中学硬式野球の札幌北リトルシニアを2月28日、チーム訪問した。同チームは昨秋の秋季全道大会で14年ぶり6度目の優勝を果たし、3月25日に大阪府で開幕する全国選抜大会へ北海道代表として出場する。松本竜輔監督、近藤健翔主将(前田リトル出身/新3年)を中心に、結束力を武器に頂点へ駆け上がったチーム。その裏にある現在地と課題、そして全国へ懸ける思いに迫った。
“チーム力”で挑む全国 札幌北リトルシニア、結束の強さが生んだ現在地
限られた実戦機会、厳しい環境の中でも歩みを止めない札幌北リトルシニア。全道優勝を果たしたチームは、いよいよ全国の舞台へ挑む。強豪ひしめく中で頼りになるのは、個ではなく“結束力”。応援から始まった世代の物語と、全国へ向けた現在地に迫った。
限られた実戦機会の中で迎える全国
3月15日の日高遠征を経て、チームは一気に全国大会へと向かう。23日に現地入りし、24日にオープン戦、25日に開会式。初戦はシードのため27日となる。
「時間は本当に限られています」
北海道特有の環境もあり、十分な実戦機会は多くない。それでもモエレ球場のブルペンや限られたグラウンドを活用し、調整を続けてきた。
シードゆえの難しさもある。
「相手は試合を経験してきている中で、こちらは初戦。そこは怖さがあります」
それでも指揮官は「自分たちの野球をやるだけ」と言い切る。

投手3本柱と経験値 和歌山遠征の収穫
チームの軸となるのは、笠井心雅(緑苑台ファイターズジュニア出身/新3年)・宮崎煌大(星置レッドソックス出身/新3年)・荒岡光政(新3年)の投手3本柱。タイプの異なる3人が、試合を作る。
「3人は順調に仕上がっています」
1月の和歌山遠征では、強豪との対戦を経験。奈良西リトルシニアや五條リトルシニアなど関西の強豪と対戦し、2勝4敗という結果以上に大きな収穫を得た。
「レベルの高さを実感しましたが、いい経験になりました」
寒さや強風といった過酷な環境も含め、全国を想定した貴重な実戦となった。
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応援から始まった世代 “誰かのために”戦う強さ
このチームの最大の特徴は、突出したスターがいないことだ。しかし、それを補って余りあるのが“チーム力”である。
現新3年生は、かつてスタンドで必死に応援していた世代だった。
「自分たちで応援練習をしたいと申し出て、室内で全員で練習していました」
上級生のために全力で声を出し、支え続けた経験。その積み重ねが、今の結束につながっている。
「誰かのために頑張れるチームなんです」
その姿勢が、全道優勝という結果を引き寄せた。

全国の舞台へ 求めるのは“北海道代表としての姿”
全国大会に向けて、指揮官の言葉はシンプルだ。
「相手がどうこうではなく、自分たちのやるべきことをやるだけ」
目標は高く掲げつつも、足元は見失わない。
「北海道代表としてふさわしい試合をしたい」
限られた準備期間、シードの難しさ、不確定要素――それでも、このチームには揺るがない軸がある。
それは、個の力ではなく“束になった強さ”。
札幌北リトルシニアの挑戦が、いよいよ全国の舞台で始まる。

攻守でチームを束ねる主将・近藤健翔の挑戦
全道優勝を果たし、全国の舞台へ挑むチーム。その中心でチームをまとめるのが主将・近藤健翔だ。右投げ右打ち、173センチ80キロの体格を生かし、キャッチャーとしてチームを支える。プレッシャーと期待が入り混じる中、主将として、そして一人の選手として何を感じているのか。その胸の内に迫った。
全道王者としての現在地と課題「声」と「つながり」
「素直に嬉しい気持ちもありますが、1位というプレッシャーもあります」
全道優勝という結果を手にしながらも、近藤は浮かれることなく現実を見据える。全国で勝ち進むために、日々の練習の質を高める必要があると語る。
「その中で全国で勝ち進むために、練習はしっかりやっています」
そんな中で見えているチームの課題は、“声”と“コミュニケーション”だ。
「練習の時から声が出ていないと監督にも言われています。試合でも会話がある時とない時の差が大きい」
技術だけではなく、チームとしての一体感。主将として、その土台を築く責任を感じている。
1番から9番までつながる打線が最大の武器
課題がある一方で、チームの強みは明確だ。
「バッティングです。1番から9番まで打てるチームだと思っています」
1番・部田香輔(緑苑台ファイターズジュニア出身/新3年)、2番・水沼泰聖(北発寒ファイヤーズ出身/新3年)、3番・笠井心雅(緑苑台ファイターズジュニア出身/新3年)、4番・藤田桃成(緑苑台ファイターズジュニア出身/新3年)、5番・松野栞侑(北発寒ファイヤーズ出身/新3年)と続く打線は、どこからでも得点を狙える構成。6番・荒岡光政(東グレートキングス出身/新3年)、7番・大門賢佑(岩見沢学童野球クラブ出身/新3年)、8番は投手陣、9番・高橋瞭太(緑苑台ファイターズジュニア出身/新3年)へとつながる攻撃は切れ目がない。
「ヒットで点を取るだけじゃなく、細かいプレーでも得点できるのが自分たちの持ち味です」
印象に残る試合として挙げた札幌新琴似戦も、その強みが発揮された一戦だった。
「シーソーゲームでしたが、最後は大門が決めてくれました。ベンチで見ていて本当に嬉しかったです」
仲間の一打を自分のことのように喜ぶ姿が、チームの結束を物語る。
主将として、そして一人の選手としての成長へ
近藤は自らの強みについて、こう語る。
「野球以外でいうと、リーダーシップです。みんなをまとめる力はあると思います」
主将としての自覚と責任。その一方で、プレーヤーとしては冷静に自己分析を行う。
「突出しているものはないですが、強いて言うなら肩の強さです」
捕手としての武器を持ちながらも、さらなる成長を目指している。
「バッティングはスイングの強さが持ち味ですが、ミート力が課題なので改善していきたいです」
父の影響で野球を始め、今も技術面でのアドバイスを受けながらフォームや打撃の質向上に取り組んでいる。
「ボールの捉え方や、こねずに前に運ぶ意識を大切にしています」
そして迎える全国の舞台。
「ワクワクと緊張、両方あります」
昨年のベスト16を超えるために――
「先輩たちのように、いい入りをして勝ち進みたいです」
主将・近藤健翔。チームを束ねるその背中が、全国の舞台でどんな景色を見せてくれるのか、注目が集まる。
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近藤 健翔(こんどう けんと)
札幌北リトルシニア/新3年
右投げ右打ち/173センチ、80キロ
ポジション:捕手
野球歴:小学2年生終わり頃、父の影響で野球を始め、札幌市手稲区の前田リトルに所属した。6年時には日本ハムジュニアに選出されるほどの逸材。現在は主将として札幌北リトルシニアを牽引する
俊足で流れを変えるリードオフマン・部田香輔
全道優勝チームの中で、攻撃の起点として期待される存在が副主将・部田香輔だ。166センチ60キロと決して大柄ではないが、持ち味の俊足を武器に試合の流れを引き寄せる。全国大会を目前に控えた今、チームの現状と自身の役割について語った。
全国へ向けて一つになるチームと副主将の責任
「全国大会に向けて、チーム全員が一つになって同じ目標に向かって進んでいます」
全道優勝を経て、チームは次なる舞台・全国へ向けて準備を進めている。部田自身も副主将としての自覚を強めている。
「自分は副キャプテンとして、キャプテンを支えながら、みんなの手本になれるように頑張っています」
チームの中心として、プレーだけでなく姿勢でも引っ張る存在だ。
全国レベルを体感して見えた手応えと課題
和歌山大会では予選敗退という悔しさを味わったが、そこで得たものも大きかった。
「全国の選手たちは体の大きさやパワーが全然違うと感じました」
フィジカル面での差を実感する一方で、手応えもあったという。
「声や元気、細かいプレーの部分では、全国でも十分通用すると感じました」
課題として挙げたのは体力とパワー。
「やっぱり体力やパワーがまだ足りないと感じています」
だからこそ、足を使った攻撃や細かいプレーで勝負していくことがチームのスタイルになる。
武器は俊足 流れを引き寄せる存在へ
部田の最大の持ち味は、そのスピードだ。
「自分の持ち味は足の速さです」
その強みが発揮されたのが和歌山大会。チームとして課題に掲げていた“隙のない走塁”を体現した。
「次の塁、その次の塁を常に狙う走塁ができて、1試合で3得点することができました」
俊足を生かし、得点に直結する働きを見せたことで、大きな手応えをつかんだ。
全国大会へ向けては――
「キャプテンと自分が中心となって、上の学年を超えられるように、ベスト8を目指して頑張ります」
リードオフマンとして、そして副主将として。部田香輔の走りが、チームを次のステージへと導く。
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部田 香輔(とりた こうすけ)
札幌北リトルシニア/新3年
右投げ右打ち/166センチ、60キロ
ポジション:外野手(ライト)
小学2年生から野球を始める
父の影響で野球に憧れ緑苑台ファイターズジュニアで競技をスタート。俊足を武器にチームの攻撃をけん引する副主将
堅実な守備で支える内野の要・水沼泰聖
札幌北リトルシニアで内野の要を担う水沼泰聖。右投げ左打ち、160センチ57キロと小柄ながら、素早い足さばきと的確な判断で守備を支える存在だ。全国大会を目前に控えた今、自身の持ち味と課題、そして大会への思いを聞いた。
内野手として磨く“足さばき”と守備範囲
「内野手の中でも目立てるように、足さばきの速さを意識しています」
セカンドを守る水沼が最も大切にしているのは、足の動きだ。
「少しでも守備範囲を広くできるように考えています」
打球への一歩目、ポジショニング、カバーリング――。頭を使う場面も多い内野守備の中で、常に状況判断を意識している。
「守備は頭を使う場面が多いので、そこも面白いところです」
持ち味は“速さ” その一方で見据える課題
自身の強みについては明確だ。
「足さばきの速さと、捕ってからの握り替えの速さです」
この“速さ”が守備の安定感につながっている。一方で課題も冷静に見つめている。
「送球はまだ正確じゃないところもあるので、そこは課題です」
また、打撃面では確かな手応えもある。
「全道大会の決勝で、外野の奥まで飛ばす長打を打てました」
小柄な体格ながらも、しっかりと振り切る打撃で存在感を示した。
全国大会へ 経験を次につなげるために
間もなく迎える全国大会。水沼の目標は明確だ。
「チームの目標であるベスト8に向かって、どんな相手でも競った試合ができるようにしたいです」
この大会を“通過点”として捉えているのも印象的だ。
「全国大会でしっかり経験を積んで、それを次の夏にもつなげていきたいです」
一戦でも多く戦うこと――そのすべてが成長の糧になると信じている。
内野の要として、そしてチームの一員として。水沼泰聖の挑戦が、全国の舞台で試される。
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水沼 泰聖(みずぬま たいせい)
札幌北リトルシニア
右投げ左打ち/160cm・57kg
ポジション:二塁手
野球歴:小学1年生冬~
兄の影響で野球を始め、堅実な守備でチームを支える内野の要
直球と変化球で抑え込む右腕・笠井心雅
札幌北リトルシニアの投手陣の一角を担う笠井心雅。174センチ64キロの体格から投げ込む力強いストレートとキレのある変化球を武器に、マウンドで存在感を示す右腕だ。全国大会を目前に控え、自身の持ち味とチームへの思いを語った。
父の背中を追い、小学2年生から野球の道へ
「父が野球をやっていて、それに憧れて始めました」
笠井が野球を始めたのは小学2年生。現在の北海道科学大高校(旧・北海道工業高校)でプレーしていた父の影響が大きかったという。
幼い頃から身近にあった野球。その環境が、今の投手・笠井心雅の原点となっている。
持ち味は“力強い直球”と“キレのある変化球”
自身の強みについては明確だ。
「力強いストレートと、キレのある変化球で打者を抑えるところです」
球種はストレートに加え、スライダー、カーブ、チェンジアップと多彩。状況に応じて使い分けながら打者と勝負する。
さらに、右投げ右打ちでありながら左打席にも挑戦しており、野球に対する意欲の高さもうかがえる。
3本柱で挑む全国 目標は“ベスト16超え”
全国大会に向けては、明確な役割意識を持っている。
「自分と荒岡、宮崎の3人が中心となって、ピッチャーでしっかり抑えたいです」
投手陣の柱としてチームを支える覚悟。その先に見据えるのは、昨年の成績を上回ることだ。
「一つ上の代がベスト16だったので、それを超える成績を残したいと思います」
投手陣の出来が勝敗を左右する全国の舞台。笠井の腕に、その期待が託される。
笠井 心雅(かさい しんが)
札幌北リトルシニア/新3年
右投げ右打ち(左打席にも挑戦中)/174センチ、64キロ
ポジション:投手
野球歴:小学2年生~
父の影響で緑苑台ファイターズジュニアで野球をスタート。球種は直球と変化球を武器に投手陣の一角を担う。
投打でチームを支える左腕・荒岡光政
札幌北リトルシニアの投手陣を支える左腕・荒岡光政。167センチ60キロの体格から繰り出す多彩な変化球と、投手だけでなく外野もこなすユーティリティ性でチームに貢献する存在だ。全国大会を前に、その持ち味と意気込みを聞いた。
父への憧れから始まった野球人生
「父が野球をやっていて、かっこいいなと思って始めました」
荒岡が野球を始めたのは小学3年生の後半。決して早いスタートではなかったが、父の背中を追いながら野球の道に進んだ。
出身は東グレートキングス。そこから経験を積み重ね、現在は札幌北リトルシニアの一員としてプレーしている。
武器はキレのある変化球と多彩な球種
投手としての持ち味についてはこう語る。
「キレのあるカーブとカットボールです」
球種はストレート、カーブ、カットボール、スライダー、スクリューと多彩。状況に応じて投げ分けることで打者を翻弄する。
左投手ならではの角度と変化を生かし、試合の流れを引き寄せる役割を担う。
投手だけでなく外野でも貢献 全国へ向けて
荒岡は投手としてだけでなく、外野手としてもチームを支える。
「外野もやっているので、その両方でチームを引っ張っていけるように頑張りたいです」
登板しない場面でもセンターとして出場し、攻守でチームに貢献する覚悟だ。
全国大会では、笠井、宮崎とともに投手陣の柱として期待がかかる存在。マウンドでもグラウンドでも、その存在感が問われる。
投打両面でチームを支える左腕・荒岡光政。全国の舞台での躍動に注目が集まる。
荒岡 光政(あらおか こうせい)
札幌北リトルシニア/新3年
左投げ左打ち/167センチ、60キロ
ポジション:投手・外野手
野球歴:小学3年生後半から父の影響で東グレートキングスで野球をスタートする。
多彩な変化球とユーティリティ性でチームに貢献する左腕。
多彩な変化球で翻弄する左腕・宮崎煌大
札幌北リトルシニアの投手陣を支える左腕・宮崎煌大。177センチ73キロの恵まれた体格から繰り出すキレのある直球と多彩な変化球で打者を翻弄する。兄の思いを胸にマウンドに立つ背番号のない時間も含め、その存在感はチームに欠かせない。全国大会を前に、その覚悟を聞いた。
兄の思いを背負い、野球の道へ
「兄が野球をやっていて、その姿に影響を受けました」
宮崎が野球を始めたきっかけは、10歳上の兄の存在だった。兄は中学・高校と野球を続けたが、高校では怪我に苦しんだ。
「兄がプロになれなかった分、自分がその思いを背負ってやろうと思いました」
その強い決意が、今の原動力となっている。
武器は“多彩な変化球”とキレのある直球
投手としての持ち味は明確だ。
「多彩な変化球と、キレのあるストレートで打者を翻弄するところです」
球種はストレートに加え、カーブは3種類、さらにチェンジアップ、パームボール、カットボール、縦スライダーと豊富。
多彩な球種を操り、打者のタイミングを外す投球が持ち味だ。
ベンチでも戦う覚悟 全国へ向けた役割
宮崎は投手陣の一角でありながら、登板しない試合ではベンチから戦う立場にもなる。
「投げない時はベンチなので、その分ブルペンでしっかり準備して、誰よりもいいピッチングができるようにしたいです」
見えないところでの準備と責任。その積み重ねがマウンドでの結果につながる。
全国大会では、笠井、荒岡とともに投手3本柱の一人としてチームを支える存在。与えられた役割を全うし、チームの勝利に貢献する覚悟だ。
宮崎 煌大(みやざき こうだい)
札幌北リトルシニア/新3年
左投げ左打ち/177cm・73kg
ポジション:投手
野球歴:10歳上の兄の影響で星置レッドソックスで野球をスタートする。高校でケガをしてしまった兄の思いを胸にマウンドに立つ左腕。多彩な変化球で打者を翻弄する投球で全国での活躍を誓う。
フォトグラフ


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協力:札幌北リトルシニア
