
中学軟式野球から高校野球、そしてプロ野球へ――。その橋渡し役として注目されるのが「Kボール」だ。中学3年生が軟式と硬式の中間に位置する専用球を用いてプレーするこの舞台からは、後にプロ野球選手となる逸材が数多く誕生している。北海道出身の選手たちの足跡をたどると、Kボールが果たしてきた大きな役割が見えてくる。
Kボールは、中学軟式野球や中体連での活動を終えた中学3年生を対象に行われる大会で、軟式と硬式の中間に位置する専用球を使用する。その存在は、高校野球やプロ野球へのステップとして重要な意味を持っている。
2012年ドラフト3位で北海道日本ハムに入団した鍵谷洋平氏は、七飯町七飯中学校で渡島選抜の一員として活躍した。北海高、中央大を経てプロの世界に進み、日本ハムや巨人でプレーした実績を持つ。
同じく中学時代にKボールを経験した阿部剣友氏(北斗市立大野中学校/KWB函館選抜)は、札幌大谷高から2020年に巨人に育成8位指名を受けた。
さらに川村友斗氏(松前町立松前中学校/渡島選抜)は北海高、仙台大を経て、2021年に福岡ソフトバンクホークスに育成2位で入団。
大津綾也氏(せたな町立北檜山中学校/檜山選抜)は2021年に巨人から育成10位で指名を受けた。
続いて、坂本拓己氏(奥尻町立奥尻中学校/檜山BBC)は知内高から2022年に東京ヤクルトスワローズへドラフト4位で入団。
川下将勲氏(函館市立本通中学校/渡島・函館BBC)は2023年に西武から育成3位で指名を受けている。
昨年では、片山楽生氏(音更町立共栄中学校/KWB十勝選抜)が白樺学園高、NTT東日本を経て2024年にオリックスからドラフト6位で指名。
同じ2024年、澁谷純希氏(帯広市立南町中学校/十勝BBC)が帯広農業高から日本ハムに育成2位で入団した。
これらの事例が示すように、Kボールは「中学軟式から高校野球への架け橋」として確かな実績を残し続けている。北海道から羽ばたいた選手たちの歩みは、今後も中学球児たちに大きな希望を与え続けるだろう。
選手一覧
鍵谷 洋平(七飯町立七飯中/渡島選抜)
北海高(甲)-中央大-北海道日本ハム-巨人-北海道日本ハム
2012年ドラフト3位/北海道日本ハム
阿部 剣友(北斗市立大野中/KWB函館選抜)
札幌大谷高(甲)-巨人
2020年育成8位/巨人
川村 友斗(松前町立松前中/渡島選抜)
北海高(甲)-仙台大-福岡ソフトバンク
2021年育成2位/福岡ソフトバンク
大津 綾也(せたな町立北檜山中/檜山選抜)
北海高(甲)-巨人
2021年育成10位/巨人
坂本 拓己(奥尻町立奥尻中/檜山BBC)
知内高-東京ヤクルト
2022年ドラフト4位/東京ヤクルト
川下 将勲(函館市立本通中/渡島・函館BBC)
函館大有斗高-埼玉西武
2023年育成3位/埼玉西武
片山 楽生(音更町立共栄中/KWB十勝選抜)
白樺学園高-NTT東日本-オリックス
2024年ドラフト6位/オリックス
澁谷 純希(帯広市立南町中/十勝BBC)
帯広農業高-北海道日本ハム
2024年育成2位/北海道日本ハム
協力:日本中学生野球連盟北海道支部