高野山旗で見えた課題と可能性 10度目のマクドナルド・トーナメントへ挑む
愛媛県・坊っちゃんスタジアムをメーン会場に8月7日開幕する「高円宮賜杯第46回全日本学童軟式野球大会 マクドナルド・トーナメント」。南北海道代表・東16丁目フリッパーズが、2年連続10度目の大舞台へ挑む。
初戦は大会2日目の8日、第1試合で群馬県代表・玉村ジュニアベースボールクラブと対戦。創部12年目で初の全国切符をつかみ、群馬県大会3冠を達成して勝ち上がってきた勢いのある強豪との一戦となる。
札幌支部予選、南北海道予選を圧倒的な強さで勝ち抜いた東16丁目フリッパーズは、その直前に臨んだ高野山旗全国大会で、自らの現在地を知った。全国で勝てる力はある。しかし、本当に日本一をつかむために必要なのは、技術でも戦術でもなかった。
笹谷武志監督が選手たちへ何度も問い続けたのは、「本気の覚悟」と「信じる勇気」。
全国制覇を知る名門だからこそ見える景色がある。再び日本一を目指す夏が、いよいよ幕を開ける。
高野山旗で見えた「現在地」
高野山旗全国大会は、東16丁目フリッパーズにとって単なる全国大会ではなかった。
8月に控えるマクドナルド・トーナメントへ向け、自分たちが全国でどこまで戦えるのか、その現在地を測る大会だった。
初戦となった2回戦では大分県代表・駅館スポーツ少年団を10―3で破り、五回コールド勝ち。
結果だけを見れば快勝だった。
しかし、試合後の笹谷武志監督に笑顔はなかった。
10点を奪っても、勝ったことだけでは満足しない。
勝利の中に潜む甘さ、油断、隙――。
全国制覇を目指すチームだからこそ見逃せない課題が、監督の目にははっきり映っていた。
その原因は技術ではない。
「全国大会を目指す責任と覚悟が足りない」
その一点だった。
勝つことよりも、「全国王者になる覚悟」を選手たちに問い続けたのである。


強豪撃破で得た、大きな成功体験
それでも、高野山旗は収穫の方が大きかった。
3回戦。
全日本学童大阪府代表・新家スターズとの一戦。
全国屈指の強豪を相手に、東16丁目フリッパーズは堂々と渡り合い、5―3で勝利を収めた。
試合後、笹谷監督は大きな手応えを口にした。
「高野山で一つ成功体験ができたことは大きい」
さらに、こう続ける。
「僕自身も、この子たちでもできるんだ。ただの夢物語じゃない。本気でつかみにいくんだと思えました」
選手たちの表情も変わった。
全国で戦える。
いや、全国で勝てる。
その自信を、自分たちの力でつかみ取ったのである。

悔しさが、次の戦いを強くする
準々決勝では三重県代表・渡会BEASTに敗れた。
全国制覇への挑戦は、そこで終わった。
しかし笹谷監督の胸に残ったのは、敗戦そのものではない。
「長曽根さんと対戦したかった」
全国屈指の名門との勝負。
そこまでたどり着けなかった悔しさこそが、この大会最大の財産になった。
「高野山で終わってはいけない」
その思いは、すでに次の舞台へ向いている。

勝負を決めるのは「覚悟」と「信じる勇気」
マクドナルド・トーナメントへ向け、笹谷監督が何度も口にした言葉がある。
「まずは子どもたちが本気の覚悟と信じる勇気を持つこと。これが大前提です」
技術や戦術だけでは、日本一には届かない。
高野山旗では、自分たちの長所を最大限に生かし、不得意な部分を最小限に抑える戦い方ができた。
あとは、それを信じ切れるかどうか。
「マックでも気持ちを整え、もっと熱い気持ちで、本気の覚悟と信じる勇気を持つこと。これができれば勝てない相手はいないんだ」
その言葉には、全国を知る指揮官だからこその重みがある。
さらに監督は、試合開始直後の入り方こそ勝敗を左右すると考えている。
「プレーボールの瞬間から、その覚悟を毎試合繰り返せるか」
全国の頂点は、その積み重ねの先にある。

10年前の歓喜を知る名門だからこそ
東16丁目フリッパーズにとって、マクドナルド・トーナメントは特別な大会である。
2015年はベスト8。
2016年は全国3位。
そして2017年、兵庫県代表・北ナニワハヤテタイガースとの激闘を制し、悲願の全国初優勝を果たした。
以来、この大会はチームの歴史そのものになった。
2019年には再びベスト8。
翌2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で大会中止となり、全国挑戦の夢は突然閉ざされた。
あの世代が全国でどこまで戦えたのか――。
その答えは今も誰にも分からない。
だからこそ、このチームには新たな歴史を刻む使命がある。

夢ではない。本気で日本一をつかみにいく
10度目のマクドナルド・トーナメント。
その数字は、積み重ねてきた伝統を物語る。
しかし、歴史だけでは勝てない。
今年の東16丁目フリッパーズが目指すのは、「過去の栄光」を追い掛けることではない。
高野山旗で得た成功体験。
全国で感じた悔しさ。
そして、笹谷監督が繰り返し伝え続ける「本気の覚悟」と「信じる勇気」。
そのすべてを胸に、選手たちは坊っちゃんスタジアムへ向かう。
夢では終わらせない。
本気で、日本一をつかみにいく夏が始まる。

ベンチ入りメンバー
指導者
▽監督
㉚笹谷武志(46)
▽コーチ
㉙菊池剛史(46)
㉘伊藤拓海(27)
選手
⑩小野寺 佑亮(おのでら ゆうすけ)
6年・右投げ、右打ち
①高野 恭佑(たかの きょうすけ)
6年・右投げ、右打ち
②中本 准太郎(なかもと じゅんたろう)
6年・右投げ、右打ち
③池田 成(いけだ なる)
6年・右投げ、左打ち
④橋本 昊(はしもと こう)
6年・右投げ、右打ち
⑤市橋 桔平(いちはし きっぺい)
6年・右投げ、左打ち
⑥岡田 旭陽(おかだ あさひ)
6年・右投げ、右打ち
⑦原 夢輝太(はら ゆきた)
6年・右投げ、左打ち
⑧佐藤 忠將(さとう ただまさ)
6年・右投げ、右打ち
⑨高塚 大輝(たかつか だいき)
6年・右投げ、右打ち
⑫米野 漣(よねの れん)
5年・右投げ、右打ち
⑭江端 隼(えばた じゅん)
6年・右投げ、左打ち
⑮山内 奏人(やまうち かなと)
4年・右投げ、左打ち
⑯泉 輝(いずみ ひかる)
5年・右投げ、左打ち
⑰伊藤 舶翔(いとう はくと)
5年・右投げ、右打ち
㉑橋本 航汰(はしもと こうた)
5年・右投げ、右打ち

マクドナルド・トーナメントまでの軌跡
高円宮賜杯全日本学童南北海道大会
◆決 勝(6月22日)
〇 10-2 岩見沢学童野球クラブ
◆準決勝(6月21日)
〇 7-3 北光ファイターズ
◆2回戦(6月21日)
〇 9-0 小樽中央JBC
高円宮賜杯第46回札幌支部予選
◆決 勝(5月24日)
〇 9-2 新陽スターズ少年野球団
◆準決勝(5月24日)
〇 7-0 屯田ベアーズ
◆準々決勝(5月17日)
〇 7-2 星置レッドソックス
◆3回戦(5月16日)
〇 11-2 東札幌ジャイアンツ
◆2回戦(5月9日)
〇 4-3 中の島ファイターズ少年野球団
◆1回戦(5月3日)
〇 26-0 拓北スパイダース

第46回全日本学童マクドナルド・トーナメント
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協力:東16丁目フリッパーズ
