ミズノプロオーダーグラブ
【札幌市南区の野球専門店】スポーツショップ古内の社長
古内克弥のコラム No.193
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野球のグラブの「なめし加工」新旧比較と、「良い革」の定義

こんにちは!
いつもコラムをお読みくださいましてありがとうございます!
21世紀枠で別海高校が選抜で甲子園に行くことが決まりましたね!!!
北海高校とともに、北海道の野球の凄さを全国に知らしめてきてほしいですね!
先日新聞でも出ていましたが、別海高校には、札幌市南区簾舞出身の立蔵君が1年生4番ということで注目を浴びています。軟式野球クラブチーム「オックス」さんの卒団者。
実は少年時代は簾舞ヤンキースというチームにいながら、スポーツショップ古内が運営している「スポーツショップ古内バドミントンクラブ」にも所属していた子なんです。
地元の子が甲子園に行ってくれることは本当に嬉しいことですが、今回の場合は、スポーツショップ古内バドミントンクラブ出身の子が出場するということになりましたから、より嬉しく感じております!
是非とも北海道から出場する2チームを応援していきましょう!
さて、今回は、グラブの歴史と進化についてコラムを書いていきます。
の前に、、、
実は私、1月にゼットのグラブ工場に行ってきました。
(写真撮影NGのため、写真はございません)
ゼットの新しい工場長である牟田部(むたべ)さんにお会いしてお話をお聞きしてきました。
さらに話が少しそれますが、
実は牟田部さんは、私がゼットのグラブ工場に勤務していた時の先輩でして、その先輩が工場長になったというのを聞いてとても嬉しく思っています!
牟田部さんはキャッチャーミットを主に作っていたように思います。
昔から、古田選手、伊藤選手、矢野選手などの名捕手が使っていたこともあり、「ゼットと言えばキャッチャーミット!」と言われる時代が長かったためなのか、歴代の工場長はたいていキャッチャーミットを作る職人さんのような気がします。
スポーツショップ古内にもよくお越し下さる佐藤工場長は古田選手や伊藤選手のミットを。
佐藤工場長を継いで工場長をしていた鈴木工場長は矢野選手のミットを作っているところをよく見ていました。
牟田部工場長は小林選手、中村選手などのミットを作っているはずです。
グローブは、その形だけではなく、製法なども日々進化をしております。
前置きがだいぶ長くなりましたが、今回はそんな製法の一つ
「タンニング(なめし)」
について書いていきますね!
タンニングは、日本でも数社しか出来る工場はないと聞いています。
この工程は、グラブ工場に「革」として仕入れられる前の話となります。
グラブ工場にやってくる「革」とは、どのように作られるのでしょうか?
==========
タンニング
なめし とは
==========
グローブ製造の重要な工程である「タンニング」。
タンニングとは、「動物の皮」を革製品に使える「革」に変える加工のことです。この工程はグローブの品質に大きく影響し、昔と今で大きな違いがあります。
【クロムタンニングプロセス】
①前処理(準備段階)
浸漬:革を水に浸して乾燥を解除し、血や塩分を取り除きます。
脱毛:ライムと硫化アルカリなどの薬品を用いて毛を除去します。
分割と削皮:厚みを均一にするために革を機械で削ります。
②ピケル化
革を塩と酸で処理し、クロムタンニングに適したpHに調整します。
③タンニング
クロム溶液の使用:クロム塩を使用して革をなめします。このプロセスで革は耐久性があり、柔軟になります。
中和:過剰な酸を中和し、革のpHを安定化させます。
④脱水と乾燥
圧縮脱水:過剰な水分を機械的に除去します。
乾燥:革をストレッチしながら乾燥させることで、均一な厚みと平滑性を保ちます。
⑤後処理
染色:望まれる色に染めます。
脂肪の注入(ファッティング):革に脂肪や油を加えて柔らかさを増します。
仕上げ:表面処理を施し、光沢や質感を調整します。
【特徴と利点】
時間効率:クロムタンニングは植物性タンニングに比べてはるかに高速で、数日以内に完成します。
一貫性と品質:クロムタンニングは一貫した結果をもたらし、革の品質を安定させます。
多様性:染色や仕上げにおいて多様な選択肢があり、様々な用途やデザインに合わせてカスタマイズできます。
図解にするとこんな感じです。

※この図の中に書いている文字は一応英語をメインで書いていますが、間違いが多いので、なんとなく「作業工程が色々あるんだなぁ」と感じていただけましたら幸いです(AIで作りましたので、文字が不十分です)
表にまとめますとこのような感じになります

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タンニングプロセス
新旧比較
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【昔のタンニング手法】
植物性タンニング:この伝統的な方法では、樹皮、葉、果実などの植物から抽出されるタンニンを使用します。これらの植物性タンニンは、革をしなやかで耐久性があるものに変えます。しかし、このプロセスは時間がかかり、数週間から数ヶ月を要することもあります。
手作業重視:昔のタンニングは、機械化されておらず、ほとんどが手作業で行われていました。これにより、各革の特性に合わせた細かな調整が可能でしたが、効率は現代の方法に比べて低かったです。
自然乾燥:昔は革を自然の空気で乾燥させることが一般的でした。これには時間がかかりますが、革の質感に独特の特性をもたらします。
【現在のタンニング手法】
化学薬品の使用:現代のタンニングでは、クロムなどの化学薬品を使って革をなめすことが一般的です。これにより、タンニングプロセスが大幅に速くなり、大量生産が可能になりました。
機械化された工程:現代の工場では、カット、染色、乾燥などの工程が機械化されています。これにより、一貫性と効率が向上し、コスト削減にも寄与しています。
速乾性と染色技術:現代のタンニングでは、機械による速乾技術や、さまざまな色や質感を出すための進んだ染色技術が用いられています。
時間と品質:昔の方法は時間がかかるものの、個々の革の特性を活かした独特の品質を生み出すことができます。一方、現代の方法は効率的で一貫した品質を提供しますが、伝統的な技術による独特の特性は失われることがあります。
環境への影響:植物性タンニンを使った昔の方法は環境に優しい傾向がありますが、現代の化学薬品を使用する方法は環境への影響が大きいことが懸念されます。
カスタマイズ性:昔の手作業による方法は、よりカスタマイズされた製品を作るのに適していますが、現代の機械化されたプロセスは大量生産に向いています。

こんな感じですね。
グラブは革の良し悪しで購入を決める、という人もたくさんいらっしゃいます。
デザインも重要ですが、やはり手に合う形かどうか、も重要ですし、
こだわりの強い人は「革の品質」にもこだわります。
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「良い革」の定義
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良い革というのは人それぞれで定義が違います。
私が今まで接客してきた人たちを見て、
「これは良い革だ!」と表現するお客様たちを区分けしてみたところ
①「手に吸い付く!(手触りがいい)」=「良い革」と表現する人は「革の毛穴のキメ細かさに重点を置く人」
②「光沢がある!!」=「良い革」と表現する人は、「なめし加工に重点を置く人(もしくは⑥のように油分を重視)」
③「使っていくほどに馴染んでくれそう」=「良い革」と表現する人は「後加工が少ない革本来の質感(素材そのもの)を重視する人」
④「耐久性がある!ハリがある!」=「良い革」と表現する人は「革の厚みを重視する人(もしくは職人の縫製技術を重視する人)」
⑤「グリップ力がある!」=「良い革」と表現する人は「革の繊維質に重点を置く人」
⑥「しっとりしている」=「良い革」と表現する人は「革自体が持つ油分の量を気にする人(もしくは①のように毛穴のキメ細かさ)」
こんな感じかなぁと思っています。
もしくはこれらの複合したものを総称して「良い革」と言っていると思います。
もしくは、全て(笑)
ただ、最優先はどれかなぁ?と考えてみると、あなた自身のグラブに対する価値観が見えてきて、グラブ選びがより楽しくなると思います。
あなたが「良い革だ!」と表現するとしたら、その「良い」の定義の最優先はどんなところにあるでしょうか?
もしよろしければ教えていただけませんか?
ちなみに、私が「良い革」と表現するのは、上記の全てを備えた革が最も良い革と感じるのはもちろんですが、
トップ3までの優先順位を考えるとするならばこんな感じです
(例とともにご紹介します)
①繊維質がある
例:ローリングスのHOH PREMIUM や ゼットのプロステイタスプレミアム、ミズノプロ、ドナイヤなど
ローリングスHOHプレミアム
ローリングスHOHプレミアム
ゼットプロステイタスプレミアム
ゼットプロステイタスプレミアム
ミズノプロオーダーグラブ
ミズノプロオーダーグラブ
ドナイヤ山田哲人モデル
ドナイヤ山田哲人モデル
②革の毛穴がキメ細かい
すべすべして手触りがやわらかいもの
例:アイピーセレクトのキップレザーコレクションやRYU、ゼットのプロステイタススペシャルエディション(SE)など
アイピーセレクトキップレザー
アイピーセレクトキップレザー
RYU
RYU
プロステイタスSE
プロステイタスSE
③油分
指で押すだけでジュワッとくるもの
例:和牛JBやてっぺんのプレミアムライン、グラブハウス(特にチェスナッツカラー)
和牛JB
和牛JB
てっぺんプレミアムライン
てっぺんプレミアムライン
グラブハウス
グラブハウス
といったところでしょうか。
色々と紹介しましたが、今やどのメーカーも作っているのはいわゆる「いいグラブ」ばかりです。
後は各社、微差の追及となります。
私が色んなメーカーのグラブを
「いいねぇ!」なんて紹介している動画もありましたので、最後にそちらをご覧いただけましたら幸いです(笑)

今回も、最後までお読みくださいまして、
ありがとうございましたー!
今回のコラムはいかがでしたか?
かなり長くなってしまいましたが、全部読んでいただけましたでしょうか?(笑)
「良い革」の表現は人それぞれです。
使いやすいグラブというのも人それぞれです。
どんなグラブも、その人によっては使いやすくもあり、使いづらくもある。
全てが完璧なグラブというのは、もしかしたらないのかもしれない。
だけども、あなたが自分自身の価値観をしっかり定義していたなら、その定義と合うグラブに出会った時、感動すると思います。
やはりそれには、実際に手に合わせてみるのが一番ですね!
いつでもお店にお越しください。
たくさんのグラブがあなたを待っていますよ!

――――――――――<コラム著>――――――――――
古内克弥氏
株式会社スポーツショップ古内
代表取締役社長 古内克弥
1982年4月15日生まれ
小学5年生の時に家業であるスポーツショップ古内の販売をお手伝いした時に、接客の楽しさを経験し、将来の夢を「スポーツショップ古内をでっかくする」に設定する。
サッカー、バレーボールをメインに15種目ほどの競技を学び、大学で経営学を学んでゼット株式会社に入社。
ゼット株式会社では、グラブ工場で一年間グラブ製作に携わり、グラブの知識を覚える。
三年間の修行を経てスポーツショップ古内に入社する。
2017年、代表取締役社長に就任。
札幌市のスポーツ&カルチャーフェスティバル「スポカル」の副実行委員長もつとめ、スポーツ普及に携わる。
学校や企業への講演依頼も年に10回ほど受け、経営、マーケティング、地域活性化などのテーマで話をしている。
<バックナンバー>
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No.16〜17はセールの予告でした。
No.25.「塁間が0.1秒速くなるシューズのサイズの選び方」
No.38.「守備率10割のグラブ その名も「ウィルソン」その2」
No.39「守備率10割のグラブ その名も「ウィルソン」その3」
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