
和歌山県高野町で開催中の「第30回高野山旗学童軟式野球大会」で、北海道代表・東16丁目フリッパーズが7月27日、大分県代表・吉弘野球スポーツ少年団との2回戦に臨み、10-1の五回コールドで快勝。3回戦進出を決めた。二死走者なしから得点を重ねる粘りと勝負強さが光り、攻守ともに盤石の試合運び。
次戦・芥子山ベアーズ(岡山県)に勝利すれば、笹谷武志監督が“師”と仰ぐ長曽根ストロングス(大阪府)との対戦が実現する。笹谷監督が口にしたのは、「勝っても負けても、もう一度戦いたい」という真摯な思いだった。
打線爆発、二死から得点を重ねる
東16丁目フリッパーズの快進撃は止まらない。初回、打者10人で5安打2四死球を集め、一気に4点を先制。二回には二死から7番・片岡叡大郎(6年)が左中間を破る2点タイムリーで追加点。三回には1番・丹場泰生(6年)がライト柵越えの豪快なソロホームランを放ち、流れを完全に引き寄せた。
試合後、丹場は「2ボール2ストライクからの高めのボールを思い切り振り抜いた。入ってくれてうれしかった」と笑顔。「明日は勝てば2試合。まずは1戦1戦、質の高い準備をして臨みます」と先を見据えていた。
さらに四回にも二死からの3連打で2点を加点。2番・舘洞海生(6年)の右中間を破る2点タイムリー三塁打がダメ押しとなった。



投手リレーで試合を掌握
先発・西山宗汰郎(6年)は毎回走者を出しながらも粘りの投球で最少失点に抑えた。後を託された田村智久(6年)は四回、五回を無失点で締める堂々のピッチング。強気の継投で相手に主導権を渡さなかった。


敗者への敬意と全国の厳しさ
対戦した吉弘野球スポーツ少年団(大分県)は、マクドナルド・トーナメント大分県予選で2年連続準優勝という強豪。結果こそコールドゲームとなったが、試合の随所に大分代表らしい堅実な守備や粘り強い攻撃姿勢が見えた。笹谷監督は「点差ほどの力差はない」と敬意を口にした。

勝負を分けた「二死から」
笹谷武志監督は勝因を問われ、「特に作戦はない。ただ、全国で通用するチームは“二死からタイムリー”が打てるかどうかが鍵」と語る。「一対一で最後に打ち勝つ、その勝負の強さを大切にしてきた」と全国常連チームらしい言葉でチームの成長を語った。

憧れの長曽根ストロングスとの再戦を胸に
28日の3回戦に勝てば、その日のダブルヘッダーで長曽根ストロングス(大阪府)との一戦が待つ。笹谷監督にとって、長曽根の熊田耐樹監督は“野球人としての指針”を授けてくれる存在だという。
「僕にとって長曽根さんは特別。また戦って、自分たちの今を試したい」。東16丁目フリッパーズは高野山に来るたびに長曽根との交流試合を重ね、その戦いを自らの物差しとしてきた。
「勝っても負けても、あのチームとまた戦いたい」。その言葉には、指導者としての憧れと、少年野球に懸ける真摯な情熱がにじんでいた。
イニングスコア
◆2回戦(27日、高野山中学校グラウンド)
東16丁目フリッパーズ(北海道)10-1吉弘野球スポーツ少年団(大分県)
吉弘野球スポーツ少年団
00100=1
4222x=10
東16丁目フリッパーズ
(五回コールドゲーム)
(吉)河野、髙木ー赤屋
(東)西山、田村ー徳田
▽本塁打:丹場(東)
▽三塁打:舘洞(東)
▽二塁打:河野(吉)、佐藤秀、片岡、丹場(東)

全国大会トーナメント表

協力:東16丁目フリッパーズ