希望の光は北広島に

希望の光は北広島に

エスコン効果で広がる野球の輪――体験から入団へ、“遊び”が“本気”に変わる瞬間

2023年、日本ハムファイターズが本拠地をエスコンフィールドHOKKAIDOに移転して以降、北広島市の学童野球に確かな変化が生まれている。少子化や野球離れが叫ばれるなか、ここ北広島では“野球が好き”という純粋な気持ちを持った子どもたちが、自然と少年団の門を叩く姿が増えてきた。

以前は、公園でのキャッチボールや遊びで満足していた子どもたちが、今は「日本ハムの試合を見て、野球をやりたくなった!」と、ビニール製のグローブを手に体験会に訪れる。しかもその多くが、特別な指導経験もないまま、自然と入団まで進んでいるという。まさに「野球のすそ野を広げる」という本来の目的に近い成果が、いま北広島で形になりつつある。

注目すべきは、北広島市内のすべての学童チームが“単独チーム”として活動を継続している点だ。他地域では選手不足により合併や合同チームの結成が当たり前になってきているが、北広島は逆に、選手数の「現状維持」あるいは「増加」を実現している希少なエリアとなっている。

かつて市内では選手不足に悩まされ、西の里地区の少年団が休部に追い込まれるなど、厳しい時期もあった。しかし、今は違う。エスコンのある街に生まれ育った子どもたちは、プロの舞台を身近に感じながら、野球というスポーツへの憧れを素直に表現できる環境にある。

北の台Cファイターズ・川村耕治監督はこう語る。
「とにかく“入ってみたけど野球ってつまらないな”と思わせたくないんです。笑顔で帰ってもらえればそれでいい。その積み重ねが未来につながると信じています」

少年野球の世界が“減少”や“縮小”だけで語られる時代にあって、北広島市のような例は、確かに「希望の光」だ。
野球が「遠い憧れ」ではなく、「手の届く楽しみ」として地域に根付きはじめている。

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