東16丁目フリッパーズ、美香保公園での平日ナイター練習に励む

東16丁目フリッパーズ、美香保公園での平日ナイター練習に励む

環境を工夫し、次世代育成にも余念なし

 東16丁目フリッパーズの拠点である元村公園は、両翼がフルサイズではなく、センター方向には公園内の山があり、グラウンドがより狭くなっている。そのため、環境面で申し分のない美香保公園が借りられる日は積極的に利用。広いフィールドを活かした実戦的な練習を展開している。

 さらに、美香保公園を使用している間、元村公園は4年生以下の選手たちに開放。下級生が思い切り野球に打ち込める環境を整えることで、次世代育成にも力を注いでいる。環境の工夫と世代ごとの役割分担を通じ、常勝チームとしての土台を固めている。

笹谷監督の話に耳を傾ける東16丁目ナイン
笹谷監督の話に耳を傾ける東16丁目ナイン

“100種類のキャッチボール”で守備力強化へ

東16丁目フリッパーズは、他チームにはない独自の工夫を凝らした練習で注目を集めている。なんと100種類にも及ぶキャッチボールを考案し、様々な動きを取り入れながら「飽きのこないキャッチボール」を実践しているのだ。

笹谷監督は「練習や試合でさせたい動きをキャッチボールに連動させたことが始まりでした」と振り返る。

「もともとは冬季練習に取り入れていたキャッチボールなんです。それをシーズン中の平日練習や試合前のアップにも取り入れ始めたところ、とんでもない暴投が飛躍的に減った。動きも良くなってきました」と、手応えを語る。

もちろん1回の練習で100種類すべてを行うわけではない。実際には約20種類を組み合わせ、肩をしっかり温めながら基礎的な動きと応用的な動きを同時に鍛えている。これにより選手たちは投げる動作に多様性を身につけ、自然と体の使い方も向上。一石二鳥どころか、一石三鳥の効果を発揮している。

今後もフリッパーズは、この独自メニューを武器に守備力向上を図り、「勝てるチーム」へと進化していく構えだ。

キャッチボールの様子
キャッチボールの様子=(東16丁目フリッパーズ)
キャッチボールの様子=(東16丁目フリッパーズ)
キャッチボールの様子=(東16丁目フリッパーズ)

常勝・東16丁目フリッパーズ、5年生新チーム始動

強豪相手に惜敗、課題浮き彫り

 常勝軍団として知られる東16丁目フリッパーズが、本格的に5年生主体のチーム編成へと移行した。初の実戦は強豪・札幌オールブラックスとの練習試合。結果は0-2で惜敗となったが、笹谷武志監督は「やっぱり負けるな」と現実を受け止めた。これまで6年生の指導に専念してきた同監督にとって、5年生を直接采配するのはこの練習試合が初めて。実際に選手を見て、その課題の多さを実感する一戦となった。

笹谷武志監督(東16丁目フリッパーズ)
笹谷武志監督(東16丁目フリッパーズ)
粘り強い攻撃を身に付けようと食らいつく東16丁目ナイン
粘り強い攻撃を身に付けようと食らいつく東16丁目ナイン

守備強化と投手陣の整備が急務

 現在の5年生は「6年生の試合に1人もレギュラーとして出場していなかったので、守備がなんせひどいんで」と笹谷監督が率直に語るように、今チームの最大の課題は守備だ。基本的なノックによる守備練習や、ポジション間の連携構築が急務となっている。

投手陣については、現時点で高野恭佑(5年)、中本准太郎(5年)、小野寺佑亮(5年)の3人が軸になると見ており、加えて高塚大輝(5年)、池田成(5年)の名前も挙がった。さらに、ダブルヘッダーを戦い抜くには投手層の厚みが不可欠で、計4枚の投手を揃えることを目標にしている。

捕手は中本、佐藤忠將(5年)。中本は投手もあるので捕手はどうしてももう1枚必要となる。

情熱たっぷりにノックを放つ笹谷監督
情熱たっぷりにノックを放つ笹谷監督
球際に拘った東16丁目ナイン
球際に拘った東16丁目ナイン

個々の武器と伸びしろに期待

 現在、5年生は14人。体格に恵まれた選手も在籍しているが、その力を発揮するには、走・攻・守それぞれに応じた適切なトレーニングが欠かせない。打撃や走塁といった選手それぞれの持ち味を把握し、戦術へと落とし込む作業はこれから本格化していく。ポジションもまだ固定されておらず、まさに“ゼロからの再構築”の段階だ。

笹谷監督は「1つずつ武器を身に付けて、いろいろと野球を覚えていけば、今よりはグッとよくなるだろうし」と語り、選手たちの成長に期待を寄せる。現状は課題だらけだが、屋外での練習は6年生と一緒に「火・水・木・金」と行っている。それは裏を返せば、大きな伸びしろを秘めているということ。常勝チームの新たな挑戦は、いま始まったばかりだ。

粘り強い攻撃を身に付けようと食らいつく東16丁目ナイン
粘り強い攻撃を身に付けようと食らいつく東16丁目ナイン

新体制で秋の大会へ挑む

 東16丁目フリッパーズは、5年生主体の新チーム体制で秋の大会に挑む。最大の目標は「現時点で一番高い山」と位置づける高野山旗・北海道予選。10月19日の準決勝・決勝進出を見据え、「一戦一戦、勝つためには現時点で何が最善なのか」を試す舞台として臨む。

 高野山旗以外にも、公式戦は東区スポ少新人戦や札幌市スポ少新人戦、結成記念大会(北海道チャンピオンシップ協会主催)に出場。さらに留萌管内で行われるチャレンジCUPにも参戦する。来シーズンに向け笹谷監督は「ほんと練習試合だと思って、いろいろ試しながら。勝ち負けではなく、選手の可能性を探る試合になると思う」と位置づけている。

 平日練習の強化にも力を入れる。冬場は室内練習場で「水・木・金」の週3回を予定。5年生の中から10名程度に絞り込み、さらに4年生の有望選手を集めてグループ分けし、冬期間はチームを4つのグループに分けてそれぞれの課題に向き合い、重点的に指導する方針だ。互いに競い合い、高い意識で大きな目標に向かう。まさに“鉄は熱いうちに”である。

<冬期間限定・グループ分け>

A=5年生10人
(火・金・日)

B=5年生4人+4年生上位
(月・水・土)

C=4年生+3年生上位
(土日の何れか2H)

D=3年生以下
(土日の何れか2H)

★自信のある方、フリッパーズでしか見られない景色がある!

また、笹谷監督は「もし移籍を考えている方がいるんであれば、ぜひ早めに来てほしい」と、選手加入を積極的に呼びかけている。常勝チームとしての土台づくりと同時に、未来の主力を育成する姿勢がうかがえる。

【団員】
6年生=11人
5年生=14人
4年生=11人
3年生=8人
2年生=2人
1年生=1人

球際に拘った東16丁目ナイン
球際に拘った東16丁目ナイン

全国2大会で挑戦と成長を刻む

初回の壁に泣くも「14人の結束」で得た経験

 東16丁目フリッパーズは今夏、全国の舞台で2大会に出場した。7月に行われた第30回高野山旗全国学童軟式野球大会では、準々決勝で優勝した長曽根ストロングスと対戦し惜しくも敗退。さらに8月の高円宮賜杯第45回全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメントでは、3回戦で名門・多賀少年野球クラブに挑んだが涙をのんだ。それでも全国学童野球の頂点と真っ向から戦う姿に、「もしかして」と北海道の学童野球関係者の期待を集めた。

 笹谷監督は「辿りつかなきゃならないとこまではいったなと思うんですけれども、やっぱりその壁を破れなかった」と悔しさをにじませる。両大会ともに初回に失点し、追いかける展開となったことが敗因とされ、「初回の難しさを感じますよね」と振り返った。

 一方で、チームへの評価は高い。「本当にいいチームになったなと思いますよ。正直そんな大きい選手が居るわけじゃないし、その中で、上手くチームの形になって戦えた」と成長を実感。さらに「誰1人かけてもダメだったと思うんですよ」と語り、11人全員の結束力こそがチームを全国へと導いたと強調した。

今シーズン全国大会で活躍を見せた6年生=(東16丁目)
今シーズン全国大会で活躍を見せた6年生=(東16丁目)

新チームの司令塔・小野寺佑亮

「みんなでつないで得点を」全国制覇を誓う

 東16丁目フリッパーズで遊撃手を務める小野寺佑亮君(5年)。右投げ右打ち、140センチ・35キロと体格は決して大きくはないが、チームの核として攻守に存在感を示している。

「チームの特徴は、みんなでつないで得点を取れるところです」と語るように、つなぐ意識を持った打撃が持ち味。打順では3番を任され、広角に打つことを心掛けながら、状況に応じて次につながるバッティングを意識している。守備では「グラブの位置を低くして守る」ことを徹底し、遊撃手として内野の要を担う。走塁面では「相手のスキを狙って次の塁を盗むよう心掛けている」と話し、積極的な姿勢を見せている。

 チームのムードメーカーは「明るくて、面白くて、元気があって選手を引っ張っている」という橋本昊君(5年・レフト)。仲間の存在がチームを活気づける一方で、「課題は守備」と小野寺君自身も冷静に分析する。

 目標については力強く「全国大会に出場し、全国制覇を目指します!」と宣言。小さな体に大きな志を秘めた司令塔が、フリッパーズを次の頂へと導く。

〇小野寺 佑亮(おのでら ゆうすけ)
5年・内野手(チームでは遊撃手を担う)
右投げ、右打ち
140センチ、35キロ

小野寺主将(東16丁目)
小野寺主将(東16丁目フリッパーズ)

4年生チーム、バランスの取れた面白い世代

 東16丁目フリッパーズの4年生チームは、小柄な選手から体格に恵まれた選手まで幅広くそろい、バランスの良さで注目されている。「小さい子もいますし、でかい子もいるんです。4年生はバランスがいいと思います。パワー系、スピード系、内野手もいるし、投手もそれなりにいる。3年生も3人くらい4年生に割って入りそうな選手がいて」と笹谷監督が語るように、多様なタイプの選手が揃っており、世代として非常に面白い存在だ。

 すでに山鼻ちびっ子リーグで優勝を果たすなど結果も残しており、今後はフレッシュ学童や4年生大会などに出場予定。次世代の主役としての歩みを着実に進めており、さらなる成長と活躍に期待が高まっている。

フリッパーズ新章へ 課題と可能性を胸に再出発

 東16丁目フリッパーズの新チームは、まだスタートラインに立ったばかりで課題も多いが、監督は選手一人ひとりの「伸びしろ」に大きな期待を寄せている。秋の高野山旗全国大会を重要な目標と位置づけ、守備の強化と投手層の確立を最優先に取り組む方針だ。

現在は6年生と合同で練習を重ねており、そのスピード感に慣れることで、5年生チームのレベルアップにもつながると見られている。個々の成長とともに、チーム力の底上げを図っていく。

さらに冬場の室内練習では、選手を4クラスに分けて重点的に指導することが決定しており、チーム内競争は一層激化する見込みだ。平日練習の積み重ねこそが、今後のチーム強化の鍵を握ることになるだろう。

新チームの5年生=(東16丁目)
新チームの5年生=(東16丁目フリッパーズ)

協力:東16丁目フリッパーズ

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