投手陣強化と結束力で日本選手権出場を狙う
中学硬式野球の旭川西リトルシニアを2月11日、チーム訪問し冬季練習の様子を取材した。秋季全道大会では2勝4敗と悔しい結果に終わったが、現在は課題だった投手力強化を中心にチーム作りを進めている。浅田勝喜監督は「昨年届かなかった日本選手権出場を目指す」と語り、春へ向けて戦力の底上げを図る。冬の練習に励むチームの現在地を追った。
主将・遠藤晴人を中心に結束する新チーム
旭川西の主将を務めるのが遠藤晴人(共和ワンダーズ出身/新3年)だ。守備はショート、打順は1番。右投げ左打ちのリードオフマンとしてチームをけん引する存在だ。
浅田勝喜監督は遠藤について「真面目で下級生の面倒もよく見ますし、同学年からの人望も厚い。キャプテンとして適任の選手」と信頼を寄せる。
現在の主力には
中山愁太(末広野球少年団出身/新3年)
阿部誠和(末広野球少年団出身/新3年)
遠藤晴人(共和ワンダーズ出身/新3年)
渡曾陽大(近一チャレンジャー出身/新3年)
らがおり、この4人は2年生の頃から全国大会など大舞台を経験してきた世代だ。遠藤を中心に、新3年生全員でチームをまとめながら新シーズンに向けて準備を進めている。
秋の課題は投手層、冬は投手強化へ
昨秋の全道大会は2勝4敗。結果だけを見ると苦しい戦いとなったが、浅田監督は「全く戦えないわけではなかった」と振り返る。
エースの中山愁太(末広野球少年団出身/新3年)が投げる試合では接戦に持ち込めていたが、課題は2番手以降の投手だった。
「中山が投げている時はロースコアの接戦になりますが、交代したタイミングで崩れてしまう試合が多かった。そこが大きな課題でした」
そこでこの冬は投手強化に重点を置いたチーム作りを進めている。
新2年生投手の台頭で広がる可能性
現在、2番手以降の投手候補として期待されているのが新2年生投手陣だ。
敦賀蒼佑(忠和サンダース出身/新2年)
石附瑠心(陵雲ファイターズ出身/新2年)
橋本隆誠(共和ワンダーズ出身/新2年)
忠岡怜駈(神楽少年野球団出身/新2年)
の4人を中心に投手陣の底上げを図っている。
週末には旭川龍谷高校の室内練習場を借り、ブルペンでの投げ込みを行うなど本格的な強化を続けており、浅田監督は「春には十分戦力になる」と手応えを語る。
新戦力加入と過去最多39人の大所帯
さらにチームには新戦力も加わった。恵庭リトルシニアから移籍してきた秋谷哲汰(千歳タイガース出身/新3年)だ。
浅田監督は「対戦していた時から良い選手だと思っていた。守備面でも大きな戦力」と期待を寄せる。
現在のチーム構成は
・新3年生 8人
・新2年生 14人
・新入団予定 17人
合計39人。球団史上最多の人数となり、チームの活気も増している。
目標は日本選手権出場と全国の壁突破
今シーズンの目標は明確だ。
「まずは昨年届かなかった日本選手権出場。そして全国大会ベスト16という最高成績を更新したい」
旭川西リトルシニアのコンセプトは「高校で活躍できる選手の育成」。
浅田監督は「中学で結果を出せるのが一番ですが、高校で花開いてくれる選手を育てることが一番の目標」と語る。
投手力強化とチームの結束力を武器に、旭川西リトルシニアが新たな歴史を刻もうとしている。
主将・遠藤晴人が描く旭川西の春
秋の悔しさを糧に全国大会へ――チームをまとめるキャプテンの決意
旭川西リトルシニアで主将を務める遠藤晴人(えんどう・はると)。昨秋の全道大会は2勝4敗と悔しい結果に終わったが、キャプテンでありチームのリードオフマンとして、その経験をどう受け止め、春に向けてどのようなチームを目指しているのか。遠藤主将に話を聞いた。
秋季全道大会の悔しさと見えた課題
昨年秋に行われた全道大会で旭川西は2勝4敗という結果に終わった。遠藤主将は大会を振り返り、こう語る。
「勝てる試合も多かったと思います。ただ、終盤に集中力が落ちて点を取られて負ける試合が多かったです」
その要因として挙げたのが投手陣の層だ。
「エースの中山が投げている時は接戦になることが多いんですが、ピッチャーが代わるタイミングで失点してしまうことがありました。そこはチームとしての課題だと思っています」
守備面については「大きなミスは少ない」としながらも、攻撃面では「チーム全体としてもう少し得点力を上げたい」と冷静に分析した。
キャプテンとしての役割
遠藤はチームのリードオフマンでありながら、主将としての責任も担う存在だ。
しかし、彼が意識しているのは「一人で引っ張るキャプテン」ではないという。
「キャプテン一人が引っ張るというより、3年生全員でチームをまとめることを意識しています」
学年全体でチームを支えるという意識が、旭川西の強みでもある。
「3年生はみんな同じ方向を向いていると思います」
キャプテンの言葉からは、チーム全体の結束力の高さがうかがえた。
春へ向けたキャプテンの決意
悔しい結果に終わった秋。しかし遠藤主将の視線はすでに次の舞台へ向いている。
「今はまだ秋と大きく変わったわけではないと思います。でもこれからしっかり気持ちを切り替えていきたいです」
チームの目標ははっきりしている。
「目標は全国大会出場です。そのために、もっとチーム全体が盛り上がれるチームにしていきたいです」
足を生かしたプレーでチームを引っ張るリードオフマンであり、3年生とともにチームをまとめるキャプテン。遠藤晴人が描く旭川西リトルシニアの春は、全国への挑戦とともに幕を開けようとしている。
遠藤 晴人(えんどう はると)
旭川西リトルシニア/新3年
右投げ左打ち
170センチ、57キロ
野球を始めたキッカケは2つ上の兄の影響で小学1年生から共和ワンダーズで競技をスタートさせる。
台湾遠征で得た経験を糧に
旭川西リトルシニアのエース・中山愁太、春の頂点へ
旭川西リトルシニアのエースとしてマウンドを任される中山愁太。身長180センチの長身右腕は昨秋の全道大会でも先発の柱としてチームを支えた。北海道選抜として台湾遠征も経験し、国際舞台でのプレーを通して多くの刺激を受けたという。秋の悔しさと海外での経験を糧に、春の開幕へ向けて歩みを進めるエースの思いに迫った。
秋季全道大会2勝4敗の悔しさ
昨秋に行われた全道大会で旭川西リトルシニアは2勝4敗という結果に終わった。エースとしてマウンドを任された中山は大会をこう振り返る。
「自分としては、もう少し勝てた試合もあったと思っています。チーム全体として、勝とうという気持ちが少し足りなかったのかなと感じています」
中山が登板した試合では接戦に持ち込む展開も多かった。しかし降板後に失点する試合もあり、投手層の厚さがチームの課題として浮き彫りになった。
それでも、この経験はチームにとって次への材料でもある。エースとして中山は、その課題と向き合いながら春の戦いへ備えている。
台湾遠征で感じたレベルの違い
中山は北海道選抜の一員として台湾遠征を経験した。現地では先発2試合を含む計3試合に登板したという。
「台湾の選手は体が大きくて、初球からどんどん振ってくる印象でした」
パワーのある打者が多く、ストレートは苦戦したが、変化球には手応えもあった。
「ストレートは結構打たれましたが、スライダーは通用したと思います」
海外での経験は自身の成長だけでなく、チームへの刺激にもつながっている。
「向こうの選手たちは厳しい環境の中でもしっかりやっている。自分たちも試合を意識した練習をもっとやっていければいいと思いました」
北海道選抜のチームについても「元気があって、つなぐバッティングができるチームだった。投手もゲームを作れるピッチャーが多くて勉強になりました」と振り返った。
春の開幕へ向けてエースの決意
冬の練習を経て、チームは徐々に形を整えつつある。
「チームとしては、だいぶ形が出来てきていると思います」
エースとしての視線はすでに春の大会へ向いている。
「このまま練習を続けて、開幕戦では全勝して大会優勝を狙えるチームになっていたいです」
台湾遠征で得た経験、秋の悔しさ、そして冬の鍛錬。すべてを糧に、中山愁太が旭川西リトルシニアのマウンドに立つ。
中山 愁太(なかやま しゅうた)
末広野球少年団出身/旭川西リトルシニア/新3年
右投げ、右打ち
180センチ、65キロ
北海道選抜として台湾遠征を経験。旭川西リトルシニアのエースとして春の大会での活躍が期待される右腕。
守備の要として旭川西へ
恵庭から移籍した秋谷哲汰、新天地で神宮を目指す
旭川西リトルシニアに新たな戦力が加わった。恵庭リトルシニアから移籍してきた捕手・秋谷哲汰(千歳タイガース出身/新3年)だ。家庭の事情により旭川へ移り、旭川西リトルシニアへ加入。新チームの守備の要として期待されている。投手陣を支える捕手としての視点、そして新天地での目標について話を聞いた。
恵庭から旭川西へ、新天地での挑戦
秋谷は小学校1年生から野球を始めた。きっかけは父の存在だった。
父は鵡川高校でプレー経験を持ち、ショート、ピッチャー、キャッチャーを務めた野球経験者。その影響もあり、自然と野球に親しんできたという。
これまで恵庭リトルシニアでプレーしてきたが、家庭の事情で旭川へ移り、旭川西リトルシニアへ移籍した。
「もうチームには慣れました。友達も増えてきました」
恵庭と旭川西のチームカラーについても違和感は少ないという。
「バントのやり方やバッティングの教え方など、似ている部分もあります」
雰囲気については「明るくてやりやすいチーム」と語り、新天地でも順調にチームに溶け込んでいる。
捕手の視点で見る旭川西の投手陣
旭川西は秋の全道大会で2勝4敗。エース中山愁太が投げる試合では接戦に持ち込めるものの、2番手以降の投手層が課題とされている。
捕手として複数の投手の球を受ける秋谷は、投手陣の現状を冷静に見ている。
「新3年生の渡曾陽大は、球もそこそこ速くて変化球がいいピッチャーです」
一方で課題もあるという。
「コントロールがまだ安定していないので、フォームを改善すればもっと良くなると思います」
さらに、新2年生の投手陣にも成長株がいる。
「敦賀蒼佑はストレートも速くて変化球もいいピッチャーです」
また左腕の石附瑠心についても
「チェンジアップのキレがいい投手です」
と評価。若手投手の成長がチームの鍵を握ると見ている。
捕手として守備を動かす存在へ
キャッチャーとして最も意識していることは「声かけ」だという。
「キャッチャーはグラウンド全体が見えるポジションなので、声を出して守備を動かすことを大事にしています」
守備の要としてチーム全体を見渡しながらプレーする秋谷。旭川西にとって重要な存在となることが期待されている。
目標は神宮、開幕へ向けて
個人の課題として挙げたのは打撃だ。
「バッティングがまだ課題なので、もっと良くして西の上位打線に入れるようにしたいです」
またチームについては、もう一段階の緊張感が必要だと感じている。
「練習の雰囲気がもう少しピリッとすれば、もっといいチームになると思います」
その先に見据える舞台ははっきりしている。
「目標は神宮です」
守備の要として旭川西へ移籍した秋谷哲汰。新天地での挑戦が、春の開幕へ向けて始まっている。
秋谷 哲汰(あきや てった)
千歳タイガース出身/旭川西リトルシニア(新3年)
右投げ右打ち
170センチ、60キロ
恵庭リトルシニアから旭川西リトルシニアへ移籍。捕手として投手陣を支える守備の要として期待される。目標は神宮出場。
攻撃の要・渡曾陽大
中学野球最後の一年、悔いのないシーズンへ
旭川西リトルシニアの打線で「攻撃の要」として期待される渡曾陽大(近一チャレンジャー出身/新3年)。右投げ右打ちの強打者は、チャンスの場面でも「次につなぐ意識」を大切に打席に立つという。秋の全道大会で感じた悔しさを糧に、中学野球最後の一年へ向けて決意を語った。
秋季全道大会2勝4敗の悔しさ
新チームで挑んだ秋の全道大会は2勝4敗。渡曾自身は「ピッチャーとしてもバッターとしても、あまり活躍することができなかった」と振り返る。
「自分は粘り強いバッターになりたいと思っているんですが、それができませんでした」
しかし、これから迎えるシーズンは中学野球最後の一年となる。
「最後の年なので、悔いの残らない試合をしていきたいです」
チームとしても能力のある選手は多いと感じているという。
「選手はみんないいと思うので、声掛けやコミュニケーションをもっと取れれば、さらに良くなると思います」
攻撃の要としての打席での意識
得点が欲しい場面で名前が挙がることの多い渡曾。打席では「塁に出ること」を第一に考えている。
「どんな形でもいいので、とにかく塁に出ることを意識しています」
チャンスの場面ではプレッシャーも大きくなるが、その中でも大切にしている考えがある。
「ヒットを打とうとすると緊張してしまうので、次の打者につなぐ気持ちで打席に入っています」
自分が決めるだけではなく、チームの流れを作る役割を担う打撃を意識している。
最後の一年、開幕へ向けた決意
冬の練習を経て迎える春。渡曾はシーズン開幕に向けて強い思いを抱いている。
「高校の関係者の方にもまだ見せられていない自分のプレーがあるので、練習で積み重ねてきたことを試合で出したいです」
個人としてもチームとしても、目指す姿は同じだ。
「チームとしても個人としても、練習してきたことをしっかり出し切れる状態で開幕を迎えたいです」
攻撃の要として期待される渡曾陽大。中学野球最後のシーズンが、まもなく幕を開ける。
渡曾 陽大(わたらい はると)
近一チャレンジャー出身/旭川西リトルシニア(新3年)
右投げ右打ち
175センチ・75キロ
小学3年生から野球を始める。祖父の勧めがきっかけ。双子の弟・恵大も旭川西リトルシニアでチームメイトで、ともに切磋琢磨しながら成長を続ける。旭川西では攻撃の要として期待される存在。
