チーム名変更初年度で悲願の全国切符 層の厚さと全国経験を武器に「全国優勝」を見据える
北海道女子中学軟式野球に、新たな歴史を刻む夏がやってきた。
京都府などで8月20日に開幕する「第11回全日本中学女子軟式野球大会(SPトーナメント)」へ、北海道代表・JBC HOKKAIDOが初出場を果たす。チーム名を変更し、新体制で歩み始めた節目の一年。北海道予選では函館BBCヴィーナス、札幌ブルーシエ、オホーツクスマイリーズジュニアを破り、悲願だった全国への切符をつかみ取った。
全国大会には49チームが集い、中学女子軟式野球日本一を懸けた熱戦が繰り広げられる。初陣は8月21日、第2試合で愛媛県代表・マドンナジュニア愛媛。勝ち進めば翌22日に高知家ガールズとの対戦が待つ。全国優勝を目標に掲げる大坂聡監督率いる新生JBC HOKKAIDOが、北海道女子野球の新たなページを切り開こうとしている。
「新たなJBC HOKKAIDO」として歩み始めた挑戦
今季からチーム名を「JBC HOKKAIDO」へ変更し、運営体制も一新した。新たなスタートを切った最初のシーズンで掲げた目標は、「全国大会出場」。その目標を現実のものにした選手たちは、チームの歴史に大きな一歩を刻んだ。
北海道予選では一戦ごとに成長を示し、決勝ではオホーツクスマイリーズジュニアを破って初優勝。新しいチーム名で挑んだ最初の大舞台への挑戦は、最高の形で実を結んだ。
しかし、選手たちの視線はすでにその先を見据えている。目標は「全国出場」ではなく、「全国優勝」。その言葉が、今のチームの現在地を物語っている。

Wエースと堅守が支える「北海道屈指の守備力」
JBC HOKKAIDO最大の武器は、高い守備力にある。
大坂監督が真っ先に名前を挙げたのは、新名乃々花(3年)と山下紬(3年)のWエース。そして捕手・岡村明星(3年)、遊撃・荒井紬希(3年)、二塁・高橋美乃(2年)によるセンターラインだ。
「Wエースとセンターラインを中心に非常にレベルの高い守りが特徴です」
投手、捕手、遊撃、二塁という守備の要に安定感があるからこそ、試合の流れを相手へ渡さない。失点を最小限に抑えながら勝機を待つ、全国でも十分に戦える守備力がチームの土台となっている。

打順に切れ目なし 誰が主役になってもおかしくない打線
一方の攻撃陣も、特定の選手だけに頼るチームではない。
「1番から9番までどこからでも得点チャンスをつくることができ、長打も打てる選手がそろっています」
上位打線だけではなく、下位打線にも試合を動かす力を持った選手が並ぶ。その日の状態によって打順を大胆に組み替えられることも、このチームならではの強みだ。
北海道予選直前からは2年生が大きく成長。打線全体に厚みが増し、相手投手に休む暇を与えない攻撃へと進化した。

ベンチ全員が戦力 全国で勝つための「層の厚さ」
全国を勝ち抜くために必要なのは、エースや主力だけではない。
大坂監督が最も誇りに感じているのは、「誰が出ても戦力になるチーム」であることだった。
「中心選手はもちろんいますが、誰が入っても大きな戦力ダウンにならないくらい全員が一定のレベルに達しています」
そのため試合の流れを読みながら、代打、代走、守備固めを迷いなく送り出せる。ベンチメンバー全員が役割を果たせることが、接戦をものにしてきた理由でもある。
全国大会では連戦となるだけに、この総合力は大きな武器になりそうだ。

全国経験が支える「動じない強さ」
このチームには全国の舞台を知る選手も少なくない。
学童時代、所属チームに加えて北海道スノーホワイトでプレーし、全国大会で数々の強豪と戦ってきた経験を持つ選手が多く在籍している。
初出場とはいえ、全国の雰囲気を知らないチームではない。
強豪相手にも臆することなく、自分たちの野球を貫ける精神的な土台が、このチームには備わっている。

全国までの一か月 優勝で証明したさらなる成長
全国予選後も歩みを止めなかった。
7月には北海道女子軟式野球連盟主催のエコアハウスカップを制し、チームは優勝。予選突破が決してピークではなく、その後も確実に力を伸ばしている。
大坂監督はこう語る。
「予選が終わってからチーム力はさらに向上しています。予選直前が最高の状態だと思っていましたが、彼女たちにはまだまだ上を目指せるポテンシャルがあります」
選手たちは自信を手にしながらも、決して満足していない。
目指すのは「限界突破」。
その言葉どおり、チームはさらに高みを目指して練習を重ねている。

最大の課題は「暑さ」と「諦めない心」
全国大会で待つのは、北海道とは大きく異なる真夏の暑さだ。
大坂監督は「どんな環境でも実力を発揮できる準備」を課題の一つに挙げる。
さらに、北海道予選準決勝で見せた最後まで諦めない姿勢を、全国でも発揮できるチームへ育てたいという。
技術だけでは全国は勝ち抜けない。
苦しい場面でも粘り強く戦う精神力こそが、日本一への鍵になると考えている。

感謝を力に、新たな歴史を刻む夏へ
チーム名を変更し、新たな体制でスタートした一年目。
その節目の年に全国大会出場という結果を残せたことを、大坂監督は「応援してくださるすべての方々のおかげ」と感謝する。
そして、その感謝を胸に掲げる次なる目標は、ただ一つ。
「全国優勝」。
北海道の代表として戦うだけではない。
新たな歴史をつくるために、JBC HOKKAIDOは49チームの頂点を目指して京都のグラウンドへ立つ。
北海道女子野球の未来を背負う選手たちの挑戦が、いよいよ始まる。

ベンチ入りメンバー
指導者
▼監督・責任者
㉚大坂 聡(56)
▼コーチ
㉙佐々木 誠(53)
㉘新名 優作(41)
▼マネージャー
佐々木 学
選手
⓪岡村 明星(おかむら はるせ)
栗山町立栗山中学校・3年
栗山ロッキーズ出身
右投げ、右打ち
①上中 歩那(うえなか あゆな)
札幌市立北都中学校・2年
北郷サラブレッツ出身
右投げ、右打ち
②佐々木 寧音(ささき ねね)
北広島市立大曲中学校・3年
大曲ファイターズ出身
左投げ、左打ち
③京藤 茉央(きょうどう まちか)
札幌市立柏丘中学校・2年
北郷サラブレッツ出身
右投げ、右打ち
④荒井 紬希(あらい つむぎ)
釧路町立別保中学校・3年
富原ドルフィンズ出身
右投げ、右打ち
⑤高橋 美乃(たかはし よしの)
札幌市立北白石中学校・2年
北郷サラブレッツ出身
右投げ、右打ち
★主将
⑥新名 乃々花(しんみょう ののか)
旭川市立北門中学校・3年
末広・近文合同チーム出身
右投げ、右打ち
⑦高田 姫那(たかだ きな)
恵庭市立恵庭中学校・2年
柏ホエールズ出身
右投げ、右打ち
⑧山下 紬(やました つむぎ)
北広島市立西部中学校・3年
西部ホワイトファング出身
右投げ、右打ち
⑨西田 空未(にしだ そらみ)
北広島市立西部中学校・2年
西部ホワイトファング出身
左投げ、左打ち
⑩奈良 柚季那(なら ゆきな)
恵庭市立恵北中学校・2年
島松ジュニアイーグルス出身
右投げ、右打ち
⑪小林 美陽(こばやし みや)
釧路市立阿寒湖義務教育学校・2年
摩周ジャガーズ出身
右投げ、左打ち
⑫林 紗良(はやし さら)
仁木町立仁木中学校・3年
JBC札幌出身
右投げ、左打ち
⑬石黒 夏帆(いしぐろ かほ)
北広島市立広葉中学校・1年
双葉スピリッツ出身
右投げ、右打ち
⑭音喜多 珠桜(おときた みお)
札幌市立北白石中学校・2年
北郷サラブレッツ出身
右投げ、右打ち
⑮米澤 愛瑠(よねざわ あいる)
厚岸町立真龍中学校・2年
厚岸レッドブリッジ出身
右投げ、右打ち
⑯佐々木 明衣(ささき めい)
羽幌町立羽幌中学校・1年
羽幌フェニックス出身
右投げ、右打ち
⑰眞田 みのり(さなだ みのり)
倶知安町立倶知安中学校・2年
倶知安グランツ出身
右投げ、左打ち
⑱大西 悠暖(おおにし はのん)
豊浦町立豊浦中学校・1年
豊浦シーガルス出身
右投げ、右打ち
⑲齊藤 陽菜(さいとう ひな)
札幌市立八軒中学校・1年
宮の沢オリオンズ出身
右投げ、右打ち
⑳西崎 来胡(にしざき ここ)
室蘭市立白蘭学園・3年
あかつき少年野球部出身
右投げ、右打ち
㉑古田 梨々那(ふるた りりな)
猿払村立拓心中学校・1年
稚内ファイターズSH出身
右投げ、右打ち
全日本中学女子までの軌跡
第11回全日本中学女子軟式野球北海道大会
◆決勝(6月28日)
〇 13-1 オホーツクスマイリーズジュニア
◆準決勝(6月28日)
〇 5-4 札幌ブルーシェジュニア
◆1回戦(6月27日)
〇 11-0 函館BBCヴィーナス
全日本中学女子軟式野球大会トーナメント表
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協力:JBC HOKKAIDO
