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取ったら取られ、取られたら取り返す――。中学硬式野球・日本選手権北海道予選(主催:リトルシニア北海道連盟)は6月7日に開幕し、8日には岩見沢市営球場で3試合が行われた。第3試合は札幌北リトルシニアが千歳との接戦を4-2で制し準々決勝進出。主将・合田翔のスクイズ、宮澤龍之介の自責0のロングリリーフが光る勝利だった。敗れた千歳も秋の雪辱を期して挑んだが、あと一歩届かなかった。
札幌北、“ツーランスクイズ”で逆転劇!宮澤の快投で準々決勝進出!
リトルシニア北海道連盟主催「日本選手権北海道予選」は6月7日に開幕。8日、岩見沢市営球場では3試合が行われ、第3試合で札幌北リトルシニアが千歳リトルシニアを4-2で破り、準々決勝進出を果たした。
この試合は、互いに点を取り合う緊張感あふれるシーソーゲーム。札幌北は初回、1番・合田翔(3年・東グレートキングス出身)が出塁と三盗を決めると、3番・後藤颯太朗(3年・中の島ファイターズ出身)の内野ゴロで1点を先制。
一方で2回、3回に1点ずつを奪われ一時は逆転を許すも、三回には後藤大輔(3年・幌南ファイターズ出身)の出塁を足掛かりに、今野汰星(3年・篠路ライオンズ出身)の内野ゴロで2-2の同点に追いつく。
そして試合の分岐点となったのが四回。7番・中川結斗(3年・スターキングス出身)の二塁打を起点に、9番・吉岡奏翔(3年・東グレートキングス出身)の好走塁、そして再び打席に立った合田のスクイズで中川が生還。吉岡も一気にホームへ。見事“ツーランスクイズ”で4-2と試合をひっくり返した。
この勝ち越しスクイズを決めた合田翔選手は「高めのボールだったがスクイズを決められてよかった。苦しい試合でしたが、自分たちが勝つんだと信じて戦いました」と振り返った。
攻撃面での工夫も光った。札幌北は好投手・髙田優作を相手に、犠打と走塁で着実に進塁を図り、少ない好機を確実に得点へとつなげていった。
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投手陣では、先発・吉田凱斗(3年・中の島ファイターズ出身)が三回途中で降板。代わってマウンドに立ったのは、星置レッドソックス出身の宮澤龍之介(3年・星置レッドソックス出身)。
176cm・79kgの体格から繰り出す直球で三回から七回までをわずか1安打・自責0に封じるロングリリーフを披露。千歳の追撃を完全に封じ込めた。
試合後、松本竜輔監督は「三回に追いつけたのが大きかったし、宮澤がロングリリーフで0を重ねてくれたのが大きい」と評価。
宮澤投手本人は「出番は予想していてブルペンで準備していたけれど、最初は緊張しました。三回以降は自分の投球ができたと思う。髙田君のような好打者にも集中して投げました」と語り、次の対戦・北空知深川戦については「今まで一度も勝てていないので、自分たちの良さを出して必ず勝ちたい」と力強く語った。

「あと一歩、届かなかった夏」――千歳リトルシニア、悔しさと誇りを胸に前へ
一方、敗れた千歳リトルシニアも、昨秋の秋季全道大会でのリベンジを期して臨んだ大一番だった。試合は一進一退の接戦となり、あと一歩のところまで札幌北を追い詰めた。
二回、0-1と1点を追う展開で打席に立ったのは、8番・村椿羽琉(3年・CSライズ出身)。落ち着いたスイングでレフト前に弾き返し、同点タイムリーを放った。
三回には、無死二、三塁の好機で3番・中島來輝(3年・北陽レッドイーグルス出身)がセンターへ犠牲フライ。見事に2-1と勝ち越し点を奪った。チーム全体でチャンスをつくり、確実に得点につなげていく姿勢は見事だった。
先発マウンドを託されたのはエースの髙田優作(3年・春日ライオンズ出身)。要所を締める粘り強い投球で五回を投げ抜いた。
六回以降は、荒井海惺(3年・チーム練習生出身)、石黒琉生(3年・北陽レッドイーグルス出身)と継投でつなぎ、反撃のきっかけを待ったが、あと一歩が届かなかった。
それでも、最後まで一人ひとりが諦めずに声を出し、グラウンドに立つ姿勢には「千歳らしさ」があった。ベンチもグラウンドも、ひとつの目標に向かって最後まで戦い抜いた姿は、まさに堂々たる戦いぶりだった。
悔しさの残る夏。しかし、この試合で流した汗は、きっとこの先の糧となる。「このままでは終われない」――選手たちの胸に芽生えた思いが、次なる飛躍のきっかけになるに違いない。
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「挑戦者として再び頂点へ」――札幌羊ヶ丘、連覇へ向け執念の逆転劇
札幌羊ヶ丘リトルシニア・藤橋和男監督は「次の対戦相手となる洞爺湖さんはバッティングが良いので、うちは投手が5人います。何とか継投で最少失点に抑え、チャレンジャー精神で挑みます」と意気込みを語った。
札幌羊ヶ丘は春季全道大会のチャンピオン。今大会3回戦の岩見沢戦では、六回終了時点で2-4とリードを許す展開から、一挙4得点の猛攻で大逆転勝利。堂々のベスト8入りを決めた。春夏連覇、2大会連続の栄冠を目指し、王者の意地を見せつける。
「春の雪辱を胸に」――洞爺湖、成長の証で3回戦で大勝!次戦も挑戦者の姿勢で
洞爺湖リトルシニア・若松敦治監督は「次の羊ヶ丘戦も大空さん同様に、なんとか接戦に持ち込めればと思って挑みます」と謙虚に語った。
洞爺湖は春季全道大会のリーグ戦で大空に1-5で敗戦。その悔しさをバネに、選手たちは努力を重ねてきた。今回の対戦では、まさにその成長が結果として表れ、圧巻の4回コールド勝ち。勢いそのままに、次戦へと挑む。

協力:一般財団法人 日本リトルシニア中学硬式野球協会