大空、迷いなき一振りで4強! 上田南を10-4撃破

大空、迷いなき一振りで4強! 上田南を10-4撃破

ファーストストライクを逃さず長打攻勢 「21アウト」を全員で使い切り、決勝進出へ

イニングスコア

◆準々決勝(8月10日、モエレ沼公園野球場)

大空
0410311=10
0010201=4
上田南
(大)土門、小西、岡本-武田
(上)櫻井、掛川-武田
▽三塁打:深澤、太田、佐藤(大)、井上(上)
▽二塁打:山中、中村(大)、武田、相場(上)

二死から一気に4点 深澤が試合を動かす

初回は両チーム無得点。

均衡を破ったのは二回だった。

大空は二死から満塁の好機をつくると、打席には1番・深澤昊。ここで深澤が右中間を破った。

走者3人が次々とホームへ。走者一掃の3点タイムリー三塁打で、一気に試合の流れを大空へ引き寄せた。

なおも二死三塁。続く2番・山中巽(網走ブルージュニアーズ出身/3年)も右中間へ二塁打を放ち、深澤が生還。二死から長打を連ね、一挙4点を奪った。

大空がこの試合で見せたのは、単なる好調さではない。

冨田監督が選手たちに求め続けてきた「迷わず振る」という姿勢だった。

「以前にもコメントしましたが、結果を求めるあまり、打席で慎重になりすぎる傾向がありました。東日本選抜野球大会では、ファーストストライクから積極的に振っていくよう意識づけしました。今日のヒットの大半がファーストストライクでした」

結果を欲しがるほど、打者はボールを見たくなる。

だが、全国クラスの投手を相手に好球を何球も待つ余裕はない。来た球を仕留める。

その意識が、この日の大空打線に一本の芯を通していた。

2安打と大活躍の山中選手(大空リトルシニア)
2安打と大活躍の山中選手(大空リトルシニア)

小技でもぎ取った5点目 伊成のスクイズが決勝点

大空の強さは、長打だけではなかった。

4-0で迎えた三回。

4番・岡本大輝(遠軽東イースターズ出身/3年)がライト前安打で出塁すると、5番・榎本蒼太(摩周ジャガーズ出身/3年)がバントヒットで続く。

犠打で一死二、三塁。

ここで7番・伊成輝将(網走ブルージュニアーズ出身/3年)がきっちりとスクイズを決め、5点目を奪った。

上田南がその裏に1点を返したため、結果的にこの1点が決勝点となった。

振れるところでは思い切って振る。

送るべきところでは送り、1点を取りにいく。

冨田監督が準決勝を前に語った「21アウトを上手に使って1点でも多く取る攻撃」を、この場面ですでに体現していた。

写真・大空リトルシニア提供
写真・大空リトルシニア提供

追い上げを許さない 五回3点で再び突き放す

5-1で迎えた五回、大空打線が再び動いた。

上田南に流れを渡さないためにも欲しかった追加点。ここで大空は長打を絡め、一挙3点を奪って8-1とリードを広げた。

上田南もその裏に2点を返し、食い下がる。

それでも大空は止まらない。

六回に1点、さらに七回にも1点。中盤以降も得点を積み重ね、最後まで相手に流れを明け渡さなかった。

この日は深澤に加え、太田珀雅、佐藤蒼介も三塁打。山中、中村にも二塁打が飛び出した。

初戦の仙台東部戦で12得点。この日は10得点。

2試合で計22得点。

しかし、その数字以上に大きいのは、打者たちの中から「迷い」が消えつつあることだった。

写真・大空リトルシニア提供
写真・大空リトルシニア提供

ミスの「次」を変えた大空 仲間が仲間を救う

復活登板となった土門投手(大空リトルシニア)
復活登板となった土門投手(大空リトルシニア)

攻撃だけではない。

守りにも、大空の成長が表れていた。

先発・土門琉人(佐呂間ライオンズ出身/3年)から小西明由叶(網走JBCユナイト出身/2年)、岡本へとつなぎ、上田南打線を4得点に抑えた。

もちろん、試合の中でミスは起こる。

冨田監督もそこを否定しない。

「順位決定戦を戦い抜けて、精神的にもタフになったと思います。中学生ですから、やっぱりミスは出ます。ただ、ミスを続けないことを意識させています」

エラーの直後に安打を許す。四死球を重ねる。

一つのミスから傷口が広がり、試合そのものを失うことは少なくない。

だからこそ大空が大切にしているのは、ミスをゼロにすることではなく、ミスの「次」をどうするか。

「今大会はミスがあっても、次を落ち着いて、周りがカバーして戦っている感じです」

誰かがミスをすれば、次の選手がアウトを取る。

投手が苦しめば、野手が助ける。

一人で取り返そうとしない。

順位決定戦など厳しい戦いを重ねてきた経験が、チームにそんな粘りを植え付けていた。

最後の締めにマウンドに上がった岡本投手(大空リトルシニア)
最後の締めにマウンドに上がった岡本投手(大空リトルシニア)

「21アウト」をどう使うか 大空の野球は変わらない

初戦12-3。

準々決勝10-4。

2試合22得点で、いよいよ4強まで勝ち上がった。

打線は乗っている。

だが、冨田監督に「準決勝だから」という特別な野球をする考えはない。

「戦い方は常に同じです。21アウトを上手に使って1点でも多く取る攻撃、21アウトを少しでも早く取って失点を抑える守り。ゲームセットまで、それぞれの役割を全力で果たすだけです!」

野球は七回制なら、攻撃にも守備にも21個のアウトがある。

その21アウトをどう使い、どう奪うか。

豪快な三塁打も、送りバントも、スクイズも同じ「1点」へ向かう手段。守備でも、一つのミスに立ち止まらず、次のアウトを全員で取りにいく。

「ゲームセットまで、それぞれの役割を全力で果たす」

その積み重ねこそが、大空の勝ち筋だ。

迷いなく振り抜く打線。

ミスの後を支え合う守備。

そして21アウトをチーム全員で使い切る野球。

あと一つ勝てば決勝。

大空ナインは自分たちのスタイルを変えることなく、東日本の頂点へ、また一歩踏み出す。

フィールドにいる大空ナインに向けエールを送るスタンドの大空ナイン
フィールドにいる大空ナインに向け必死にエールを送り続けるスタンドの大空ナイン

協力:大空リトルシニア

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