準決勝完封の勢いそのままに王者へ挑むも、あと一歩届かず準優勝
沖縄県で開催した「第34回かりゆし交流・第21回沖縄市長旗争奪学童軟式野球大会」。
北海道チャンピオンシップ選抜は12月29日、準決勝で青森県代表・FKクラブを4−0の完封で退け、堂々の決勝進出を果たした。五回に一挙4点を奪った攻撃力と、森光悠月・三谷琉生による完璧な投手リレーが光った。
続く決勝では、2連覇中の王者・千葉ドリームスに0−3から追撃し、三回裏に2点差まで迫る執念の戦いを見せたものの、あと一本が届かず2−3で惜敗。
それでも、全国屈指の強豪相手に堂々と立ち向かい、準優勝という大きな成果を掴んだ北海道チャンピオンシップ選抜。沖縄の地で証明した成長と強さは、次のステージへ進む選手たちの自信となるに違いない。
準決勝・FKクラブ（青森県）
決勝へ駆け上がった“4点の五回”――粘り抜いた北海道選抜が完封勝利
4強入りを果たした北海道選抜が、準決勝で青森県三沢市の強豪・FKクラブと激突した。ここまで積み重ねてきた粘り強い野球を、この大一番でも発揮した。
試合は序盤からチャンスこそつくるものの、あと一本が出ず、もどかしい展開が続く。二回は三塁、三回は二塁、四回も三塁と、毎回のように得点圏に走者を進めたものの、相手の堅守に阻まれ無得点。それでもベンチの空気は沈むことなく、選手たちの集中は切れていなかった。
流れをつかんだのは五回だった。敵失と犠打で二死二塁とし、再び好機を演出。ここで2番・古賀奏音（栗山ロッキーズ／6年）がしぶとく内野安打で食らいつき、満塁の絶好機をつくる。続く打者は死球を受け、さらにチャンスが拡大。押し込んだ場面で打席には4番、勝負強さが光る砂原瑛太（羽幌フェニックス／6年）。フルスイングで捉えた打球は左中間を深々と破り、待望の2点タイムリー。ベンチもスタンドも一気に沸き起こった。
勢いに乗った打線は止まらない。5番の耳浦輝純（士別九十九野球少年団／6年）がレフト前へ鋭い打球を放ち、さらに貴重な追加点。攻めの姿勢を貫いた北海道選抜が、この回一挙4点を奪い、試合の主導権を完全につかんだ。
投手陣も申し分なかった。先発の森光悠月（羽幌フェニックス／6年）は相手打線に一度も主導権を渡さず、五回までをわずか2安打・無四球・無失点に抑える安定感抜群の投球。テンポの良い投球で守備のリズムも生み出した。
六回からは三谷琉生（中富良野ホワイトドラゴンズ／6年）がマウンドへ。二死から安打を許す場面こそあったものの、最後は落ち着いて後続を断ち切り、完封リレーを完成させた。
チャンスを逃し続けた序盤の重い空気を、自ら振り払い、五回のビッグイニングで勝利を引き寄せた北海道選抜。攻守がかみ合った4−0の快勝でFKクラブを退け、堂々の決勝進出を果たした。
◆準決勝（29日、コザしんきんスタジア厶）
北海道チャンピオンシップ選抜（北海道）4-0FKクラブ（青森県）
北海道選抜
００００４０＝４
００００００＝０
FKクラブ
（北）森光、三谷ー砂原
（Ｆ）梅木、類家、吉田ー吉田、類家
決勝・千葉ドリームス（千葉県）
王者に真っ向勝負――意地の追撃も一歩及ばず準優勝
決勝の相手は、今大会2連覇中の絶対王者・千葉ドリームス。北海道選抜は初回、さらに三回にも失点を重ね、0−3と厳しい展開で三回裏の攻撃を迎えた。
ここで流れを変えたのは、下位からつながる攻撃だった。先頭の9番・古賀奏音（栗山ロッキーズ／6年）が四球で出塁し、グラウンドに活気が戻る。続く1番・黒川大護（羽幌フェニックス／6年）も粘って四球を選び、無死一、二塁。王者を相手に一歩も引かない姿勢が光った。
この好機に、2番・森下喜市（根室野球少年団／6年）が狙いすました犠打をきっちり決め、一死二、三塁。反撃の舞台を整えると、打席には3番・耳浦輝純（士別九十九野球少年団／6年）。迷いのないスイングで捉えた打球はライトオーバーへ弾む2点タイムリー二塁打。スタンドもベンチも総立ちとなり、2−3と一気に1点差へと迫った。
勢いそのままに五回には、一死から再び一、二塁と同点のチャンス。しかしここは千葉ドリームスの守備に阻まれ、あと一本が出ず無得点。試合は最終回の六回へ。
六回は6番打者からの攻撃だったが、相手投手の気迫のこもった投球に三者凡退。追い上げ及ばず、北海道選抜は2−3で涙の準優勝となった。
投手陣は、先発の三谷琉生（中富良野ホワイトドラゴンズ／6年）が初回から堂々とマウンドに立ち、続く岡田凛士（知床斜里野球少年団／6年）、そして三回裏の反撃に火をつけた9番でもある古賀奏音（栗山ロッキーズ／6年）へと継投。3人が最後まで強豪に食らいつき、守りの粘りを見せ続けた。
試合後、浦野和由監督は選手たちの健闘を称えた。
「決勝まで残り、最後の最後まで戦い抜いたことは良しとします。
野球の実力はまだまだです。中学野球では背伸びせず、自分が輝ける場所を選択してください」
悔しさも誇らしさも胸に刻む決勝戦。王者相手に堂々と挑み続けた北海道選抜の姿は、次のステージへ進む選手たちに確かな自信を残した。
◆決勝（29日、コザしんきんスタジア厶）
北海道チャンピオンシップ選抜（北海道）2-3千葉ドリームス（千葉県）
千葉ドリームス
１０２０００＝３
００２０００＝２
北海道選抜
（北）三谷、上坂、岡田、古賀ー砂原
（千）山崎、西田、小池、長谷川ー鶴岡
▽二塁打:耳浦（北）
協力：2025北海道チャンピオンシップ選抜