
中学硬式野球・ボーイズリーグの春を締めくくるナガセケンコー杯第34回北海道支部春季リーグ戦。その最終日が6月8日、野幌とニセコの2会場で熱戦の幕を閉じた。野幌で行われた札幌豊平ボーイズ対旭川道北ボーイズの一戦は、互いに譲らぬ打撃戦。初回からリードを奪った札幌豊平が、エース菊地の粘投と打線のつながりで8-6と勝利を収めた。春季リーグを6勝2敗で終え、全国大会二次予選「北海道選手権大会」へ、大きな弾みをつける勝利となった。
イニングスコア
▽春季リーグ戦(6月8日、野幌運動公園・軟式)
札幌豊平ボーイズ8-6旭川道北ボーイズ
旭川道北ボーイズ
0102021=6
320111x=8
札幌豊平ボーイズ
(道)瀧口、古屋―岡
(豊)菊地、清野-中田
▽本塁打:岡(道)
▽三塁打:荒川(道)、吉田、中田(豊)
▽二塁打:山本(豊)、山本(豊)
初回から火の出るような猛攻 札幌豊平が主導権を握る
試合は初回から動いた。一死から2番・相澤柊太(芸術の森ライジング出身)が快音を響かせると、3番・清野馨(中の島ビックタイガース出身)、4番・菊地健斗(札幌オールブラックス出身)、5番・吉田翔(中の島ファイターズ出身)と続けざまの4連打で一挙3得点。ベンチもスタンドも一気に沸いた。
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さらに二回には、8番・山本陽亮(石山アトムズ出身)が左中間を破る二塁打を放ち、再び流れを呼び込むと、再び相澤が勝負強さを発揮し、センター前への2点タイムリー。チーム全体がバットで勢いをつくり、試合の主導権を握った。
“試合をつくる投球” 菊地が9Kで堂々のマウンドさばき
先発を任されたエース・菊地は、五回までの登板で与四球わずか1、奪った三振はなんと9。とりわけ膝元へ食い込むキレのあるカーブは、相手打者のバットを次々と空へ舞わせた。スコアこそ3失点と数字は残るが、その実、試合の流れを完全に支配する“らしい”内容だった。
六回からは清野がマウンドを引き継ぎ、3失点するも試合を収めた。
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主導権を渡さず終始リード 勝負強さ光る
四回には相手守備のミスに乗じて6点目をもぎ取り、五回・六回にも加点。打線が常にプレッシャーをかけ続け、相手投手に息をつかせなかった。ファーストストライクから積極的に振り抜く“好球必打”の姿勢は終始ブレず、チーム全体の“打線の波”が力強く押し寄せた。
結果は8-6の勝利だが、点差以上に「つながり」で押し切った印象の濃い一戦だった。
試合後、全国大会二次予選に向け黒岩公二監督は「気持ちでいきます」と短くも深い覚悟を口にした。指揮官の言葉にチームの士気がさらに高まるだろう。
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主将・菊地は「今日は全員でつないで点が取れたのが大きかった。投げる方でもコントロールと変化球が良かった」と充実感を覗かせた。そして続けて「二次予選では、チーム一丸で“つなぐバッティング”を貫いて勝ち上がりたい。自分は投手として試合を作る役割を全うしたい」と、エースとして、そして主将としての決意を語った。
■ 唯一旭川大雪を破ったチーム 全国へ、反撃の狼煙を
今春のリーグ戦を終えた札幌豊平ボーイズの成績は6勝2敗。1位は逃すも、その1位・旭川大雪ボーイズに唯一土をつけたのがこの札幌豊平だった。昨年の全道王者として、二次予選ではその意地と底力を見せる絶好の舞台が整った。
「勝ち切るチーム」へ、いよいよ真価が問われる6月15日。札幌豊平ボーイズの挑戦が、また新たな熱を帯びて動き出す。
一歩届かずも、意地の反撃光る!旭川道北ボーイズ、終盤に見せた執念の粘り
敗戦の中にも確かな光があった。
6月8日に行われたボーイズリーグ・ナガセケンコー杯第34回北海道支部春季リーグ戦最終日。旭川道北ボーイズは札幌豊平ボーイズとの一戦に臨み、8-6で惜敗した。先発・菊地投手の好投を前に前半は苦しんだものの、終盤にかけて粘り強く反撃。あと一歩届かなかったものの、選手たちの粘りが随所に感じられる試合だった。
二回、相手の守備の乱れに乗じて1点を先制。試合の流れをつかむには至らなかったが、確実にチャンスをものにした。そして迎えた四回、3番・荒川流星(永山中央野球少年団出身)が打ち放った打球は、センター頭上を越える会心の三塁打。続く4番・南部正臣、7番・末澤誠宗(アレグラッソ出身)の連続タイムリーで2点を追加し、食い下がる。
さらに六回には、2本のヒットと相手のミスを絡めて2点を奪い、点差をじわりと詰めていく。3点差となった七回。1番打者・岡秀翔(3年)が放った打球は、ライトのフェンスを越える鮮やかなソロホームラン。スコアは8-6。チーム全体が最後まで諦めない気迫で戦い抜いたことを証明する一打だった。
春季リーグ戦は3勝5敗と負け越して終えた旭川道北ボーイズ。しかし、この日見せた粘り強さ、そして個々の勝負強さは決して数字に現れるものだけではない。15日から始まる全国大会二次予選「北海道選手権大会」では、この悔しさを糧にさらに進化した姿を見せてくれるに違いない。
「最後まで戦う」姿勢を貫いた彼らの挑戦は、まだ終わらない。
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協力:公益財団法人日本少年野球連盟・北海道支部