【体験記者ブログ】“測る”を超えるスポーツ科学拠点──アローズラボ北海道に行ってきました

【体験記者ブログ】“測る”を超えるスポーツ科学拠点──アローズラボ北海道に行ってきました

測定から始まる、総合サポートの入口

 まず印象的だったのは「測って終わり」ではないという点。
ケガをしたときの病院選び、トレーニングや栄養の相談、用具選びまで──困ったことがあればここに来れば解決できる“よりどころ”を目指しているとのこと。
特に医療機関との連携は具体的で、診断からリハビリ、復帰に向けた測定まで協力病院と一貫してサポートする体制が整っているそうです。データを共有し、最適な回復プロセスを支えるとの説明に、頼もしさを感じました。

見る力を鍛える“スポーツビジョン”体験

 今回の体験で特に興味を惹かれたのが「スポーツビジョン測定」。
静止視力とは異なり、動くものを捉える動体視力や、周囲の状況をとらえる周辺視野を測定します。ピッチャーの投球をどれだけ早く認識できるか──まさに競技に直結する能力です。背景には10万人規模のデータがあり、その分析に基づくフィードバックは説得力十分。

 視力検査しか馴染みのなかった私にとって、動体視力の細分化は新鮮でした。正面から迫る物体をいち早く判断する力、左右に流れる動きを捉える力、中央を見ながら周囲を正確に把握する力──強みと弱点が明確になります。野球や他競技に置き換え、自分の現在地を知り、改善へつなげるヒントが得られました。

動体視力測定の様子
動体視力測定の様子

野球に欠かせない「瞬発力」と「跳躍力」を数値で可視化

体験の2つ目は瞬発力と跳躍力。

 今回の体験テーマは、野球においても極めて重要な「瞬発力」と「跳躍力」。グラウンド上では技術や戦術が目立ちますが、実はこの“爆発力”こそがプレーの質を底上げし、勝敗を左右する力です。今回は私ではなく、同行した動画担当のRyuさんが測定に挑戦しました。

 まずは瞬発力。野球では内野ゴロへの一歩目、外野フライの落下点への素早い移動、盗塁や二塁打を狙う走塁など、あらゆる場面で必要不可欠です。測定では、最高速度とスピード維持率を数値化。Ryuさんの走りを見ていても、一瞬でトップスピードに乗る瞬間や、後半のスピードの落ち方などがしっかりデータとして可視化されました。そこから、瞬間加速力や連続ダッシュ力を高めるための課題とトレーニング方法が提案されます。

 続いて跳躍力。野球ではホームランキャッチやライナーへの反応、捕手のジャンピングキャッチなど、守備・攻撃の両面で活きる力です。垂直跳び、連続ジャンプ、スクワットジャンプなどの測定を行い、脚のバネや上半身との連動性を分析。Ryuさんの場合、脚力のポテンシャルは高い一方で、反動を生かす動作に改善の余地があることが判明しました。

 一歩の速さと一跳びの高さ――この二つの能力は、守備範囲の拡大や打球処理、走塁の質向上など、野球のあらゆる場面で効果を発揮します。今回の測定を通じて、Ryuさんも「数字で見るとやるべきことがはっきりする」と実感。現在地を知り、改善したいポイントから逆算してトレーニングを積み重ねれば、確実にパフォーマンスは向上していくはずです。

跳躍力測定の様子
跳躍力測定に挑戦したRyuさん(動画担当)

バイオデックスで脚力チェック 数値が教えてくれた“見えない弱点”

 体験の3つ目は、筋力を計測する機器「バイオデックス」。座った状態で足を前後に動かし、そのパワーを数値化することで左右の筋力バランスや前後の筋力比率を測定します。

 人間の身体の中でも圧倒的な筋量を誇る下半身。そのパワーを、足の表側(大腿四頭筋)と裏側(ハムストリングス)の比率まで可視化してくれるのが、この測定の面白いところです。説明によれば、この比率が55%を下回ると肉離れのリスクが高まるとのこと。普段は感覚的にしか分からない弱点が、数字として突き付けられる瞬間は、まさに“現実を直視”する時間でした。

 そして私の測定結果は…残念ながら、その55%を少し下回り、肉離れリスク“やや高め”という診断。ショック半分、でも知ることができたのは大きな収穫です。今後はこのデータを活かして、バランス改善のトレーニングにも力を入れていこうと思います。

足の筋力測定
足の筋力測定

VO₂maxだけじゃない──“脂肪燃焼ゾーン”を知る

最後に挑戦したのは持久力測定。

ー最後の関門は持久力測定 “きつさ”の先に見えた新しい発見ー

今回の体験ラストを飾ったのは「持久力測定」。正直、年齢的にもこれはかなり堪える種目でした。息が上がり、脚も重くなってくる中で、VO₂max(最大酸素摂取量)を計測。さらに、この数値から“脂肪が最も燃えやすい運動強度”まで導き出してくれます。

 案内役の渡辺さんやスタッフの皆さんも、私の様子を心配そうに見守る中での挑戦。

 さらに驚きだったのは、「きつい運動よりも、早歩きくらいの強度の方が効果的な場合もあるんですよ」というアドバイス。これにはまさに目から鱗。自分の体力に合った運動強度を知ることが、長く健康を保つ秘訣だと実感した瞬間でした。

走っているところ
持久力測定も挑戦してきました!

地域と未来を見据える取り組み

 アスリート向けの印象が強いこうした測定ですが、アローズラボは地域貢献にも力を入れています。
自治体と連携し高齢者向けの健康増進プログラムを行い、将来的な介護保険料の抑制にもつなげる構想も。
さらに、子どもの測定結果から今の競技以外の適性を探る試みも行っており、未来の才能発掘にもつながっています。

マネージャーの渡辺氏より説明を聞く発行人
マネージャーの渡辺氏より説明を聞く発行人

“今”を知ることが、未来を変える――体験を終えて

 今回の体験で強く感じたのは、ここが単なる測定施設ではないということです。科学的データを軸に、パフォーマンス向上からケガ予防・回復、地域の健康、そして子どもの才能育成まで──まさに人のスポーツライフサイクル全体を支える拠点でした。

 自分の体や能力を、客観的なデータで“見える化”できれば、スポーツや健康への向き合い方は大きく変わります。数字は時に厳しく、時に励みになる。そこから改善策を導き出せることが、この施設の大きな価値だと感じました。

 是非とも、すべてのアスリートに“自分の今”を知ってもらいたい。私自身は今回は取材という立場でほぼ全項目を体験しましたが、例えば視力だけ試してみる、小学生なら瞬発力と跳躍力だけやってみる――そんな選び方もできます。自らの現在地を知れば、自らの可能性も見えてきて、努力の方向性が変わることもあるはずです。

 今回の取材を通して、スポーツの現場に限らず、多くの人にこの“測定”を体験してほしいという思いが一層強くなりました。自分を知ることは、未来の自分への最高の投資だと、確信しています。

発行人ブログ用写真
持久力測定前、測定器具を取り付けて下さるスタッフのお二人。写真右は渡辺さん。

「ストライク見た!」限定プラン

Aプラン

野球選手におすすめ:初めてのスポーツ測定体験

  • 特別価格:9,000円(税込9,900円/1名)
  • 内容
    1. 体組成測定(身長・Inbody測定)+食事アドバイス
    2. 視力8項目測定(静止視力、動体視力KVA/DVA、眼球運動、周辺視、瞬間視、目と手の協応など)
    3. 瞬発力測定(最高速度・速度維持率 → スプリントスコア算出)
    4. 跳躍力測定(連続ジャンプ・立ち幅跳び・ステッピング=「レタス測定」)
      • 50m推定タイム誤差0.02秒以内で算出できます。
      • 垂直飛び・スクワットジャンプも測定
  • 特徴
    • 動体視力と静止視力のギャップを可視化
    • Opto Jumpによる高精度走力データ取得 → タイプ別走力向上メニュー提示
    • 小学生を含むアスリート入門向けの特別メニュー

Bプラン

フル測定:同世代・U15平均・甲子園球児・プロ選手との比較

  • 追加費用:Aプラン+11,000円(税込12,100円/1名)
  • 追加内容
    1. 持久力測定(最大酸素摂取量速度・換気性作業閾値速度)
    2. 筋力測定(Biodex多用途機能評価運動装置)
  • 特徴
    • プロやオリンピック選手がJISSで行う測定を身近な価格で体験
    • スポーツ適性判定(どの競技に向いているか)
    • U15/U18/プロ選手とのパラメーター比較
    • 個別フィードバック、トレーニング方法アドバイス
    • 協力機関の紹介・案内(希望に応じて)

その他のご案内

  • チーム単位や団体、複数名での測定割引あり
    (チーム割・兄弟割・親子割・友人割)
  • 出張測定も内容に応じて対応可能
  • チーム契約、企業による選手サポート契約にも対応
  • 今後は他競技向けの特性プランも順次発信予定

お問合せ

アローズラボ北海道
〒061-1116 北海道北広島市Fビレッジ8番地
TEL:011-398-5272 / 080-6616-5272


営業時間

  • 基本:10:00~21:00
  • 定休日:水曜日
  • 複数名やチーム・企業での測定の場合は、事前連絡により時間調整可能です。

ご利用時のお願い

  • 団体測定や講習会などにより、営業予定日でも臨時休業となる場合があります。
  • 最新の営業情報は Instagram またはお電話でご確認ください。
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協力:スポーツ科学センターアローズラボ北海道

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