
中学硬式野球のボーイズリーグ北海道支部は6月21日、第13回日本少年野球北海道選手権大会の3位決定戦および決勝を開催。決勝戦では旭川大雪ボーイズが札幌北広島ボーイズを4対2の逆転で破り、3年ぶり7度目の優勝を果たした。
優勝した旭川大雪ボーイズは、8月2日から和歌山県などで開催される「エイジェックカップ第56回日本少年野球選手権大会」に北海道代表として出場する。また、準優勝の札幌北広島ボーイズは、8月9日から群馬県で開催される「熱中対策水カップ第50回日本少年野球関東大会」に出場する。
今大会では、勝負を決定づける活躍を見せた旭川大雪ボーイズのキャプテン・山脇瑛翔選手が最優秀選手賞を受賞。攻守にわたる貢献でチームを牽引し、逆転勝利の立役者となった。また、同じく旭川大雪ボーイズの樽井新太選手と、札幌北広島ボーイズの千葉優輝選手が優秀選手賞に選ばれ、それぞれのチームで存在感を発揮した。
熱戦の末に幕を閉じた今大会。北海道代表として挑む次なる全国の舞台でも、彼らの活躍が期待される。
イニングスコア
◆決 勝(6月22日、モエレ公園)
旭川大雪ボーイズ4−2札幌北広島ボーイズ
旭川大雪ボーイズ
0002101=4
1010000=2
札幌北広島ボーイズ
(旭)前田、樽井ー市川大
(北)太田、永山、石田ー近藤
▽三塁打:樽井(旭)、千葉、石田(北)


樽井新太が投打で躍動、最優秀選手に山脇瑛翔
旭川大雪ボーイズは0-2とリードを許して迎えた四回、5番・市川大心(3年・愛宕スーパースターズ出身)と6番・荻子理人(3年・神楽少年野球団出身)の連打で反撃を開始。犠打で二、三塁とし、8番・高橋宗也(3年・東川大雪野球少年団出身)の四球で満塁とすると、9番・山脇瑛翔(3年・三小パワーズ出身)が押し出し四球を選び1点を返す。続く1番・大波蓮唯(3年・永山中央野球少年団出身)のセンター前適時打で2-2の同点に追いついた。
さらに五回、四球で出塁し二死二塁の場面から7番・樽井新太(3年・東聖イーグルス出身)がセンターオーバーのタイムリー三塁打を放ち、逆転。七回にも貴重な追加点を挙げた。
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投げては、先発・前田健成(3年・旭稜野球少年団出身)が三回2失点。四回からマウンドに立った樽井が、最速133キロのストレートとスライダーを駆使し、4回無四球5奪三振の快投で試合を締めた。
試合後、西大條敏志監督は「最終回、ランナー2人を背負ったが耐え切った。少し成長できたと思う」と選手たちを評価。「樽井は良かった。スライダーも低めに決まっていた」と称賛した。
冬場に全国大会を経験したチームは「努力してきた結果が出た」とも語り、「キャプテン山脇がチームをまとめてくれた」とリーダーシップを評価した。
全国大会前にはジャイアンツカップ北海道予選が控える。西大條監督は「北空知深川さんと当たる。練習試合を多くしてきたチームとの対戦は楽しみ。課題を洗い出したい」と今後を見据える。
キャプテンの山脇は「相手の流れに呑まれず、自分たちのペースで戦えたのが良かった」と語り、次戦に向け「もっと球数を投げさせる工夫や、攻撃の意識を高めたい」と課題も口にした。
投打に活躍した樽井は「最高です」と満面の笑み。「相手の勢いにのまれず、頭を冷やして臨んだ。ストレートは最高だった」と手応えを語る。「フライアウトが多かったので、もっと振る力を強化したい」と打撃面にも意欲を見せた。
また、「17人全員で全国に行けるのが何より嬉しい」と仲間との全国舞台を喜び、「初回から自分たちの流れに持ち込みたい。全国では高さに注意して投げたい」と意気込んだ。
初先発を任された前田も「全国に連れていきたい気持ちで投げた」と振り返り、「支えてくれた方々に恩返しできるよう頑張りたい。全国ではベスト4を目指したい」と決意を新たにした。
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札幌北広島、粘りの戦いもあと一歩届かず
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札幌北広島ボーイズは決勝戦、初回から主導権を握りにいった。一死から2番・関川楓雅(3年・平岡カウボーイズ出身)が内野安打で出塁し、すかさず二盗を決めると、二死二塁の場面で4番・千葉優輝(3年・千歳ガッツ出身)が左中間を破るタイムリー三塁打を放ち、1点を先制した。
さらに三回、二死満塁のチャンスで6番・竹村恵亮(3年・北野パワーズ出身)が押し出し四球を選び、2点目を追加。順調な滑り出しを見せた。
しかし四回に2-2の同点とされ、五回には逆転を許し2-3。最終回、二死から3番・丸山湊(3年・千歳ガッツ出身)、4番・千葉が連打を見せ粘りを見せたが、あと一本が出ず、無得点で試合終了。悔しい準優勝となった。
試合後、山田徹監督は「先発の太田は既定の40球をしっかり投げることができた。次に登板した永山は少し調子が悪かったが、エースの石田に繋いで、大雪さん相手に4失点であれば十分。ただ、大雪さんの前田君、抑えの樽井君は特にボールに力があり、コントロールも良かった。安打は出ても連打に繋げるのが難しかった」と相手投手陣の完成度に舌を巻いた。
「最終回、ツーアウトから3、4番が連打で繋いだが、そこでもう1本続けさせてくれないのが、やっぱり樽井君の凄さかな」と勝負どころでの力の差を語った。
また、「うちはこの大会を目標にやってきた。子供たちは本当に良く頑張ってくれた。土日だけの活動のチームがここまで来られたのは大きい」と選手たちをねぎらった。
「土日だけの活動だが、それでも高い志、意識があればなんとかなる」という理念のもと、チームを運営しているが、「選手権の前、2~3週間前には選手たちから“平日練習をしたい”という声があり、実際に行った。その成果もあって決勝まで進めた。しかし、大雪さんの壁は高かった」と振り返った。
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決勝でひときわ光ったのが、4打数3安打1打点の活躍を見せた千葉優輝。「負けたことを振り返ってもしょうがないので、次の目標!関東制覇を狙っていくだけ」ときっぱり前を向いた。
千葉は好投手・樽井投手からも2安打を放ち、広角に打ち分けるバッティングで存在感を示した。
札幌北広島ボーイズは、8月9日から群馬県で開催される「熱中対策水カップ第50回日本少年野球関東大会」に北海道代表として出場する。
