知内ベンチ入り＜2025春全道＞

伝統と覚悟で挑む道南の公立強豪、再び脚光の舞台へ

北海道知内町にある知内高校野球部は、道南地区の公立校として長年地元に根ざしながらも、全国舞台に名を刻んできた実力校だ。1993年春のセンバツ甲子園では、公立校として堂々の出場を果たし、その名を全国に知らしめた。以降も安定した戦績を築き、道南地区では一目置かれる存在である。

2025年春、知内高校は3年ぶり8度目となる春季全道大会出場を決めた。函館支部大会を勝ち上がり、迎えた全道初戦では強豪・北照高校との対戦に臨み、延長11回タイブレークの末、3対2で劇的なサヨナラ勝利。粘り強い守備と勝負強い打線、そして何よりエース田沢慶明投手（3年）の151球完投が光った。勝利を決めたのは、5番・中島琥雅（3年）の右犠飛。知内らしい泥臭くも熱い戦いで、道内野球ファンを魅了した。

チームの特徴は“粘りと結束”だ。試合終盤で真価を発揮するスタイルは、決して派手ではないが、勝負所で強さを見せる。田沢投手は右肘の剥離骨折を抱えながらもマウンドに立ち続け、苦しみを乗り越える姿がチーム全体の士気を高めている。

2024年夏に就任した高草木穣監督（57歳）は、選手の個性を活かしながら、地に足のついた指導で再建を進めてきた。昨秋の悔しさをバネに、冬場のトレーニングに重点を置いたことで、今春の躍進につながっている。

部員たちは、道南の小さな町で甲子園という夢を抱き、日々厳しい練習に打ち込む。そこに派手な注目はないかもしれない。しかし、野球への真摯な姿勢と、地元への誇りが知内ナインを支えている。

知内高校野球部――その歩みは、地方公立校の限界を打ち破ろうとする挑戦の連続だ。2025年春、彼らは再び“全国への道”を歩み始めている。

知内ベンチ入りメンバー

＜背番号、氏名、学年、中学野球、学童野球、投打、身長・体重＞

★主将
板垣　宏征

①田澤　慶明　3年
北斗ポニーBBC－福島吉岡出身
右投げ、右打ち
171センチ、72キロ

②板垣　宏征　3年
伊達光陵中学校－長和ジュニアスワローズ出身
右投げ、右打ち
170センチ、65キロ

③松浦　悠月　3年
北広島リトルシニア―札幌白石リトルリーグ（硬式）出身
右投げ、左打ち
177センチ、71キロ

④中島　琥雅　3年
渡島・函館BBC－函館レンジャーズ出身
右投げ、右打ち
178センチ、65キロ

⑤鈴木　勇翔　3年
千歳リトルシニア―千歳ガッツ出身
右投げ、右打ち
165センチ、59キロ

⑥渡邉　逢人　3年
真駒内曙中学校出身
右投げ、右打ち
165センチ、63キロ

⑦槙沢　奏良　3年
共和中学校－共和ＪＢＣ出身
右投げ、右打ち
162センチ、67キロ

⑧鈴木　琉惺　3年
伊達光陵中学校－伊達ブルータイガース出身
右投げ、右打ち
165センチ、60キロ

⑨岡田　雅樹　3年
札幌清田中学校出身
右投げ、右打ち
172センチ、68キロ

⑩平澤　幸輝　3年
函館東リトルシニア―大成ベアーズ出身
右投げ、左打ち
163センチ、58キロ

⑪澁谷　來夢　3年
函館港西リトルシニア―昭和ジャガーズ出身
右投げ、右打ち
183センチ、85キロ

⑫石田　亮太　3年
檜山BBC－江差フェニックス出身
左投げ、左打ち
169センチ、60キロ　

⑬石田　桧　3年
札幌真駒内曙中学校出身
右投げ、左打ち
168センチ、64キロ

⑭八木　翔琉　3年
とかち帯広リトルシニア―占冠クラブ出身
右投げ、左打ち
168センチ、70キロ

⑮田中　汰紀　3年
千歳中学校出身
右投げ、右打ち
175センチ、63キロ

⑯朝倉　琥太郎　2年
厚沢部中学校出身
右投げ、右打ち
176センチ、76キロ

⑰堀井　太陽　3年
渡島・函館BBC－知内元町ジャガーズ出身
右投げ、右打ち
184センチ、70キロ

⑱岡崎　泰祈　3年
室蘭西中学校－室蘭祝津少年野球部出身
右投げ、右打ち
174センチ、73キロ

⑲中村　瞬　3年
岩内第二中学校出身
右投げ、左打ち
178センチ、65キロ

⑳茂庭　颯人　2年
函館東リトルシニア―東山エンジェルス出身
右投げ、右打ち
163センチ、62キロ

㉑大畠　奎斗　2年
洞爺湖リトルシニア―八雲ヤンガーズ出身
右投げ、右打ち
173センチ、74キロ

㉒山川　翔也　3年
檜山BBC－北檜山ラウドネス出身
右投げ、右打ち
168センチ、65キロ

㉓伊藤　蒼輝　3年
余市リトルシニア―寿都野球スポーツ少年団出身
右投げ、右打ち
176センチ、78キロ

㉔丸田　龍　3年
洞爺湖洞爺中学校出身
右投げ、右打ち
174センチ、70キロ

㉕渋谷　拓史　3年
函館ボーイズ―石川ノースフォックス出身
右投げ、右打ち
172センチ、61キロ