
札幌市の学童野球チーム「星置レッドソックス」が、8月2日に千葉県で開幕する「第23回千葉市長杯争奪学童野球選手権大会」に、北海道代表として初出場する。
初戦となる1回戦は、8月2日の第2試合(11時15分開始予定)で、石川県金沢市の田上ライナーズと対戦する。1回戦に勝利した場合は、同日の第2回戦で、神奈川県厚木市の厚木スターズと千葉県千葉市の千葉ドリームスの勝者と対戦するダブルヘッダーとなる。
地域に根差した少年団として成長を続ける同チームは、「凡事徹底」のスローガンを胸に、全国の強豪が集う大舞台に挑む。
近年は道外大会でも躍進を重ねており、今回は同じ札幌市の東海Fイーグルスとともに、“北海道旋風”を巻き起こす意気込みだ。大会に向けて、チームは8月1日に北海道を出発する予定である。
初の千葉市長杯出場へ「星置らしく全力で」
星置レッドソックスは、今夏、千葉市で開催される「第23回千葉市長杯争奪学童野球選手権大会」へ北海道代表として初の出場を果たす。
渡邊敦監督は、「厳しい予選を勝ち抜いて5年連続の道外進出が決まりました。今回は初めて千葉市長杯に出場でき、同じ札幌の東海Fイーグルスさんと一緒に全国の舞台に挑めることが本当に嬉しいです」と語る。
大会に向けては「選抜チームなど強豪が多く、厳しい戦いになると思いますが、『ZOZOマリンスタジアムで星置らしく』をテーマに、どんな環境でも『凡事徹底』の姿勢で全力を尽くします」と意気込みを見せた。

道内強豪を撃破し、全国切符をつかむ
千葉市長杯の予選も兼ねた「C-1トーナメント」では、星置レッドソックスは道内の強豪を次々と撃破。留萌JBCや拓勇ファイターズといった、高円宮賜杯の南・北・北海道大会準優勝チームを退け、上位進出を果たした。
この結果により、道内トップクラスの実力を証明し、堂々と全国切符をつかんだ。

5年連続!道外大会への挑戦が続く
星置レッドソックスは、近年目覚ましい成果を収めてきた。2021・2022年のポップアスリートカップでは全国ベスト8入り、2023年の阿南少年野球全国大会では堂々の第3位。そして今年2024年の龍馬旗でも3位入賞と、全国舞台で確かな足跡を残している。
さらに、昨年秋のエネサンス北海道カップでの全道優勝により、今秋秋田県で開催される「北日本少年軟式野球大会」への北海道代表出場も決定。勢いそのままに、全国の舞台での活躍が期待される。


地域密着の“普通の少年団”が見せる底力
華々しい戦績を誇る星置レッドソックスだが、チームの原点は“地域の少年団”であることにある。団員数は31名。星置東小から29名が所属し、他2名も手稲区内の小学校から通っている。まさに地域に根ざした、地元の子どもたちで構成されるチームだ。
手稲区少年軟式野球連盟に所属し、平日の練習や週末の試合を通じて、着実に力を伸ばしてきた。全国を舞台に活躍する一方で、普段は「ごくごく普通の少年団」であることを監督も強調する。

市内2連覇でスタルヒン杯へも出場
今季の成績も好調で、5月の札幌選抜大会では全市優勝。さらに、札幌市スポーツ少年団春季大会でも連覇を達成し、文句なしの2連覇を飾った。その結果、7月19日から旭川市で行われるスタルヒン杯にも、札幌代表として2年連続の出場を決めている。
北海道内でも一目置かれる存在となっている星置レッドソックス。彼らが千葉の地でどんな野球を見せてくれるか、全国の注目が集まる。

個の力、総合力、そして“らしさ”――進化を遂げる星置レッドソックス
主将・池内颯太(いけうち・はやた/6年)は、まさにチームの心臓だ。リードオフマンとしての切り込み隊長にふさわしく、攻守にわたりグラウンドを駆ける。しかも守れるポジションは全て。高い野球脳と柔軟性を兼ね備えた「伝統的な星置のキャプテン」として、仲間をけん引している。
強力な打撃陣にも注目だ。
左の大砲・清水口真太朗(しみずぐち・しんたろう/6年)は、6月時点で今季すでに柵越えホームランが10本超。スイングスピードと飛距離は圧倒的で、数多くの好選手を見てきた渡辺敦監督が「歴代で間違いなくNo.1です」と太鼓判を押す逸材だ。
一方、右の長距離砲・西来惟(にし・らい/6年)もチャンスに強い好打者。クリーンアップの並びに「清水口の後ろに西がいるから抑えるのが難しい」と、対戦相手も頭を抱える。
だが、星置レッドソックスは“打つだけのチーム”ではない。
エースナンバーを背負う瀬川瑞貴(せがわ・みずき/6年)は投打の柱。粘り強く、試合をつくれる右腕だ。内野の要・橋本昊(はしもと・そら/6年)は守備の安定感が際立ち、「歴代の巧い選手にまったく引けを取らない」と監督も信頼を寄せる。
そのほか、池内優(いけうち・ゆう/6年)、亀田武享(かめだ・たけゆき/6年)、山口弾(やまぐち・だん/6年)も試合を支える存在。さらに、4名の5年生たちも「彼らの頑張りがチームを救った場面は何度もある。ある意味、ここに掛かっている。成長してきたけれど……まだ誉めたくはない(笑)」と監督の口ぶりもどこか嬉しそうだ。
「総合力でしぶとく戦えるチームになってきた」と渡辺監督。とはいえ、今年のチームには「例年より幼さがある」とも話す。
「この時期になると、例年は選手がこちらの意図を察して行動できた。でも今年はまだそれが足りない。任せきるには少し早い」
それでも希望の芽は確かにある。
「打力や爆発力は、歴代でも最高レベル。うまく導ければ、良い結果に結びつくはず。ようやく6年生たちとの野球が“楽しく”なってきました」と手応えを語る。
一方、5年生以下については辛口の評価も。
「5年生はまだしも、4年生以下は“星置レッドの子”ではない」とばっさり。だが、これは毎年のこと。「この“星置の子”になっていく過程こそ、少年野球の醍醐味。成長するまで我慢してくれたら、選手も親も、最後は納得してくれると思う。そこまで見守ってくれるかが、毎回の勝負なんです」
渡辺監督のまなざしの奥にあるのは、「勝つための厳しさ」と「育てるための優しさ」。
この夏、星置レッドソックスの野球は、勝利以上の何かを届けてくれるに違いない。

指導者・選手
<指導者>
▽監督
渡邊 敦(49)
▽コーチ
㉙清水口 航太(42)
㉘渋谷 和尭(38)
▽責任者
辻 克治(48)
<選手>
★主将
池内 颯太
⑩池内 颯太(いけうち はやた)
6年・右投げ、右打ち
138センチ、34キロ
①瀬川 瑞貴(せがわ みずき)
6年・右投げ、左打ち
145センチ、34キロ
②石原 将伍(いしはら しょうご)
5年・右投げ、右打ち
141センチ、32キロ
③清水口 真太朗(しみずぐち しんたろう)
6年・右投げ、左打ち
158センチ、62キロ
④佐々木 遥真(ささき はるま)
5年・右投げ、右打ち
145センチ、41キロ
⑤池内 優(いけうち ゆう)
6年・右投げ、右打ち
136センチ、38キロ
⑥橋本 昊(はしもと そら)
6年・右投げ、右打ち
143センチ、37キロ
⑦山口 弾(やまぐち だん)
6年・右投げ、右打ち
150センチ、38キロ
⑧亀田 武享(かめだ たけゆき)
6年・右投げ、右打ち
144センチ、35キロ
⑨渋谷 侑成(しぶや ゆうせい)
5年・右投げ、右打ち
143センチ、32キロ
⓪辻 諒馬(つじ りょうま)
5年・右投げ、右打ち
145センチ、36キロ
⑪清水口 絢香(しみずぐち あやか)
4年・右投げ、右打ち
137センチ
⑫池内 陸(いけうち りく)
4年・右投げ、右打ち
141センチ、46キロ
⑮斉藤 陽大(さいとう はるた)
4年・右投げ、左打ち
140センチ、35キロ
⑯豊岡 羚眞(とよおか れいま)
4年・右投げ、右打ち
126センチ、25キロ
⑱西 来惟(にし らい)
6年・右投げ、右打ち
152センチ、47キロ

全国大会までの足跡
【FINAL-1】(6月14日、苫小牧緑葉公園)
〇 6-5 拓勇ファイターズ
※ファイナル1を突破し、第23回千葉市長杯争奪学童野球選手権大会への進出が決定。
【ROUND-2】(5月24日、太陽A球場)
〇 8-1 平岡カウボーイズ(五回コールドゲーム)
〇 3-0 留萌JBC
【ROUND-1】(5月11日、星置西公園)
〇12-0 八丁平ジャイアンツ(四回コールドゲーム)
〇13-0 共和JBC(四回コールドゲーム)

全国大会・トーナメント表

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協力:星置レッドソックス