ようていは前日の大敗から立て直し3位 札幌は攻守の手応えと勝負どころの課題を胸に冬へ
中学硬式野球・ボーイズリーグ北海道支部が主催する「第14回日本少年野球秋季北海道選手権大会(全国大会2次予選)」は10月12日、札幌市東区のモエレ沼公園野球場で3位決定戦が行われ、ようていボーイズが札幌ボーイズを5-2で下し、3位で大会を終えた。準決勝で敗れた両チームにとって、新チームとして臨んだ秋の公式戦を締めくくる一戦。前日の大敗から気持ちを切り替え、勝利をつかんだようてい。一方、札幌は試合の流れを引き寄せきれず、悔しさを残した。試合後、両チームの監督と主将に秋の戦いを振り返ってもらい、成長の手応えと来季へ向けた課題を聞いた。
イニングスコア
札幌ボーイズ
0010010=2
100400x=5
ようていボーイズ
(札)上田、峰尾、佐藤圭-佐藤昌
(よ)芳岡、安崎-浅田
▽二塁打:村井(よ)
前日の大敗を乗り越えたようてい 気持ちの切り替えが生んだ3位
3位決定戦は、ようていボーイズが初回に1点を先制。三回に札幌ボーイズが1点を返して同点としたが、ようていは四回に一挙4点を奪い、勝ち越しに成功した。
札幌も六回に1点を返して追い上げたものの、ようていが5-2で逃げ切った。
前日の準決勝では旭川大雪ボーイズに敗れたようてい。悔しい敗戦から一夜明け、選手たちは気持ちを立て直して最終戦に臨んだ。
秋田谷紀雄監督は、3位という結果以上に、選手たちの精神面での変化を評価した。
「昨日の旭川大雪戦での大敗から、チームとして3位を勝ち取ろうという気持ちに切り替えられたことが良かったと思います」
新チームとして迎えた秋の公式戦。秋田谷監督が成長を感じたのは、選手たちの集中力だった。
「今日に関しては、すごくいい集中力を発揮できたと思います。どちらかというと気持ちの弱い選手が多いので、ミスがあっても気持ちを切り替えられるようにすることが大切です。そのあたりが今日はうまくいったと思います」
一つのミスを引きずれば、次のプレーにも影響する。そうした精神面の弱さを抱えながらも、最終戦では気持ちを切らさず戦い抜いた。
その姿に、指揮官は確かな手応えを感じていた。
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「基本の徹底」――秋田谷監督が見据える冬の強化ポイント
一方、来季へ向けて克服すべき課題も明確だ。
秋田谷監督が繰り返し口にしたのは、守備と投球の基本だった。
「課題は守備の基本の徹底です。ゴロの捕球などを改めて見直して、ノーエラーで試合ができるようにしたい。ピッチャーもストライクを取ることが大前提ですから、ストライクゾーンに投げられるようにすること。野手も後ろにそらさないこと。やっぱり基本が大切だと思います」
秋の戦いで見えた精神面の成長。その一方で、技術面ではまだ積み重ねが必要だという。
冬場は守備の確実性を高め、投手陣の制球力を磨く。派手なプレーよりも、一つひとつの基本を徹底することが、来季の飛躍につながると考えている。
「冬場はそこをみっちり鍛えていきたいと思っています」
3位という結果を一つの自信に変えながら、ようていは次のステージへ歩みを進める。

「うれしいより、やれたぞ」――浅岡勇翔主将が感じた確かな手応え
試合後、浅岡勇翔主将(倶知安グランツ出身/2年)の言葉には、勝利の喜びだけではない達成感がにじんだ。
「うれしいというより、やれたぞという気持ちです」
新チーム発足当初は、思うようにプレーできず、気持ちの面でも苦しむ場面があったという。
しかし、同級生を中心としたチームで経験を積むうちに、意識にも変化が生まれた。
「最初は無理だと思うこともあって、気持ち的にやられてしまうことがありました。でも最後の方は、同級生だからこそ最後までできる、自分を信じてやりたいと思えるようになりました」
浅岡主将がもう一つ成長として挙げたのは、選手それぞれの自主的な取り組みだ。
「一人ひとりが高い目標に向かって自主練習をして、その結果が今につながっていると思います」
誰かに言われて取り組むのではなく、自分の目標に向かって努力する。その積み重ねが、秋の最終戦での勝利につながったと受け止めている。
冬場に向けては、打撃面の強化を課題に掲げた。
攻守の精度を高めるとともに、打撃から試合の流れを引き寄せられるチームを目指す。
前日の敗戦を乗り越えてつかんだ3位。浅岡主将にとっても、来季へ向けた大きな一歩となった。

プロフィール
浅岡 勇翔(あさおか・ゆうと)
ようていボーイズ/2年/主将
右投げ、両打ち
172センチ、60キロ
野球を始めたきっかけ:自ら野球をやりたいと小学2年生から思い始めた。倶知安グランツ出身。
家族は両親と姉、妹の5人。
札幌ボーイズ、悔しさの残る4位 田頭監督が指摘する精神面の波
一方、3位決定戦で敗れた札幌ボーイズ。
新チームとして迎えた秋の公式戦を4位で終えた田頭広明監督は、選手個々の能力を認めながらも、試合への入り方や精神面に課題が残ったと振り返った。
「選手個人の能力は悪くないんです。ただ、試合への入り込み方や気持ちの面が弱いかなと。いい時はいいんですが、ダメな時は沈んでしまう。その波が激しいところがあります」
力を発揮できる場面がある一方、試合の流れが悪くなると立て直せない。
指揮官が感じているのは、技術だけでは埋められない勝負どころでの課題だった。
それでも、秋の新人戦を通じて収穫がなかったわけではない。
「成長したのは守備とピッチャー陣ですね。そこは大きいと思います。ただ、打撃の方はまだムラがある。もったいなかったという思いもあります」
守備と投手陣には一定の手応えを感じている。だからこそ、攻撃面で力を発揮しきれなかったことが悔やまれる。

チーム練習から個々の能力向上へ 札幌が目指す冬の変化
田頭監督は、これから迎える冬場の強化方針についても語った。
「ピッチャー陣の底上げと、あとは攻撃面ですね。守備はだいぶ良くなってきているので、攻撃面の能力をもっと上げていく方向で考えています」
今後は練習試合を重ねることよりも、選手個々の能力を引き上げることに重点を置く考えだ。
「これからはチームとしての成長というよりも、個々の能力を上げる方にシフトしていこうと思っています」
秋の公式戦で見えた課題を整理し、冬の練習で一人ひとりの力を伸ばす。
守備と投手陣の成長を土台に、攻撃力をどこまで高められるか。
札幌ボーイズは、来春に向けたチームづくりの新たな段階に入る。
「流れを変えられなかった」――佐藤昌吾主将が語る悔しさ
札幌ボーイズの佐藤昌吾主将は、秋の最終戦を終えた率直な思いを口にした。
「正直、失点して流れが悪くなった時に、それを変えられなかったところがダメだったと思います」
3位決定戦では三回に同点としたものの、四回に4点を奪われた。六回にも1点を返したが、逆転には届かなかった。
佐藤主将が秋の戦いを通じて感じた成長は、投手陣の安定だった。
「ピッチャー陣がある程度まとまって、先制して流れをつくって試合に入ることができるようになりました」
その一方で、試合終盤の集中力には課題を感じている。
「初回の入りはいいんですけど、終盤になると集中力がなくなってきて、勝てる試合も落としてしまうことがありました。そこを高めていきたいです」
そして、来季へ向けて最も必要だと考えているのが打撃力の向上だ。
「バッティング、打撃力を高めたいです。ピッチャー陣はだいたい2、3点に抑えてくれているので、それを上回る得点ができれば、ある程度勝てるチームになると思います」
投手陣の踏ん張りに、打線が応える。
主将が思い描く来季のチーム像は明確だ。
秋の最後に味わった悔しさを忘れず、冬場の練習で個々の力を磨いていく。

プロフィール
佐藤 昌吾(さとう・しょうご)
札幌ボーイズ/2年/主将
右投げ、右打ち
168センチ、53.8キロ
野球を始めたきっかけ:家族が野球をよく観戦していた影響で、小学1年生から野球を始める。ポルテ札幌東出身。
家族は両親と兄の4人。
3位と4位、それぞれが見つけた来季への道筋
同じ3位決定戦を戦いながら、両チームが持ち帰ったものは異なる。
ようていボーイズは、前日の大敗から気持ちを切り替え、3位を勝ち取ったことで精神面の成長を示した。一方で、守備の基本や投手の制球力には課題を残した。
札幌ボーイズは、投手陣と守備の成長に手応えを感じながらも、試合の流れを変える力と攻撃面の底上げを課題に挙げた。
秋の公式戦は終わった。
しかし、新チームとしての歩みはまだ始まったばかりだ。
北海道の長い冬をどう過ごすか。その積み重ねが、来春のグラウンドで試される。
協力:公益財団法人 日本少年野球連盟北海道支部
