日本選手権の悔しさを力に 「全員でつかんだ切符」を胸に全国制覇へ挑む
北海道代表・大空リトルシニアが、第15回日本リトルシニア東日本選抜野球大会へ2年ぶり2度目の出場を果たす。
2024年春には前年秋の北海道大会準優勝を勝ち取り、第30回日本リトルシニア全国選抜野球大会へ初出場。同年夏には東日本選抜大会にも出場した。再びつかんだ全国の舞台。今年は日本選手権での苦しい経験を乗り越え、チームとして一回り成長した姿で大会に臨む。
冨田大介監督は「苦しい時期を全員で乗り越えたことが、このチームの大きな財産になりました」と振り返る。日本選手権ではエース・土門琉人(佐呂間ライオンズ出身/3年)と深澤昊(佐呂間ライオンズ出身/3年)の両投手がコンディション不良のため登板を回避。それでも野手陣と控え投手陣が奮起し、敗者復活戦を3連勝して東日本選抜大会出場を決めた。その経験が、チームに確かな自信をもたらしている。
「ここは通過点」 二枚看板を守った冨田監督の決断
日本選手権で冨田監督は、勝利よりも選手の将来を優先する決断を下した。
「本人たちは痛くても投げたい気持ちはありました。でも、ここは通過点。彼らにはプロを目指してほしいという思いがあります。だから1イニングも投げさせませんでした」
勝負を諦めたわけではなかった。
「今こそ野手が投手を助ける番だ。1点でも多く取って戦おう」
そう選手たちへ伝えると、ショートを務める選手がマウンドへ上がるなど、これまで登板機会の少なかった投手陣も奮闘。野手陣も粘り強く戦い抜き、全員で最後の出場枠を勝ち取った。
「野手も投手も、本当に成長しました。チームで勝ち取った東日本選抜の切符です」
監督は、その価値を強調した。
エース復活 優勝で弾み
そして迎えた今大会。
故障していた土門、深澤の両投手は完全復活を果たした。大会直前に行われた釧路での地方大会では、二枚看板が全試合でマウンドを守り抜き、チームを優勝へ導いた。
「マウンドに戻ってきた姿を見て、野手も『エースが帰ってきた』と勇気づけられたと思います」
昨秋、今春と北海道大会4強入りを支えた二人が万全の状態で戻り、チームは大きな勢いを手にして東日本選抜へ乗り込む。
主将「守りから流れをつくり優勝する」
チームを引っ張る岡本大輝主将(遠軽東イースターズ出身/3年)は、自分たちの代では初めてとなる全国大会に強い思いを抱く。
「優勝を目指して、チーム全体の士気も高まっています」
日本選手権では主力投手が投げられない苦しい状況の中でも、仲間たちが必死につないで勝ち上がった姿を間近で見てきた。
「主力投手がけがをしている中で、みんながしっかりつないで、本当に全員でつかんだ勝利だったと思います」
チームの持ち味についても迷いなく口にする。
「うちは守りから流れをつくるチームです。投手陣が復活したので、その流れを野手陣がしっかり援護して勝ち進みたいです」
4番・左翼として攻守の中心を担う岡本主将は、「最後の大きな大会なので、目標は優勝です」と力強く誓った。
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決勝で実現するか 特別な再会
冨田監督には、もう一つ特別な思いがある。
昨年4月、大空リトルシニアを離れ、新潟県の新発田リトルシニアへ進んだ教え子・藤川瑛士(網走ジュニアブルージュニアーズ出身/3年)がいる。当時は「いつか甲子園で会えたらいいね」と語り合っていたが、今回、その教え子も東日本選抜大会へ出場することになった。
日本選手権で大空が敗れた直後、その教え子から「僕たちは決めました(東日本選抜)。あとは大空を待っています」と連絡が届いたという。
両チームが顔を合わせるには、ともに勝ち進み決勝へ進出するしかない。
育成を第一に考え、選手の未来を見据えた決断。その思いを受け継いだ選手たちが一つになってつかんだ全国への切符。そして完全復活した二枚看板とともに挑む東日本選抜大会。
大空リトルシニアは、チーム全員の思いを胸に全国の舞台へ挑む。

協力:大空リトルシニア
