、二塁は普段の試合でもよくある場面。普通に守るだけ」
相手上位打線に対しても、バントを警戒するのではなく「真っ向勝負」を選択した。
マウンドにはエース・笹野燈里(6年)。
落ち着いた投球でレフトフライ、ファーストフライに打ち取り、最後まで冷静さを失わず無失点。最大のピンチを切り抜けた。
森監督は、その精神力の背景に北海道で経験してきた数々の接戦があると語る。
「北海道で接戦を数多く経験できていることが勝因だと思います。タイブレークになっても落ち着いてプレーできる精神力が身についてきています。北海道で切磋琢磨しているチームの皆さんに感謝しています」
さらに、FBCで幌別ベアーズとの激戦を経験したことが、笹野の落ち着いた投球につながったという。

「抽選だけはやめよう」 ベンチ全員の思いが劇的サヨナラを呼んだ
勝負の裏。
森監督はナインへ、ひとつの約束を投げ掛けた。
「タイブレークは1回しかない大会だから、抽選だけは絶対やめよう。絶対サヨナラで決めよう」
その思いを選手たちが形にした。
代打・中島の送りバントで一死二、三塁。伊藤のスクイズは本塁憤死となり二死一、三塁となるが、山本楓が四球を選び満塁。
そして打席には、この日2番を任された中垣。
初回から攻守で存在感を見せていた主力が、最後はセンター前へ鋭く打ち返した。
三走がホームを踏んだ瞬間、ベンチから歓喜の輪が広がった。
「普段DHで投手をしていて、あまり打席に立たない山本鈴が送りバントを決めてくれたことも大きかった。本当によく頑張りました」
ヒーローだけではない。
送りバント、四球、犠牲フライ、継投――全員の役割がつながって生まれたサヨナラ勝ちだった。
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目の前の一戦へ 全国2冠を見据えず、一歩ずつ
全国2冠まで、あと3勝。
しかし、森監督の視線は未来ではなく、常に次の一戦だけを見据えている。
「目の前の試合を一つずつ戦うのが阿波おどりカップの戦い方です。正直、あと何試合と考えて戦うことはできません。明日も粘り強く戦い、結果がついてきてくれたらと思います」
劇的なサヨナラ勝利にも浮かれることはない。
北海道で積み重ねた接戦の経験、仲間を信じる心、そして役割を果たす強さ。
その”北海道の底力”を武器に、岩見沢学童野球クラブの挑戦は、まだ終わらない。
協力:岩見沢学童野球クラブ
