北海道チャンピオンシップ選抜、倉敷大会で8強目前の惜敗

北海道チャンピオンシップ選抜、倉敷大会で8強目前の惜敗

逆転劇と躍動の投手陣、“あと一本”の重みを胸に刻む3回戦

2回戦・岡山桃太郎クラブ(岡山県)

逆転の5得点、攻守噛み合い一気に流れを掴む

0–1と1点を追う二回、5番・中川一優(東川大雪少年野球クラブ/6年)がライト前で出塁。
続く7番・佐藤光臥(湧別マリナーズ/6年)がセンター前、8番・遠藤勝四郎(室蘭祝津少年野球部/6年)の内野ゴロが敵失を誘い三塁走者の中川が生還し1–1の同点に。

さらに9番・橋本 昊(星置レッドソックス/6年)がサード前へ見事なバントヒットを決め、一死満塁。
ここで1番・井出 卓(東川大雪少年野球クラブ/6年)がレフトオーバーの2点タイムリーを放ち逆転。
2番・藤野 廉(東16丁目フリッパーズ/6年)の2ランスクイズも決まり、この回一挙5得点と試合を完全に掌握した。

三回には二死三塁で7番・佐藤光臥が勝負強くライト前へタイムリー。
四回にも加点し、五回には6番・菅原蒼音(羽幌フェニックス/6年)に代わり代打・生田一翔(旭稜野野球少年団/6年)がライトオーバーの三塁打。続く8番・遠藤勝四郎がセンター前タイムリーを放ちダメ押しとなった。

投げては、先発の朝倉璃音(SKRスピリッツ/6年)が粘り、二回途中から登板した鎌田光(紋別オホーツクイーグルス/6年)が1点に抑える快投。
攻守にわたって試合巧者ぶりを発揮し、8–1で快勝した。

鎌田投手(北海道選抜)
鎌田投手(北海道選抜)

木下監督(2回戦について)

「初戦で緊張する中、先制されても練習通りに逆転してくれた。
朝倉の調子が上がらないところで、無死一・二塁から鎌田がしっかり抑えたのは大きかった。攻撃にも良い流れが生まれ、自信につながる試合でした。」

◆2回戦(20日、真備総合公園軟式野球場)

北海道チャンピオンシップ選抜
05111=8
10000=1
岡山桃太郎クラブ
(五回コールドゲーム)
(北)朝倉、鎌田ー遠藤
(岡)吉行、渡邊、高橋ー土田
▽三塁打:生田(北)
▽二塁打:井出(北)

3回戦・福井選抜フェニックス(福井県)

四回までノーヒットの好投、中川が見せた“本番の強さ”

強豪・福井選抜フェニックスとの激戦は、まさに一瞬たりとも気の抜けない投手戦だった。

二回には5番・中川一優(東川大雪/6年)がレフトオーバーの二塁打。
四回には2番・藤野 廉(東16丁目フリッパーズ/6年)がセンター前ヒットと二盗で無死二塁。
五回にも7番・菅原蒼音(羽幌フェニックス/6年)がレフト前へ出塁。

しかし、いずれもあと一本が出ず無得点──。

一方の守りでは、中川が圧巻の投球を披露。
四球こそ出したものの、四回まで福井打線をノーヒットに抑える堂々たる内容。
しかし五回、一死からライトオーバー三塁打を浴びると、続く内野安打で痛恨の1失点。
最終回は1番からの好打順で望みをつないだが、相手好投手の前に反撃はならず、0–1で涙をのんだ。

中川投手(北海道選抜)
中川投手(北海道選抜)

木下監督(3回戦について)

「悔しくて、あと一本が出なかった。
“一球で仕留めるためにどう練習するか”を選手たちに理解してほしい。
この敗戦は必ず次の成長につながるはずです。」

◆3回戦(20日、真備総合公園軟式野球場)

北海道選抜
000000=0
00001x=1
福井選抜
(北)中川ー遠藤
(福)形谷、黒﨑ー吉村
▽三塁打:南(福)
▽二塁打:中川(北)

木下監督が語る“大会で得た大きな成長”

 今回の倉敷大会を終え、北海道チャンピオンシップ選抜の木下雅博監督は、一人ひとりの選手が見せた成長に強い手応えを感じていた。特に、役割を与えられた選手たちが、その期待に応えようと懸命に戦った姿が印象深かったという。

中川一優(東川大雪少年野球クラブ/6年)

監督は中川の投球を「今大会一番」と高く評価した。

「本番に強い。四球は出したが後続をしっかり抑え、堂々としたピッチングだった。福井相手に、実力を存分に発揮してくれた。」

四回までノーヒットに封じ込めた投球は、まさにエースの風格だった。

鎌田 光(紋別オホーツクイーグルス/6年)

ロングリリーフで流れを変えた二回戦の好投は、大会のターニングポイントだった。

「回を重ねるごとに自信が湧いてくる投球に変わった。チームの危機を救い、実戦で大きく成長した。」

これまでショートイニングの登板が多かっただけに、“覚醒”とも言える内容となった。

遠藤勝四郎(室蘭祝津少年野球部/6年)

2試合をフルマスクで戦い抜いた捕手の遠藤。学びの大きい大会になった。

「捕ってから送球までのスピードが、選抜に入ってから急速に良くなった。身体も大きく、安定感のある捕手です。投手陣をよく引っ張ってくれた。」

扇の要としての存在感が光った。

遠藤捕手(北海道選抜)
遠藤捕手(北海道選抜)

藤野 廉(東16丁目フリッパーズ/6年)・橋本 昊(星置レッドソックス/6年)

大会を通して内野の要となった二人。大柄ではないが、その一球への執念がチームを支えた。

「身体は小さいが、攻守の要として本当によく頑張ってくれた。内野の中心として大会を支えてくれた。」

攻守の安定感は、選抜の戦いに欠かせなかった。

藤野選手(北海道選抜)
藤野選手(北海道選抜)
橋本選手(北海道選抜)
橋本選手(北海道選抜)

山本 朝日(厚岸レッドブリッジ/6年)

スタメン起用された3回戦で、山本は期待に見事応えた。

「広い守備範囲で流れを止めず、攻守で貢献してくれた。スタメンで使って正解だった。」

緊張が走る場面での落ち着いた守備は、監督を大いに助けるものとなった。

山本選手(北海道選抜)
山本選手(北海道選抜)

その他の役割選手たちへ

選抜チームだからこそ味わえる“立場と役割”。そこで得た経験は非常に大きい。

「代打に懸けた者、代走に懸けた者、守備固めに懸けた者──自チームでは経験しない重圧のある役割を経験できた。勝負の厳しさ、裏方の大切さを学んだはずです。」

一人ひとりが与えられた場所で役割を全うし、チームを支えた。

最後に

大会を締めくくるにあたり、木下監督は裏方の支えにも感謝を口にした。

「僕が好きにやる中で、コーチの土清水さんや他スタッフの方々、保護者の方々が下支えしてくれた。本当に助かりました。」

監督・コーチ・選手、全員で掴み取った“選抜チームとしての成長”だった。

土清水主将(北海道選抜)
チームをまとめた土清水主将(北海道選抜)

協力:北海道チャンピオンシップ選抜

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