初出場で全国2勝、目標だった長曾根との大一番 最後まで崩れず堂々の16強
愛媛県で開催中の「高円宮賜杯第46回 全日本学童軟式野球大会 マクドナルド・トーナメント」に北海道北代表として初出場した昭和ブルーホークス(釧路市)が8月10日、西条市ひうち球場で行われた3回戦で、前年度優勝枠の長曾根ストロングスと対戦し、0-2で惜敗した。初回、二回に1点ずつを失ったものの、その後は粘り強く追加点を許さず、全国トップクラスの強豪に最後まで食らいついた。打線は4安打を放ちながら得点には届かなかったが、初出場で全国2勝を挙げ、目標としてきた長曾根との対戦を実現。荻原泰士監督は「最後まで食らいついた選手たちの姿勢は、本当に立派だった」と選手たちを称えた。北海道北代表として挑んだ昭和ナインの夏は、確かな成長と大きな財産を残して幕を閉じた。
イニングスコア
◆3回戦(8月10日、西条市ひうち球場)
昭和ブルーホークス(北海道北)0-2長曾根ストロングス(前年度優勝枠)
昭和ブルーホークス
000000=0
11000x=2
長曾根ストロングス
(昭)伊勢谷、北川、伊勢谷
(長)辻井、山瀬ー
▽二塁打:茂友、山瀬(長)
「長曾根と戦う」――全国大会前から掲げていた目標
全国大会初出場の昭和ブルーホークスにとって、この3回戦は一つの大きな目標でもあった。
相手は前年度優勝枠で出場する長曾根ストロングス。全国屈指の強豪だ。
荻原泰士監督は大会前から選手たちに「2勝して長曽根ストロングスさんと戦う」という目標を示していた。
1回戦では秋田県代表・本荘東ラ・ブルーを4-2で破り、全国初勝利。続く2回戦では新潟県代表・両川スポーツ少年団を相手に、初回の0-4から8-6とひっくり返す大逆転勝利を収めた。
そして、ついにたどり着いた3回戦。
荻原監督は試合前、選手たちにこう伝えた。
「長曽根ストロングスさんと試合ができるなんて夢みたいな話。勝つことを考えるのではなく、まずはこの舞台を楽しむことを考えなさい」
必要以上に固くならず、自分たちの野球をしてほしい――。そんな思いを込めて送り出した。
それでも全国大会3回戦、しかも相手は長曾根。独特の緊張感は、確かにあった。

初回、二回に1点ずつ 王者の「隙のなさ」
先発のマウンドには、ここまでの全国大会でも重要な場面を託されてきたエース伊勢谷爽真(6年)が上がった。
初回は硬さも見られる中、長曾根打線に先制を許した。それでも大量失点にはつなげず、1点で踏みとどまった。
二回も一死から左中間への二塁打で走者を背負うと、後続に適時打を許して0-2。
長曾根打線には、上位、下位という概念を感じさせない怖さがあった。どこからでも好機をつくり、走者を進め、得点につなげてくる。
荻原監督も試合後、「1番から9番まで本当に強打者が揃っていて、最後まで一瞬たりとも気を抜くことができない打線でした」と、その印象を語った。
しかし、昭和もここから崩れなかった。

毎回走者を背負っても、ホームだけは踏ませない
三回以降も昭和は苦しい守りを強いられた。
毎回のように走者を背負う。それでも伊勢谷、北川、そして再び伊勢谷とつなぎ、粘り強くアウトを積み重ねた。
追加点は、与えない。
初回、二回の2失点だけで踏みとどまり、味方打線の反撃を待ち続けた。
荻原監督が「普段ではあまり見られないエラーも出てしまいました」と振り返るように、決して昭和本来のプレーばかりではなかった。それでも、ミスから大きく崩れなかったところに、この全国大会を勝ち上がってきたチームのたくましさがあった。
「初回、二回に失点した後は追加点を許さず、最後まで諦めずに戦い続けてくれました。最後まで食らいついた選手たちの姿勢は、本当に立派だったと思います」
指揮官の言葉通り、昭和は最後まで試合を壊さなかった。

4安打を放つも遠かったホーム
一方、打力を武器としてきた昭和打線の前には、長曾根バッテリーが立ちはだかった。
初回、1番・北川陽大(6年)が左前打を放つ。
二回には6番・田村芳輝(6年)が左前打。四回には5番・畠山海李(6年)が中前打を放ち、最終六回には4年生・横山瑛人が内野安打で出塁した。
昭和は各イニングで走者を出し、突破口を探った。
だが、長曾根は後続を断った。
走者を許しても慌てない。守備も崩れない。昭和に流れを渡さない。
荻原監督は「守備も非常に安定していて、ミスなく完璧にプレーされていた印象です。実際に対戦してみて、全国トップレベルのチームの強さを肌で感じることができました」と振り返った。
昭和が全国の舞台で初めて味わった0得点。
その「0」に、王者の完成度の高さが表れていた。

初出場で2勝 選手たちが手にした「全国の基準」
0-2。
最後まで食らいついた昭和ブルーホークスの全国初挑戦が終わった。
だが、この大会で残したものは大きい。
全国大会に出ることだけが目標ではなかった。「2勝して長曾根と戦う」。その目標を自分たちの力で現実のものにした。
荻原監督は選手たちの変化をこう語る。
「1回戦、2回戦と厳しい試合を勝ち上がり、全国の舞台で3回戦まで戦えたことで、選手たちは大きく成長したと思います。特に、普段とは違う環境や暑さの中でも、最後までしっかり戦い抜いてくれたことは、精神的にもたくましくなった部分だと感じています」
同時に、全国トップとの差も肌で感じた。
「全国でさらに上を目指すためには、もうワンランク、チームとしても個人としてもレベルを上げなければならないということも実感した大会でした」
全国2勝という結果だけではない。
「全国で勝つ力」と「全国の頂点に立つ力」の違いを、実際のグラウンドで知った。
それこそが、昭和ナインが愛媛で手にした大きな財産なのかもしれない。

「このメンバーの監督でいられたことを、本当にありがたく思う」
試合後、荻原監督の言葉は、ともに戦った選手たちへ向けられた。
「選手たちには、何とか勝たせてあげたいという思いで試合に臨みましたが、監督である私の力では勝たせてあげることができませんでした。ただ、一生懸命に野球に取り組んでくれる子どもたちが多く、このメンバーの監督でいられたことを本当にありがたく思っています」
そして、全国への挑戦は選手と指導者だけで成し遂げたものではない。
大会への準備、北海道から愛媛への遠征、慣れない環境での生活、連日の応援――。そのすべてを支えた保護者へも感謝を口にした。
「保護者の皆さんには、全国大会に向けた準備から遠征中のサポート、そして応援まで、本当に感謝しかありません」
選手、指導者、保護者。
全国大会という大舞台を通じて、その結びつきはさらに強くなった。
「チーム全員が同じ方向を向いて戦うことができた、素晴らしいチームになったと感じています」

北海道北代表として刻んだ、忘れられない夏
全国初出場。
初戦突破。
0-4からの大逆転。
そして、目標としていた前年度王者との真っ向勝負。
昭和ブルーホークスが愛媛で過ごした一戦一戦には、それぞれ違った難しさがあり、そのたびに選手たちは乗り越え、成長していった。
最後のスコアは0-2。
勝利には届かなかった。
それでも、全国トップレベルを相手に最後まで2点差で食らいついた経験は、胸を張って釧路へ持ち帰れるものだ。
荻原監督は言う。
「この全国大会で経験したこと、そしてこの仲間たちと過ごした時間は、子どもたちにとってこれから先も大切な財産になると思います」
全国で2勝して、憧れていた強豪と戦った。
その経験も、そこで感じた悔しさも、すべてが次への力になる。
昭和ブルーホークスが北海道北代表として全国に刻んだ、初めての夏。
その足跡は「初出場」という言葉だけでは語り切れないほど、確かなものとなった。
協力:昭和ブルーホークス
