3勝を積み重ねた激闘 タイブレークで涙
四国・高知県で開催された「第15回坂本龍馬旗争奪西日本小学生野球大会」で7月27日、北海道代表・柏ホエールズはダブルヘッダーに挑んだ。3回戦では奈良県代表・生駒クラブライオンズを5-3で下し、全国ベスト8入りを決めると、続く準々決勝では沖縄県代表・名護すいらんマーリンズと六回まで0-0の息詰まる投手戦を展開。七回タイブレークでは先制に成功しながらも、その裏に逆転を許して1-2で惜敗した。あと一歩で全国4強には届かなかったものの、4試合すべてが接戦という厳しい戦いの中で3勝を挙げ、自分たちの野球を最後まで貫いた。髙田晃季監督も「普段行かない土地で野球をする難しさを感じながら4試合できたこと、全て接戦でしたが3勝できたことは成長を感じました」と選手たちの歩みを振り返った。
イニングスコア
◆3回戦(7月27日)
柏ホエールズ(北海道)5-3生駒クラブライオンズ
生駒クラブライオンズ
000120=3
21020x=5
柏ホエールズ
(生)谷岡、池上ー岩崎
(柏)櫛引ー福田
▽三塁打:藤堂、村上、大野(柏)
▽二塁打:岩崎、谷岡(生)
◆準々決勝(7月27日)
柏ホエールズ(北海道)(1)0-0(2)名護すいらんマーリンズ(沖縄県)
柏ホエールズ
0000001=1
0000002=2
名護ずらんマリーンズ
(七回タイブレーク)
(柏)大野、藤堂ー福田
(名)浜崎、大城ー山内
持ち味の積極野球で流れをつかみ3回戦突破
3回戦の相手は奈良県代表・生駒クラブライオンズ。柏ホエールズは初回から打線がつながり2点を先制。二回にも1点、四回にも2点を加え、主導権を握った。
試合前、高田晃季監督は打線に明確なテーマを与えて送り出していた。
「1、2回戦を振り返ると質の高い長打が出ていませんでした。試合前、選手には『誰でもいいから長打を出そう。自分の調子は自分で上げるしかないぞ』と鼓舞しました」
その言葉に応えるように、相手のミスで広がった好機を藤堂晴琉(6年)がライトオーバーの長打で生かし、一気に流れを引き寄せた。
監督が何より評価したのは長打だけではない。
「長打も評価できますが、それ以上に練習してきた積極的な走塁から1点追加できたことがチームにとって大きかったです」
スコアブックでも、初回から積極的な走塁と長打が得点につながり、柏ホエールズらしい攻撃で試合を優位に進めたことがうかがえる。


「自分たちの野球」で勝ち切ったチーム力
3回戦でも決して楽な展開ではなかった。
終盤には生駒クラブライオンズの反撃を受けたが、最後までリードを守り抜いて5-3で勝利。全国ベスト8進出を決めた。
高田監督は、この勝利を「チーム力」の証しと振り返る。
「この試合を含め、チャンスで1本出せていればより有利な試合展開にもっていける場面が多々ありました。出せない中でも自分たちの野球をすれば最終的には勝ち切ることができたのはチーム力の強さだと感じました」
理想通りではなくても、自分たちのスタイルを崩さず戦い抜いたことが、連戦を勝ち抜く原動力となった。


六回まで0-0 継投で流れを引き寄せた準々決勝
続く準々決勝は沖縄県代表・名護すいらんマーリンズとの一戦。
両チームとも決定打を許さず、六回終了まで0-0。息詰まる投手戦が続いた。
先発・大野湊助(6年)は本来の調子ではなかったという。
「先発の大野は調子はよくないものの、バックに助けられ投げていました」
四回裏、高田監督は疲れを感じ取ると、2ボールから思い切って藤堂へスイッチ。この継投が試合の大きなポイントとなった。
「藤堂は2ボールからカウントを整えて三者凡退に打ち取ってくれました。流れをこっちに持ってくるきっかけになると信じていました」
相手投手についても、
「低めを丁寧に投げてカウントを取ってくるので投手戦は覚悟していました」
と分析。その上で二回終了後の給水タイムには、
「ここから4イニングの試合をやる気持ちで攻めていこう」
と選手たちへ声を掛けた。
その直後には山口修平(6年)の安打から一死三塁の絶好機をつくったが、先制点を奪うことはできなかった。


タイブレークの明暗 あと一本届かず
六回を終えて決着はつかず、七回からタイブレークへ。
柏ホエールズは先攻で1点を先制し、流れを引き寄せたかに見えた。
しかし、その裏に名護すいらんマーリンズが2点を奪い、1-2でサヨナラ負け。あと一歩で全国4強を逃した。
高田監督はタイブレークをこう振り返る。
「無死満塁から始まるタイブレークでした。その前の攻撃で1アウト三塁をサイン破りから防ぎ、完全に流れはこっちに傾いたと思っていました」
それでも、
「1点先取したあとが続かず、相手の攻守もあり勢いに乗ることができませんでした」
と悔しさをにじませた。
大会を通じた課題についても率直だった。
「課題としていた1本を出すというところが克服できなかった大会となってしまいました」
一方で、収穫も確かにあった。
「普段行かない土地で野球をする難しさを感じながら4試合できたこと、全て接戦でしたが3勝できたことは成長を感じました」

「この負けを次につなげてほしい」 選手と支え続けた保護者へ感謝
猛暑の高知で戦い抜いた16人の選手たち。
高田監督は最後まで諦めず戦った姿を誇りに思っている。
「猛暑の中、選手16人が役割を果たし最後まで諦めない姿は、当たり前のようで難しいことです。まだ続くシーズンに向けて、この負けを活かしてほしい」
そして、全国大会を陰で支えた保護者へも深い感謝を口にした。
「全国大会が始まる3週間前と大会期間中は、熱中症対策をやりすぎなくらい徹底しました。子どもたちのために汗をかきながら必死にサポートしてくれたおかげで、途中脱落が1人も出ませんでした。献身的な支えがあったからだと思っています。最高の結果で恩返ししたかったですが残念です」
全国4強には届かなかった。しかし、接戦を重ねながら積み上げた経験と、最後まで戦い抜いた粘りは、柏ホエールズにとって次の戦いへつながる確かな財産となった。

協力:柏ホエールズ
