初戦は福岡代表・城少レッドスターズ 52年の伝統を胸に、屯田ベアーズが兵庫・淡路で全国へ挑む
勝つためだけではない。
速く走ることも、声を出すことも、仲間を讃えることも、最後まで諦めないことも――。そのすべては、屯田ベアーズが長年大切にしてきた「全力疾走」という一つの言葉へとつながっている。
札幌市北区を拠点とする学童野球の屯田ベアーズが、兵庫県淡路市で開催される「MIZUNO BASEBALL DREAM CUP Jr. Tournament 2026」へ北海道代表として初出場する。1974年創部、今年で52年目を迎える伝統チームは、激戦の北海道予選を勝ち抜き、念願の全国切符をつかんだ。
全国59チームが集う大会は、A~Hの8ブロックによるトーナメントで行われ、各ブロックを勝ち抜いた8チームが、11~12月に関西圏球場・阪神甲子園球場(予定)で開催されるFINALラウンドへ進出する。
屯田ベアーズはEブロックに入り、大会2日目の8月9日、兵庫県立淡路佐野運動公園多目的3面で福岡県代表・城少レッドスターズとの初戦に臨む。北海道からは屯田ベアーズのほか、新陽スターズ、栗山ロッキーズ・夕張ダイヤモンドスターズ合同も全国へ挑戦する。
目標は、全国大会出場ではない。
全国大会優勝。
52年間受け継がれてきた「全力疾走」を胸に、屯田ベアーズが全国の舞台へ力強く走り出す。
「全力疾走」がチームの文化
屯田ベアーズを語るうえで、欠かすことのできない言葉がある。
「全力疾走」。
それは単なる走塁のことではない。
攻守交代でベンチへ戻る時も、グラウンドへ飛び出す時も、仲間を迎える時も、最後のアウトを取る瞬間まで、全員が全力で走る。
どんな場面でも手を抜かない。
その積み重ねが、チーム全体に勢いを生み、集中力を高め、苦しい試合での逆転劇や接戦での粘り強さへとつながってきた。
この姿勢は創部以来、先輩たちから受け継がれてきた伝統でもある。
勝敗だけでは測れない、屯田ベアーズらしさ。
その象徴が「全力疾走」なのだ。

エースを軸に築く堅守 崩れない野球が最大の武器
今年の屯田ベアーズ最大の強みは守備力にある。
絶対的なエース・羽賀俊大郎(6年)を中心に、守備陣全員が安定したゲームメークを実現する。
派手なプレーではなく、一つ一つのアウトを確実に積み重ねる。
ミスを最小限に抑え、どんな展開でも粘り強く守り抜く。
その姿勢が失点を最少に抑え、試合を優位に進める土台となっている。
チームの勝ちパターンも明確だ。
序盤から中盤にかけて確実に先制点を奪い、堅い守備でリードを守り切る。
大量得点で圧倒するというより、一点の重みを知る野球。
試合をコントロールし、自分たちのリズムへ持ち込むことができるチームである。

劣勢でも慌てない 育まれた勝負強さ
今年の攻撃陣には大きな変化があった。
先制点を奪われても慌てなくなったのである。
以前なら相手に流れを渡してしまう場面でも、今は違う。
焦らず、一本ずつつなぎ、すぐに取り返す。
相手へ試合の主導権を簡単には渡さない。
そんな勝負強さが身についてきた。
この精神的な成長は、普段から積み重ねてきた練習だけでは生まれない。
互いに認め合い、時には厳しく指摘し合える関係性。
良いプレーには全員で喜び、課題は全員で共有する。
その積み重ねが、試合中の落ち着きと団結力を育ててきた。

全国常連との冬がチームを変えた
今季、全国大会出場を目標に掲げた屯田ベアーズ。
冬の間は、東16丁目フリッパーズ、札幌南JBC、星置レッドソックス、札幌オールブラックス、北発寒ファイヤーズなど、全国大会常連チームとの練習試合を重ねた。
全国へ行くチームは何が違うのか。
プレーだけではない。
練習への姿勢。
試合前の準備。
仲間への声掛け。
野球への向き合い方。
そのすべてを間近で見て、自分たちに足りないものを知った。
「自分たちも必ず全国へ行く。」
その思いは、憧れではなく目標へ変わった。
そして普段の取り組みから変化を求め続けた結果、全国大会出場という成果につながったのである。
林監督は「今は自分たちの色をはっきり出せるチームに成長した」と語る。

まだ終わりではない 全国へ向けた課題
もちろん、完成したチームではない。
攻撃面では、甘い球を見逃してしまう場面が残る。
全国大会までに実戦形式の打撃練習を増やし、「好球必打」を徹底していく。
守備面でも課題はある。
先頭打者への四死球や失策。
「惜しいプレー」を「ナイスプレー」に変える球際の強さ。
一球への準備力、集中力、執着心。
細かな積み重ねが全国では勝敗を分ける。
さらに北海道とは違う猛暑への対応も大きなテーマだ。
誰が出場しても変わらぬ力を発揮できるよう、チーム全体の底上げも進めている。
林監督は言う。
「特別なことはできません。当たり前にできることを改めて徹底したい。」
派手な改革ではない。
積み上げてきたものを、もう一段磨き上げる。
その姿勢こそ、屯田ベアーズらしい。

主将が描く全国への景色
チームの雰囲気を主将はこう表現する。
「『全国大会優勝!』という目標に向かって、チーム一丸となり日々努力しています。」
普段から仲間同士で集まり、野球をし、遊ぶ。
長い時間をともに過ごしてきたからこそ、接戦で折れない心が育った。
主将として心掛けているのは、声を出し続けること。
練習でも試合でも、仲間の意識を高め続け、先頭に立って引っ張る。
全国大会で見せたい姿についても迷いはない。
「全力疾走を胸に、誰からも応援されるような挨拶や行動を大切にし、最後の一球まで全力で戦い抜きたい。」
そして個人としては、監督、コーチ、保護者への感謝を忘れず、自分のプレーでチームへ勢いをもたらし、仲間と勝利をつかみたいという。
その言葉には、勝敗以上に大切なものが詰まっていた。

「やり始める、やり続ける、やり切る」
林監督が選手たちへ贈り続けてきた言葉がある。
「やり始める、やり続ける、やり切る」。
冬の厳しい時期に、新しいことへ挑戦する勇気を持った。
シーズンが始まっても、それを続けた。
そして積み重ねた努力が全国大会出場という結果につながった。
だが、ここはゴールではない。
全国大会でも、この姿勢を最後まで貫く。
「今回の舞台を、さらに成長できる場にしてほしい。」
林監督の願いは、その一点に尽きる。

支えてくれた人たちへの恩返し
全国大会出場が決まってから、多くのOB、地域の人々、関係者から数え切れないほどの応援と支援が届いた。
その一つ一つが選手たちの背中を押している。
だからこそ、感謝をプレーで伝えたい。
全力疾走で。
最後まで諦めない姿で。
そして、これまで先輩たちが築き上げてきた伝統を全国の舞台で証明したい。
林監督は力強く語る。
「屯田ベアーズの全力疾走が、日本一の全力疾走だということを必ず証明してきたい。」
結果はもちろん大切だ。
しかし、それ以上に大切なことがある。
最後まで全力で取り組む姿勢。
誰からも応援されるチームであり続けること。
それが、52年間受け継がれてきた屯田ベアーズの誇りなのである。

いざ、全国の舞台へ
淡路島で待つ全国の強豪たち。
北海道とは違う暑さ、初めて経験する大舞台、張り詰めた空気。
それでも、このチームには揺るがない軸がある。
全力疾走。
52年にわたり受け継がれてきた伝統を胸に、選手たちは北海道代表として全国へ挑む。
勝利を目指すことはもちろん、その先にある「誰からも応援されるチーム」の姿を貫くために――。
屯田ベアーズの全力疾走が、いよいよ全国の舞台で始まる。

ベンチ入りメンバー
指導者
▼監督
㉚林 政樹(49)
▼コーチ
㉙小野寺 繁人(58)
㉘石田 光(41)
▼責任者
佐藤 伸洋(52)
選手
★主将
⑩石田 旭(いしだ あさひ)
6年・右投げ、右打ち
155センチ、40キロ
⓪大久保 伊織(おおくぼ いおり)
6年・右投げ、左打ち
138センチ
①羽賀 俊大郎(はが しゅんたろう)
6年・右投げ、右打ち
156センチ、42キロ
②柏崎 蓮(かしわざき れん)
6年・右投げ、右打ち
147センチ、32キロ
③桒重 幸大(くわしけ こうだい)
6年・右投げ、左打ち
135センチ、37キロ
④小出 歳三(こいで としぞう)
6年・右投げ、右打ち
140センチ、32キロ
⑤北 真裟斗(きた まさと)
6年・右投げ、右打ち
149センチ、40キロ
⑥大巻 颯太(おおまき そうた)
6年・右投げ、左打ち
144センチ、42キロ
⑦相馬 遙仁(そうま はると)
6年・右投げ、右打ち
145センチ、42キロ
⑧大崎 駿(おおさき しゅん)
6年・右投げ、右打ち
147センチ、42キロ
⑨高橋 羚桜(たかはし れお)
6年・右投げ、右打ち
145センチ、42キロ
⑪本間 大翔(ほんま たいが)
5年・右投げ、右打ち
140センチ、35キロ
⑫笠島 蒼大(かさじま あおと)
6年・右投げ、右打ち
149センチ、37キロ
⑬佐野 進次郎(さの しんじろう)
6年・右投げ、右打ち
144センチ、30キロ
⑭高見 斗麻(たかみ とうま)
5年・右投げ、右打ち
137センチ、37キロ
⑮久保 秀太(くぼ しゅうた)
5年・右投げ、右打ち
143センチ、34キロ
⑯森 弘翔(もり ひろと)
5年・右投げ、左打ち
130センチ、29キロ
⑰児玉 京生(こだま けいせい)
5年・右投げ、右打ち
134センチ、32キロ
⑱鈴木 翔大(すずき とあ)
5年・右投げ、右打ち
137センチ、27キロ
⑲清野 瑛仁(せいの えいと)
4年・右投げ、右打ち
133センチ、32キロ
⑳伊藤 謙良(いとう けんりょう)
4年・右投げ、左打ち
144センチ、36キロ
全国大会までの軌跡
2026札幌予選・Aブロック
◆決 勝(6月7日)
〇 2-1 北広島東部カープジュニア
◆準決勝(5月24日)
〇 5-1 余市強い子野球スポーツ少年団
◆準々決勝(5月10日)
〇 16-0 東ハリケーン
◆2回戦(4月26日)
〇 8-2 恵庭若草タイガース

全国大会1stラウンド・トーナメント

協力:屯田ベアーズ
