屋内で開幕 学童球児の熱戦いよいよスタート

屋内で開幕 学童球児の熱戦いよいよスタート

札幌支部予選が開幕 平間主将が力強く選手宣誓

主将たちの決意 それぞれの思い胸に頂点へ

 開会式では、前年度優勝チームによる優勝旗・準優勝旗の返還が行われた。高円宮賜杯を制した東16丁目フリッパーズ、全道少年軟式野球大会を制した札幌オールブラックス、そして準優勝の札苗スターズがそれぞれ返還し、新たな戦いの幕開けを告げた。

 選手宣誓は、札苗スターズの平間陽大主将(6年)が務めた。堂々とした宣誓で大会の成功と全力プレーを誓い、会場に集まった関係者の心を一つにした。

 開会式後は4会場に分かれて12試合が行われ、いよいよ本格的な戦いがスタート。高円宮賜杯札幌支部予選の決勝は5月24日に予定されており、全道少年軟式野球大会札幌支部予選は6月6日に開幕、7月25日に決勝を迎える。

 ストライクでは今大会に出場する多くの選手にインタビューを実施。選手宣誓を務めた平間をはじめ、前年度全日本学童優勝の東16丁目フリッパーズ主将・小野寺佑亮(6年)、前年度全道少年優勝の札幌オールブラックス主将・近藤志月(6年)、幌南ファイターズ主将・松尾太一智(6年)、あいの里バイソンズ主将・佐古岡将希(6年)らが、それぞれの思いと覚悟を語った。

 それぞれのチーム、それぞれの主将が胸に抱く“頂点への思い”。学童球児たちの熱い戦いが、いよいよ始まった。

前年度優勝の東16丁目フリッパーズ
高円宮賜杯・前年度優勝の東16丁目フリッパーズ

俊足を武器に攻守で存在感 平間が掲げる成長と頂点への覚悟

 今大会の選手宣誓を担った札苗スターズの平間陽大(6年)は、インタビューでもはきはきと受け答えする、爽やかな印象の選手だ。札苗スターズは昨年の札幌支部予選で準優勝を果たし、2022(令和4)年の全道少年軟式野球大会では優勝を飾っている。

 俊足を武器にグラウンドを駆ける平間は、札苗スターズのリードオフマンとして攻守両面で存在感を放つ。

 野球を始めたのは年長。兄の影響を受けてバットを握り、幼い頃から野球に親しんできた。持ち味は迷いなく「足の速さ」。そのスピードは1番打者としての役割に直結し、チームの攻撃に勢いをもたらしている。

 現在は中堅手を主戦場に、投手としても起用されるなど、チームに欠かせない存在だ。

 この冬を経て、チームには明確な変化が見られる。「みんなのバッティングが上がった」と語るように、打撃力の底上げに手応えを感じている。打ち込みを重ねてきた成果が、オープン戦でも徐々に形となって表れてきた。

 個人として掲げる目標は「球速110キロ」。まだ計測経験はないものの、明確な数値目標を設定するその姿勢からは、成長への強い意欲がうかがえる。

 チームとしては、昨年あと一歩届かなかった頂点を見据える。「絶対に優勝する」と言い切る言葉には、強い決意と仲間への信頼が込められている。「何があってもチームで助け合って優勝する」――その覚悟が、札苗スターズの戦いをさらに力強いものにしていく。

平間主将(札苗スターズ)
平間主将(札苗スターズ)

プロフィール
平間 陽大(ひらま ひなた)
札苗スターズ/6年 主将
右投げ、両打ち
146センチ、37キロ
主なポジションは中堅手、投手を担う。
打順:1番を担う。
野球は兄影響もあり年長から競技をスタートさせている。
選手としての特徴
・高い走力を生かしたリードオフマン
・広い守備範囲を誇る外野守備
・投手としての成長にも期待
目標
・個人:球速110キロ到達
・チーム:各大会優勝

守備力向上で見えた成長の手応え 小野寺が語るフリッパーズの現在地

 東16丁目フリッパーズの小野寺佑亮(6年)は、この冬を経てチームの確かな成長を実感している一人だ。

 野球を始めたのは小学2年生。父の影響で球場に足を運ぶうちに興味を持ち、プレーする楽しさに惹かれていった。中でも「打った時が楽しい」と語るように、バッティングへの意欲は当初から強かったという。

 4年生の冬に北東ナインから東16丁目フリッパーズへ移籍。現在は2番打者として、遊撃手、三塁手を中心に、投手や捕手もこなすユーティリティ性でチームに貢献している。

 この冬は打撃強化に加え、守備力と体力面の底上げに重点的に取り組んできた。マシン打撃で打ち込みを重ねる一方、走り込みや基礎体力の強化にも励んだ。守備練習では多様なキャッチボールや実戦を想定した動きの反復を行い、実戦感覚を磨いてきた。

 その成果は確実に表れている。「前まではエラーが多かったけど、最近は減ってきて、判断もできるようになってきた」と自身とチームの成長を冷静に分析。秋とは別チームのような手応えを感じている。

 個人の目標は「北海道日本ハムファイターズジュニアに選ばれること」。そしてチームとしては全国大会出場を掲げる。全国制覇経験を持つフリッパーズにとって、“連覇”という重圧と期待は常に隣り合わせだが、「その流れを途切れさせない」と力強く語った。

 積み重ねてきた努力と成長の実感――。小野寺佑亮の言葉からは、再び頂点を目指すチームの確かな自信がにじみ出ていた。

小野寺主将(東16丁目フリッパーズ)
小野寺主将(東16丁目フリッパーズ)

プロフィール
小野寺 佑亮(おのでら ゆうすけ)
東16丁目フリッパーズ/6年 主将
右投げ、右打ち
143センチ、40キロ
家族は両親と3人
ポジションは遊撃手、三塁手(投手・捕手も兼任)とユーティリティな存在。
打順は主に2番を担っている。
野球は父の影響で小学2年生から北東ナインで競技をスタートさせ、4年生冬に東16丁目フリッパーズへ移籍
選手としての特徴
・複数ポジションをこなすユーティリティ性
・守備の安定感が向上中
・状況判断力の成長が顕著
目標
・個人:北海道日本ハムファイターズジュニア選出
・チーム:全国大会出場

全員打線で頂点へ 近藤が語る連覇への自信と手応え

 札幌オールブラックスの近藤志月(6年)は、チームの充実ぶりを象徴する存在だ。落ち着いた受け答えの中に、連覇へ向けた確かな自信がにじむ。

 幼稚園の頃、5歳上の兄の影響で野球を始めた。自然とバットを握り、気づけば野球が生活の一部となっていたという。

 昨年、札幌オールブラックスは全道少年軟式野球大会・札幌支部予選を制し、全道少年軟式野球大会でも頂点に立った。今年は“連覇”が懸かるシーズン。そのプレッシャーの中で迎えた冬期間、チームは体幹トレーニングやストレッチなど基礎強化に取り組み、土台づくりに力を注いできた。

 中でも重点を置いたのが打撃力の向上だ。「バッティングに力を入れて取り組んできた」と振り返るように、打ち込みを重ねてきた成果は確実に表れている。「1番から9番まで全員が打てるようになってきた」と語るその言葉が、チーム全体の底上げを物語る。

 オープン戦を通じても手応えは十分。個の力だけでなく、打線としてのつながりが強化されたことで、試合運びにも安定感が増している。

 目標は明確だ。「マック(高円宮賜杯全日本学童大会)で全国優勝」。個人としても、チームとしても同じ頂を見据える。

 「マック全国優勝です」――。シンプルながら力強い言葉に、挑戦者としてのチームの覚悟が凝縮されている。

近藤主将(札幌オールブラックス)
近藤主将(札幌オールブラックス)

プロフィール
近藤 志月(こんどう しづき)
札幌オールブラックス/6年 主将
右投げ、右打ち
143センチ、42キロ
野球は5つ上の兄の影響で幼稚園から競技をスタート。
家族は両親と兄、弟の5人。
選手としての特徴
・打線の一角として打撃力向上に貢献
・チーム全体の底上げを体現する存在
目標
・個人/チーム:マック(高円宮賜杯全日本学童大会)全国優勝

チームを動かす“声”と責任感 松尾主将が示す幌南の現在地

 幌南ファイターズを束ねる松尾太一智主将(6年)は、「声」でチームを引っ張るタイプのリーダーだ。グラウンドでは常に大きな声を響かせ、仲間を鼓舞しながら試合の流れを自分たちへと引き寄せていく。

 この冬は打撃力向上に力を注いだ。専門的な指導を受ける機会を設け、フォームの改善に着手。特に意識して取り組んできたのは打撃時の前傾姿勢だ。「打球が強くなってきた感じがある」と手応えを口にし、確かな成長を感じ取っている。

 現在は肘の状態を見ながらのプレーとなるが、それでも主将としての責任感は揺るがない。「バッティングでチームが勝てるようにしたい」。その言葉には、チームを背負う覚悟がにじむ。

 今季の幌南ファイターズは全21人。6年生は6人と決して多くはないが、松尾主将を中心にまとまりのあるチームだ。目標はもちろん頂点。「優勝を狙って頑張ります」と力強く言い切った主将の言葉が、チームの方向性を明確に示している。

 声で引っ張り、プレーで示す――。松尾太一智という存在が、幌南ファイターズの戦いに確かな軸をもたらしている。

松尾主将(幌南ファイターズ)
松尾主将(幌南ファイターズ)

プロフィール
松尾 太一智(まつお たいち)
幌南ファイターズ/6年
右投げ、右打ち
153センチ、45キロ
家族は両親と兄、姉の5人。
ポジションは投手、遊撃手。
野球は兄影響もあり小学3年生冬から幌南ファイターズで競技をスタートさせた。
選手としての特徴
・長打力と高い打率を兼ね備えた打撃
・守備では捕球・送球ともに安定感抜群
・大きな声でチームを引っ張るリーダーシップ

打っても投げても存在感 佐古岡が描く成長曲線と逆境に強いチーム力

 あいの里バイソンズの佐古岡将希(6年)は、投打の両面でチームを支えるキープレーヤーだ。左投げ、左打ちの特性を生かし、マウンドと打席の両方で存在感を放っている。

 野球を始めたのは小学1年生の秋。4歳上の兄の影響でプレーを始め、自然と野球の魅力に引き込まれていった。現在も兄は高校で野球を続けており、その背中を追いながら自身も成長を続けている。

 この冬は、SAQトレーニングを中心に体力強化に取り組んできた。スピードや俊敏性の向上を目的としたメニューを積み重ねたことで、プレー全体にスピード感が増し、試合でもその成果が表れ始めている。

 チームとしても大きな手応えをつかんでいる。「去年より打てるようになって、ピッチャーの球速も上がっている」と語るように、攻守両面でレベルアップ。練習試合や公式戦を通じて、着実に力を伸ばしてきた。

 個人としては、投手と一塁手を兼任。投手としてはスピードボールが武器だが、現在は課題である制球力の向上にも取り組んでいる。一方、打撃ではバットを変えたことで打球の質が向上。長打が増え、三振も減少するなど、確かな進化を遂げている。

 チームの強みについては「打たれても諦めないところ」と語る。劣勢でも粘り強く戦い、終盤に追いつく、あるいは逆転する――そんな勝負強さが今年のあいの里バイソンズの真骨頂だ。

 個人の目標は「ホームランや打点でチームに貢献すること」。そしてチームとしては「大きな大会で勝ち進み、札幌で一番強いチームになる」ことを掲げる。

 「絶対にチームに貢献して強いチームにする」――。その力強い言葉に、エース候補としての自覚と、チームを背負う覚悟がにじんでいた。

佐古岡主将(あいの里バイソンズ)
佐古岡主将(あいの里バイソンズ)

プロフィール
佐古岡 将希(さかおか まさき)
あいの里バイソンズ/6年 主将
左投げ、左打ち
158センチ、41キロ
家族は両親と兄の4人。
主なポジションは投手兼一塁手。
野球は兄の影響で小学1年生秋から競技をスタートさせた。
選手としての特徴は
・左腕から繰り出すスピードボール
・長打力向上中の打撃
・投打両面での高いポテンシャル
目標
・個人:本塁打・打点でチームに貢献
・チーム:大会で勝ち進み、札幌No.1のチームへ

雨を越えて、前へ進む力

 開会式当日はあいにくのグラウンドコンディションとなり、急遽屋内での実施となったが、会場に集まった選手たちの表情は明るく、その目はしっかりと前を見据えていた。インタビューを通じて感じたのは、それぞれが自分の役割とチームの目標を明確に持っていること。言葉の一つひとつに、この冬の努力と確かな手応えがにじんでいた。主将としてチームを背負う責任感、仲間とともに頂点を目指す強い意志――。そのすべてが、この大会の価値を一層高めている。ここから始まる熱戦の数々が、彼らをさらに大きく成長させていくはずだ。楽しみでならない。(書き手・大川祐市)

協力:札幌軟式野球連盟

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