札幌選抜、3連覇へ挑む――都市対抗戦に向け渡辺敦監督が語るチーム像と課題

札幌選抜、3連覇へ挑む――都市対抗戦に向け渡辺敦監督が語るチーム像と課題

大人しい選手が多いチームカラー

 札幌選抜の第一印象について渡辺監督は「比較的大人しい選手が多い」と語る。まだ緊張して猫を被っているのか、本当に性格的に控えめなのかは今後の見極めが必要だという。真面目さは強みでもあるが、一発勝負では逆境をはね返す大胆さが必要。監督は「ある意味、馬鹿になれる選手が出てきたら面白い」と期待を込める。

渡辺監督(札幌選抜)
渡辺監督(札幌選抜)
2025札幌選抜
2025札幌選抜
ストレッチする札幌選抜ナイン
ストレッチする2025札幌選抜ナイン

捕手陣の層が厚い札幌選抜

 ポジションのバランスでは、投手の力投型が減少傾向にある一方で、捕手のレベルの高さが際立つという。どの捕手が試合に出てもリードや肩の強さはハイレベルで、チームを引っ張る存在になると監督は見ている。チームの強みについては「歴代OBの築いた伝統や雰囲気を選手や父母も感じ取っている点」と語り、2連覇の重みを自覚していることがチームの大きな力になると強調した。

渡辺監督の話に耳を傾ける札幌選抜ナイン
渡辺監督の話に耳を傾ける札幌選抜ナイン

短期間での結束が最大の課題

 課題については「大人しい性格が劣勢時にどう出るか」と監督は不安を口にする。さらに、短期間で編成される選抜チーム特有の難しさとして「同じ感覚・同じ方向性をどれだけ全員に浸透させられるか」が挙げられる。選手同士の関係性、指導者からの働きかけ、さらには父母を介したサポート――さまざまな手段を組み合わせ、全員が一つの方向を向いたときに勝利が近づくと見ている。

投手(札幌選抜)
投手(札幌選抜)
捕手(札幌選抜)
捕手(札幌選抜)

応援されるチームを目指して

 都市対抗戦に向けては「3連覇だね」と周囲から期待される声も多いが、渡辺監督は「今年も札幌は良いチームだと思ってもらえるようにしたい」と謙虚に語る。そのうえで「OBの努力や受験してくれた100名以上の選手の想いも背負って札幌選抜らしく戦う」と力強く宣言した。目指すは勝利だけでなく、応援されるチームづくりだ。

内野手(札幌選抜)
内野手(札幌選抜)
外野手(札幌選抜)
外野手(札幌選抜)

大会までのスケジュール

9月21日の北広島選抜戦を皮切りに、28日後志選抜、10月4日留萌選抜、5日日高選抜、6日苫小牧選抜と強豪との練習試合が続く。さらに13日には昨年の札幌選抜チームとのOB戦も予定されており、都市対抗戦開幕に向けた仕上げが進んでいく。

  • 9月21日(日) つどーむ vs 北広島選抜
  • 9月28日(日) 藻南公園 vs 後志選抜
  • 10月4日(土) 藻南公園 vs 留萌選抜
  • 10月5日(日) 藻南公園 vs 日高選抜
  • 10月6日(月) とましんスタジアム vs 苫小牧選抜
  • 10月13日(祝) つどーむ vs 2024札幌選抜チーム(OB戦)

※10月12日(日)・10月19日(日)は、対戦相手を募集中(会場:札幌市藻南公園)

走塁練習を行う札幌選抜
走塁練習を行う2025札幌選抜

池内颯太が主将に就任

短期間でチームをまとめるリーダーの覚悟

 札幌選抜のキャプテンに、星置レッドソックス主将でもある池内颯太が任命された。練習試合前に応じたインタビューでは、自身の役割やチームの現状について率直に語ってくれた。「一戦ずつ集中して戦い、3年連続優勝できるよう頑張ります」と力強く宣言。星置レッドソックスで培ったリーダーシップを、札幌選抜の舞台でも発揮しようとしている。

 池内は、普段からチームを引っ張るしっかり者だが、札幌選抜の主将となればまた別の難しさがあるという。長い時間を共にしてきた星置レッドソックスとは違い、選抜チームは短期間での結束が必要だ。「人間関係がまだ十分にできていないので、まずはコミュニケーションが一番の課題」と正直に打ち明けた。それでも一人ひとりの選手に目を向けようとする姿勢は、さすが主将の風格を感じさせる。

 取材時点でチームは3~4回の練習を重ねていたが、池内によると「明るさがもう少し足りない」とのこと。そのなかで最も元気な選手の名に挙げたのは、青葉シャークスの林成之助。ムードメーカーとしてチームを盛り上げる存在だ。また、チームの鍵を握る選手には星置レッドソックスの投手・西来惟、攻撃面では本郷イーグルスの相馬波心をピックアップ。投打に頼もしい仲間がそろい、チームの伸びしろは大きい。

 札幌選抜の主将として、新しい環境で挑戦する池内颯太。その視線の先には「三連覇」という大きな目標がある。短期間で築き上げるチームワークと、選手一人ひとりの力を結集させ、池内は札幌選抜を勝利へ導こうとしている。

池内キャプテン
池内キャプテン

札幌選抜・選手たちの声

主将を支える仲間たちの決意

札幌選抜のチーム作りは、キャプテン池内颯太(星置レッドソックス)を中心に進んでいるが、その周囲を固める仲間たちの存在も欠かせない。主将以外の選手たちも、それぞれの持ち味を発揮しようと意気込みを語ってくれた。

札幌選抜のチーム作りは、キャプテン池内颯太(星置レッドソックス)を中心に進んでいるが、その周囲を固める仲間たちの存在も欠かせない。主将以外の選手たちも、それぞれの持ち味を発揮しようと意気込みを語ってくれた。

「チームの中で一番元気を出して、チームを盛り上げていきたいです」と語るのは林成之助(青葉シャークス)。攻守ともに成長の伸びしろを感じさせる存在で、2つ上の兄もかつて札幌選抜に選ばれている。兄からは「元気出して、とにかく明るくプレーしてね」とアドバイスを受けたという。兄から託されたその言葉どおり、林の笑顔と声がチームの活力になっている。

「投手としては自分のテンポで抑えて、打者では状況に合わせて自分にできることをやろうと思う」と語るのは西来惟(星置レッドソックス)。注目する打者として、集中力と長打力を誇る清水口真太朗(星置レッドソックス)、そして勝負強い進藤太陽(東海Fイーグルス)の名前を挙げた。仲間を信じ、投打で冷静にチームを支える姿が印象的だ。

進藤は「チャンスで打てるよう頑張りたい」と短い言葉に強い意志を込めた。勝負どころで頼りになる存在として、チームからの期待も大きい。清水口は「2年連続で先輩たちが優勝しているので、自分たちも優勝できるよう頑張ります」と語り、注目選手に平岡カウボーイズの大浦幹太投手を挙げた。「練習試合で対戦したが、大浦君のスピードボールは打てなかった」と素直にその実力を認めている。

その大浦は伸びのあるストレートを武器に、細かなコントロール向上に取り組んでいる速球派右腕。「大会ではチーム一丸で優勝します」と力強く意気込み、札幌選抜の投手陣を牽引する存在だ。ニュースターズの山﨑幹太は「間を作れるところと、打たれても引きずらず切り替えられるところが自分の持ち味」と自己分析。緩急やクイック、モーションの工夫で打者を翻弄する投球が持ち味で、「まずは全道優勝し、全国に行きます」と堂々と語った。

札幌選抜の選手たちは、それぞれが確かな役割意識を持ち、大会への強い思いを口にしている。主将・池内颯太を中心に、ムードメーカーの林、エース候補の西、打線の中軸を担う進藤と清水口、そして投手陣の大浦・山﨑――。多彩な個性が融合した札幌選抜の挑戦が、いよいよ本格的に始まろうとしている。

2025札幌選抜
2025札幌選抜メンバー
2025札幌選抜
2025札幌選抜メンバー

協力:2025札幌選抜

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