ファイターズジュニア、札幌選抜、CS札幌選抜へ 生野監督が大切にする「選手の成長を最優先に」
今季、札幌オールブラックスから6人の選手が新たな舞台への切符をつかんだ。北海道日本ハムファイターズジュニアに3人、札幌選抜に1人、CS札幌選抜に2人。それぞれがチームを離れ、普段とは異なる仲間、指導者、環境の中でさらなる成長を目指す。生野勇輝監督が喜ぶのは「6人が選ばれた」という結果だけではない。選手自身が努力を重ね、自らの力でチャンスをつかんだこと。そして、その先にある新しい経験を成長につなげていくことだ。「まずは本人たちが努力したこと。それが一番だと思います」。その言葉の奥には、選手をチームの中だけに囲い込まず、より大きな舞台へ送り出そうとする指導者としての思いがある。
6人がつかんだ、それぞれの挑戦
今季、札幌オールブラックスから6人の選手が選抜チームに名を連ねた。
北海道日本ハムファイターズジュニアには、稲葉遥篤(6年)、澤井虹(6年)、大橋到馬(6年)の3人が選出された。
稲葉は北海道日本ハムファイターズ二軍監督を務める稲葉篤紀氏の子息。3選手は札幌オールブラックスで培ってきた力を胸に、北海道の精鋭が集うファイターズジュニアという新たな環境に飛び込む。
苫小牧市で10月に行われる北海道学童都市対抗戦へ出場する2026札幌選抜には、チームを主将として引っ張る近藤志月(6年)が選出された。
さらに、生野監督自身が指揮を執るCS札幌選抜には、湊隼也(6年)、菅原聖大(6年)の2人が選ばれた。
所属する札幌オールブラックスを飛び出し、それぞれ異なるユニホームに袖を通す6人。そこで出会う仲間も、求められる役割も、野球の考え方も違う。
だからこそ、その経験には大きな意味がある。
「まずは本人たちが努力したこと」
6人もの選手が選抜チームに選ばれた。
指導者として誇らしい結果であることは間違いない。しかし、生野監督はその成果を自らの指導の手柄として語ろうとはしない。
「まずは本人たちが努力したこと。それが一番だと思います」
主役は、あくまでも選手たちだ。
日々の練習を積み重ね、試合で経験を重ね、自分の課題と向き合ってきた。その先に今回の選出がある。
選ばれたという結果以上に、そこへたどり着くまで選手自身が積み上げてきた時間を大切にしている。
「自分だけで全部を教えようとは思わない」
一方で、生野監督が力を注いできたものがある。
それは、選手一人ひとりの可能性を広げるための「環境づくり」だ。
自分一人ですべてを教えようとするのではなく、必要があれば外部から専門的な指導者を招く。技術だけではなく、体の使い方などについても専門的な視点を取り入れ、さまざまな角度から選手の成長を後押ししてきた。
「子どもたちが成長するために何がいいのかということは常に考えてきました。自分だけで全部を教えようということではなく、子どもたちが成長するために何が必要なのか。そういうことを考えています」
「誰が教えるか」ではなく、「何が選手のためになるのか」。
その考えが、札幌オールブラックスの育成を支えている。
チームよりも、選手の成長を優先する
その姿勢は、選抜チームへ送り出した後にも表れている。
特にファイターズジュニアの活動に参加する選手について、生野監督の方針は明確だ。
ファイターズジュニアと札幌オールブラックスの活動日が重なれば、選抜活動を優先する。自チームの練習には参加せず、その日はファイターズジュニアの活動に集中させる。
チームにとって主力選手が練習から抜けることは、決して小さなことではない。
それでも、せっかく自分の力でつかんだ貴重な機会だ。普段とは違う指導を受け、新しい仲間と競い合い、自分の知らなかった野球に触れる。その経験を何より大切にしてほしいという。
選手をチームの中だけに囲い込むのではない。
一度外へ送り出し、そこで多くを学ばせる。
外で学び、さらに大きくなって帰ってくる
ファイターズジュニアへ向かう稲葉、澤井、大橋。
札幌選抜で挑戦する近藤。
そしてCS札幌選抜で戦う湊、菅原。
6人がこれから立つ場所はそれぞれ違う。
そこで成功することもあれば、思うようにいかないこともあるだろう。自分より速い球を投げる選手、強い打球を放つ選手、守備のうまい選手にも出会うはずだ。
それもまた、大きな財産になる。
札幌オールブラックスで身につけたものを新しい舞台で試し、そこで得た刺激や経験を次の成長につなげていく。
選ばれることがゴールではない。
チームの外へ踏み出した、その先にこそ新しい成長が待っている。
6人の挑戦は、これから始まる。
協力:札幌オールブラックス
