東商テクノ旗開幕! 北海道勢が東日本の強豪迎え撃つ

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北広島Fビレッジ・大橋主将が堂々の選手宣誓 「3年間ともに戦った仲間への感謝を胸に」

大橋主将「感謝を胸に、悔いのない大会に」

 夏の夕暮れを迎えたモエレ沼公園野球場。全国大会に挑む選手たちが一堂に会し、第5回大会が幕を開けた。

 開会式で大役を務めたのは、北広島Fビレッジボーイズの主将・大橋亮太(平岡カウボーイズ出身/3年)。

 選手を代表してマイクの前に立つと、これまで支えてくれた人たち、そして3年間をともに歩んできた仲間への感謝を込めて力強く宣誓した。

「僕たち3年生にとって、この大会が最後の大会、そして最後の全国大会となります。僕たちはこの3年間、野球の技術だけではなく、野球に対する心構えや礼儀、チームワークの大切さを学んできました。監督、コーチ、保護者の皆さん、今大会を運営してくださる方々、そして3年間ともに戦ってきたチームメートへの感謝を胸に、悔いのない大会にすることを誓います」

 3年間の思いを凝縮した言葉が、モエレ沼公園野球場に響いた。

一番伝えたかったのは「仲間への感謝」

 宣誓を終えた大橋主将に、込めた思いを聞いた。

――選手宣誓の中で、特に伝えたかったことは?

「やっぱり最後の全国大会なので、一番はチームメートに感謝を伝えたいという思いがありました。3年間一緒に戦ってきた仲間への感謝を胸に戦う大会にしたいです」

 指導者や家族、大会を支える関係者への感謝はもちろん、その中でも大橋が真っ先に挙げたのが、苦楽をともにしてきたチームメートだった。

 中学野球最後の全国舞台。勝敗だけではなく、仲間とともに積み重ねてきた3年間への思いを胸に刻みながら戦う。

3週間練習した初めての選手宣誓 自己採点は「60点」

――選手宣誓はどれくらい前から練習していましたか?

「任されてから自分なりに内容を考えて、3週間くらい練習しました」

――選手宣誓は人生で何度目ですか?

「初めてです」

――自己採点すると何点くらい?

「60点です」

――では、残りの40点は試合で発揮してください。

「はい。ありがとうございます」

 初めて経験した選手宣誓。3週間かけて準備した大役を無事に終えても、自己評価は控えめな「60点」だった。

 残された40点は、いよいよ始まるグラウンドでの戦いへ――。主将として、3年生として、大橋が仲間とともに最後の全国大会に挑む。

北の大地にボーイズリーグを――第5回迎え、来年は12チームへ拡大予定

 「東商テクノ旗争奪 日本少年野球北海道大会」は、北海道におけるボーイズリーグのさらなる発展と、道外チームとの交流を目的に2022年に創設された。

 日本少年野球連盟北海道支部が発足10周年という節目を迎えた年に、「北の大地にボーイズリーグがやってくる」をコンセプトとしてスタート。北海道勢だけでなく東日本各地からチームを招き、普段なかなか対戦する機会のない道外の強豪と真剣勝負を繰り広げる交流の舞台として、その歴史を刻み始めた。

 第1回大会には北海道支部代表4チームと東日本ブロック代表4チームの計8チームが出場。開会式では大会を特別協賛する東商テクノから優勝旗が寄贈され、新たな大会の幕が開いた。

 北海道の選手たちにとって、全国各地のチームと地元で対戦できることは大きな経験となる。一方、道外から北海道を訪れる選手たちにとっても、野球を通じて交流を深め、それぞれの地域の特色ある野球に触れる貴重な機会となっている。

 2022年に産声を上げた大会は今年で第5回を迎えた。そして、さらなる発展に向けた構想も進んでいる。

 2027年からは、現在の北海道支部4チーム、東日本ブロック4チームの計8チームに加え、中日本、関西、中四国、九州の4ブロックからそれぞれ代表1チームを選出し、計12チームに規模を拡大して開催する予定となっている。

 最終的な調整はこれからとなるが、この構想が実現すれば、北海道にいながら全国各ブロックを代表するチームが一堂に会する大会となる。東日本を中心とした交流大会として始まった舞台が、北海道と全国を結ぶ大会へ――。創設から5年を経て新たなステージへ向かおうとしている「東商テクノ旗争奪 日本少年野球北海道大会」。今後、さらに楽しみな大会となりそうだ。

北海道を舞台に一堂に集まった8チームの選手達
北海道を舞台に一堂に集まった8チームの選手達

北海道勢4チーム、それぞれの「勝ち筋」 最後の大舞台へ主力選手が決意

少数精鋭、それぞれの個性を力に

 苫小牧ボーイズの中岡颯(沼ノ端ジェッツ出身/3年)は、チームの魅力を「全員それぞれに個性があるところ」と語る。決して人数の多いチームではない。それでも、一人ひとりの持ち味をしっかりと引き出し、それぞれの役割を組み合わせることでチームとしての力を高めてきた。

 勝ち筋は明確だ。先攻を取ることが多く、まずは初回から主導権を握りにいく。1番・長﨑煌心(北星有珠の沢ホークス出身/3年)が出塁のきっかけをつくり、2番・山田正兼(飛翔スワローズ出身/3年)がバントなどの小技を絡めて好機を広げる。そして3番・中岡、4番・太田怜臣(北光ファイターズ出身/3年)、5番・石崎莉望(泉野イーグルス出身/3年)の中軸が走者を還す。初回から得点を奪い、試合の流れを引き寄せるのが苫小牧の理想とする戦い方だ。

 守っては中岡と山田の投手陣が中心となってリズムをつくる。打線も上位だけに頼らず、下位打線からでもつながりを生み出せるのが強み。「どんな回でも自分たちで点を取るという雰囲気づくりができる」と中岡は胸を張る。

 チームは先日の全国大会で悔しさを味わった。その経験も今大会への大きな原動力となっている。

「全国で悔しい思いをしてきたので、その悔しさをこの北海道の舞台で晴らしたい。道外からも強いチームが集まってきていますが、その中でも優勝できるように頑張りたい」

 全国で味わった悔しさを胸に、少数精鋭の苫小牧ボーイズが一人ひとりの個性を結集し、北海道の頂点を目指す。

元気に入場行進する苫小牧ボーイズナイン
元気に入場行進する苫小牧ボーイズナイン

「ミスは打って取り返す」北広島Fビレッジの攻撃野球

 北広島Fビレッジボーイズを率いる主将・大橋亮太(平岡カウボーイズ出身/3年)は、チームの持ち味について「打撃を中心に練習しています」と力を込める。

 全国大会など強豪との戦いを経験する中で、守備のミスから失点する場面もあった。だからこそ、ミスを恐れて消極的になるのではなく、打撃で取り返す。その姿勢をチーム全体で共有してきた。

「守備のミスは全国大会でも普段の練習試合でも出ることがあります。そこをカバーするようなバッティング、特につないでいくことを意識しています」

 チームの勝ち筋をつくるのは、まず投手を中心とした守りだ。先発の柱となる高田青空(千歳ライトニングス出身/3年)は、直球と変化球を織り交ぜながら打たせて取る投球が持ち味。勝負どころでは三振を奪う力もあり、試合の流れをつくる。

 守備陣も、たとえミスが出たとしても、その後のプレーを大切にすることを徹底している。失点を最小限に抑え、攻撃につなげるのが北広島Fビレッジのスタイルだ。

 打線では上位から好機をつくる。及川豪志(東部カープジュニア出身/3年)、中野陽哉(千歳ガッツ出身/3年)らが四球や安打で出塁し、クリーンアップへつなぐ。そこで走者を返す役割を担うのが、帰山夕雅(東部カープジュニア出身/3年)や中津川隼人(和光Jrライオンズ出身/3年)ら中軸だ。

 帰山は来た球に素直に反応できる長打力が魅力。それだけでなく、タイミングを外された場面でもセンター方向を意識した打撃ができるなど、状況に応じた対応力も持ち合わせる。

 一方の中津川は、力強いスイングが持ち味だ。甘く入ったボールを一振りで仕留める力があり、長打で試合の流れを一気に引き寄せることができる。

僅差の敗戦を糧に「目標は優勝」

 大橋には忘れられない経験がある。全国につながる舞台での初戦敗退、そして全国の強豪との対戦で味わってきた僅差の敗戦だ。

「全国のチームと戦ってきて、1点の重さを感じました。僅差で負けることも多かったです」

 あと1点を奪うために、あと1点を防ぐために――。その悔しさを練習に持ち帰り、チームは力を蓄えてきた。

「そこからいろいろ経験して、たくさん練習もしてきました。全国大会では優勝を目標に掲げています。全員で一致団結して戦っていきたいです」

 ミスを恐れるのではなく、仲間同士でカバーし、最後は自慢の打撃で取り返す。これまで経験してきた「1点の重さ」を胸に、北広島Fビレッジボーイズが全国の舞台に挑む。

大橋主将(北広島)
大橋主将(北広島)

勝負どころで火を噴く打線 旭川道北の持ち味

 旭川道北ボーイズの北島叶翔(東川大雪野球少年団出身/3年)が挙げるチーム最大の武器は、打撃だ。

「選手一人一人の力強いバッティングです」

 個々がしっかりとバットを振り切り、一度流れをつかめば打線がつながる。北島によると、打てない時はなかなか得点につながらない一方、選手たちの気持ちが乗った時の爆発力には目を見張るものがあるという。

「追い込まれた時に打線が爆発して、大量得点を取れることがあります」

 その持ち味が表れたのが、選手権大会での札幌豊平ボーイズ戦だった。上位打線が勢いに乗ると、次々と得点を重ねて勝利。一人の一打をきっかけに打線全体へ勢いが波及していく、旭川道北らしい攻撃力を発揮した一戦だった。

 全国大会では、各地区を勝ち抜いた強豪との戦いが待っている。それでも北島は、仲間の力を信じている。

「相手はとても強いチームだと思います。でも、みんなの力を合わせれば勝てると思うので、その力を出せるように頑張りたいです」

 全員の気持ちが一つになった時、旭川道北自慢の打線は大きな力を発揮する。持ち前の力強いスイングとつながりで得点を奪い、全国の舞台で勝利を目指す。

北島主将(旭川道北)
北島主将(旭川道北)

学年を越えた結束 守りから流れを呼び込む「ONE TEAM」

 札幌手稲ボーイズの長出有芯(銭函ボーイズ出身/3年)は、今年のチームについて「3年生だけでは力が足りず、苦しんだ時期も多かった」と振り返る。それでも、2年生、さらに1年生が加わり、それぞれが戦力として力を発揮。学年の垣根を越えて支え合いながら、チームとして成長してきた。

 長出が強調する札幌手稲の持ち味は「ONE TEAM」。派手な攻撃だけに頼るのではなく、スモールベースボールを軸に、まずは守備からリズムをつくり、攻撃へつなげていくのがチームの勝ち筋だ。

 その守りで鍵を握る一人として名前が挙がったのが、中堅を守る日村陽(北発寒ファイヤーズ出身/3年)。広い守備範囲に加え、外野から内野へ積極的に声を掛けられる存在だという。周囲を見渡しながら仲間を動かすことができ、プレーだけでなく精神面でもチームを支えている。

 迎える北海道大会は、3年生にとって中学野球最後の全国大会。「チーム一丸となって、全員野球で勝ち進んでいきたい」と長出。苦しい時期を学年を越えた結束で乗り越えてきた札幌手稲ボーイズが、「ONE TEAM」を胸に最後の大舞台へ挑む。

長出主将(札幌手稲)
長出主将(札幌手稲)

協力:公益財団法人 日本少年野球連盟

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