あとアウト3つの無念。星置、夢散るも胸を張れ――。

あとアウト3つの無念。星置、夢散るも胸を張れ――。

監督の情が呼んだ“もう一つのドラマ”

ランニング本塁打で勝ち越し、リードを広げる

 1点を追う展開で迎えた二回、星置は敵失から二死三塁の好機を作り、7番・橋本昊(6年)がレフト前へ運ぶ同点打。試合を振り出しに戻した。さらに四回には、4番・西 来惟(6年)がレフトオーバーのランニングホームランを放ち2-1と勝ち越しに成功。五回には代打・辻 諒馬(5年)の二塁打から9番・石原将伍(5年)、1番・池内颯太(6年)のスクイズで3点目をもぎ取った。攻撃のリズムも良く、守備も落ち着き、勝利への道が見えかけていた。

先発の西 投手
先発の西 投手
四回にランニングホームランを打った西選手、写真左は佐々木選手
四回にランニングホームランを打った西選手、写真左は佐々木選手
代打で二塁打を放つ辻選手
代打で二塁打を放つ辻選手

悲劇の六回裏、采配と情が交錯する

 六回裏、あとアウト3つ。だがここから試合の空気が変わる。ライトオーバーの三塁打、犠牲フライで1点差。続く打者の二盗、挟殺プレーで二死二塁となった場面で、相手の5番打者を迎えた。外野を最大限下げてロング警戒の布陣を敷いたが、ボールはそのさらに上を越え、センターオーバーのサヨナラ2ラン。ベンチでは渡辺監督が「申告敬遠させて次打者で勝負すべきだったか」と悔やみ、そして「最後、抑えてほしいという情が出てしまった」と、監督としての“心の揺れ”を振り返った。

星置応援席に挨拶する星置レッドソックスナイン=(写真・チーム提供)
星置応援席に挨拶する星置レッドソックスナイン=(写真・チーム提供)

未来に託す拳と涙

 勝てばダブルヘッダーで地元・千葉市選抜の千葉ドリームスとの一戦が控えていた。「あの舞台に選手を立たせてやりたかった」と語る渡辺監督の言葉には、勝利以上に子どもたちの経験を思う強い気持ちが込められていた。星置レッドソックスは、3日に東京観光を経て北海道へ帰還する予定だが、11月には秋田で開催される北日本選手権大会へ北海道代表として再び全国の舞台に挑む。その拳は、次こそ勝利をつかむために――。

スコアボード
スコアボード

イニングスコア

◆1回戦(8月2日、ZOZOマリンスタジアム)

星置レッドソックス
010110=3
100003=4
田上ライナーズ 
(星)西、佐々木(5回)、瀬川(6回)、西(6回)ー池内颯
(田)田上 中村、宇田(6回)、平村(6回)ー木葉
▽本塁打:西RH(星)、中村RH、上田RH(田)
▽三塁打:平村(田)
▽二塁打:辻(星)

千葉市長杯トーナメント表

第23回 千葉市長杯トーナメント表
第23回 千葉市長杯トーナメント表
(写真・星置レッドソックス提供)
(写真・星置レッドソックス提供)

協力:星置レッドソックス

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