順位決定戦3連勝で代表権を獲得。転校した仲間との再会を胸に、北海道代表として全国初勝利、そして優勝を目指す。
悔しさを力に変えたチームは強い。
中学硬式野球の大空リトルシニアが、8月8日から札幌市などで開催される「第15回日本リトルシニア東日本選抜野球大会」に北海道代表として出場する。
第54回日本選手権北海道大会では、初戦の2回戦で小樽リトルシニアを下したものの、3回戦で強豪・札幌北リトルシニアに敗戦。しかし、そこから順位決定戦で破竹の3連勝を飾り、最後の代表枠を自らの力でつかみ取った。
初戦は8月9日、岩見沢市営球場で東北連盟・仙台東部リトルシニアと対戦する。
北海道からは大空のほか、恵庭、日高、函館港西の計4チームが東日本選抜大会へ出場。大空リトルシニアは2年ぶり2度目の舞台で、全国初勝利、そして頂点を目指す。
投手力と堅守が生み出す「勝ちのリズム」
今年の大空リトルシニアは、守りから試合をつくるチームだ。
土門琉人(3年・佐呂間ライオンズ出身)、深澤昊(3年・佐呂間ライオンズ出身)、小西明由叶(2年・網走JBCユナイト出身)、武田真治(3年・中標津ホルスタイン野球少年団出身)の投手陣が、それぞれの持ち味を生かした継投で試合を組み立てる。
堅実な守備で相手に流れを渡さず、攻撃へリズムをつなげるのが大空の野球。短いイニングをつなぎながら最少失点で試合を運ぶスタイルを徹底し、ここまで勝ち上がってきた。
一方の攻撃では、4番・岡本大輝(3年・遠軽東イースターズ出身)が打線の軸。一振りで試合の流れを変える長打力を持つ大黒柱だ。
出塁率の高い1番、3番がチャンスをつくり、岡本が一気にかえす――。シンプルながら破壊力のある得点パターンが大空打線の武器となっている。
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仲間と磨いた「基本」を全国の舞台へ
東日本選抜大会へ向けた強化では、派手なメニューよりも「基本の反復」を徹底している。
7月5日には、とかち帯広リトルシニアとの合同練習・練習試合を実施。互いを意識しながら長年切磋琢磨してきた両チームにとって、実戦を通じて刺激を受け合う貴重な時間となった。
監督が重要視しているのは、プレッシャーがかかる場面でも基本プレーを確実に遂行できること。
「大事な場面で細かい野球がしっかりできるかどうか。」
全国では、一つのミスが勝敗を左右する。その差を埋めるため、基本動作の精度を高め続けている。


積極性を取り戻し、さらに強いチームへ
現在の課題は打席での積極性だという。
結果を求める気持ちが強いあまり、慎重になりすぎる場面が見られる。
「結果を恐れず、初球から思い切ってバットを振れる気持ちを育てたい。」
監督は選手たちの技術だけではなく、勝負に向かう心の成長にも期待を寄せる。
さらに日本選手権北海道大会では、チームを支える2枚看板の左腕・土門、深澤の両投手がコンディション不良により登板を回避。それでも代表権を勝ち取ったことはチームにとって大きな財産となった。
現在は両投手とも状態が上向いており、本大会までに投手陣全体の力をさらに引き上げる考えだ。

転校した仲間から届いた一本のメッセージ
大空リトルシニアには、東日本選抜大会へ向かう特別な理由がある。
3年生(10期生)の同級生が2年生の春、新潟県へ転校。現在は信越連盟・新発田リトルシニアでレギュラーとしてプレーし、東日本選抜大会出場を決めた。
その知らせが届いたのは、大空が日本選手権北海道大会で敗れ、順位決定戦へ回るタイミングだった。
転校した仲間から届いたメッセージには、こんな言葉が添えられていた。
「また冨田監督、元良コーチ、前川コーチ、そしてチームのみんなと再会できるように敗者復活戦頑張ってください!」
さらに、
「新発田のみんなも大空と会いたいなーと言っていて、みんなで応援しています!」
というエールも届いた。
このメッセージはチーム全員の心を動かした。
目の前の敗戦ではなく、その先にある全国での再会という新たな目標へ――。
選手たちは気持ちを切り替え、順位決定戦3連勝で最後の代表権を勝ち取った。

「9位から優勝をつかむ」
監督は力強く語る。
「東日本選抜大会は2年ぶり2回目の出場ですが、まだ全国では勝ったことがありません。まずは初戦を突破し、大空リトルシニアの成長を見せたい。」
そして最後に、チームの目標を一言で表した。
「大空シニアは、ひたむきな姿で応援してくださる方、見てくださる方の胸を熱くする野球、生き方を伝えていきます。9位から優勝をつかみます。」
敗戦から立ち上がり、最後の切符を自らの力で勝ち取った大空リトルシニア。
その歩みは、すでに一つのドラマになっている。

主将・岡本大輝が誓う「集大成」
主将の岡本大輝は、日本選手権予選敗退直後のチームをこう振り返る。
「負けた時はみんな落ち込んでいました。でも順位決定戦から東日本大会の切符をつかむことができました。今は転校した仲間との再会、そして優勝を目指してチームの士気も上がっています。」
今年のチームについては、「投手陣と打線のバランスが良いこと」が最大の強みだと語る。
日本選手権でも先制点を奪い、投手陣が最少失点で守り切る、大空らしい野球で勝ち上がってきた。
主将として大切にしているのは、どんな状況でも仲間への声掛けを絶やさないこと。
「負けている時でも声だけは切らさないように意識しています。」
そして迎える3年間の集大成。
「チームとして優勝を目指します。そして個人としても、大空で学んだすべてを出し切り、チームに貢献したいです。」
敗戦を乗り越え、仲間との再会を胸に刻みながら――。
大空リトルシニアが、北海道代表として全国の舞台へ挑む。
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ベンチ入りメンバー
指導者
▼監督
㉚冨田 大介
▼コーチ
㊵元良 裕
㊿前川 静次
引率責任者:冨田 大介
選手
①土門 琉人(どもん りゅうと)
3年・佐呂間ライオンズ出身
左投げ、左打ち
175センチ、70キロ
②武田 真治(たけだ まさはる)
3年・中標津ホルスタイン野球少年団出身
右投げ、右打ち
175センチ、65キロ
③伊成 輝将(いなり あきまさ)
3年・網走ブルージュニアーズ出身
右投げ、右打ち
170センチ、65キロ
④佐々木 佑太郎(ささき ゆうたろう)
3年・網走ポプラクラブ出身
右投げ、右打ち
167センチ、65キロ
⑤山中 巽(やまなか たつみ)
3年・網走ブルージュニアーズ出身
右投げ、右打ち
167センチ、61キロ
⑥榎本 蒼太(えのもと そうた)
3年・摩周ジャガーズ出身
右投げ、右打ち
175センチ、65キロ
★主将
⑦岡本 大輝(おかもと だいき)
3年・遠軽東イースターズ出身
右投げ、右打ち
175センチ、75キロ
⑧深澤 昊(ふかざわ こう)
3年・佐呂間ライオンズ出身
左投げ、左打ち
170センチ、70キロ
⑨太田 珀雅(おおた はくが)
3年・北見美山イーグルス出身
右投げ、右打ち
180センチ、80キロ
⑩鹿野 玄夢(しかの くろむ)
3年・美幌旭ベースボールクラブ出身
右投げ、右打ち
175センチ、80キロ
⑪中村 魁李(なかむら かいり)
3年・釧路ゴールデンモンキーズBBC出身
右投げ、右打ち
170センチ、65キロ
⑫斎藤 悠聖(さいとう ゆうせい)
3年・紋別オホーツクイーグルス出身
右投げ、右打ち
175センチ、75キロ
⑬加藤 颯一郎(かとう そういちろう)
3年・知床斜里野球少年団出身
右投げ、右打ち
180センチ、80キロ
⑭馬場 滉心(ばば こうしん)
3年・北見ビクトリー出身
右投げ、右打ち
165センチ、65キロ
⑮佐藤 蒼介(さとう そうすけ)
3年・北見ビクトリー出身
右投げ、右打ち
175センチ、75キロ
⑯西村 侑真(にしむら ゆうま)
3年・中標津ホルスタイン野球少年団出身
左投げ、左打ち
156センチ、53キロ
⑰安齋 智哉(あんざい ともや)
3年・網走ポプラクラブ出身
右投げ、右打ち
170センチ、65キロ
⑱齊藤 楓優(さいとう ふうま)
2年・美幌旭ベースボールクラブ出身
右投げ、左打ち
170センチ、70キロ
⑲小西 明由叶(こにし あゆと)
2年・網走JBCユナイト出身
左投げ、左打ち
170センチ、60キロ
⑳工藤 駈(くどう かける)
2年・美幌旭ベースボールクラブ出身
右投げ、左打ち
170センチ、68キロ
㉑寺崎 颯人(てらさき はやと)
2年・北見ひまわり球友出身
右投げ、右打ち
165センチ、60キロ
㉒大内 天翔(おおうち たかと)
2年・網走ポプラクラブ出身
右投げ、右打ち
165センチ、60キロ
㉓斉藤 瑛太(さいとう えいた)
2年・遠軽東イースターズ出身
左投げ、左打ち
175センチ、75キロ
㉔澤田 京侍(さわだ きょうじ)
2年・北見中央リトルベアーズ出身
右投げ、右打ち
165センチ、60キロ
㉕三浦 大輝(みうら だいき)
2年・美幌旭ベースボールクラブ出身
右投げ、右打ち
165センチ、50キロ

東日本選抜大会までの軌跡
第54回日本選手権北海道大会
6月13日に行われた3回戦に敗れた大空は順位決定戦へ回り、怒涛の3連勝に東日本選抜大会への代表権を掴む!
9位決定戦(代表決定戦)
◆決定戦(6月21日)
〇 4-2 空知滝川
◆準決勝(6月20日)
〇 10-0 北空知深川
◆1回戦(6月14日)
〇 6-3 余市
◆3回戦(6月13日)
● 3-11 札幌北
◆2回戦(6月7日)
〇 5-1 小樽


東日本選抜大会トーナメント表
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協力:大空リトルシニア
