こんにちは、古内克弥です。
いつもコラムをお読みいただきまして、ありがとうございます!
年に一回程度、ドナイヤの村田社長が当店にご訪問されます。
その度に、ドナイヤのグラブの特徴をご指南いただきます。
何度も聞いている話ですが、聞くとその度に
「やっぱりドナイヤっていいな」って思ってしまいます(笑)
本日はそんなドナイヤの魅力をお伝えしていきます!(今回は内野手編)
ド定番グラブの王様
ドナイヤの内野手用グラブ4型
当店でも長年、たくさんの選手に選ばれ続けているブランド「ドナイヤ」。
今日はその中でも、内野手用のグラブに絞ってお話ししたいと思います。
最初に4つの型番をご紹介しておきます。
- DJIM(サイズ7・万能型/いわゆる山田哲人モデル)
- DJIK(サイズ6・土手広の2ポケット型)
- DJII(サイズ5・センターポケット型)
- DJIMS(サイズ4・DJIMの小型)
この4型を順番に見ていくと、ドナイヤというブランドが何を大事にしているのかが、自然と伝わってくると思います!
なぜドナイヤは「定番」であり続けるのか
野球用品の世界は、毎年のように新作が出て、流行が移り変わっていきますが
そんな中でドナイヤは、あえて大きく変えないブランドです。
なぜかというと、目指しているものが
「目新しさ」ではなく「完成度」
だからです。
一度きちんと完成させた型を、徹底的に磨き込んで、長く作り続ける。
創業からずっと同じ型を作り続けていて
それが「定番」という信頼につながっています。
現在、創業から16年となりますが、ず〜〜〜っと同じ定番モデルを作り続けているんです。
これがどういうことかというと、軟式で使っていた子が
「硬式でもドナイヤがいい」となったとき、
まったく同じ型を買えるということです!
当時使っていた人も、十数年経って、同じものをまた手に取れる。
移行の学習コストがいらない。
これは、使う側にとってとても安心なことだと思います。
そしてもう一つ。
ドナイヤは「プロのために作ったグラブ」ではありません。
まずアマチュアの人たちのためのグラブとして作られていて、
それを良いと思ったプロが、自腹で買って使っている。
というのが大きな特徴です。
普通は逆なんです。プロ仕様を一般向けに落とし込む。
プロに実際に使ってもらって、その感想をもとに、一般向けの商品を作っていきます。
でもドナイヤは、店頭に並んでいるそのままを、プロがそのまま使う。
「プロが使うから良い」のではなく、
「良いからプロが選ぶ」
というグラブとなっています。
ドナイヤ内野手用グラブの本質
ドナイヤの内野手用グラブの魅力を一言でいうと、
「捕球の再現性を高める設計」
です。
派手なギミックや特殊機能ではありません。
- 自然にボールが収まるポケット設計
- 無駄のない革のしなり
- 操作性を優先したバランス
- 捕球から送球への、ひとつながりの滑らかさ
この4つが、とても高いレベルでまとまっています。
しかし面白いことに、ドナイヤは一つの正解を押し付けません。
ウェブ下で捕る選手もいれば、薬指下で捕る選手もいる。
そのどちらにも応えられる余白が、設計の中に残してあります。
だから、使い手によって完成形が変わります。
同じ型でも、その人の手の中で別の表情になっていくグラブなんです。
「育つ革」 傷を隠さないから、いい革しか使えない
ドナイヤのもう一つの大きな特徴は、革です。
使われているのは、きめの細かいステアレザー。
表面のコーティングをほとんどかけていない、いわゆる「素上げに近い」仕上げです。
創業からずっと、色はライトブラウン1色!!!
なぜ1色にこだわるのかというと・・・?
革というのは、人の肌と同じで、シワや傷があります。
普通は、それを隠すために濃い色を塗ります。
黒や赤といった濃い着色は、傷やシワを隠すためでもある。
しかしドナイヤは、着色をしません!!
だから傷もシワも見えてしまう。
ということは
本当にいい革でないと、そもそも作れない
ということなんです。
ライトブラウンというのは、その革本来のしっとり感や脂を、いちばん素直に感じられる色です。
さらに、素上げの革は、箱を開けた瞬間、強い革の香りがします。
グラブの香りが好きな方は、是非ドナイヤの香りを嗅ぐことをおすすめします(笑)
コーティングをしていない分、最初はやや硬い。
しかし、型をつけてオイルを入れていくと、手に馴染んでいく速さが他のメーカーさんより早く、そのしっとり感が、ボールの吸収を良くしてくれます。
つまりドナイヤは「即戦力」ではなく「育てるグラブ」です。
4型の特徴をそれぞれの理由から見る
ここからは、内野手用の4型を紹介します。
■ DJIM(サイズ7・万能型)

内野手用の中でいちばん大きいサイズ7。だから、どのポジションでも対応できます。
元々山田哲人選手がこのグラブを選んだところから、いわゆる山田哲人使用モデルとして知られる、一番人気の型です。
基本のポケットはウェブの下になります。
ドナイヤの村田社長が言うには、
「ウェブ下にポケットを作るようにすると、ボールがウェブに当たりますよね。普通のHウェブだと紐がバッテンに通してあるので、ボールが当たり続けると伸びて切れてしまう。ここの強度を上げるために、この形にしたんです。」
とのことでした。

ウェブを革でロックした独自構造(これは工場の特許領域です)。
耐久性が上がり、もし傷んでもこのパーツだけ交換できる。
「長く使えるよ」というメッセージが詰まっています。
■ DJIK(サイズ6・土手広の2ポケット型)

DJIMより一回り小さいサイズ6。 最大の特徴は、土手が広いこと。そしてポケットが2か所あることです。
ウェブ下と薬指下。この2つを、浅い捕球・深い捕球で使い分けられる。
編み上げのウェブで可動性を高めているので、内野はもちろん、投手寄りの使い方までこなせる懐の広さがあります。
ここで、グラブマニア系の鋭いお客さんによく聞かれることがあります。
「なぜDJIKだけ、手口紐が逆とじ(逆巻き)になっているんですか?」

答えは、土手が広いから です。
このグラブの型で土手が広いまま順とじにすると、親指側と小指側の高さが揃わなくなってしまう。
形が傾いてしまうんです。 逆とじにすることで、親指と小指の高さがきれいに揃う。
だから、わざわざ逆とじにしている。
難しい話ではなく、「広い土手のバランスを取るための工夫」です。
ここまでちゃんと計算して作られている、というところも、かなり熱心にアピールしていました。
このグラブの型付けは、薬指下から作っていくのがコツです。
ウェブ下のポケットは放っておいても自然にできてくるので、最初に薬指側を軽く叩いてあげる。
すると、浅く広い2ポケットが活きて、速い送球につながります。
■ DJII(サイズ5・センターポケット型)

中央に広いポケットを持つモデル。
ウェブは十字(クロス)。開閉の自由度を高めながら、真ん中の広いポケットを確保しています。
このグラブ、もとはソフトボール用に考えられたものだと、ドナイヤの村田社長から聞きました。
村田社長自身もソフトボールをやっていて、ソフト用にサード向けの一本を作りたいと思ったそうです。ちょうど宮本慎也さんと一緒にソフトボールをしていた時に、宮本さんにグラブを借り、その守備を参考にしながら考えたのが始まりだと聞きました。
野球のサードはベースの後ろで守りますが、ソフトボールはサードとホームの真ん中あたりで守ります。
距離が近い分、「グラブを向ける→グラブに当たる→ボールを握る→右手に持ってくる→投げる」という5つの動作をやっているうちに、セーフになってしまう。
だったら、その工程を一つでも減らせないか。 最初からバッター方向を向いていて、3号ボールがドンピシャで収まるポケットにすれば、ボールの勢いだけで勝手に閉じてくれる。握り直しの手間が要らない。 そうして生まれたのが、この真ん中の広いポケットだそうです。

ポケットを「広くする」と「深くする」は、似ているようで逆の方向です。
穴を掘るのと同じで、広めに掘れば山がなだらかになって浅くなる。深く掘りたいなら、谷を一点に絞る。 DJIIは前者。素早く送球したい人に向いた、浅く広いタイプです。
実は甲子園でドナイヤを使用する選手は山田哲人モデルよりもこの型を使う選手の方が多かったようです。
■ DJIMS(サイズ4・山田哲人モデルDJIMの小型)

手の小さい選手のためのモデルです。DJIMをそのまま小さくした、いちばん小さいサイズ4。
しかしこれは単なる縮小ではなく、ここでもかなりのこだわりが詰まっていて、専用の金型から作っています。
普通、小型を作るとなると、既存の金型の指先を少し短くするだけで済ませることが多いんです。
(金型を一つ作るのに、軽自動車が一台買えるくらいのお金がかかる)
しかし指先を切るだけだと、全体のバランスもポケットの位置も変わってしまいます。
「ただ指が短くなっただけ」のグラブになってしまいます。
ドナイヤは、わざわざ専用金型を起こして、中の指袋も、手首のバンドも、すべて小型に合わせています。
だから手の細い子、握力の弱い子でも、ピタッと収まる。
そして、子供の頃にこれを使っていた子が、大きくなったときに同じ感覚で山田哲人モデル(DJIM)へ移っていけます。
同じ型だから、その流れが自然に作られる。
ここにも「長く付き合ってほしい」という作り手の思いが込められています。

ちなみに、DJIMSのHウェブは、DJIMのようなロック構造ではなく、普通のバッテンのままです。
これは、手の力が弱い子のことを想定して考えて作られています。
力のない子は、ウェブに当てて捕るというより、親指側に指を寄せて、手の近いところで包むように捕るので、ウェブの紐の位置にボールが当たりにくいんです。 だから、紐が切れる心配が少ない。ロックにする必要がない、というわけです。
ここまで子供の使い方を見て設計されている。
こだわりがすごいです(笑)
ぜひご来店の際には、一度手に取ってみてください
正直に白状すると、私自身、こうして設計の理由を一つひとつ聞いているうちに、どうしてもドナイヤが欲しくなってしまって、気づいたらDJIKを買っていました(笑)。
さきほど「良いからプロが選ぶ」と書きましたが、説明を聴きながら、私も惚れてしまったのです(笑)
ドナイヤは、話を聞くほど理解が深まるグラブですが、最後はやはり、触れてみないと分からない部分があります。
- 手に入れた瞬間の収まり
- 張りと、しっとり感の同居
- 捕球したときの安心感
- 開閉の自然さ
このコラムを読んで、もし気になる型があれば、お店で一度試していただけたら嬉しいです。
「人気だから選ぶ」ではなく、「自分の手に合うから選ぶ」。
その感覚を、ご一緒に確かめられたら嬉しいです。
まとめ
ドナイヤの内野手用は、派手さはありません。 けれど、使えば使うほど良さが分かる 「本質型のグラブ」 です。
- 16年続く、完成された定番設計(DJIM・DJIK・DJII・DJIMS)
- 選手ごとに変わる、余白のあるポケット
- 傷を隠さない、本物の “育つ革”
- 過剰ではない、理由のある設計思想
これらが揃っているからこそ、長く愛され続けています。 そして何より ――
「プロが使うから良い」のではなく、「良いからプロが使う」。
この一言に尽きると思います。
ドナイヤは、まさにド定番グラブの王様!
ぜひ一度、その本質を手で感じてみてください。
何かドナイヤのことで気になることがありましたら
こちらのラインでお気軽にご相談くださいね!
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コラム著
株式会社 スポーツショップ古内
代表取締役社長 古内克弥
1982年4月15日生まれ
小学5年生の時に家業であるスポーツショップ古内の販売をお手伝いした時に、接客の楽しさを経験し、将来の夢を「スポーツショップ古内をでっかくする」に設定する。
サッカー、バレー ボールをメインに15種目ほどの競技を学び、大学で経営学を学んでゼット株式会社に入社。
ゼット株式会社では、 グラブ工場で一年間グラブ製作に携わり、グラブの知識を覚える。
三年間の修行を経てスポーツショップ古内に入社する。
2017年、代表取締役社長に就任。
札幌市のスポーツ&カルチャーフェスティバル「スポカル」の副実行委員長もつとめ、スポーツ普及に携わる。
学校や企業への講演依頼も年に10回ほど受け、経営、マーケティング、地域活性化などのテーマで話をしている。

バックナンバー
No.1 「綺麗な肌は好きですか?」
No.2「将来の夢はグラブ職人!?」
No.3「お手入れのコツは「手洗い」
No.4「グラブづくりイベント」
No.5「赤ちゃんに学ぶ、外角低めの克服法」
No.6「グラブのポジション別の特徴」
No.7「グラブ作りに挑戦!」
No.8「投手用グラブ タテ型派、ヨコ型派をわかりやすく解説」
No.9「失敗しないグラブ選び(2-1)」
No.10「失敗しないグラブ選び(2-2)」
No.11「バットの種類と違い」
No.12「バットの種類と違い2:複合バットについて」
No.13「源田選手のグラブについて」
No.14「野球セール ベースボールフェア予告」
No.15「新軟式ボールについて」
No.16〜17はセールの予告でした。
No.18「専門店のグラブの提案の仕方」
No.19「流行りのアンダーシャツ」
No.20「新発想のスパイク誕生!ブロックソール」
No.21「ブロックソールは中学校、高校でも使えるの?」
No.22「肘・肩・怪我予防ブレイスレボサポーター」
No.23.「中学軟式野球春季大会 古内杯 をレポート」
No.24.「塁間が0.1秒速くなる靴紐の結び方」
No.25.「塁間が0.1秒速くなるシューズのサイズの選び方」
No.26.「グラブの深さの見分け方」
No.27.「スポカルのご案内」
No.28.「スポカル」
No.29.「人気のドナイヤが仲間入り」
No.30.「ドナイヤポジション別<グラブ>のご紹介!」
No.31.「ドナイヤ ポジション別グラブのご紹介-2」
No.32「ドナイヤ ポジション別グラブのご紹介-3」
No.33「ドナイヤ ポジション別グラブのご紹介-4」
No.34「僕とアイピーセレクトの出会い」
No.35「2019年秋の新商品【グローブ】」
No.36古内社長のホームページ活用法
No37守備率10割のグラブ、その名も「ウィルソン」
No.38.「守備率10割のグラブ その名も「ウィルソン」その2」
No.39「守備率10割のグラブ その名も「ウィルソン」その3」
No.40「ボールの投げ方「フォーシーム」「ツーシーム」」
No.41球の回転数と球質の重さについて
No.42スポーツショップ古内改装計画!
No.43創業感謝祭のお知らせ!
N0.44キャッシュレス決済の還元が凄い!
No.45鳥肌もののクオリティ【佐藤グラブ工房】のグラブ!
No46新商品のご紹介<フィールドフォース>
No47【佐藤グラブ工房】グラブとコラボレーション
No48ゼットの源田選手モデルの型
No49思い出のカード
No50お手入れにおける「ブラッシング」の重要性
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No.52グラブハウスがオープンします!
No53日本一オシャレな野球専門店に教わりました。
No542020年もよろしくお願いいたします。
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