“新チーム”が見据える成長と課題
12月3日、札幌南リトルシニアの平日練習をチーム訪問した。
新チームで臨んだ昨夏のKOKAJI CUPでベスト8、秋季全道大会ではEブロック2位(3勝1敗1分)と粘りを見せながらも、決勝トーナメント1回戦では札幌真駒内に大敗。
現在は札幌市南区駒岡にある専用室内練習場「TENTO-komaoka」で冬季練習に励んでいる。
新チームの現在地、投手陣の課題、キーマンとなる選手たち――。
泉谷監督にこれまでの歩みと今後の展望を聞いた。
打撃の向上とディフェンスの課題
泉谷監督は、新チームのここまでをこう総括する。
「対戦相手にもよりますが、少しずつ打てるようになってきて、ある程度のレベルには達してきたのかなと感じています」
一方で、守備面には課題を残す。
「投手を中心としたディフェンスには改善の余地を感じています」
印象に残る試合として、秋季リーグ初戦の札幌中央リトルシニア戦を挙げる。
「初戦は、こちらの想像以上にみんなが頑張ってくれた。あの試合で良い波に乗れたと思います」
また、新チームは通年で練習を継続してきた成果が、冬に入りフィジカル面の向上として表れてきているという。

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投手陣の立ち上がりと精神面の強化
課題として泉谷監督がもっとも強調したのは、投手陣の立ち上がりだ。
「先制点を許す試合が多かった。盛り返せる試合もありますが、そうでない時との差が大きい」
主に投げていたのは2枚に、野手から加わった1枚を含めた実質3人。
ただし、課題は技術というより“精神的な部分”だと指摘する。
「調子が出てくると良い投球をするんですが、精神面が投球に影響してしまう。ここは強化が必要です」
現在は平日2~2.5時間の練習で、キャッチボールやゴロ取り、可能な日は打撃練習まで実施。
秋の全道大会後はキャッチボールの質を上げ、ボールへの意識を高める取り組みを続けている。
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キーマンの存在と攻撃力の向上
選手の成長を感じる一方で、泉谷監督はさらに求めるものがあるという。
「フィジカルは上がっています。ただ、もっと“勝つ意欲”を前面に出してほしい。勝負事への気持ちが強く出てくれば嬉しいですね」
キャプテンの渡部恭介については、
「明るくて真面目。挨拶も会話もしっかりしていて、人間的に大きく成長している。やる時はやるタイプです」
と評価する。
さらにチームの“鍵”を握る選手として挙げたのは、
- 堀田涼太(西岡北ビックサン/2年)
- 山名真生(緑ヶ丘パワーズ/2年)
- 福玉晃朋(東月寒レオンズ/2年)
- 橋詰昊澄(北野リトルメッツ/2年)
秋は堀田・福玉・橋詰の3人でクリーンナップを形成した。
「攻撃面は継承しながら、足も使った野球ができるようになり、得点力は上がっています」
投手の実戦的練習も進めており、マウンド練習は来年から本格化する予定だ。


伸びしろと掲げる目標
「今の選手たちは体格も良く、できることの幅が広い。伸びしろしかない世代です。うまく引き出してあげたい」
と、成長への期待を述べた泉谷監督。
最後に、チームとしての目標をこう語る。
「決勝トーナメントまでは行けるようになってきましたが、その先の壁が厚い。最終的には全道ナンバーワンを目指し、選手たちもそこを目標にしています」
冬を越え、春からどれだけチーム力を引き上げられるか。
札幌南リトルシニアの挑戦は続く。


渡部恭介キャプテンが語る
“差を埋める冬”と新チームの決意
札幌南リトルシニアの主将としてチームを牽引する渡部恭介(2年)。秋季全道大会・リーグ戦を振り返りながら、冬にかける思いや、来季への課題と決意を話してくれた。
まず、リーグ戦で印象深かった試合として挙げたのは2試合だ。
「初戦の札幌中央戦です。初戦ということで緊張していましたが、大量得点できてチームに勢いを与えた試合でした」
一方で、札幌北戦は悔しさが残ったという。
「相手投手を攻略できず無得点で敗れてしまいました。試合前の雰囲気から、相手との“差”を感じました。1年生から2年生になる間で、自分たちは差をつけられているのだと実感しました。“この差を埋めるなら冬しかない”。そう感じて、そこに向けて頑張る選手が増えたと思います。洞爺湖戦、札幌北戦、旭川北稜戦を通して、自分たちの活気も出てきました。」
決勝トーナメントで対戦した札幌真駒内戦についても率直に語る。
「自分たちの野球ができなかったことと、相手の力が上回っていたこと、その両方がありました。ただ、決勝トーナメントに進んだことで“やってやるぞ”という気持ちが強くなり、チームの雰囲気も良くなっていました。結果は完敗でしたが、自分たちの実力を知る良い試合になったと思います」
冬に向けて強化したい部分については、課題を明確に捉えている。
「全体的な底上げが必要です。今は質より量。ランニングやティーの量、下半身のトレーニングも増えました。そういう積み重ねを来年に生かしたいです」
キャプテンとして心がけていることを尋ねると、答えは迷いがなかった。
「自分ひとりではチームは動かないので、他の選手の状態や気持ちを見るようにしています。“これをやって”“これはできる”といった判断をしながら、チーム全員でチームを変えていけたらと思っています」
打席では、コーチの言葉を胸に挑んでいる。
「いつも“考えろ、考えろ”と言われています。次の打席につながるように、少しでも考えて入ることを大事にしています」
チームとしての意識面については、声の小ささが課題だという。
「もっと全員で声を出したいです。あとティーの量をもっと増やして、質も量も高めたいと思っています」
個人としての目標も明確だ。
「バッティングをもっと磨いて1番か2番を打って、チャンスメーカーとしてチームに貢献したいです」
最後に、キャプテンとしての決意を尋ねると、表情が引き締まった。
「自分がもっと声を出して、チームに活気をつけたい。みんなで盛り上げて、自分たちの流れを試合でつくれるように、自分からどんどん発信していきたいです」
冬を迎え、チームがどれだけ“差を埋め”、春にどんな姿を見せるのか。
渡部キャプテンの言葉には、来季への強い意志が詰まっていた。
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渡部 恭介(わたなべ きょうすけ)
右投げ、右打ち
155センチ、45キロ
昨秋は2番・8番・9番を打ち、三塁手として出場。
野球を始めたのは小学2年生で、父の影響が大きい。西岡北ビックサン出身。
家族は両親と姉2人の5人家族。
北海道選抜・福玉晃朋
ミート力と一歩目の速さを武器に、台湾遠征と来季へ挑む
札幌南リトルシニアの中核を担う福玉晃朋(2年)。12月3日の取材時点で、彼は年末に控えていた北海道選抜としての台湾遠征への意気込み、そして来季への決意について語ってくれた。
その後、12月下旬に実施された台湾遠征を無事終え、新たな経験を胸にチームへ戻ってきた。
まず、自身の持ち味について尋ねると、迷うことなく答えが返ってきた。
「ミート力には自信があります。守備では“一歩が早い”と言われることが多いです」
秋季大会で印象に残っている試合として挙げたのは、札幌中央戦と札幌豊平東戦だった。
「どちらの試合も、チーム全体が守備からしっかり入れて、その日はエラーも少なく、締まった試合ができました。新チームになって初めて“守備から試合をつくれた”と感じました」
来シーズンの話を聞く前に、当時は年末に迫っていた台湾遠征への期待が大きかった。
取材当時、福玉はこのように抱負を語っている。
「選ばれたことはとても嬉しいですし、1月には合宿もあります。野球を目標にしてやってきたので、今回の機会をしっかりものにしたいです」
さらに、台湾遠征で掲げていたテーマも明確だった。
「ランナーを返せるようなバッティング、チームに勢いをつけられるバッティングを意識しています。ここでの経験を、春以降の成長につなげたいです」
そして、来季の目標について尋ねた際には、力強い視線でこう語ってくれた。
「全道制覇を目指しています。自分がしっかり結果を出してチームを引っ張り、勝てるチームにしていきたいです」
ミート力と一歩目のスピードを武器に、更なる進化を見せる福玉晃朋。
台湾遠征で得た経験を糧に、来季どこまでチームを牽引していくのか。新シーズンへの期待がふくらむ。
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福玉 晃朋(ふくたま あきとも)
右投げ、右打ち
175センチ、55キロ
昨秋はチームで3番・遊撃手として出場。打撃ではミート力、守備では球際の強さが持ち味。リトルシニア北海道選抜にも選出された。野球を始めたのは小学3年生の秋で、東月寒レオンズで競技をスタートした。
恵まれた体格を武器に“130キロ超え”へ
堀田涼太、覚悟の成長曲線
札幌南リトルシニアの投手陣の中心として期待される堀田涼太(2年)。
自身の投手像、試合で意識していること、そして越えるべき壁について語ってくれた。
堀田は自らのタイプをこう分析する。
「親からもらった恵まれた体格を活かして、力強いストレートを武器に投げるタイプだと思います。体全体の柔軟性や下半身の強さはまだまだ足りないので、もっとしなやかに強い球を投げられるようになりたいです。今は、力みをなくしてスムーズに投げることを意識しています」
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また、試合中やベンチでの意識づけについては、投手としての責任感がにじむ。
「例えピッチングが悪くても、ベンチでしゅんとしたりマイナスな雰囲気を出してしまうと、チーム全体が悪くなってしまいます。だからこそ、できるだけ前向きに、テンションを上げて、良いムードをつくるようにしています。自分の気持ちがチームに影響するなら、絶対にプラスの雰囲気を出したいと思っています」
そんな堀田に“越えたい壁”を聞くと、明確な目標が返ってきた。
「スケールの大きい投手になりたいです。球速も“130キロを平均して超えられる”ピッチャーになるのが目標です」
さらに、チームとしての目標についても言葉を続ける。
「決勝トーナメントに進んだ後が、やっぱり本当の勝負だと思います。そこを勝ち上がって全国に行けるか、北海道で一番を目指せるか――そこが自分たちの大きな目標です」
恵まれた体格と力強いストレートを武器に、より大きな投手へ成長しようとする堀田涼太。
その姿勢と覚悟が、来季の札幌南リトルシニアを支える大きな柱となるに違いない。
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堀田 涼太(ほった りょうた)
右投げ、右打ち
178センチ、70キロ
野球を始めたのは小学2年生の秋に、近所の幼馴染の影響で西岡北ビックサンで野球を始める。
3年生が語る“1年前の自分へのメッセージ”と後輩たちへの言葉
積み重ねた3年間が教えてくれた“強さ”と“後悔”と“学び”
中学野球の3年間は、嬉しさも悔しさも、そしてケガの苦しみまでもすべてが積み重なり、選手一人ひとりを大きく成長させてくれる時間だ。
「もし、1年前の自分に声をかけられるとしたら?」
「後輩に伝えたいことは?」
この問いに、城野僚太、小林大晟、勝木尊也の3選手が、真っ直ぐな言葉で答えてくれた。
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城野僚太(月寒スターズ出身/3年)
――1年前の自分に言葉をかけられるとしたら、どんなことを伝えたいですか?
「自分はメンタルが弱かったので、“もっとメンタルを強くしておけ”と言いたいです。きつい練習にも真正面から向き合って、ストレッチや筋トレもバランスよく取り組んでほしい、と伝えたいです。
もっと厳しく自分を追い込んでおけば良かった、という後悔もあります。」
――後輩たちに伝えたいことは?
「後輩たちには体づくりはもちろんですが、試合は本当に“一瞬”で勝敗が決まる場面があることを知ってほしいです。だからこそ、気持ちの強さが勝負の分かれ目になると思っています。
その“一瞬の入り方”や“初回の気持ちの持っていき方”を大切にしてほしい。先制点が本当に大事なので、そこを強く意識して取り組んでほしいです。」
城野僚太(しろの りょうた)
左投げ、左打ち
175センチ、68キロ
野球を始めたのは小学1年生で同級生に誘われて月寒スターズで野球を始めた。
家族は両親と妹の4人。
小林 大晟(札幌オールブラックス出身/3年)
――1年前の自分に言葉をかけられるとしたら、どんなことを伝えたいですか?
「自分はピンチの場面で投手としてマウンドに上がることが多かったのですが、コントロールは悪くなかったものの球速が足りず、コースをついても打たれてしまうことが多かったです。だからこそ、“もっと体をつくれ”と伝えたいです。足腰を鍛え、ボール自体の力やキレをもっと磨きたかった。足腰や体幹をしっかり鍛えて、球にさらに力を乗せられるようにしてほしい、と1年前の自分に言いたいです。」
――後輩たちに伝えたいことは?
「体づくりをしっかりして、体の使い方を覚えてほしいです。ピンチを招いても、そこから切り抜けたり逆転できるような“強さ”を身につけてほしい。メンタルも鍛えて、最後まで戦い抜ける選手になってほしいと思います。」
小林 大晟(こばやし たいせい)
右投げ、右打ち
165センチ、52キロ
野球を始めたのは小学3年生で親の影響で札幌オールブラックスでスタートした。
勝木尊也(南スーパースターズ出身/3年)
――1年前の自分に言葉をかけられるとしたら、どんなことを伝えたいですか?
「まずは、監督さんやコーチに対する礼儀をしっかりしろ、と伝えたいです。冬の練習は走り込みが特に多いので、家でも自主練や走り込みをしっかりやっておけ、という言葉をかけたいです。」
――後輩たちに伝えたいことは?
「自分たちの代は、練習中にふざけてしまうことが多く、よくコーチに怒られていました。その反省もあって、後輩たちにはふざけずにしっかり取り組んでほしいと思います。」
勝木 尊也(かつき とうや)
右投げ、左打ち
167センチ、64キロ
野球を始めたのは小学5年生で、友達の誘いで南スーパースターズで始めた。

協力:札幌南リトルシニア
