髙橋チームも終盤に追い上げ 普段は別チームの5年生が仲間となって白熱の一戦
「2026ストライク交流戦」の第1弾となる小学5年生対象の交流戦が8月15日、石狩市スポーツ広場で行われた。髙橋大二監督率いる髙橋チームと木下雅博監督率いる木下チームが対戦し、両軍合わせて21得点を奪い合う打撃戦の末、木下チームが11-10で競り勝った。序盤は互いに譲らない展開となったが、中盤以降に試合が大きく動いた。普段はそれぞれ違うチームでプレーする選手たちも、時間の経過とともに声を掛け合い、一つのチームへ。勝敗だけではない「交流戦」ならではの光景がグラウンドいっぱいに広がった。
協賛:チーム個別指導塾N&B新琴似校

8月15日に開催した「2026ストライク交流戦」では、参加選手のお母さまにスコアを記録していただき、貴重な情報をご提供いただきました。おかげさまで試合の詳細を振り返ることができましたので、改めて当日の熱戦の模様をご報告いたします。
オーダー表
一塁側(髙橋TEAM)
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三塁側(木下TEAM)
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イニングスコア
木下TEAM(三塁側)11-10髙橋TEAM(一塁側)
髙橋TEAM
101002042=10
10001162x=11
木下TEAM
(髙)村野、金子、山田陽、井上ー井上、田中
(木)吉田、櫻田、山谷、松代、大西、藤田、松代ー大西、藤田、大西、藤田、大西
▽二塁打:中村、酒井(髙)、水尻(木)

中盤まで接戦、終盤に一気に動く
試合は髙橋チームの先攻でスタートした。
髙橋チームは初回に1点を先制。木下チームもその裏に1点を返し、序盤から互いに譲らない展開となった。
その後も両チームの投手陣が粘りを見せ、大量得点を許さない。スコアボードには「0」が並び、緊張感のあるゲームが続いた。
試合が大きく動いたのは中盤から終盤にかけてだった。
髙橋チームが六回に2点を挙げると、木下チームも反撃。さらに終盤には両チームの打線が活発になり、走者をためて得点につなげる場面が相次いだ。
特に木下チームは八回に一挙6得点。打者をつなぎながら一気に畳み掛け、試合の流れを大きく引き寄せた。
しかし、髙橋チームも簡単には終わらない。
終盤に4点、さらに2点を奪って猛追。最後まで勝敗の行方が分からない展開となり、ナイターの石狩市スポーツ広場は大いに盛り上がった。
最終的には木下チームが11-10で逃げ切り、両軍合わせて21得点という白熱した一戦に決着がついた。


10投手が実戦マウンドへ ストライク率に見えた現在地と伸びしろ
髙橋チームは投手陣を小刻みにつないだ。
先発の村野正汰郎(豊平カージナルス)をはじめ、金子海音(新琴似ウィンキーズ)、山田陽登(北都タイガース)、井上武蔵(中の島ファイターズ)の4投手が登板。それぞれが普段とは違う仲間をバックにマウンドへ上がり、打者との真剣勝負に挑んだ。
ストライク率を見ると、村野が38球中22球で57.9%、金子が34球中15球で44.1%、山田が46球中21球で45.7%、井上が5球中4球で80.0%だった。
一方、木下チームも吉田悠庵(中の島ファイターズ)、櫻田琴羽(羊丘カージナルス)、山谷拓翔(山の手ベアーズ)、松永怜(東川下ジャイアンツ)、大西正真(余市強い子野球スポーツ少年団)、藤田桜成(石狩ヴォルテックス)と6投手が登板。こちらも多くの選手が実戦のマウンドを経験した。
ストライク率は吉田が53.8%、櫻田が61.9%、山谷が45.9%、松永が56.3%、大西が51.4%、藤田が41.2%。制球に苦しんだ投手もいれば、テンポ良くストライクゾーンで勝負できた投手もおり、それぞれに現在地が表れた。
もちろん、ストライク率だけで投手の良し悪しを判断することはできない。球威や緩急、打者との駆け引き、走者を背負った場面での投球など、実戦ではさまざまな要素が求められる。それでも、自らストライクを取りにいき、打者と勝負できた割合は、5年生投手にとって今後の成長を考える一つの目安になる。
特にこれから迎える冬場は、フォームの安定や下半身の強化、リリースポイントの再現性などを高めることのできる大切な時期。この日の数字から見えた課題を持ち帰り、一冬を越えてストライク率がどこまで向上するのか。球速や球威だけでなく、「自分の思ったところへ投げられる力」の成長にも期待したい。
交流戦の目的は勝敗だけではない。一人でも多くの選手に投手をはじめ、普段とは異なる守備位置や役割を経験してもらうことも大きな狙いの一つだ。
この日マウンドに立った両チーム合わせて10人の投手にとっても、普段とは違う捕手、違う守備陣をバックに投げた経験は貴重なものとなったはずだ。成功も失敗も、すべてが次への材料になる。
選手たちはそれぞれの持ち場で懸命に白球を追った。この経験を冬場の成長につなげ、来春、ひと回りたくましくなった姿を見せてくれることを期待したい。


最初の緊張が、いつしか笑顔に
この日の一番の収穫は、スコアの「11-10」だけではない。
普段は違うユニホームを着て、ときには大会で対戦する選手たちが、この日は同じベンチに入り、仲間として声を掛け合った。
集合した直後にはどこか緊張した様子だった選手たちも、キャッチボールやミニセレクション、そして試合を通して徐々に距離を縮めていった。
好プレーが出ればベンチから声が飛び、得点が入れば一緒になって喜ぶ。試合が進むにつれ、「初めて一緒に野球をする選手たち」という雰囲気は薄れ、一つのチームとして戦う姿へと変わっていった。
21得点が飛び交った白熱のゲーム。そして、それ以上に印象的だった選手たちの笑顔。
勝った木下チームも、最後まで追い上げた髙橋チームも、普段とは違う仲間との野球を存分に楽しんだ。
「2026ストライク交流戦」第1弾は、野球を通じて新しい仲間と出会う――そんな交流戦本来の目的を感じさせる一日となった。

一塁側から見た8.15交流戦 髙橋大二監督が感じた5年生の可能性
最後まで諦めない姿勢に手応え 村野の好投、酒井・中村の長打、随所の好守が光った11-10の熱戦


試合は序盤から引き締まった展開となった。
髙橋大二監督が「コントロールとテンポが良く、守備でリズムを作れる投手」と評価したのが、先発した村野正汰郎(豊平カージナルス)だった。3イニングを1失点に抑える好投で試合をつくり、両チーム譲らない展開の中で大きな役割を果たした。
髙橋監督は試合中にも村野へ直接アドバイスを送ったという。特に注目したのが、投球時の下半身の使い方。踏み出す足の幅を意識しながら今冬の強化練習に取り組むことで、さらなる球速アップも期待できるとし、その将来性に期待を寄せた。
打線では酒井丈(双葉ツインスターズ)、中村優我(東札幌ジャイアンツ)が長打を放ち存在感を示した。結果こそ安打にはならなかったものの、松田晴輝(東川下ジャイアンツ)が放った鋭い打球も髙橋監督の目に留まった。
投手陣では2番手の金子海音(新琴似ウィンキーズ)が2失点ながらキレのある速球を披露。3番手の山田陽登(北都タイガース)は制球に苦しみ、本来の力を発揮しきれなかった。髙橋監督は、走者を背負った場面で意識しすぎることで投球リズムを崩してしまう点を今後の課題に挙げた。こうした一つひとつの経験もまた、5年生にとって次の成長につながる材料となる。
守備でも好プレーが相次いだ。
ライトゴロでピンチを救った田中翔華(そらちJBCベアーズ)、木下大輝(山の手ベアーズ)、山田稔(北発寒ファイヤーズ)。センターオーバーかと思われた打球を好捕した野村皐(山の手ベアーズ)も存在感を見せた。
さらに捕手の井上武蔵(中の島ファイターズ)は、ピンチを救う捕殺に加えてショートバウンドもしっかり止め、守備からチームを支えた。岡本光弥(新川ファイヤーバード)も内野守備で堅実なプレーを見せた。髙橋監督は、こうした随所の好守があったからこそ終盤の猛追につながったと振り返る。
五回まで2-2だった試合は、七回の投手交代をきっかけに大きく動き、七回終了時には9-4と5点を追う展開となった。
それでも選手たちは下を向かなかった。
八、九回に打線がつながり、怒涛の反撃で6点を奪って1点差まで猛追。最後は酒井が強烈な三塁ライナーを放ったが、相手守備の好プレーによって併殺となりゲームセット。抜けていれば逆転も期待できる痛烈な打球だっただけに、まさに最後まで分からない11-10の熱戦だった。
敗れはしたものの、髙橋監督の目に強く残ったのは、選手一人ひとりが最後まで勝負を諦めなかった姿だった。
試合後には選手たちを集め、この日のプレーで気づいたことや、これから成長していくためのヒントを伝えた。
そして何より髙橋監督に交流戦の意義を感じさせたのが、試合を終えた選手たちから聞こえてきた「楽しかった!」という言葉だった。
普段は別々のユニホームを着て戦う5年生たちが、この日初めて仲間となり、声を掛け合い、最後は1点差まで追い上げた。勝った、負けただけでは終わらない。そこで得た気づきや新しい仲間との出会いが、これから6年生へと向かう選手たちの成長につながっていく。
髙橋監督が期待して交流戦に臨んだ「逸材」とは、完成された選手だけを指すものではないのかもしれない。それぞれに光る長所があり、一方でこれから伸ばしていく課題もある。その可能性を随所に感じさせた5年生たちの11-10の熱戦となった。
最後に髙橋大二監督は「開催にあたりご尽力いただいた大川さんをはじめ、運営を支えてくださったボランティアの皆さま、審判団の皆さまに、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました」と述べた。
木下監督も驚いた5年生の力 「一冬越した成長が楽しみ」


試合後、三塁側ベンチを率いた木下雅博監督は、今回参加した5年生たちのレベルの高さに目を細めた。
「今回参加してくれた両チームの子供たちは、すごくレベルが高かったと感じました」
まず名前を挙げたのが、三塁側の先発を任せた中の島ファイターズ・吉田悠庵。制球力に加え、力のあるボールを評価した。バッテリーを組んだ大西正真(余市強い子野球スポーツ少年団)についても「自チームでも正捕手を務めているだけあって、強肩でしっかりリードしていた。完成度の高さを感じました」と振り返った。
守備で強く印象に残ったのは、余市強い子野球スポーツ少年団・山本悠翔。「小柄ながら動きが素晴らしく、スローイングもいい。バッティングもインパクトが強く、素晴らしい選手」と攻守に高く評価した。
初回、先頭打者としていきなり左中間へ鋭い打球を放った水尻陸翔(厚別西キングパワーズ)にも驚かされたという。「スイングの速さもそうですが、キャッチャーでのスローイングの強さにもびっくりしました」と、その身体能力に注目した。
さらに二番手でマウンドに上がった羊丘カージナルス・櫻田琴羽については「投げる球も強く、バッティングもしっかりしている。5年生の女子選手として、これからがすごく楽しみ」と期待を寄せた。
石狩ヴォルテックス・藤田桜成には、投手、捕手、打撃と随所に見せるスピード感を評価。「どのプレーを見ても一つレベルが高いと感じました」。また、東川下ジャイアンツ・松代怜についても「大きな体から投げる球に力があり、これからが楽しみな選手」と評した。
個性豊かな5年生たちのプレーを間近で見た木下監督は、交流戦そのものにも大きな意味を感じていた。
「さすがストライク交流戦に参加してくれた選手たちだなと思いました。どの子も魅力のある選手ばかりです。今年一冬を越して、来年さらに成長した姿を見られたらうれしいですね」
指導者にとっても、普段とは違うチームの選手たちを預かり、間近でその力に触れることは貴重な機会となる。
「私自身もいつも勉強させてもらっています。自分のチームに帰ったら『こんなすごい選手がいたぞ。負けるなよ』と子供たちに話して、奮起するきっかけにしてもらえればと思っています」
そして何より、この日グラウンドに立った5年生同士が互いのプレーから刺激を受けること。それこそが交流戦の大きな価値でもある。
「参加した子供たちも、素晴らしい選手同士で感じるものがたくさんあったと思います。お互いに負けないよう、これからのレベルアップにつなげてほしいです」
勝敗だけではなく、同世代の好選手と出会い、そのプレーを肌で感じる――。木下監督の言葉からも、ストライク交流戦が選手たちに新たな刺激を与える一日となったことがうかがえた。

ご協力いただいた皆様へ、心からの感謝を込めて
8月15日、小学5年生を対象に開催した「ストライク交流戦」は、おかげさまで無事に終えることができました。
まずは、毎年この交流戦を下支えしていただいている「チーム個別指導塾N&B新琴似校」様に、今年も温かいご協賛を賜りましたこと、心より御礼申し上げます。
そして、この交流戦は決して私たち運営側だけの力で開催できるものではありません。
当日は開催前の準備段階から、多くの父母の皆様にボランティアとしてお力添えをいただきました。会場設営をはじめ、受付、ボールボーイ、記録係など、それぞれの持ち場で選手たちを支えてくださった皆様のご協力があったからこそ、大きな事故もなく、無事に交流戦を終えることができました。改めまして、心より感謝申し上げます。
さらに、9イニングという長丁場の試合を最後までしっかりとさばいてくださった審判団の皆様にも、心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
今回は、参加選手のお母様が記録してくださったスコアブックから貴重な情報をご提供いただいたほか、参加選手のお祖父様からは試合中の写真をご提供いただきました。
グラウンドで懸命にプレーする子供たち。その姿を見守り、支えるご家族。そして交流戦の運営を支えてくださる皆様。それぞれの力が重なったことで、今回の記事でも選手一人ひとりの頑張りや好プレーを、より詳しく紹介することができました。ご協力いただいた皆様に、重ねて感謝申し上げます。
ストライク交流戦は、勝つことだけを目的とした大会ではありません。
普段とは違う仲間とチームを組み、初めてバッテリーを組む。いつもとは違うポジションを守る。同じ5年生の好選手を間近で見て、「こんな選手がいるんだ」「もっと上手くなりたい」と刺激を受ける――。そんな経験を一つでも多く持ち帰ってもらうことも、この交流戦を続けている大きな理由です。
この日、うまくできたこともあれば、悔しさの残るプレーもあったと思います。でも、それでいいと思います。まだ小学5年生です。この日の経験をこれからの練習につなげ、一冬を越した来春、さらに大きく成長した姿を見せてもらえたら、主催者としてこれほどうれしいことはありません。
これから各地区では、新人戦も本格化していきます。
8月15日に同じグラウンドで白球を追った選手たちが、今度はそれぞれのチームのユニホームを着て、ライバルとして再びグラウンドで顔を合わせることもあるでしょう。
交流戦で得た経験や新たな出会いを力に変え、どうか選手一人ひとりにとって、実りある秋となることを願っています。
最後になりますが、ご協賛いただいた「チーム個別指導塾N&B新琴似校」様をはじめ、ご協力いただいた父母・ご家族の皆様、審判団の皆様、指導者の皆様、そして参加してくれたすべての選手たちに、改めて心より感謝申し上げます。
また一回り成長した皆さんと、グラウンドで再会できる日を楽しみにしています。
ベースボール北海道ストライク
発行人・大川祐市
