結束でつかんだ頂点から全国へ 札幌北リトルシニアの挑戦

結束でつかんだ頂点から全国へ 札幌北リトルシニアの挑戦

“チーム力”で挑む全国 札幌北リトルシニア、結束の強さが生んだ現在地

限られた実戦機会の中で迎える全国

3月15日の日高遠征を経て、チームは一気に全国大会へと向かう。23日に現地入りし、24日にオープン戦、25日に開会式。初戦はシードのため27日となる。

「時間は本当に限られています」

北海道特有の環境もあり、十分な実戦機会は多くない。それでもモエレ球場のブルペンや限られたグラウンドを活用し、調整を続けてきた。

シードゆえの難しさもある。

「相手は試合を経験してきている中で、こちらは初戦。そこは怖さがあります」

それでも指揮官は「自分たちの野球をやるだけ」と言い切る。

ンニングする札幌北ナイン
ンニングする札幌北ナイン

投手3本柱と経験値 和歌山遠征の収穫

チームの軸となるのは、笠井心雅(緑苑台ファイターズジュニア出身/新3年)・宮崎煌大(星置レッドソックス出身/新3年)・荒岡光政(新3年)の投手3本柱。タイプの異なる3人が、試合を作る。

「3人は順調に仕上がっています」

1月の和歌山遠征では、強豪との対戦を経験。奈良西リトルシニアや五條リトルシニアなど関西の強豪と対戦し、2勝4敗という結果以上に大きな収穫を得た。

「レベルの高さを実感しましたが、いい経験になりました」

寒さや強風といった過酷な環境も含め、全国を想定した貴重な実戦となった。

写真左から荒岡投手、笠井投手、宮崎投手(札幌北リトルシニア)
写真左から荒岡投手、笠井投手、宮崎投手(札幌北リトルシニア)

応援から始まった世代 “誰かのために”戦う強さ

このチームの最大の特徴は、突出したスターがいないことだ。しかし、それを補って余りあるのが“チーム力”である。

現新3年生は、かつてスタンドで必死に応援していた世代だった。

「自分たちで応援練習をしたいと申し出て、室内で全員で練習していました」

上級生のために全力で声を出し、支え続けた経験。その積み重ねが、今の結束につながっている。

「誰かのために頑張れるチームなんです」

その姿勢が、全道優勝という結果を引き寄せた。

指導者の話に耳を傾ける札幌北ナイン
指導者の話に耳を傾ける札幌北ナイン

全国の舞台へ 求めるのは“北海道代表としての姿”

全国大会に向けて、指揮官の言葉はシンプルだ。

「相手がどうこうではなく、自分たちのやるべきことをやるだけ」

目標は高く掲げつつも、足元は見失わない。

「北海道代表としてふさわしい試合をしたい」

限られた準備期間、シードの難しさ、不確定要素――それでも、このチームには揺るがない軸がある。

それは、個の力ではなく“束になった強さ”。

札幌北リトルシニアの挑戦が、いよいよ全国の舞台で始まる。

札幌北リトルシニア
札幌北リトルシニア

攻守でチームを束ねる主将・近藤健翔の挑戦

全道王者としての現在地と課題「声」と「つながり」

「素直に嬉しい気持ちもありますが、1位というプレッシャーもあります」

全道優勝という結果を手にしながらも、近藤は浮かれることなく現実を見据える。全国で勝ち進むために、日々の練習の質を高める必要があると語る。

「その中で全国で勝ち進むために、練習はしっかりやっています」

そんな中で見えているチームの課題は、“声”と“コミュニケーション”だ。

「練習の時から声が出ていないと監督にも言われています。試合でも会話がある時とない時の差が大きい」

技術だけではなく、チームとしての一体感。主将として、その土台を築く責任を感じている。

1番から9番までつながる打線が最大の武器

課題がある一方で、チームの強みは明確だ。

「バッティングです。1番から9番まで打てるチームだと思っています」

1番・部田香輔(緑苑台ファイターズジュニア出身/新3年)、2番・水沼泰聖(北発寒ファイヤーズ出身/新3年)、3番・笠井心雅(緑苑台ファイターズジュニア出身/新3年)、4番・藤田桃成(緑苑台ファイターズジュニア出身/新3年)、5番・松野栞侑(北発寒ファイヤーズ出身/新3年)と続く打線は、どこからでも得点を狙える構成。6番・荒岡光政(東グレートキングス出身/新3年)、7番・大門賢佑(岩見沢学童野球クラブ出身/新3年)、8番は投手陣、9番・高橋瞭太(緑苑台ファイターズジュニア出身/新3年)へとつながる攻撃は切れ目がない。

「ヒットで点を取るだけじゃなく、細かいプレーでも得点できるのが自分たちの持ち味です」

印象に残る試合として挙げた札幌新琴似戦も、その強みが発揮された一戦だった。

「シーソーゲームでしたが、最後は大門が決めてくれました。ベンチで見ていて本当に嬉しかったです」

仲間の一打を自分のことのように喜ぶ姿が、チームの結束を物語る。

主将として、そして一人の選手としての成長へ

近藤は自らの強みについて、こう語る。

「野球以外でいうと、リーダーシップです。みんなをまとめる力はあると思います」

主将としての自覚と責任。その一方で、プレーヤーとしては冷静に自己分析を行う。

「突出しているものはないですが、強いて言うなら肩の強さです」

捕手としての武器を持ちながらも、さらなる成長を目指している。

「バッティングはスイングの強さが持ち味ですが、ミート力が課題なので改善していきたいです」

父の影響で野球を始め、今も技術面でのアドバイスを受けながらフォームや打撃の質向上に取り組んでいる。

「ボールの捉え方や、こねずに前に運ぶ意識を大切にしています」

そして迎える全国の舞台。

「ワクワクと緊張、両方あります」

昨年のベスト16を超えるために――

「先輩たちのように、いい入りをして勝ち進みたいです」

主将・近藤健翔。チームを束ねるその背中が、全国の舞台でどんな景色を見せてくれるのか、注目が集まる。

近藤主将(札幌北リトルシニア)
近藤主将(札幌北リトルシニア)

近藤 健翔(こんどう けんと)
札幌北リトルシニア/新3年
右投げ右打ち/173センチ、80キロ
ポジション:捕手
野球歴:小学2年生終わり頃、父の影響で野球を始め、札幌市手稲区の前田リトルに所属した。6年時には日本ハムジュニアに選出されるほどの逸材。現在は主将として札幌北リトルシニアを牽引する

俊足で流れを変えるリードオフマン・部田香輔

全国へ向けて一つになるチームと副主将の責任

「全国大会に向けて、チーム全員が一つになって同じ目標に向かって進んでいます」

全道優勝を経て、チームは次なる舞台・全国へ向けて準備を進めている。部田自身も副主将としての自覚を強めている。

「自分は副キャプテンとして、キャプテンを支えながら、みんなの手本になれるように頑張っています」

チームの中心として、プレーだけでなく姿勢でも引っ張る存在だ。

全国レベルを体感して見えた手応えと課題

和歌山大会では予選敗退という悔しさを味わったが、そこで得たものも大きかった。

「全国の選手たちは体の大きさやパワーが全然違うと感じました」

フィジカル面での差を実感する一方で、手応えもあったという。

「声や元気、細かいプレーの部分では、全国でも十分通用すると感じました」

課題として挙げたのは体力とパワー。

「やっぱり体力やパワーがまだ足りないと感じています」

だからこそ、足を使った攻撃や細かいプレーで勝負していくことがチームのスタイルになる。

武器は俊足 流れを引き寄せる存在へ

部田の最大の持ち味は、そのスピードだ。

「自分の持ち味は足の速さです」

その強みが発揮されたのが和歌山大会。チームとして課題に掲げていた“隙のない走塁”を体現した。

「次の塁、その次の塁を常に狙う走塁ができて、1試合で3得点することができました」

俊足を生かし、得点に直結する働きを見せたことで、大きな手応えをつかんだ。

全国大会へ向けては――

「キャプテンと自分が中心となって、上の学年を超えられるように、ベスト8を目指して頑張ります」

リードオフマンとして、そして副主将として。部田香輔の走りが、チームを次のステージへと導く。

部田選手(札幌北リトルシニア)
部田選手(札幌北リトルシニア)

部田 香輔(とりた こうすけ)
札幌北リトルシニア/新3年
右投げ右打ち/166センチ、60キロ
ポジション:外野手(ライト)
小学2年生から野球を始める
父の影響で野球に憧れ緑苑台ファイターズジュニアで競技をスタート。俊足を武器にチームの攻撃をけん引する副主将

堅実な守備で支える内野の要・水沼泰聖

内野手として磨く“足さばき”と守備範囲

「内野手の中でも目立てるように、足さばきの速さを意識しています」

セカンドを守る水沼が最も大切にしているのは、足の動きだ。

「少しでも守備範囲を広くできるように考えています」

打球への一歩目、ポジショニング、カバーリング――。頭を使う場面も多い内野守備の中で、常に状況判断を意識している。

「守備は頭を使う場面が多いので、そこも面白いところです」

持ち味は“速さ” その一方で見据える課題

自身の強みについては明確だ。

「足さばきの速さと、捕ってからの握り替えの速さです」

この“速さ”が守備の安定感につながっている。一方で課題も冷静に見つめている。

「送球はまだ正確じゃないところもあるので、そこは課題です」

また、打撃面では確かな手応えもある。

「全道大会の決勝で、外野の奥まで飛ばす長打を打てました」

小柄な体格ながらも、しっかりと振り切る打撃で存在感を示した。

全国大会へ 経験を次につなげるために

間もなく迎える全国大会。水沼の目標は明確だ。

「チームの目標であるベスト8に向かって、どんな相手でも競った試合ができるようにしたいです」

この大会を“通過点”として捉えているのも印象的だ。

「全国大会でしっかり経験を積んで、それを次の夏にもつなげていきたいです」

一戦でも多く戦うこと――そのすべてが成長の糧になると信じている。

内野の要として、そしてチームの一員として。水沼泰聖の挑戦が、全国の舞台で試される。

水沼選手(札幌北リトルシニア)
水沼選手(札幌北リトルシニア)

水沼 泰聖(みずぬま たいせい)
札幌北リトルシニア
右投げ左打ち/160cm・57kg
ポジション:二塁手
野球歴:小学1年生冬~
兄の影響で野球を始め、堅実な守備でチームを支える内野の要

直球と変化球で抑え込む右腕・笠井心雅

父の背中を追い、小学2年生から野球の道へ

「父が野球をやっていて、それに憧れて始めました」

笠井が野球を始めたのは小学2年生。現在の北海道科学大高校(旧・北海道工業高校)でプレーしていた父の影響が大きかったという。

幼い頃から身近にあった野球。その環境が、今の投手・笠井心雅の原点となっている。

持ち味は“力強い直球”と“キレのある変化球”

自身の強みについては明確だ。

「力強いストレートと、キレのある変化球で打者を抑えるところです」

球種はストレートに加え、スライダー、カーブ、チェンジアップと多彩。状況に応じて使い分けながら打者と勝負する。

さらに、右投げ右打ちでありながら左打席にも挑戦しており、野球に対する意欲の高さもうかがえる。

3本柱で挑む全国 目標は“ベスト16超え”

全国大会に向けては、明確な役割意識を持っている。

「自分と荒岡、宮崎の3人が中心となって、ピッチャーでしっかり抑えたいです」

投手陣の柱としてチームを支える覚悟。その先に見据えるのは、昨年の成績を上回ることだ。

「一つ上の代がベスト16だったので、それを超える成績を残したいと思います」

投手陣の出来が勝敗を左右する全国の舞台。笠井の腕に、その期待が託される。

笠井 心雅(かさい しんが)
札幌北リトルシニア/新3年
右投げ右打ち(左打席にも挑戦中)/174センチ、64キロ
ポジション:投手
野球歴:小学2年生~
父の影響で緑苑台ファイターズジュニアで野球をスタート。球種は直球と変化球を武器に投手陣の一角を担う。

投打でチームを支える左腕・荒岡光政

父への憧れから始まった野球人生

「父が野球をやっていて、かっこいいなと思って始めました」

荒岡が野球を始めたのは小学3年生の後半。決して早いスタートではなかったが、父の背中を追いながら野球の道に進んだ。

出身は東グレートキングス。そこから経験を積み重ね、現在は札幌北リトルシニアの一員としてプレーしている。

武器はキレのある変化球と多彩な球種

投手としての持ち味についてはこう語る。

「キレのあるカーブとカットボールです」

球種はストレート、カーブ、カットボール、スライダー、スクリューと多彩。状況に応じて投げ分けることで打者を翻弄する。

左投手ならではの角度と変化を生かし、試合の流れを引き寄せる役割を担う。

投手だけでなく外野でも貢献 全国へ向けて

荒岡は投手としてだけでなく、外野手としてもチームを支える。

「外野もやっているので、その両方でチームを引っ張っていけるように頑張りたいです」

登板しない場面でもセンターとして出場し、攻守でチームに貢献する覚悟だ。

全国大会では、笠井、宮崎とともに投手陣の柱として期待がかかる存在。マウンドでもグラウンドでも、その存在感が問われる。

投打両面でチームを支える左腕・荒岡光政。全国の舞台での躍動に注目が集まる。

荒岡 光政(あらおか こうせい)
札幌北リトルシニア/新3年
左投げ左打ち/167センチ、60キロ
ポジション:投手・外野手
野球歴:小学3年生後半から父の影響で東グレートキングスで野球をスタートする。
多彩な変化球とユーティリティ性でチームに貢献する左腕。

多彩な変化球で翻弄する左腕・宮崎煌大

兄の思いを背負い、野球の道へ

「兄が野球をやっていて、その姿に影響を受けました」

宮崎が野球を始めたきっかけは、10歳上の兄の存在だった。兄は中学・高校と野球を続けたが、高校では怪我に苦しんだ。

「兄がプロになれなかった分、自分がその思いを背負ってやろうと思いました」

その強い決意が、今の原動力となっている。

武器は“多彩な変化球”とキレのある直球

投手としての持ち味は明確だ。

「多彩な変化球と、キレのあるストレートで打者を翻弄するところです」

球種はストレートに加え、カーブは3種類、さらにチェンジアップ、パームボール、カットボール、縦スライダーと豊富。

多彩な球種を操り、打者のタイミングを外す投球が持ち味だ。

ベンチでも戦う覚悟 全国へ向けた役割

宮崎は投手陣の一角でありながら、登板しない試合ではベンチから戦う立場にもなる。

「投げない時はベンチなので、その分ブルペンでしっかり準備して、誰よりもいいピッチングができるようにしたいです」

見えないところでの準備と責任。その積み重ねがマウンドでの結果につながる。

全国大会では、笠井、荒岡とともに投手3本柱の一人としてチームを支える存在。与えられた役割を全うし、チームの勝利に貢献する覚悟だ。

宮崎 煌大(みやざき こうだい)
札幌北リトルシニア/新3年
左投げ左打ち/177cm・73kg
ポジション:投手
野球歴:10歳上の兄の影響で星置レッドソックスで野球をスタートする。高校でケガをしてしまった兄の思いを胸にマウンドに立つ左腕。多彩な変化球で打者を翻弄する投球で全国での活躍を誓う。

フォトグラフ

ウォーミングアップの札幌北ナイン
ウォーミングアップの札幌北ナイン
ラダートレーニングする札幌北ナイン
ラダートレーニングする札幌北ナイン
投手トレーニングの様子(札幌北リトルシニア)
投手トレーニングの様子(札幌北リトルシニア)
投手トレーニングの様子(札幌北リトルシニア)
投手トレーニングの様子(札幌北リトルシニア)
捕手練習の様子(札幌北リトルシニア)
捕手練習の様子(札幌北リトルシニア)
捕手トレーニングの様子(札幌北リトルシニア)
捕手トレーニングの様子(札幌北リトルシニア)
ランチタイムの札幌北ナイン
ランチタイムの札幌北ナイン
ランチタイムの札幌北ナイン
ランチタイムの札幌北ナイン
投手(札幌北リトルシニア)
投手(札幌北リトルシニア)
捕手(札幌北リトルシニア)
捕手(札幌北リトルシニア)
内野手(札幌北リトルシニア)
内野手(札幌北リトルシニア)
外野手(札幌北リトルシニア)
外野手(札幌北リトルシニア)
新入団員の新1年生(札幌北リトルシニア)
新入団員の新1年生(札幌北リトルシニア)
札幌北リトルシニア
札幌北リトルシニア

協力:札幌北リトルシニア

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