阿南Vから徳島で8試合 13人で駆け抜けた「夏休み最終章」
徳島県で開催された「阿波おどり全国学童軟式野球大会2026」に北海道代表として初出場した岩見沢学童野球クラブは8月8日、準々決勝で島根県代表・南雲ベースボールクラブに3-7で敗れ、全国ベスト8で大会を終えた。初回に追いつきながら、その後は相手打線に得点を重ねられる苦しい展開。それでも五、六回に1点ずつを返し、最後まで食らいついた。7月の「野球のまち阿南第14回少年野球全国大会~こども甲子園~」で初優勝を飾り、再び徳島へ戻って挑んだ全国舞台。2大会を通じて計8試合を戦った13人の夏は、勝敗だけでは語り切れない経験を胸に幕を閉じた。
イニングスコア
◆準々決勝(8月8日、むつみスタジアム)
岩見沢学童野球クラブ(北海道)3-7南雲ベースボールクラブ(島根県)
南雲ベースボールクラブ
121030=7
100011=3
岩見沢学童野球クラブ
(南)菅沢、古田ー名原
(岩)山本鈴、渋谷、對馬ー中垣
▽本塁打:菅沢RH(南)
▽三塁打」:白根(南)、中垣(岩)
初回、すぐさま追いつく
全国4強を懸けた一戦。
先に1点を奪われた岩見沢学童だったが、その裏、すぐさま反撃した。
先頭の1番・山本楓(6年)、続く2番・中垣優太(6年)が連続内野安打で出塁。次打者の内野ゴロで一死二、三塁とすると、4番・笹野燈里(6年)の内野ゴロの間に三走・山本楓が生還した。
1-1。
先制されても、すぐに取り返す。
ここまで全国の舞台で何度も粘り強い戦いを見せてきた岩見沢学童が、準々決勝でも食らいついた。

南雲打線に突き放される
しかし、ここから南雲が一歩ずつ前へ出た。
二回に1点を勝ち越されると、三回にも1点。岩見沢学童も踏ん張ったが、五回には3点を奪われ、スコアは1-7となった。
森拓実監督が試合後に挙げた勝敗の分岐点も、そこにあった。
「守りきれなかった…このひと言に尽きるかなと思います。もちろん、子どもたちは一生懸命頑張ってくれましたが、劣勢になって全体がバタバタしてしまったなという印象です」
全国の頂点を目指す戦いでは、一つの失点、一つの流れが重くなる。
それでも岩見沢学童は、点差が開いても攻撃の手を緩めなかった。
山本から中垣 五回二死から意地の1点
6点を追う五回。
二死から打席に入った1番・山本楓がセンター前へ運び、反撃の口火を切った。
続く中垣が捉えた打球はライトを越える。
山本が生還し、タイムリー三塁打。
二死走者なしから、1、2番コンビで1点をもぎ取り、2-7とした。
そして迎えた最終六回。
まだ岩見沢学童は終わらない。
最終回も追撃 最後まで諦めず
先頭の4番・笹野燈がライト前安打で出塁。内野ゴロで一死二塁とすると、6番・渋谷瑛佑(6年)がセンター前へタイムリーを放った。
3-7。
さらに二死から8番・和田悠生(6年)が粘って四球を選び、走者を出す。
最後まで次の一点を求めた。
だが、反撃はここまで。
後続が倒れ、ゲームセット。
岩見沢学童の全国2大会制覇への挑戦は、全国ベスト8で幕を閉じた。

「どんな環境でも戦う力が身についた」
7月の阿南大会で全国初優勝。
そして間を置かず、再び徳島へ。
異なる全国大会を戦い抜いた経験について、森監督は選手たちの成長をこう語った。
「どんな環境でも戦う力が身につきましたが、この経験こそが成長だと思います。徳島で8試合もやらせていただき、その1試合ごとに目で見たこと、肌で感じたことがあったはずです。自分自身でもう一度振り返り、自分の成長につなげてほしいです」
勝った試合だけが経験ではない。
追う展開も、苦しい場面も、そして最後に届かなかった一戦も含めた徳島での8試合。
その一つひとつを、これからの成長につなげてほしい――。指揮官の言葉には、そんな思いが込められていた。
13人それぞれにあった「ドラマ」
岩見沢学童は、この夏、多くの選手を起用しながら全国の強豪へ挑んできた。
一人だけの力ではなく、出場した選手、ベンチで仲間を支えた選手を含め、13人で戦った夏だった。
そして試合後、森監督はまず、最後に対戦した南雲ベースボールクラブへ敬意を示した。
「南雲ベースボールクラブさんは本当に気持ちのよいチームでした。選手、指導者はもちろん、保護者の方々もお見送りしてくださったりと素晴らしいチームと対戦できて、光栄だなと思いました」
さらに、選手たちを支え続けた保護者、関係者へ向けて言葉を続けた。
「岩見沢学童4期生の夏休み最終章が終わりました。参加メンバー13人全員に様々なドラマがありました。そのすべてが各家庭の思い出の1ページになってくれていたらうれしいなと思います」
目指した全国2大会優勝には、あと一歩届かなかった。
それでも、森監督が最後に選手たちへ託したのは、この夏に受け取ったものを、この先へつなげてほしいという願いだった。
「全国2大会優勝は叶いませんでしたが、子どもたちはきっとたくさんの支えがあることを目で見て感じてくれたと思います。それをこれからの生活やプレーで返してくれると思います。本当にありがとうございました!」

全国優勝、そしてベスト8――胸に刻まれた夏
阿南大会でつかんだ全国初優勝。
続く阿波おどり全国学童では、初出場で全国ベスト8。
同じ徳島の地で8試合を戦った岩見沢学童4期生の夏は、ここで一区切りとなった。
全国2冠という目標には届かなかった。
だが、勝利の喜びも、追いかける苦しさも、全国の強豪と肌を合わせて初めて知ったものもある。
森監督が語ったように、その一試合一試合で「目で見たこと、肌で感じたこと」こそが、13人がこの夏に手にした大きな財産だ。
全国優勝と全国ベスト8。
結果とともに刻まれた8試合の経験を胸に、岩見沢学童4期生は次の一歩へ進む。
協力:岩見沢学童野球クラブ
