
新チーム、木下監督と佛川主将が描くチームの現在地
手稲区少年軟式野球連盟に加盟する北発寒ファイヤーズは、新チーム始動から1か月。
10月上旬、秋風が心地よく吹く朝日公園では、平日練習に励む子どもたちの掛け声が響いていた。
5年生を中心に4年生が融合した新チームは、木下監督の指導のもとで着実に土台を築きつつある。
「チームとしてのまとまりが出てきた」と語る指揮官の言葉通り、試合や練習のたびに成長を見せる選手たち。
一方で、卒団を控えた6年生たちは“1年前の自分”と“未来の後輩たち”に向けて、それぞれの想いを言葉にした。
世代をつなぐ秋。
北発寒ファイヤーズの挑戦は、ここからさらに熱を帯びていく。
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北発寒ファイヤーズ 敗戦の先に見えた光
佛川颯汰主将を軸に、5・4年生融合チームで次代へ挑む
北発寒ファイヤーズが新チーム体制で歩みを進めている。平日の練習は水曜・木曜・金曜の3日間。学校から帰宅してホームグラウンドの朝日公園に到着するのはそれぞれだが自主的に体づくりやキャッチボールを重ね、「いつでも全力でプレーできる準備」をテーマに日々励んでいる。木下監督は「レギュラーチームに比べるとパワーのあるチームだと思います。5年生を中心に、4年生が融合していく形になるでしょう」と、手応えと期待を口にする。

手稲区新人戦での敗戦を糧に
9月に行われた手稲区新人戦では、初戦で強豪・手稲鉄北イーグルスに3-4で敗れた。木下監督はその試合をこう振り返る。
「相手には際立った選手がいました。うちはチーム力で挑み、組織的な戦い方を意識しましたが、まだ作り上げる段階にあると感じました」。
敗戦の悔しさをバネに、北発寒ファイヤーズは「粘り強く、接戦をものにできるチーム」への進化を目指している。

攻撃の課題と今後のテーマ
攻撃面では、チャンスを活かしきれなかった場面が課題に挙がる。
「もったいないミスもありました。チャンスを作ってもあと一歩が足りない。ただ、大沢翔平(5年)・鈴木正喜(5年)・内山莉希(4年)の3人が打線を引っ張っており、スローガンとして“チャンスを作ってつなぐ”を徹底しています」と木下監督。
選手たちは毎試合ごとに反省を重ねながら、次戦へと成長を積み上げている。
日々の成長と、野球を通じた人づくり
平日の練習時間は夕方6時までと限られるが、「練習後にどう過ごすか」が子どもたちの成長を左右すると木下監督は言う。
「家に帰ってから何をするか。できなかったことを復習する子も多く、その積み重ねで差が出てきます。練習がない日の過ごし方も大切にしています」。
また、野球以外の面でも選手の育成を意識している。
「野球を通じて当たり前のことを当たり前にできるように。そして、感謝の気持ちを持って行動できる人になってほしい。見る人に感動を与えられるような試合をしたいですね」と話す。
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成長期を見据えた体づくり
北発寒ファイヤーズではウォーミングアップにも工夫を凝らしており、理学療法士やトレーナーの指導を取り入れている。
「体の使い方を正しく学ぶことを重視しています。筋力差が出やすい時期ですが、基礎をしっかり作れば高校生になった時に必ず生きる」と木下監督。
チームには小柄な選手も多いが、「成長の度合いは人それぞれ。高校3年になったとき、大きく伸びていればいい」と、長い目で子どもたちを見守る。
残りの大会へ、全力で挑む
今季も残りの大会がわずかと迫る。木下監督は「残りの大会、ひと花咲かせたい。これまでの努力を全て出し切ってほしい」と語る。
佛川颯汰主将を中心に、北発寒ファイヤーズの新チームは団結し、次のステージへと歩み出している。
北発寒ファイヤーズ・佛川颯汰主将
「仲間を信じ、声をかけ続けるキャプテンに」
―6年生から受け継いだ責任と覚悟を胸に
北発寒ファイヤーズの新チームを率いるのは、5年生新チームキャプテン・佛川颯汰(ふつかわ・そうた)だ。
お父さんの影響で野球を始めたという颯汰くんは、守備でも攻撃でも常に“準備の早さ”を意識している。「足を動かしたり、早めに構えたりして、次のプレーにすぐ入れるようにしています」と話す姿には、主将としての責任感がにじむ。
「緊張感を持つことを大切にしている」
守備で心がけていることを尋ねると、「緊張しなさすぎず、でも緊張感を持ってプレーすること」と即答した。
日々の練習や試合で、自分を律しながら仲間を引っ張る姿勢がうかがえる。キャプテンとして試合に臨む際には、「自分のことだけでなく、仲間の気持ちも考えるようにしています」とも語る。
ミスをした仲間には積極的に声をかけ、チーム全体の雰囲気を整えるのも佛川主将の役目だ。
「エラーして落ち込んでいる子には、“大丈夫!”って声をかけてあげるようにしてます。引きずらないようにね」と、頼もしい表情を見せた。
印象に残る相手は「手稲鉄北イーグルス」
これまでで最も印象に残る試合を聞くと、札幌選抜大会手稲区予選で戦った「手稲鉄北イーグルス戦」と即答。
「相手好投手の益田くんが投げてきた試合が印象に残ってます」と話し、「6年生と一緒に戦っていた時と違って、自分たちの代になってからは“もう負けられない”っていう気持ちが強くなりました」と振り返る。
新チームとして数少ない公式戦を経験し、責任感と向上心が一段と高まったようだ。
チームの強みと課題
北発寒ファイヤーズの“いいところ”を聞くと、「みんなで声をかけ合って、盛り上げられるところ」と笑顔で答える。
一方で、「課題はまだ守備力。もっと一人ひとりが集中して守れるようにしたい」と、冷静に現状を見つめている。
冬場の練習を通じて、チーム全体で底上げを図る覚悟だ。
目標は全国大会の舞台へ
個人としてもチームとしても明確な目標を持つ。
「全国大会に出たいです。一年前に出場した千葉市長杯のような大きな大会に出てみんなの力を合わせて勝ちたい」と力強く語った。
さらに、「相手が思わず悔しがるような攻撃をしたい」と、キャプテンらしく攻撃的な野球への意欲も見せた。
仲間を信じ、声をかけ、前向きな空気をつくる佛川颯汰主将。
その背中を追う後輩たちの成長とともに、北発寒ファイヤーズの新たな挑戦が続いていく。
〇佛川 颯汰(ぶつかわ そうた)
新陵東小学校・5年
右投げ、左打ち
137センチ、33キロ
家族は両親と姉の4人
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北発寒ファイヤーズ6年生3人の言葉
「1年前の自分へ、そして未来の後輩たちへ」
― 仲間と共に駆け抜けた6年生の秋、今だから伝えたい想い
札幌市長杯を控え(取材当時)、北発寒ファイヤーズの6年生たちは最後のシーズンを戦っている。
この一年で、彼らは多くの経験を積み重ねてきた。勝利の喜びも、悔しさも、怪我の痛みもすべてが成長の糧となった。
そんな3人に「もし1年前の自分に戻れるとしたら、どんな言葉をかけたい?」そして「後輩たちに今、何を伝えたい?」と尋ねた。
帆苅拓真前主将「もっとキャプテンとしての自覚を持て」
「自分は5年生の頃からキャプテンをしていました。でも、あの頃はまだキャプテンとしての自覚が足りなかったと思います」
そう振り返るのは、チームを率いた帆苅拓真(ほかり・たくま)主将(6年)。
「もし1年前に戻れるなら、“もっと自覚を持ってやれ”と伝えたいです。今思えば、もっとチームのことを考えて行動できたはずです」
後輩たちへのメッセージも力強い。
「来年は全国を目指して頑張ってほしい。監督の話をしっかり聞いて、全国でも通用するチームになってほしい」とエールを送った。
帆苅前主将自身も、「もっと練習して、素振りを重ねて、より良い選手になってほしい」と、自らへの反省と成長への思いを言葉にした。
現在は札幌選抜の一員として都市対抗戦に挑む。
「札幌選抜は今、2連覇中。3連覇がかかる場面で、しっかり貢献できるよう我武者羅に頑張りたい」と力を込めた。
北山 楓君「違和感を感じたら、すぐ伝える勇気を」
チームを支える6年生の主力・北山楓(きたやま・かえで)君は、今年、怪我の経験を通して学んだことを率直に語った。
「少しでも体に違和感を感じたら、すぐに言ったほうがいいと思う。痛みを我慢して練習すると、後で大きな怪我につながることもあるから」
今、後輩たちはみな元気にグラウンドを駆けている。
しかし北山君は、その“元気”の裏に潜む危うさにも気づいている。
「痛くなくても、なんか変だなって思ったら、それはサイン。定期的に検査を受けるとか、そういう意識を持ってほしい」と、実体験からの優しいアドバイスを残した。
野球を長く続けるために必要なのは、「我慢ではなく、気づく力」。
その言葉は、きっと後輩たちの胸にも深く響くだろう。
自身の目標については、「札幌選抜で明るく楽しくプレーして、都市対抗戦で三連覇を目指します」と力強く抱負を語った。
中村亮祐「もっと早く努力を積み重ねればよかった」
「もし1年前に戻れるなら、もっと努力しておけって言いたいです」
CS札幌選抜でも活躍中の中村亮祐(なかむら・りょうすけ)君は、札幌市内トップレベルの選手たちとの戦いの中で、自らの課題を痛感してきた。
「CS札幌選抜の練習で、うまい選手たちを見て力の差を感じました。だから、もっと早くから気持ちを入れて練習しておけばよかったなと思うんです」と悔しさをにじませる。
そのうえで後輩たちには、「怪我には気をつけて。大事な試合で出られなくなったら本当にもったいないから」と真剣な表情で語った。
そして自身の目標については、
「都市対抗戦で勝ち上がって、もし札幌選抜の渡辺監督のチームと決勝で当たるなら、しっかり勝ちたい」と力強く締めくくった。
「この経験を、次の世代へ」
3人の言葉には、それぞれの悔しさと誇り、そして後輩への思いやりが込められている。
野球は、勝ち負けだけでなく、人としての成長を育むスポーツ――。
北発寒ファイヤーズの6年生たちは、そのことをこの一年で身をもって実感してきた。
残りわずかなシーズンも、
“あの頃の自分”から“今の自分”へ、そして“次の世代”へ。
彼らの想いは、これからもグラウンドに響き続ける。
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北発寒ファイヤーズ 新入団員募集!
やる気のある子募集してます!お子さん対象は4年生以下の仲間を募集中!
― 未経験者も大歓迎!「野球を通じてまっすぐに育つ」チーム ―
手稲区少年軟式野球連盟に加盟する北発寒ファイヤーズでは、
4年生以下のお子さんを対象に、新入団員を募集しています!
野球がはじめてでも心配いりません。
明るく丁寧な指導のもとで、キャッチボールから打撃・守備まで一から楽しく学べる環境を整えています。
チーム全体が「上につながる野球」を目指しており、中学・高校でも活躍できる選手づくりに力を注いでいます。
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🔶 チームの方針
北発寒ファイヤーズが大切にしているのは、
「一生懸命野球に向き合う子どもを育てる」こと。
試合に勝つこと以上に、仲間を思いやる心・感謝の気持ち・努力する姿勢を育てる指導を行っています。
野球を通じて人としても成長できる——それがファイヤーズの魅力です。
🔶 練習日・活動場所
- 平日練習日:水曜日・木曜日・金曜日
- ホームグラウンド:新発寒朝日公園
(札幌市手稲区新発寒5条6丁目10)
放課後、学校を終えた子どもたちは元気いっぱいに朝日公園へ集合!
キャッチボールや基礎練習を通じて、野球の楽しさとチームワークを学んでいます。
🔶 木下監督からのメッセージ
「野球を通じて“感謝する心”と“あきらめない強さ”を身につけてほしい。
ファイヤーズは、子どもたち一人ひとりの成長を全力で応援します。
体が小さくても、経験がなくても大丈夫。
ぜひグラウンドで一緒に野球を楽しみましょう!」
― 木下監督
🔶 見学・体験はいつでも大歓迎!
- グローブやバットがなくてもOK!貸し出し可能です。
- 初めての体験でも、コーチや上級生がやさしくサポートします。
- 保護者の見学も大歓迎です。
野球を通して仲間と成長する楽しさを、ぜひ一度体験してみてください!
▽連絡先
木下監督・080-3260-4175

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協力:北発寒ファイヤーズ