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ボーイズリーグが主催する「第25回鶴岡一人記念大会」に、札幌豊平ボーイズの主将・菊地健斗(3年)が東日本選抜の一員として選出された。北海道からの唯一の選出で、5月の選考会を経て代表入りを果たした。7月に栃木で合宿を行い、8月には宮崎で全国の舞台へ。変化球を駆使する本格派左腕は現在、ストレートの球速アップにも挑戦中。春季リーグ最終戦では9奪三振の快投を見せ、15日からの北海道選手権でも初戦登板が期待される。
北海道からただ一人!鶴岡一人記念大会・東日本選抜入り
ボーイズリーグ・日本少年野球連盟が主催する「第25回鶴岡一人記念大会」に、札幌豊平ボーイズの菊地健斗主将(3年)が東日本選抜チームの一員として出場することが、6月8日の取材で明らかになった。
菊地選手は5月10日、群馬県の伊勢崎ガスあずまスタジアムで行われた選考会で全国各地から集まった実力者の中で堂々と代表入りを果たした。北海道からの選出はただ一人。7月19〜21日には栃木県での東日本選抜合宿に参加し、チームの一員として連携を深めた上で、8月22・23日に宮崎県の「ひなたサンマリンスタジアム宮崎」などで行われる大会本戦に挑む。
本大会は全国を5つの地域(東日本・中日本・関西・中四国・九州)に分け、それぞれの地域選抜チームが小学生・中学生・女子の3部門に分かれてトーナメント形式で対戦する、ボーイズリーグの中でも特別な舞台だ。
札幌オールブラックス出身の菊地選手は、小学1年生で野球を始め、2歳上の兄・琉斗選手(小樽双葉高校2年)の背中を追いながら力をつけてきた。豊平ボーイズでは主将としてチームをまとめ、左投げから繰り出すストレートとカーブのコンビネーションで打者を翻弄する投球スタイルが持ち味。中でも鋭く落ちるカーブは大きな武器となっている。
課題はストレートの球速アップ。全国レベルの舞台に向けて、さらなる進化を目指してトレーニングを重ねている。
次なる挑戦は北海道選手権、2回戦で札幌手稲ボーイズと激突へ
取材当日には、ナガセケンコー杯第34回北海道支部春季リーグ戦(全国大会一次予選)の最終戦が行われ、菊地選手は旭川道北ボーイズ戦で5回9奪三振という圧巻の投球を見せた。
いよいよ6月15日からは全国大会二次予選「北海道選手権大会」に突入する。初戦となる2回戦の相手は札幌手稲ボーイズ。登板予定の菊地選手は「初戦、投げると思うので、自分のピッチングでチームに勢いを与えられるよう頑張りたい」と静かに闘志を燃やす。
北海道を背負い、東日本を代表して、そして仲間とともに。菊地健斗の挑戦は、これからが本番だ。
■プロフィール
〇菊地 健斗(きくち けんと)
札幌豊平ボーイズ・3年
左投左打/170cm・55kg
家族構成:両親、兄の4人家族
野球歴:小学1年生で野球を始める。2つ上の兄・琉斗(現・小樽双葉高2年)影響で当時、西琴似パンダーズに入団。その後、札幌オールブラックスに移籍し、学童時代の6年時には北海道日本ハムファイターズJr.にも選出されるなど活躍した。
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鶴岡一人氏の功績を未来へ――記念大会が育む「希望」
鶴岡一人記念大会は、プロ野球の名将・鶴岡一人氏の功績を称え、2000年に創設された少年野球大会です。氏の「野球を通して未来の子どもたちが希望を持てるように」という願いを受け継ぎ、2024年で第24回を迎えました。会場は広島県呉市にある「鶴岡一人記念球場」などで行われ、全国から少年少女の選抜選手が集います。
全国5ブロックから精鋭が集結、小・中・女子の3部門で競演
主催は日本少年野球連盟(ボーイズリーグ)。大会は、東日本・中日本・関西・中四国・九州の5ブロックから選ばれた選抜選手により構成されたチームが、小学生・中学生・女子の3部門に分かれてトーナメント形式で対戦します。2024年大会では、小学生6チーム、中学生6チーム、女子5チームが出場し、地域の誇りを胸にしのぎを削りました。
本大会の大きな特徴は、競技力の向上だけでなく、「野球を通じた人間形成」に重点を置いている点です。勝敗以上に、あいさつやマナー、仲間への思いやりなど、人として大切な資質を育てる機会として位置づけられており、参加する子どもたちにとっては人生の節目となる貴重な経験となります。
南海ホークスの名将・鶴岡氏が残した“野球を超えた教育”
大会名の由来である鶴岡一人氏は、南海ホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)の監督として、日本シリーズ制覇2回、パ・リーグ優勝9回という実績を誇ります。それだけでなく、鶴岡氏は日本少年野球連盟の理事長・会長も務め、青少年育成に力を注ぎました。その姿勢は今も連盟や本大会に深く息づいています。
24回目を迎えた2024年大会でも、選手たちは各地の誇りを背負いながら懸命にプレーし、試合を通じて多くの絆や学びを得ました。野球がもたらす成長と感動――鶴岡一人記念大会は、まさに“野球を通じた教育”の象徴といえる存在です。未来を担う子どもたちが、ここから新たな一歩を踏み出していきます。
協力:公益財団法人日本少年野球連盟・北海道支部