中学生の硬式野球への移行を支える「Kボール」を使用する2025 ZETT杯争奪中学野球北海道大会が、9月13日・14日に新十津川ピンネスタジアムとふるさと公園野球場で開催された。道内各地から9チームが出場し、予選リーグを経て決勝トーナメントへ。白熱の戦いを勝ち抜き、函館が渡島・函館との決勝を1-0で制して優勝を飾った。
熱戦の幕開け ― 予選リーグ
初日の13日はA・Bリーグに分かれて予選が行われた。名寄が檜山・日高を4-3で振り切り、渡島・函館は登別を6-3で撃破。さらに檜山・日高が登別に勝利し、各地で競り合いが続いた。Bリーグでは西胆振が十勝を2-0で下し、函館は宗谷を4-0、さらに西胆振を3-0で退けるなど、実力を示した。
準決勝 ― 渡島・函館と函館が勝ち上がる
14日の決勝トーナメント準決勝、第1試合は渡島・函館が西胆振を1-0で下し、堅守と継投で接戦を制した。続く第2試合では、函館と名寄が乱打戦を展開。五回時間切れとなる熱戦の末、函館が9-7で競り勝ち、決勝へと駒を進めた。
決勝 ― 函館、1点を守り切る勝利
決勝戦は函館と渡島・函館の道南勢対決となった。両チームの投手陣が互いに粘り強く投げ合い、スコアは終盤まで0-0の緊迫した展開。六回裏、函館が貴重な1点を奪い、そのまま逃げ切り1-0で勝利。見事に大会制覇を果たした。
Kボールが支える未来への一歩
大会で使用された「ナガセKENKO WORLD A(W KWLB-A)」のKボールは、軟式から硬式へスムーズに移行できるよう開発されたゴム製中空ボール。硬式と同じ大きさ・重さを持ちながら安全性と経済性を兼ね備え、中学生の技術向上と障害予防を支えてきた。北海道の将来を担う球児たちにとって、このZETT杯は次のステージへの大切な一歩となった。
2025 ZETT杯争奪中学野球北海道大会
日程:9月13、14日
会場:新十津川ピンネスタジアム、ふるさと公園野球場
使用球:大会公認球(ナガセ KENKO WORLD A (W KWLB-A) )
Kボールとは
Kボールは、中学生が軟式から高校の硬式野球にスムーズに移行できるよう、また国際的な普及を目指して2000年に開発された「ゴム製中空ボール」です。素材は軟式球と同じゴムですが、大きさや重さは硬式球と同じで、バウンドや打球感も硬式に近い特性を持ちます。中身が空洞で衝撃は硬式の1/3~1/4と安全性が高く、価格も安価で経済的です。「健全な精神・強健な身体・国際的なスポーツマン育成」の頭文字から名付けられ、U-15国際大会や国内大会で公認球として使用されてきました。守備・打撃など硬式に近い練習が可能で、技術面での移行を助けるほか、事故防止や障害予防にも効果があります。2015年頃には「KWBボール」とも呼ばれ、2018年以降はM号球の導入も進みましたが、硬式野球への橋渡しとして大きな役割を果たした歴史あるボールです。
出場8チーム
Aリーグ
檜山・日高BBC 、名寄BBC、渡島・函館BBC、登別BBC
Bリーグ
西胆振BBC、十勝BBC、宗谷BBC、函館BBC
決勝トーナメント
14日、新十津川ピンネスタジアム
①準決勝(09:30)渡島・函館1-0西胆振
渡島・函館
0100000=1
0000000=0
西胆振
(渡)相場、鶴喰、西舘ー荒川
(西)口屋、長橋ー三橋、佐藤
②準決勝(11:30)函館9-7名寄
函館
05310=9
12031=7
名寄
(五回時間切れ)
(函)上野、成田、荒井、蛯名ー早坂
(名)萬城目、竹内、今井、金子ー星
▽三塁打:金子(名)
▽二塁打:今井(名)
③決 勝(13:45)函館1-0渡島・函館
渡島・函館
0000000=0
000001x=1
函館
(渡)小野、西舘、櫻井ー荒川
(函)上野、成田、蛯名ー早坂
▽三塁打:木村(渡)


14日、ふるさと公園球場(3・4位決定戦は、グラウンドコンディション不良のため中止となった。)
①(09:30)Aリーグ3位×Bリーグ4位
②(11:30)Aリーグ4位×Bリーグ3位
③(13:45)①の勝者×②の勝者
予選リーグ
13日、新十津川ピンネスタジアム
①(09:00)名寄4-3檜山・日高
②(11:00)渡島・函館6-3登別
③(13:00)檜山・日高5-2登別
④(15:00)函館3−0西胆振(1、2位決定戦)
13日、ふるさと公園野球場
①(09:00)西胆振2-0十勝
②(11:00)函館4-0宗谷
③(13:00)宗谷2-1十勝
④(15:00)函館3-0西胆振(1、2位決定戦)

協力:日本中学生野球連盟北海道支部
