「楽しむことは本気で戦うこと」 北海道代表・東川大雪、全国の頂点へ再挑戦!

「楽しむことは本気で戦うこと」 北海道代表・東川大雪、全国の頂点へ再挑戦!

「夢の舞台」で重なるご縁と熱戦の記憶

 香川県の屋島野球スポーツ少年団は、6月に行われた四国ブロック予選を制した実力派チーム。東川大雪の初戦の相手に決まった。

 この両チームには、奇妙な縁がある。東川大雪は7月に四国・高知県で行われた「第14回龍馬旗全国大会」に出場し、全国ベスト8入りを果たした。その準々決勝では、同じ北海道代表の釧路ゴールデンモンキーズBBCと死闘を繰り広げた。六回を終えて2-2の同点、七回タイブレークでも勝敗はつかず、最後は抽選による決着。東川大雪は涙を飲んだが、内容としては“負けていない”戦いぶりだった。

 その龍馬旗と同じ四国で、屋島もまた注目を集めていた。時と場所は違えど、全国の舞台で闘志を燃やしていた両者が、今回の「エンジョイ!軟式野球フェスティバル2025」初戦で激突する。小林弘明監督は「全国大会という舞台で、子どもたちの夢の世界を広げられること、そしてその中で優勝することが最高です」と語り、勝利だけでなく挑戦の過程そのものに価値を見出している。

東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)

支え合いの野球がチームを変えた

 春先の東川大雪は、エラーやバッテリーミスが起きると全体が乱れてしまうもろさがあった。だが、スタルヒン杯全道大会や龍馬旗での経験を通じて、その弱点は大きく改善された。今では、投手が四球を出しても外野が球際まで諦めず追い、ミスが起きても投手がギアを上げてピンチを切り抜ける。ミスを誰かが補い合う“支え合いの野球”が、チームに強い芯をもたらしている。

実際に、失点数も目に見えて減少。投手と野手の信頼が深まり、苦しい場面でも耐え抜く力が育ってきた。この粘りがあったからこそ、龍馬旗でのベスト8進出という結果があり、そして今回の全国大会出場へとつながっている。

東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)

バッテリー中心に守り勝つスタイル

 チームの中心は、小林良真投手(主将)、中川一優投手、山田眸月投手の3投手と、正捕手・井出卓によるバッテリー陣。小林は右の本格派で制球力があり、中川は左腕から最速105キロの速球で緩急も投げ分ける。山田は緩急とコースを使い分ける技巧派。井出は安定した送球と攻撃的なプレーで、投手陣を力強く支える。

 攻撃では「1イニング1点」を目標に、場面に応じたバントや盗塁を絡めて得点を重ねるスタイル。1~9番までがそれぞれの役割を理解し、相手にプレッシャーを与え続ける。ビッグイニングを狙うのではなく、地に足のついた「点の積み重ね」で勝ちにいく。全国大会という大舞台でこそ、こうした“堅実な戦い方”が真価を発揮するだろう。

東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)

チームを支える努力と「楽しむ覚悟」

 守備の要である遊撃手・山田選手は、送球の安定性と守備範囲の広さが光るクレバーな存在。三塁の駒場陽向選手(6年)は、目立つタイプではないが勝負強さが武器。祖父と共に行う自主練習を積み重ね、今ではチームに欠かせない存在となった。

 外野では、4年生ながらレギュラーを勝ち取った中川痢杜がチームの雰囲気を牽引。ライトからの大きな声と積極的な守備、出塁率の高さで攻守に存在感を放つ。春の多賀グリーンカップでは、Bestチームの正捕手としても活躍した経験がある。

小林監督は言う。「楽しむことは、笑ってやることじゃない。1点を取る執念や、アウトを取るガッツを出すこと。それが本気で楽しむということです」。選手たちはその言葉を胸に、またひとつの全国の舞台で、真剣に、そして心から野球を楽しもうとしている。

東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)

指導者・選手

<指導者>

▽監督

㉚ 小林 弘明(40)

▽コーチ

㉙宮山 晃弘(54)

㉘井出 幸宏(40)

<選手>

★主将
⑩小林 良真(こばやし りょうま)
6年・右投げ、左打ち
154センチ、50キロ

①井出 卓(いですぐる)
6年・右投げ、左打ち
151センチ、48キロ

③丸山 琉叶(まるやま りゅうと)
6年・左投げ、左打ち
135センチ、35キロ

⑤坪川 大智(つぼかわ たいち)
6年・右投げ、左打ち
151センチ、39キロ

⑥山田 眸月(やまだ むつき)
6年・右投げ、右打ち
155センチ、45キロ

⑦中川 一優(なかがわ かずま)
6年・左投げ、左打ち
154センチ、56キロ

⑧松原 カラニ(まつばら からに)
6年・右投げ、右打ち
153センチ、43キロ

⑭駒場 陽向(こまば はるき)
6年・右投げ、左打ち
154センチ、48キロ

⑱中嶋 泰聖(なかじま たいせい)
6年・右投げ、右打ち
140センチ、40キロ

99斎藤 陽茉莉(さいとう ひまり)
6年・右投げ、右打ち
150センチ

⑮遠藤 功裕(えんどう こうすけ)
5年・右投げ、左打ち
144センチ、32キロ

⓪中川 痢杜(なかがわ りと)
4年・右投げ、右打ち
138センチ、40キロ

フォトグラフ

東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)
東川大雪少年野球スポーツ少年団=(写真・チーム提供)

全国大会までの足跡

<第46回スタルヒン杯争奪全道スポーツ少年団軟式野球交流大会>

▽決勝
悪天候により決勝戦が行えなかったため2チーム同時優勝。

▽準決勝
〇 10-2  函館本通JBC

▽2回戦
〇 8-5  遠軽西ファイターズ

▽1回戦
〇 13-1  幌別ベアーズ

<第46回スタルヒン杯争奪全道スポーツ少年団軟式野球交流大会 上川管内予選大会>

▽決勝
〇 6-0  扇山レッドペッカーズ

▽準決勝
〇 11-1  名寄北翔野球スポーツ少年団

第44回⽇専連旭川杯争奪少年野球⼤会
(第44回旭川市スポーツ少年団軟式野球交流⼤会)

▽決勝
● 4-6  永山西クラブ

▽準決勝
〇 6-4  新富・永山中央合同チーム

▽準々決勝
〇 17-0 愛宕東スーパースターズ

▽2回戦
〇 10-3 末広北・近一合同野球少年団

▽1回戦
〇 6-1  愛別野球少年団

全国大会トーナメント表

エンジョイ!軟式野球フェスティバル2025=組合せ
エンジョイ!軟式野球フェスティバル2025=組合せ

協力:東川大雪少年野球スポーツ少年団

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