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― 雨中の激闘を超え、積み重ねた成長が結実 ―
中学軟式野球の最高峰「第42回全日本少年軟式野球大会」が、8月10日より神奈川県で開幕する。北海道代表として初出場を果たしたのは、南空知ベースボールクラブ(BBC)だ。7月21日に行われた北海道大会決勝では、浦河・様似・えりも中に8-5で勝利し、悲願の初優勝を飾った。
創設以来、地道に力をつけてきた南空知BBC。ついに全国の舞台で戦うチャンスをつかんだ。山内祐司監督は「勝っても負けても、横浜スタジアムで戦える幸せを胸に、これまで敗れてきた仲間の分まで戦ってほしい」と選手たちにエールを送る。勝てなかった日々の悔しさを力に変えて、いま、彼らの挑戦が始まる。
初戦は8月11日、第1試合(8:50プレーボール)で、神奈川県代表の強豪・相陽クラブと対戦する。同クラブは春夏連続で全国大会に出場している注目の実力チームだ。
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南空知BBCの対戦相手「相陽クラブ」
神奈川県相模原市を拠点とする中学生の軟式野球クラブ「相陽クラブ」は、2023年に元・相陽中学校野球部顧問の内藤監督を中心に設立された新進気鋭のクラブチームだ。発足から間もないながらも、2024・2025年には春夏連続で全国大会に出場する快挙を達成。特に2025年春の「第16回全日本少年春季軟式野球大会ENEOSトーナメント」では、全国ベスト4に輝いた。打撃力を重視した攻撃型スタイルが特徴で、接戦をものにする勝負強さも大きな武器。「目標は日本一」のスローガンのもと、部活動の枠を超えた新しい中学野球の形を体現する存在として、今や全国から注目を集めている。南空知BBCにとっては、まさに手強い相手だ。
敗戦と気づき、そこから始まった成長の歩み
南空知BBCの進化は、昨秋の敗戦から始まった。全日本少年春季北海道大会の2回戦でT・TBC(札幌)に2-6で敗北。点差以上に「やれた」と感じた選手たちは、試合の入り方や日々の取り組みを見つめ直し、チームは内面から変わり始めた。
南空知支部予選・決勝は、大雨で水が浮いた劣悪なグラウンドで強行開催。8-10と2点を追う七回最終回、相手投手の乱れから無死満塁のチャンスを得ると、4番・山田雅人(岩見沢東ブラックベアーズ出身・3年)が渾身のセンターオーバーで走者一掃の逆転サヨナラ打。だが勝利の中にも反省はあった。「隙がなかったか?」自らを省みた選手たちは、さらに成長への一歩を刻んだ。
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全道大会でつかんだ「勝ち切る力」
全道初戦となった1回戦・名寄・名寄東中学校戦では緊張から硬さが見られたが3-1で突破。2回戦ではその反動もあり、16-0と圧勝。準々決勝の中札内・更別中央中学校戦では7-2と点差以上に苦しんだが、粘りの野球で勝ち切った。
続く準決勝は、地元・足寄・本別・勇足・陸別中との戦い。投のエース・折口と打の柱・山田が牽引し、強敵を撃破。決勝の相手は浦河・様似・えりも中。両者エースを使い切った状態での総力戦となったが、南空知は豊富な投手陣で主導権を握る。攻撃陣も着実に得点を重ね、8-5で勝利。創部以来、悲願の北海道初制覇を成し遂げた。
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横浜スタジアムで見せる、未来への挑戦
山内祐司監督(48)は「全国では横浜スタジアムで試合ができる喜びを感じながら一生懸命頑張ります。またこれまで敗れ去った仲間の分まで頑張ってもらいます」と語る。彼らが積み上げた努力と経験、勝ちへの執念が今、全国の舞台で試される。南空知BBCの一戦一戦が、選手たちの未来へとつながる“物語”になるだろう。
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指導者・選手
<指導者>
▽監督
㉚山内祐司(48)
▽コーチ
㉙岩田 亮(27)
㉘川崎善生(48)
<選手>
(背番号、氏名、ふりがな、学年、出身少年団、投打)
★主将
⑩粟井 凰太(あわい こうた)
3年・砂川イーグルス出身
右投げ、右打ち
①折口 寿心(おりぐち よしと)
3年・継立ロビンス出身
右投げ、右打ち
②片山 広翔(かたやま ひろと)
3年・砂川イーグルス出身
右投げ、左打ち
③山田 雅人(やまだ まさと)
3年・岩見沢東ブラックベアーズ出身
右投げ、右打ち
④和田 龍之介(わだ りゅうのすけ)
3年・岩見沢第一アトムズ出身
右投げ、右打ち
⑤山﨑 温貴(やまざき はるき)
3年・栗山ロッキーズ出身
右投げ、右打ち
⑥安居 冴太朗(やすい こたろう)
3年・上江別ブルードリームズ出身
右投げ、右打ち
⑦谷内 和司(たにうち かずし)
3年・栗山ロッキーズ出身
右投げ、右打ち
⑧山内 秀悟(やまうち しゅうご)
3年・栗山ロッキーズ出身
右投げ、右打ち
⑨橋本 雷亞(はしもと らいあ)
3年・栗山ロッキーズ出身
右投げ、右打ち
⑪宮西 絢士(みやにし あやと)
2年・岩見沢ファイターズ出身
右投げ、右打ち
⑫中山 大夢(なかやま ひろむ)
3年・栗山ロッキーズ出身
右投げ、右打ち
⑬仲山 偉琉(なかやま たける)
2年・由仁ファイターズ出身
右投げ、右打ち
⑭雨池 悠佑(あまいけ ゆうすけ)
2年・長沼Fタイガース出身
右投げ、右打ち
⑮白倉 銀士(しらくら ぎんじ)
3年・南幌リトルタイガース出身
右投げ、左打ち
⑯小林 泰我(こばやし たいが)
2年・夕張ダイヤモンドスターズ出身
右投げ、右打ち
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全国大会までの足跡
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<全日本少年軟式野球大会・北海道大会>
◇決 勝
〇 8-5 浦河・様似・えりも中学校
◇準決勝
〇 6-1 足寄・本別・勇足・陸別中学校
◇準々決勝
〇 7-2 中札内・更別中央中学校
◇2回戦
〇16-0 根室別海合同野球部
◇1回戦
〇 3-1 名寄・名寄東中学校
<全日本少年軟式野球大会・南空知支部予選>
◇決勝
〇11-10 岩見沢軟式野球クラブ
◇2回戦
〇 3-1 由仁・栗山・長沼・夕張合同
全国大会トーナメント表

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協力:南空知BBC