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ボーイズ関東大会で、北海道勢史上初の優勝旗を持ち帰る
8月9~11日、群馬県で開催された「熱中対策水カップ 第50回全日本少年野球関東大会」で、札幌北広島ボーイズが4度目の挑戦にして悲願の初優勝を果たした。北海道勢としても初の快挙で、これまでの最高成績は苫小牧ボーイズのベスト4だった。
今大会、札幌北広島ボーイズは3年生を中心に“自分で考え行動する野球”を貫き、1回戦から決勝まで接戦を勝ち抜いた。決勝では白井中央ボーイズ(千葉県支部)を2-1で下し、熱い夏を締めくくった。
関東大会には東日本ブロック15支部から、各支部予選を勝ち抜いた精鋭16チームが集結し、3日間のトーナメント戦で頂点を競った。第3位には横浜泉中央ボーイズ(神奈川県支部)と小山ボーイズ(栃木県支部)が入った。
表彰選手は、最優秀選手賞に太田慶音(札幌北広島ボーイズ)、敢闘賞に濱侑樹(白井中央ボーイズ)がそれぞれ選ばれた。
<決勝>太田&丸山の一発競演 札幌北広島ボーイズ、関東大会初制覇
北海道勢初の優勝旗、盤石の守備で勝ち切る
決勝の初回、先頭打者・太田慶音(3年・千歳ブラックバード出身)が2球目を捉え、痛烈なライナーを右中間へ運ぶ。快足を飛ばして一気にホームまで駆け抜け、ランニングホームランで先制点を奪った。
四回には3番・丸山湊(3年・千歳ガッツ出身)がライトスタンドへ豪快な一発。試合を2-0と有利に進めた。
六回、四球と振り逃げから1死一・三塁のピンチを迎えると、ショートゴロでダブルプレーを狙うも崩れ、その間に1点を返された。それでも、先発・太田は相手打線を六回までノーヒットに封じ、最終回は球数制限で降板。
2番手・小野は死球で二死一・二塁と緊張感漂う場面を迎えたが、最後は三振で締めてゲームセット。札幌北広島ボーイズが北海道勢として初めて、関東大会の優勝旗を持ち帰った。
◆決勝(8月11日、セブンナッツスタジアム)
札幌北広島ボーイズ(北海道)2-1白井中央ボーイズ(千葉県支部)
白井中央ボーイズ
0000010=1
100100×=2
札幌北広島ボーイズ
(白)藤岡、下園-今井
(札)太田、小野-近藤
▽本塁打:太田RH、丸山(札)
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<準決勝>劇的サヨナラ!札幌北広島ボーイズ、土壇場で決勝進出
七回裏、関川の好走塁と丸山の一打が試合を決める
1-1の同点で迎えた最終七回表、札幌北広島ボーイズは四球とヒットでピンチを招くと、相手打者の止めたバットに当たった打球が内野を抜け、痛恨の勝ち越し点を許した。
しかし、その裏の攻撃でドラマが待っていた。先頭の1番・太田が死球で出塁。続く2番・関川楓雅(3年・平岡カウボーイズ出身)の打席でキャッチャーがわずかに捕球をもたつくと、その隙を突き二塁へ好走塁を決めた。さらに関川は三塁側への絶妙な送りバントを内野安打とし、無死一・三塁と一気にチャンスを拡大。
3番・丸山の初球には関川が二盗を成功させ、二・三塁と形勢をさらに押し上げる。ツーストライクと追い込まれながらも、丸山は渾身のスイングでセンター前へ弾き返すと、二塁走者の関川が俊足を飛ばして一挙ホームへ生還。劇的な逆転サヨナラ勝利で決勝進出を決めた。
◆準決勝(8月10日、セブンナッツスタジアム)
札幌北広島ボーイズ(北海道)3-2横浜泉中央ボーイズ(神奈川県)
横浜泉中央ボーイズ
0001001=2
0010002=3
札幌北広島ボーイズ
(横)高橋、尾崎、武田-宗、富田
(札)石田、永山-近藤
▽二塁打:安食、宗横、太田、丸山(札)
<2回戦>関川&丸山が先制演出 大量得点で主導権握る
石田・小野の継投で相手打線を1点に封じる
初回、2番・関川が二塁打で好機を作ると、3番・丸山がタイムリーヒットを放ち先制。勢いに乗った札幌北広島ボーイズは2回、相手のミスとヒットで1死一・三塁とすると、9番・弥勒院遙人(3年・平岡カウボーイズ出身)がセーフティースクイズを成功させ追加点。さらに1番・太田が三塁打を放つなど、この回一挙5点を奪い、試合の流れを完全に引き寄せた。
投げては先発・石田泰生(3年・北野パワーズ出身)、リリーフ・小野悠惺(3年・大曲ファイターズ出身)が走者を背負いながらも粘り強い投球を展開。相手打線をわずか1点に抑え、盤石の試合運びで勝利を掴んだ。
◆2回戦(8月10日、セブンナッツスタジアム)
札幌北広島ボーイズ(北海道)8-0高崎ボーイズ(群馬県支部)
札幌北広島ボーイズ
15002=8
10000=0
高崎ボーイズ
(札)石田、小野-近藤
(高)荒井、木村、戒-江原
▽三塁打:太田(札)
▽二塁打:関川(札)
<1回戦>バッテリーミスを突き先制 太田&永山が完封リレー
最少得点を守り抜き白星発進
三回2死三塁の好機で、相手バッテリーのミスを逃さず先制点を奪った札幌北広島ボーイズ。得た1点を、先発・太田が6回まで無失点に抑え、最終回は永山綜太郎(3年・栗山ロッキーズ出身)がマウンドへ。落ち着いた投球で相手打線を封じ、完封リレーで初戦を白星で飾った。
◆1回戦(8月9日、セブンナッツスタジアム)
札幌北広島ボーイズ(北海道)1-0春日部ボーイズ(埼玉県東支部)
札幌北広島ボーイズ
0010000=1
0000000=0
春日部ボーイズ
(札)太田、永山-近藤
(春)照沼、松井-小笠原
▽二塁打:太田(札)、江原(春)
苦しい接戦を支えた守備力とチーム力
今大会、札幌北広島は1回戦から1点差で競り勝つ試合が3度。準決勝では横浜泉中央ボーイズに七回表で勝ち越されながらも、その裏に死球と内野安打、盗塁、そして丸山の中前打で劇的な逆転サヨナラ勝利を収めた。
山田監督は「ピッチャーを中心とした守備が安定していたからこそ勝ち抜けた」と胸を張る。右中間や左中間、ライン際の打球を想定した大胆な守備位置、カバーリングの速さなど、“目に見えないファインプレー”が随所に光った。
山田徹監督が語る 3年生たちの歩みと成長
自分で考え行動する野球でつかんだ初優勝
「この代は21名と多いので、A・B2チームに分けて多くの公式戦にエントリーしました。公式戦用のユニホームを着て公式戦に出場するのは、練習試合では得られない体験ばかりだからです」
山田徹監督は、そうして3年生全員に数多くの試合経験を積ませた。チーム内の競争も激しくなり、向上心は自然と高まっていった。
4~5月のゼット旗やスポーツ報知杯では、あえて“ノーサイン野球”に挑戦。バッターとランナーが互いにサインを出し合って次のプレーを選び、守備では投手の球種やコースに加え、投げる投手のタイプに応じて守備位置を変える。相手の攻撃を想定した守備体系を選択するなど、一気に考えることが増えた。結果、子どもたちは試合の中で主体的に動けるようになった。
6月の北海道選手権では、決勝で旭川大雪ボーイズに2-4で敗れ、全国大会出場という当初の目標は叶わなかった。しかしすぐに目標を「関東大会優勝」に切り替えた。7月の北ガス杯ではBチームが優勝、Aチームが準優勝と、着実に成長を見せていった。
迎えた関東大会は、1回戦から3試合連続で1点差という接戦続き。監督は「ピッチャーを中心とした守備が安定していたからこそ」と振り返る。特に、状況に応じてスキのない守備体系を敷き、右中間・左中間、ライン際までを予測した大胆なポジショニングやカバーリングなど、目には見えにくいファインプレーが毎試合光った。
「緊張で押しつぶされそうな試合ばかりで、終了のたびに全員泣いていました。でも、勝って泣く嬉しい経験もできた」
子どもたちは明確な目標を持ち、コツコツ努力を重ねたことが、優勝という結果につながった。山田監督は「中学生のときに、これだけ濃い経験ができたことは財産。この結果に恥じないよう、人としても成長してほしい」と願う。
最後に、監督はこれからの道標をこう託した。
「今後とも『自分で考え行動しよう』『徳を積もう』を実践しよう!」
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関東大会トーナメント表

協力:札幌北広島ボーイズ・山田徹監督