-800x450.jpg)
第14回龍馬旗全国大会で全国ベスト8入りを果たした東川大雪少年野球スポーツ少年団(北海道東川町)が、次なる全国の舞台「エンジョイ!軟式野球フェスティバル2025」(8月8日開幕・三重県)に向けて出発した。敗戦ではなく“抽選”で涙を飲んだ前回大会の無念を胸に、再び挑む頂点への道。小林良真主将は「一球に思いを込め、全国優勝して北海道に元気を届けたい」と力強く誓った。
全国大会「エンジョイ!軟式野球フェスティバル2025」が8月8日、三重県で開幕する。北海道代表としてこの大会に出場するのは、東川大雪少年野球スポーツ少年団。今夏7月には高知県で行われた「第14回龍馬旗全国大会」で全国ベスト8入りを果たし、その実力を証明している。
準々決勝では、同じ北海道代表の釧路ゴールデンモンキーズBBCと対戦。延長タイブレークでも決着がつかず、最後は抽選という非情な形で敗退となったが、“野球では負けていない”という思いを胸に、選手たちは次なる舞台を見据えて準備を重ねてきた。
今大会の初戦で激突するのは、四国王者・屋島野球スポーツ少年団(香川県)。相手にとって不足なしの強敵だが、「本気で楽しむ野球」をモットーに、チーム一丸で戦う東川大雪にとっては絶好のリベンジ舞台となる。
主将の小林良真(こばやし・りょうま)選手は、「得たチャンスでは確実に得点に繋げれるよう、1球に思いを込めて、全員野球で頑張ります。チーム一丸で全国優勝して、北海道の野球関係者のみなさんに元気を届けます。応援よろしくお願いします」と全国への意気込みを語った。
悔しさと誇りを力に変えた“東川大雪”の本気が、全国の舞台でどんな化学反応を見せるか注目だ。

「夢の舞台」で重なるご縁と熱戦の記憶
香川県の屋島野球スポーツ少年団は、6月に行われた四国ブロック予選を制した実力派チーム。東川大雪の初戦の相手に決まった。
この両チームには、奇妙な縁がある。東川大雪は7月に四国・高知県で行われた「第14回龍馬旗全国大会」に出場し、全国ベスト8入りを果たした。その準々決勝では、同じ北海道代表の釧路ゴールデンモンキーズBBCと死闘を繰り広げた。六回を終えて2-2の同点、七回タイブレークでも勝敗はつかず、最後は抽選による決着。東川大雪は涙を飲んだが、内容としては“負けていない”戦いぶりだった。
その龍馬旗と同じ四国で、屋島もまた注目を集めていた。時と場所は違えど、全国の舞台で闘志を燃やしていた両者が、今回の「エンジョイ!軟式野球フェスティバル2025」初戦で激突する。小林弘明監督は「全国大会という舞台で、子どもたちの夢の世界を広げられること、そしてその中で優勝することが最高です」と語り、勝利だけでなく挑戦の過程そのものに価値を見出している。


支え合いの野球がチームを変えた
春先の東川大雪は、エラーやバッテリーミスが起きると全体が乱れてしまうもろさがあった。だが、スタルヒン杯全道大会や龍馬旗での経験を通じて、その弱点は大きく改善された。今では、投手が四球を出しても外野が球際まで諦めず追い、ミスが起きても投手がギアを上げてピンチを切り抜ける。ミスを誰かが補い合う“支え合いの野球”が、チームに強い芯をもたらしている。
実際に、失点数も目に見えて減少。投手と野手の信頼が深まり、苦しい場面でも耐え抜く力が育ってきた。この粘りがあったからこそ、龍馬旗でのベスト8進出という結果があり、そして今回の全国大会出場へとつながっている。



バッテリー中心に守り勝つスタイル
チームの中心は、小林良真投手(主将)、中川一優投手、山田眸月投手の3投手と、正捕手・井出卓によるバッテリー陣。小林は右の本格派で制球力があり、中川は左腕から最速105キロの速球で緩急も投げ分ける。山田は緩急とコースを使い分ける技巧派。井出は安定した送球と攻撃的なプレーで、投手陣を力強く支える。
攻撃では「1イニング1点」を目標に、場面に応じたバントや盗塁を絡めて得点を重ねるスタイル。1~9番までがそれぞれの役割を理解し、相手にプレッシャーを与え続ける。ビッグイニングを狙うのではなく、地に足のついた「点の積み重ね」で勝ちにいく。全国大会という大舞台でこそ、こうした“堅実な戦い方”が真価を発揮するだろう。



チームを支える努力と「楽しむ覚悟」
守備の要である遊撃手・山田選手は、送球の安定性と守備範囲の広さが光るクレバーな存在。三塁の駒場陽向選手(6年)は、目立つタイプではないが勝負強さが武器。祖父と共に行う自主練習を積み重ね、今ではチームに欠かせない存在となった。
外野では、4年生ながらレギュラーを勝ち取った中川莉杜がチームの雰囲気を牽引。ライトからの大きな声と積極的な守備、出塁率の高さで攻守に存在感を放つ。春の多賀グリーンカップでは、Bestチームの正捕手としても活躍した経験がある。
小林監督は言う。「楽しむことは、笑ってやることじゃない。1点を取る執念や、アウトを取るガッツを出すこと。それが本気で楽しむということです」。選手たちはその言葉を胸に、またひとつの全国の舞台で、真剣に、そして心から野球を楽しもうとしている。

指導者・選手
<指導者>
▽監督
㉚ 小林 弘明(40)
▽コーチ
㉙宮山 晃弘(54)
㉘井出 幸宏(40)
<選手>
★主将
⑩小林 良真(こばやし りょうま)
6年・右投げ、左打ち
154センチ、50キロ
①井出 卓(いですぐる)
6年・右投げ、左打ち
151センチ、48キロ
③丸山 琉叶(まるやま りゅうと)
6年・左投げ、左打ち
135センチ、35キロ
⑤坪川 大智(つぼかわ たいち)
6年・右投げ、左打ち
151センチ、39キロ
⑥山田 眸月(やまだ むつき)
6年・右投げ、右打ち
155センチ、45キロ
⑦中川 一優(なかがわ かずま)
6年・左投げ、左打ち
154センチ、56キロ
⑧松原 カラニ(まつばら からに)
6年・右投げ、右打ち
153センチ、43キロ
⑭駒場 陽向(こまば はるき)
6年・右投げ、左打ち
154センチ、48キロ
⑱中嶋 泰聖(なかじま たいせい)
6年・右投げ、右打ち
140センチ、40キロ
99斎藤 陽茉莉(さいとう ひまり)
6年・右投げ、右打ち
150センチ
⑮遠藤 功裕(えんどう こうすけ)
5年・右投げ、左打ち
144センチ、32キロ
⓪中川 莉杜(なかがわ りと)
4年・右投げ、右打ち
138センチ、40キロ
フォトグラフ






全国大会までの足跡
<第46回スタルヒン杯争奪全道スポーツ少年団軟式野球交流大会>
▽決勝
悪天候により決勝戦が行えなかったため2チーム同時優勝。
▽準決勝
〇 10-2 函館本通JBC
▽2回戦
〇 8-5 遠軽西ファイターズ
▽1回戦
〇 13-1 幌別ベアーズ
<第46回スタルヒン杯争奪全道スポーツ少年団軟式野球交流大会 上川管内予選大会>
▽決勝
〇 6-0 扇山レッドペッカーズ
▽準決勝
〇 11-1 名寄北翔野球スポーツ少年団
第44回⽇専連旭川杯争奪少年野球⼤会
(第44回旭川市スポーツ少年団軟式野球交流⼤会)
▽決勝
● 4-6 永山西クラブ
▽準決勝
〇 6-4 新富・永山中央合同チーム
▽準々決勝
〇 17-0 愛宕東スーパースターズ
▽2回戦
〇 10-3 末広北・近一合同野球少年団
▽1回戦
〇 6-1 愛別野球少年団
全国大会トーナメント表

協力:東川大雪少年野球スポーツ少年団