札幌大谷リトルシニアの取材でふと思い出した、2018年神宮の記憶
2月23日、札幌大谷リトルシニアへチーム訪問した際、ふと頭に浮かんだのが2018年の明治神宮大会だった。
札幌大谷高校が、北海道勢として駒大苫小牧以来13年ぶり、史上2校目となる神宮制覇を果たしたあの大会だ。
神宮初出場という挑戦者の立場ながら、全国の強豪を次々と撃破。
接戦を制し、そして最後は全国の頂点へ。
当時の戦いぶりは、北海道高校野球史の中でも鮮烈な記憶として残っている。
奥川擁する星稜との決勝戦
決勝の相手は、石川の星稜。
後にプロ入りする奥川恭伸投手を擁し、大会ナンバーワン右腕とも評されていた。
試合は札幌大谷にとって苦しい展開となる。
先制を許しながらも、投手陣が粘り強く踏ん張りで追加点を与えない。
そして迎えた7回裏。
チャンスを作ると、一瞬の隙を突いて逆転。
最後まで全員で守り切り、2―1で勝利。
北海道勢として13年ぶりの神宮制覇が決まった。
初出場でたどり着いた頂点
札幌大谷の戦いは、初戦から激戦だった。
初戦では京都の伝統校・龍谷大平安と対戦。6―5で競り勝つ。
2回戦では東京王者の国士舘を5―2で破り、勢いは加速。
準決勝では筑陽学園(福岡)を5―2で下し、決勝へ駒を進めた。
そして決勝、星稜を2―1で破り、北海道高校野球史に新たな1ページを刻んだ。
中高一貫が生んだ結束
札幌大谷の優勝は、北海道野球界でも特徴的な形として語られることが多い。
私立・共学・中高一貫という環境の中で、中学時代から同じチームでプレーしてきた選手たち。
その結束力は高く、サインプレーや守備連携の精度は全国でも際立っていた。
また、神宮大会出場校の好投手や球威のあるボールに対しても振り負けない打撃は、冬期間の徹底した室内トレーニングの成果でもあった。
この優勝によって翌春の選抜大会では北海道に「神宮枠」が与えられ、道内高校野球界を大きく盛り上げることにもつながった。
神宮戦士たちの現在
あの神宮優勝から数年。
当時の選手たちは、それぞれの場所で野球と向き合っている。
石鳥亮(國學院大ー札幌大谷高)は日本製鉄山口で社会人3年目。
釜萢大司(同志社大ー札幌大谷高)は航空自衛隊千歳で同じく社会人3年目を迎える。
太田流星投手(専修大ー札幌大谷高)は軟式野球の六花亭で3年目のシーズンを戦っている。
当時主将だった飯田柊哉は、札幌大谷中高大で10年間学び、現在は札幌大谷学園の事務職員となり、同時に母校野球部のコーチとして、後進の指導にも力を注いでいる。
また、この世代の1学年上にはプロ野球へ進んだ選手もいる。
千葉ロッテマリーンズの菊地吏玖投手(専修大ー札幌大谷高)、そして1学年下には196センチの長身から投げ下ろす投球が持ち味の阿部剣友投手(23)がいる。阿部は読売ジャイアンツから2021年育成8位で指名を受け、現在は航空自衛隊千歳で現役を続けている。
さらに2学年下には、將田明基(東京農大ー札幌大谷高)が4月からバイタルネットで社会人野球をスタートさせる。
森谷大誠(國學院大ー札幌大谷高)、濱野櫂(駒澤大ー札幌大谷高)は大学4年を迎え、大学野球ラストイヤーに挑む。
札幌大谷学園の太田英次氏(札幌大谷中学校・野球部コーチ)との会話の中で、室内練習場に立ちながら、あの2018年の神宮の光景がふとよみがえった。
北海道勢として2校目の神宮王者。
札幌大谷が刻んだあの優勝は、今も北海道野球の記憶の中で確かに息づいている。
協力:札幌大谷学園
