10年の時を経て再び

10年の時を経て再び

2015年ファイターズジュニアから5人目のプロ野球選手誕生

※写真は当時の2015北海道日本ハムファイターズジュニア

 NPBの社会貢献事業の一環として毎年末に開催される「NPB12球団ジュニアトーナメント」。その大会に今から10年前、2015年に出場した北海道日本ハムファイターズジュニアから、また新たなプロ野球選手が誕生した。

 横浜DeNAベイスターズから3位指名を受けた宮下朝陽(東洋大)、埼玉西武ライオンズから3位指名の秋山俊(中京大)、そして読売ジャイアンツから育成2位指名を受けた林燦(立正大)の3人。
彼らはいずれも、すでに高校3年時にプロの世界に飛び込んだ松浦慶斗(現・日本ハム)
大津綾也(現・巨人)に続く“2015年ファイターズジュニア出身。これで、当時のチームからは計5人ものプロ野球選手が誕生したことになる。

 2015年当時の日本ハムジュニアは、2013年・2014年と連続で決勝トーナメントに進出しており、三年連続の快挙を目指して挑んだ。初戦の千葉ロッテジュニア戦では、秋山俊と中島啓太(神奈川大)の完封リレーで勝利を飾ったものの、続く第2戦の中日ジュニア戦では0―1と惜敗。わずか1点が遠く、あと一歩のところで決勝トーナメント進出を逃した。
 それでも、マウンドには松浦慶斗、松田和真(東洋大)、佐藤寛太(札幌国際大)らが並び、敗れてなお見る者の心を熱くした。ちなみに、この年の優勝は、その中日ドラゴンズジュニア。7年ぶり2度目の頂点に立った。

 当時の日本ハムジュニアは現在の16人編成とは異なり、18人が選出されていた。その中から5人がプロの舞台に立つというのは、まさに“黄金世代”と言っても過言ではないだろう。

少年時代の悔しさを胸に――夢の続きを、いま

 さらに興味深いのは、今回のドラフトで高校3年生ながら指名を受けた能戸輝夢(明秀日立高)窪田洋祐(札幌日大高)藤森海斗(明徳義塾高)の3人。彼らは2019年に実施された日本ハムジュニアの最終セレクションに残っていた39人の中の一人であり、あと一歩でジュニアユニホームに袖を通すところだった選手たちだ。

 当時は惜しくも最終メンバー入りを逃した。
だが、セレクション会場で見せたプレーには確かな光があった。まさに“原石の輝き”――。

 2019年に行われた一次セレクションには、1,000人を超える学童球児たちが参加。
その中から150人が二次セレクションへと進み、最終的に残ったのはわずか39人
彼らもまた、その厳しい選考の舞台で懸命に白球を追っていた。

 あれから6年。学童時代に味わった悔しさを胸に刻み続けた彼らは、ついに自らの手でプロの扉を開いた。

 あの夏、南幌町のグラウンドを駆け抜けていた小さな学童球児たちが、いまや全国の球場を舞台に夢の続きを描こうとしている。
泥だらけのユニホームに込めた情熱は、時を越えて確かに実を結んだ。

 かつて一緒に白球を追いかけた仲間の励まし、そして父母の温かな応援。
あの日の記憶が、彼らを支え、導いてきたのだろう。

 そして今、新たな物語が始まる。
少年時代に抱いた夢が、ついにプロという舞台で現実となり――。
北海道野球の新たな歴史が、静かに、そして力強く紡がれていく。

2019最終セレクションより
2019最終セレクションより

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