129人から選ばれた18人!札幌選抜メンバー決定

129人から選ばれた18人!札幌選抜メンバー決定

「打った、抑えた」だけではない――渡辺敦監督が見つめた“一球への準備” 10月の都市対抗戦へ札幌の精鋭が始動

129人から39人、そして18人へ

 札幌選抜のユニホームを目指し、今年も多くの6年生が挑んだ。

 一次セレクションの参加者は129人。そこから39人が次のステージへ進み、8月23日の2次セレクションを経て、最終18人が選出された。

 約7人に1人――。

 数字だけを見れば、厳しい競争だった。

 しかし、渡辺監督らが探していたのは、単純に「その日、一番打った選手」「速い球を投げた選手」ではなかった。

 札幌選抜は、普段は別々のチームでプレーする選手たちが集まり、限られた時間で一つのチームをつくらなければならない。

 だからこそ、「こちらの意図をいち早く理解し、それに順応しようとする姿」を見た。そして、セレクション特有の緊張とプレッシャーの中で、自分の力をどう表現できるかにも目を凝らした。

「打った」だけでは選ばない 渡辺監督が見ていた“一球の前”

 ヒットを打つ。好投する。強肩を見せる。

 もちろん、それらは重要な選考材料だ。

 だが渡辺監督が同じように重視したのは、ボールが自分のところへ来ていない時間に何をしているかだった。

 打席を待っている時の姿勢。一球ごとにインパクトに合わせて動けているか。打者によって守備位置を変える意識があるか。その場面で何が必要なのかを考えて動いているか。

 そうした何気ない動きの中に、その選手がこれまでどのように野球と向き合ってきたのかが表れるという。

 渡辺監督には、その部分を見逃せない理由がある。

 約10年にわたる札幌選抜の活動で、レベルの高い相手と戦えば戦うほど、わずかな準備の差が勝敗を分けることを経験してきた。

 「一球に泣いた場面が幾度となくあります」

 だからこそ、その一球が来る前から考え、準備し、動ける選手に可能性を見いだした。

 一本のヒットだけでは見えないものを見る。

 そこに、短期間で勝負できるチームをつくる札幌選抜の選考基準がある。

「ピークコンディション」も競技力の一つ

 今年のセレクションでは、渡辺監督がもう一つ強く感じたことがあった。

 例年に比べ、体調不良や当日のケガの申し出が多かったという。中にはスタッフが合格を前向きに考えていながら、選ぶことができなかった選手もいた。

 渡辺監督が挙げた言葉は「ピークコンディション」。

 セレクションの日は決まっている。大会の日も決まっている。

 その日に自分の状態を合わせることも、競技者に求められる力の一つだと考えている。

 今回の経験を、単なる合否だけで終わらせてほしくない。中学、高校、さらにその先で輝くため、自分の身体を強くし、コンディションを整えることへ目を向けるきっかけにしてほしい――。そこには、選ばれなかった選手たちのこれからを見据える渡辺監督の思いも込められている。

飛ばせる選手は増えた だからこそ「守る力」を

 約10年間、札幌の6年生を見続けてきた渡辺監督は、近年の選手たちに一つの変化を感じている。

 遠くへ飛ばせる選手が増えたことだ。

 一方で、「打つのは良いけど…」と感じる選手も格段に増えたという。

 渡辺監督が改めて大切にしてほしいと訴えるのが、キャッチボール、捕球姿勢、そして捕球からスローイングへつなげる基本技術だ。

 打撃だけでなく、内野、外野を含めてさまざまなポジションを守れる選手になる。それはチームのためだけではなく、選手自身の将来の可能性を広げることにもつながる。

 「自分の可能性を決めつけず積極的に取り組んで欲しい」

 学童期だからこそ、完成を急ぐのではなく、野球選手としての“引き出し”を増やしてほしいというメッセージだ。

2026札幌選抜・最終合格者18人

 129人の挑戦から札幌代表の座をつかんだ18人は次の通り。

受験番号⑪
辻 諒馬(つじ りょうま)
星置レッドソックス

受験番号⑯
絹川 奏斗(きぬかわ かなと)
札幌南JBC

受験番号⑱
中野 丈慈(なかの じょうじ)
レッドアスレチックス

受験番号㉓
上居 怜(かみい れん)
藻岩ライオンズ

受験番号㉚
白木 晴琉(しらき はる)
手稲山口メッツ

受験番号㊱
佐々木 遥真(ささき はるま)
星置レッドソックス

受験番号㊲
関野 湊太(せきの そうた)
札幌ポルテ

受験番号㊾
三宅 幸汰(みやけ こうた)
手稲山口メッツ

受験番号54
佐藤 忠將(さとう ただまさ)
東16丁目フリッパーズ

受験番号64
近藤 志月(こんどう しづき)
札幌オールブラックス

受験番号67
平間 陽大(ひらま ひなた)
札苗スターズ

受験番号69
黒瀬 一吾(くろせ いちご)
東札幌ジャイアンツ

受験番号71
羽賀 俊大郎(はが しゅんたろう)
屯田ベアーズ

受験番号82
石田 旭(いしだ あさひ)
屯田ベアーズ

受験番号88
増山 清勢(ますやま きよせ)
札幌南JBC

受験番号100
鍵谷 瑛太(かぎや えいた)
西岡スターズ

受験番号118
山下 颯斗(やました はやと)
北郷サラブレッツ

受験番号123
野村 怜央(のむら れお)
豊平カージナルス

合否の先へ――129人に託した渡辺監督の願い

 18人は選ばれた。

 111人は、今回は届かなかった。

 だが渡辺監督がセレクションの最後に向けた視線は、18人だけに向けられたものではない。

 「君たちがこれからの札幌の野球を引っ張る存在になって欲しい」

 今回の経験を糧に、さらに成長してほしい。そして札幌から北海道へ、その野球を盛り上げる存在になってほしい――。合否をつけなければならないセレクションだからこそ、その先に続く選手たちの野球人生を願った。

 選ばれた18人にとっても、合格はゴールではない。

 初回活動は8月30日午後5時から、再び藻南公園野球場で行われる。そこでチームの活動や方針を確認し、いよいよ札幌選抜としての歩みが始まる。

 129人から39人へ。そして18人へ。

 一球を待つ姿勢まで見つめられたセレクションを勝ち抜いた18人が、今度は同じ「札幌」のユニホームのもとで一つになる。

 10月、苫小牧。

 札幌を背負う18人の戦いは、もう始まっている。

協力:2026札幌選抜チーム

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