全国経験を次の世代へ――札幌オールブラックス、新チーム始動 2027年「小学生の甲子園」目指す

全国経験を次の世代へ――札幌オールブラックス、新チーム始動 2027年「小学生の甲子園」目指す

打撃力を武器に5年生が台頭 青山俊太主将を中心に、河村蒼佑・山野寺怜・徳田煌大・門馬由春らが挑む新たなシーズン

全国を経験した6年生、その先へつながるシーズン

 今季の札幌オールブラックスは、6年生14人を中心に数々の大会を戦ってきた。全道少年軟式野球大会では、札幌支部代表として出場し、2年連続で決勝の舞台を経験した。千葉県で行われた千葉市長杯全国大会にも挑戦。思い描いた結果に届かない試合もあったが、生野勇輝監督が何より大切にしているのは、勝敗だけでは測ることのできない選手一人ひとりの成長だ。

 千葉での戦いを終えた6年生について、生野監督は「うまくいかない試合もありましたけど、千葉では最後にいい試合もできました。結果として優勝することはできませんでしたが、子どもたちにとっては、次のステージに向けて新しい目標を持てた大会だったんじゃないかなと思っています」と振り返る。

 指揮官の根底にあるのは、学童野球をゴールではなく、その先へ続く長い野球人生の「スタート」と捉える考えだ。

「僕は小学校の野球は、野球人生のスタートだと思っています。ここから中学校、高校へとつながっていってくれればいい。そう考えると、結果がすべてではないと思っています」

 もちろん、勝利を目指さないわけではない。目の前の大会に全力で挑み、届かなければ新たな目標を設定する。その繰り返しの中で個々の能力を高めていくことを求めてきた。

「まだ残りの大会もありますし、ここで終わりではありません。それぞれが目標を持って、もっと上手になっていくこと。個々の能力をさらに伸ばしていくことが大事だと思っています」

3安打の猛打賞の活躍を見せた近藤主将(札幌オールブラックス)
ZOZOマリンスタジアムで躍動する6年生(札幌オールブラックス)

「みんなでマリンへ」目標がチームを一つに

 千葉市長杯では、技術面だけでなく精神面での成長も見えた。

 初戦の舞台はZOZOマリンスタジアムではなかった。だからこそ、選手たちの中に明確な目標が生まれた。

「まずそこを勝って『みんなでマリンに行くぞ』という気持ちがすごく強かった。その目標に向かう意識というのは、チーム全体にあったと思います」

 試合前の姿勢にも変化が表れた。以前なら指導者から促されていたような場面でも、自分たちから声を出し、試合へ向かう空気をつくれるようになったという。

 生野監督は、大会の多い学童野球だからこそ、一度の敗戦を終着点にする必要はないと考える。

「うまくいかなかったときでも、次の目標を持って、そこに向かってまた上手になってほしい」

 勝った経験も、負けた経験も次への材料にする。千葉での全国舞台もまた、6年生たちにとって次のステージへつながる大きな経験となった。

全国第3位に輝いた札幌オールブラックスの選手たち。
全国第3位に輝いた札幌オールブラックスの選手たち。

新チーム始動 5年生が受け継ぐバトン

最大の武器は打撃力 「全体的にレベルが高い」

 全国を経験した6年生からバトンを受け継ぎ、すでに2027年を見据えた新チームも動き始めている。

 生野監督が新チームを語る際、真っ先に挙げたのが「打撃」だった。

「打撃が強いですね。パワーがあります。その中で守備もある程度できているので、非常に楽しみなチームです。伸びしろも含めて、可能性は高いと思っています」

 突出した一人に頼るチームではない。パワーのある選手、足の速い選手、守備力を持つ選手と、それぞれに特徴があり、5年生全体のレベルが高いという。

 その中でも、攻撃の中心として期待されるのが徳田煌大(5年)と門馬由春(5年)だ。

 徳田は6年生中心のチームでも途中から出場機会をつかみ、実戦経験を重ねてきた。基本ポジションは三塁手と投手だが、現在は捕手にも挑戦。来季を見据え、プレーの幅を広げている。

 一方の門馬は、長打力とボールを捉える感覚が大きな魅力だ。秋の選抜では2本の柵越え本塁打を放つなど、そのパンチ力を実戦でも示している。

「門馬はパワーがありますし、ボールを捉える感覚がいい。タイミングの取り方もいいですね。球の速いピッチャーにもしっかりついていけます。課題は走力ですけど、バッティングは本当にいいです」

 現在は一塁に加えて捕手にも取り組んでおり、徳田と同様、チーム全体のバランスを見ながら適性を探っていく。

守備の要へ 遊撃・山野寺怜に高まる期待

 守備でキーマンとして名前が挙がったのは、遊撃を守る山野寺怜(5年)だ。

「彼は非常にいいですね。横の動きもいいですし、肩も少しずつ強くなってきています」

 もともとの動きの良さに加え、送球の力も着実に増している。今後さらに肩が強くなれば、三遊間の深い位置からでもアウトを奪える遊撃手へ成長する可能性を秘める。

 俊足も魅力の一つで、打線でも上位候補。守備だけでなく攻撃でも新チームをけん引する存在となりそうだ。

河村蒼佑を軸に形成する新投手陣

 そして、生野監督が新チームで特に重要視しているのが投手力だ。

 現時点で中心として期待されているのが河村蒼佑(5年)。5年生ながら千葉市長杯でもマウンドを経験しており、生野監督も「今のところ河村が一つ抜けています」と評価する。

「千葉市長杯でも5年生ながらしっかり投げていますし、投手陣の中心になってくるのは間違いなく河村だと思います」

 その河村を追う候補も複数いる。主将の青山峻太(5年)、小林洸晟(5年)、徳田煌大(5年)がマウンドを担い、さらに左腕の喜多将真(5年)も控える。

 喜多については、まだ成長を待つ段階としながらも、左腕という特徴を生かした起用も視野に入れる。現状では5人ほどが投手候補となっており、これから実戦を重ねながら新チームの投手陣を形成していく。

 生野監督が「これから最も伸ばしたい」と話すのも、この投手力だ。

全国・千葉市長杯でも5年生ながら好投を見せた河村投手(札幌オールブラックス)
全国・千葉市長杯でも、5年生ながら好投を見せた河村投手(札幌オールブラックス)

歴代ファイターズジュニアにもつながる投手育成

 札幌オールブラックスでは、これまでも投手を経験した選手たちが、その後の舞台へ羽ばたいている。

 北海道日本ハムファイターズジュニアに選出されたOBでは、菊地健斗(現・札幌日本大学高等学校1年)、加藤孝明(現・札幌新琴似リトルシニア3年)、今田善(現・札幌北リトルシニア1年)らも、オールブラックス時代にマウンドを経験してきた。

 ただ、生野監督は投手育成を自分一人の指導方法に当てはめようとはしない。

「投手に関しては僕だけが教えるということではなく、専門的な方にも来てもらっています」

 投手という特殊性の高いポジションだからこそ、必要に応じて専門家の力も借りる。さまざまな視点から選手の可能性を引き出しながら、新チームでも投手陣の底上げを図っていく。

決勝進出を懸けた準決勝で先発のマウンドに上がった稲葉遥篤投手。
日本ハムジュニアにも選出され、千葉市長杯で力投を見せた稲葉遥篤投手
日本ハムジュニアにも選出され、千葉市長杯で力投を見せた澤井 虹投手(札幌オールブラックス)

2027年夏へ――目指すは「小学生の甲子園」

 新チームが見据える大きな目標は、すでにはっきりしている。

 高円宮賜杯全日本学童軟式野球大会――通称「マック」だ。

「やっぱりマックは、小学生にとっての甲子園だと思っています。子どもたちが一番目標にしている大会なので、まずはそこを目指していきたいです」

 ただし、その目標だけがすべてではない。一つの大会を終えれば、また次の目標をつくる。結果だけを追うのではなく、その過程で選手一人ひとりがどれだけ成長できるかを大切にする姿勢は、新チームでも変わらない。

 まずは秋の選抜(北海道チャンピオンシップ協会主催)と札幌市スポーツ少年団秋季大会(新人戦)。新チームにとって現在地を測る重要な実戦となる。

「まずはそこをしっかり勝ち切れるように頑張りたいと思っています」

 強みである打撃力を前面に出しながら、河村を中心とした投手陣と守備力をどこまで引き上げられるか。

 全国を経験した6年生から受け取ったバトンは、すでに次の世代へ渡った。

 2027年夏、「小学生の甲子園」を目指す札幌オールブラックスの新たな挑戦が始まっている。

日が落ちた後も移動式照明を点灯し、練習を続ける選手たち(札幌オールブラックス)
日が落ちた後も移動式照明を点灯し、練習を続ける選手たち(札幌オールブラックス)

声でチームを引っ張る新主将・青山俊太 目指すは全国の舞台

札幌オールブラックスの新チームを託されたのは、5年生の青山俊太主将だ。

約1カ月前、練習の中で新主将に決まった。これまでもチームを引っ張ろうという意識を持ってプレーしてきた青山にとって、「主将」という役割は、その責任をさらに強く意識するきっかけになった。

「キャプテンになって、もっとチームを引っ張っていく存在になったんだなと感じました」

青山が目指すのは、どんな状況でも声を絶やさず、仲間を鼓舞できるキャプテンだ。

「負けている時も、勝っている時も、自分が声を出して、チームを盛り上げられるキャプテンになりたいです」

劣勢の場面でも下を向かない。ピンチの時こそ先頭に立って声を出し、チームに勇気を与える。そんな主将像を思い描いている。

そのお手本の一人が、6年生の近藤主将だった。

「練習でふざけている選手がいたらすぐに注意して、仲間のいいところは褒めていました。そういうところを真似していきたいです」

注意すべき時にはしっかりと言葉を掛け、いいプレーには素直に声を届ける。上級生から受け継いだ姿勢を、今度は自分が新チームへ伝えていく。

新チーム最大の武器は「打撃力」

青山が新チームの一番の強みとして挙げたのが、打撃力だ。

「チャンスで一本が出ると、そこから打線がつながるチームです」

一人の一打をきっかけに勢いに乗り、次々と後続が続いていく。そんな打線の中でも青山が期待を寄せるのが、徳田、河村の二人だ。ともに長打力があり、一振りでチームの雰囲気を変えられる存在だという。

一方、守備で青山が信頼を寄せるのが、ショートを守る山野寺だ。

「強い打球がいっても、体を張って止めてくれるところです」

打撃だけではなく、守備にも頼れる仲間がいる。その一方で、新チームにはまだ磨かなければならない部分もある。

青山が課題として挙げたのは「走塁」だった。

本来なら一気に本塁を狙える場面でも三塁で一度止まってしまうなど、打球や状況に応じた判断にはまだ改善の余地があるという。

「ゲームノックでも本番だと思って、しっかり打球を見て、コーチャーも見ながら判断できるようにしたいです」

実戦を意識した練習を繰り返す中で、その成果も少しずつ表れてきたという。持ち味の打撃力に走塁と判断力が加われば、新チームの攻撃はさらに厚みを増していきそうだ。

秋の目標は「選抜大会優勝」 その先に全国を見据える

新チームとして迎える秋。青山には、はっきりとした目標がある。

「秋の選抜大会で優勝することです」

その先には高野山で行われる全国大会への道も見据えている。

さらに6年生となる来季の最大目標を尋ねると、迷うことなく「マクドナルド・トーナメント」と答えた。

「マクドナルド・トーナメントで優勝して、全国大会に行くことです」

ライバルとして意識するのは東16丁目フリッパーズと岩見沢学童野球クラブ。岩見沢学童とはこれまで1勝1敗と互角の戦いを繰り広げているという。

個人として目指す姿も、やはり「チームを引っ張る選手」だ。

「チームが負けている状況でも、声や守備でチームを引っ張っていける選手になりたいです」

普段は2番を打ち、センターや投手としてプレーする青山。攻守だけでなく、声でも仲間を支える存在を目指す。

北海道日本ハムファイターズの試合をテレビで見たことが野球を始めるきっかけだった。憧れの選手は清宮幸太郎と伊藤大海。清宮の「チャンスで一本を打てるところ」、伊藤の「いつでも気持ちの入ったいい球を投げるところ」に惹かれている。

年長の頃にプロ野球を見て「野球をやってみたい」と思った少年は、小学1年から白球を追い始めた。そして今、札幌オールブラックスの新主将として仲間の先頭に立つ。

まず狙うのは秋の頂点。その経験を来季へつなげ、最後は全国の舞台へ――。

青山俊太主将を中心に、札幌オールブラックスの新チームが新たな一歩を踏み出す。

青山主将(札幌オールブラックス)
青山主将(札幌オールブラックス)

【プロフィール】
青山 俊太(あおやま・しゅんた)
小学5年/右投げ右打ち
身長153センチ、体重40キロ
家族は両親と兄、弟の5人。
ポジション:投手、外野手(センター)
打順は2番を打つことが多い。
小学1年から中の島ファイターズで野球を始め、小学3年の冬に札幌オールブラックスへ移籍。北海道日本ハムファイターズの試合をテレビで見たことが野球を始めるきっかけとなった。憧れのプロ野球選手は清宮幸太郎、伊藤大海。3人兄弟の次男。

直球と緩急で勝負する河村 大舞台にも物おじしない新チーム期待の右腕

札幌オールブラックスの新チームで、投手陣の中心として期待を集めるのが5年生右腕の河村だ。

自身の投球スタイルを尋ねると、すぐに明確な答えが返ってきた。

「ストレートで押して、最後にスローボールでタイミングを外すピッチャーだと思っています」

力のある直球を軸に打者を押し込み、緩いボールを織り交ぜてタイミングを外す。自分の長所を理解した上で、打者との駆け引きに生かしている。

体力にも自信を持つ一方、現在の課題として挙げるのは制球力だ。

「たまに荒れる部分があるので、そこが課題かなと思っています」

マウンドでは捕手の構えたところへ投げることを基本とし、「自分のベストボールをいつでも投げられるように心掛けています」と話す。

技術だけではない。河村がマウンドに上がる際、大切にしていることがある。

「審判への礼儀を欠かさないことです」

野球選手としてプレー以前の振る舞いも忘れない。その言葉からは、5年生ながら投手としての自覚もうかがえる。

千葉の大舞台でも「好奇心が勝ちました」

河村は6年生中心のチームにも加わり、千葉市長杯の舞台で登板する貴重な経験を積んだ。

大きな大会、それも普段とは違う立派な球場のマウンド。緊張して当然と思える場面だったが、本人の感覚は違った。

「全く緊張しなかったです。好奇心が勝ちました」

緊張よりも「ここで投げてみたい」という気持ちが上回った。

大舞台を怖がるのではなく、楽しみに変えられる。その強心臓ぶりは、これから重要な試合を戦っていく新チームにとって大きな武器となりそうだ。

毎朝の積み重ねが支えるマウンド

河村の自信を支えているのが、日々の積み重ねだ。

チームでの平日練習や土日の活動だけではなく、自宅でも毎日のようにトレーニングを続けている。

朝にはトレーニングに取り組み、時間があればティーバッティング。帰宅後にはストレッチなど、体のケアにも取り組んでいるという。

投げる、打つだけではなく、体づくりとケアまで日常の一部として続けている。

打者としても中軸を任され、主に3番などを打つ河村。投打両面で新チームを支える存在を目指している。

「絶対に勝ちます」高野山への道を切り拓く

新チームが挑む秋の選抜大会。その先に見据えるのが高野山での全国舞台だ。

個人としての目標について河村は、

「自分がチームに貢献して、優勝に導けたらと思っています」

と力を込める。

そしてチームとして目指す場所は、さらにその先だ。

「チーム一丸となって勝って、高野山に行って、そこで優勝することが目標です」

北海道大会を勝ち抜くことをゴールにはしない。全国へ進み、そこで頂点を狙う。

最後に秋の選抜大会への意気込みを尋ねると、答えは短く、力強かった。

「絶対に勝ちます」

力強いストレートと緩急、大舞台を楽しめる強い気持ち。そして毎日の地道な積み重ね――。

新チームが勝負どころを迎えた時、河村の右腕が札幌オールブラックスをどこまで押し上げるのか。楽しみな存在だ。

エースの河村投手(札幌オールブラックス)
河村投手(札幌オールブラックス)

【プロフィール】
河村 蒼佑(かわむら・そうすけ)
小学5年/右投げ右打ち
身長151センチ、体重52キロ
ポジション:投手
打順:主に3番など
北海道日本ハムファイターズの試合を見て「自分も野球をやりたい」と興味を持ち、年長の頃から野球を始める。小学1年の夏頃に札幌オールブラックスへ入団し、現在まで同チームでプレー。父、母との3人家族。

難しい打球ほど燃える山野寺怜 守備からチームを支える新チームの要

札幌オールブラックスの新チームで、守備の要として期待されているのが5年生の山野寺怜だ。

青山俊太主将も「強い打球がいっても体を張って止めてくれる」と信頼を寄せる存在。ショートを守る山野寺自身も、守備には強いこだわりを持っている。

「エラーをしないように、なるべく力まず、リラックスして守ることを意識しています」

一方で、自分の課題についても理解している。送球が高めに浮いてしまうことがあり、より確実なプレーを目指して修正を続けている。

そんな山野寺に「一番自信を持っているプレー」を尋ねると、返ってきたのは内野手らしい答えだった。

「難しい打球を捕って、アウトにすることです」

正面の打球だけではなく、左右に振られるような難しい打球にも食らいつき、アウトへつなげる。簡単には抜かせない粘り強さが持ち味だ。

「正面に入って前で止める」基本を繰り返す

難しい打球への強さを持つ一方、練習で大切にしているのは基本だ。

守備練習では打球に対して正面へ入ることを意識し、体の前で確実に止めることを繰り返している。

試合では自分のプレーだけに集中するわけではない。

例えば二塁に走者を背負った場面では、周囲の仲間にも積極的に声を掛ける。

「ランナーが二塁にいるから、ホームに返さないようにしよう、と声を掛けます」

試合の状況を確認し、それを仲間と共有する。内野の中心を守る選手として、少しずつその役割への自覚も芽生えている。

新チームの守備力をさらに高めるために必要なことを尋ねると、「もっと練習して、みんなでレベルアップしていきたい」と力を込めた。

自分自身がさらにうまくなり、その姿で周囲を引っ張っていく。そんな存在を目指している。

目標は6年生・大橋先輩 「負けたくない」

山野寺には、身近に目標としている選手がいる。

6年生で同じショートを守る大橋だ。

「大橋君はショートで、やっぱり守備がうまいです。バントもうまいので、負けたくないです」

全国大会を経験した上級生のプレーを間近で見ながら、その技術を吸収してきた。

ただ憧れるだけではない。

「負けたくない」という気持ちを持って追い掛ける。

6年生から受け継いだものを自分たちの代でさらに高めていくことが、山野寺の成長にも、新チームの成長にもつながっていく。

「エラーをしない」守備から全国へ

 今年4月に双葉ツインスターズから札幌オールブラックスへ加入した山野寺。まだ移籍から半年ほどだが、新チームでは早くも守備のキープレーヤーとして期待されている。

来年の夏、どんなチームになっていたいか。

山野寺が描く理想は明確だ。

「みんながエラーをしないで、負けないチームになって全国に行きたいです」

その前に待っているのが、新チームとして挑む秋の戦いだ。

個人としては守備でミスをせず、打撃でも数多くのヒットを放つこと。そしてチームとしては、仲間同士で声を掛け合いながら勝ち進むことを目標に掲げる。

「守備でエラーをしないようにして、ヒットもいっぱい打ちたいです。チームでは、みんなで声を掛け合って勝ちたいです」

難しい打球にも臆することなく食らいつき、確実にアウトを積み重ねる。

札幌オールブラックスが目指す全国への道。その内野の中心で、山野寺怜が堅い守りを見せる。

守備の要・山野寺(札幌オールブラックス)
守備の要・山野寺(札幌オールブラックス)

【プロフィール】
山野寺 怜(やまのでら・れい)
小学5年/右投げ左打ち
ポジション:内野手(ショート)
小学1年の12月に野球を始め、双葉ツインスターズでプレー。2026年4月に札幌オールブラックスへ移籍した。3人兄弟の末っ子で、2人の兄を持つ5人家族。

長打も出塁も狙う1番・徳田煌大 稚内から挑戦、目指すはファイターズジュニアと全国

札幌オールブラックスの新チームで、攻撃の口火を切る1番打者として期待される5年生の徳田煌大。

身長150センチ、体重45キロ。右投げ左打ちの徳田は、長打力と出塁能力を兼ね備えたトップバッターだ。

自分の打撃の強みを尋ねると、1番打者として目指しているスタイルをこう語った。

「1番バッターとして長打も打てるし、単打もしっかり打てるところです。足もまあまあ速いです」

一発で長打を狙える力がありながら、状況に応じて確実に塁へ出ることもできる。新チームの攻撃に勢いをつける存在だ。

打席へ向かう時に意識しているのも、やはり1番打者としての役割だ。

「1番バッターなので、まず出塁してチームを盛り上げようとしています」

選球眼にも自信を持つ。ヒットだけではなく四球なども含めて塁へ出て、後続へつなぐ。トップバッターとしてチャンスをつくることへの意識は高い。

チャンスは「絶対打ったろ」と気持ちが高まる

1番打者とはいえ、打線が一巡すれば得点圏に走者を置いて打席が回ってくる。

そんな勝負どころで徳田は、プレッシャーを感じるよりも気持ちが高まるという。

「チャンスなので『絶対打ったろ』と思います」

むしろチャンスの場面は「うれしい」と笑顔を見せる。

重圧に押されるのではなく、勝負できることを楽しむ。その気持ちの強さも徳田の魅力の一つだ。

先頭打者としてチャンスメークし、得点圏で回ってくれば自分で走者を返す。

新チームの打線にとって、そんな徳田の存在は大きい。

より高いレベルを求め、稚内から札幌へ

徳田が野球を始めるきっかけとなったのは、父と祖父の存在だった。

「お父さんとおじいちゃんが野球をしていたので、楽しそうだなと思って始めました」

当初は稚内でプレーしていたが、所属していたチームがなくなったことをきっかけに、大きな決断をする。

「もう少し強いチームで野球をやりたい」

その思いから小学4年の秋頃、母、姉とともに札幌へ移り、札幌オールブラックスに加入した。

加入から約1年。

以前とは練習環境も大きく変わったという。

「レベルも高いし、人数も多いので、練習しないと試合に出られないと思いました」

競争のある環境に飛び込み、その中で試合に出るために努力する。徳田にとって札幌オールブラックスでの日々は、自分をさらに成長させる新たな挑戦となっている。

6年生に続き「みんなで全国へ」

今季の6年生たちは全国大会をはじめ、大きな舞台を経験してきた。

その姿を間近で見てきた徳田にも、はっきりとした目標ができた。

「ファイターズジュニアにもなりたいし、今年の6年生みたいに、みんなで全国大会にも行きたいです」

個人ではファイターズジュニアを目指し、チームでは全国へ。

その目標を実現するためにも、新チームでは1番打者としての仕事を果たしていく。

「1番バッターなので、しっかりヒットを打ってチャンスメークしたいです」

そして、すでに始まっている秋の戦いでも狙うのは頂点だ。

個人としては「ホームランも打ちたい」と力を込める一方、チームとして掲げる目標はさらに力強い。

「3つとも全部優勝したいです」

秋の選抜大会、東区新人戦、スポーツ少年団の大会――。挑む大会すべてで頂点を狙う。

より高いレベルの野球を求めて稚内から札幌へやってきた徳田煌大。

長打力、出塁能力、走力、そして何より勝負どころを楽しめる気持ちの強さを武器に、新チームの1番打者として打線を勢いづける。

攻撃の要・徳田(札幌オールブラックス)
攻撃の要・徳田(札幌オールブラックス)

【プロフィール】
徳田 煌大(とくだ・こうだい)
小学5年/右投げ左打ち
身長150センチ、体重45キロ
父と祖父が野球をしていた影響から「楽しそう」と興味を持ち、野球を始める。当初は稚内でプレーし、より高いレベルの環境で野球に挑戦するため、小学4年の秋頃に札幌オールブラックスへ加入。母、姉とともに札幌で生活しながら野球に打ち込む。目標はファイターズジュニア入りと、チームでの全国大会出場。

状況に応じた一打で勝利へ 門馬由春が目指す「自分の仕事ができる打者」

札幌オールブラックスの新チームで、打撃のキープレーヤーとして期待される5年生の門馬由春。

自分の打撃の持ち味について尋ねると、単純に「強く打つ」「遠くへ飛ばす」という答えではなかった。

「単打だけではなく、単打と長打を状況によって使い分けられるところです」

試合展開や走者の状況を考えながら、その場面で求められる打撃をする。門馬が目指しているのは、そんな打者だ。

打席で大切にしているポイントも明確だ。

「ポイントを前にして、強く振り抜くことをいつも意識しています」

迷いなく振り切る。その中でも、ただ自分が打つことだけを考えているわけではない。

得点圏に走者を置いたチャンスでは、より「チームのため」という意識が強くなる。

「結果だけを考えるのではなく、とにかく三塁ランナーを返そうと思っています。それと、次のバッターにつなげようと思って打席に立っています」

自分で決めることができれば、それが一番。しかし、たとえヒットにならなくても走者を進める、得点につなげる、そして次打者へ好機を渡す。

その一打席で何が求められているのかを考えることが、門馬の打撃の根底にある。

6年生から学んだ「一人ひとりの役割」

そんな門馬が手本としているのが、全国大会など大舞台を経験した今年の6年生たちだ。

上級生の打線を見て感じたのは、個々の打力だけではなかった。

「1番から9番まで、みんなが自分の役割をしっかりできているところがすごいと思いました。自分も打順に合わせて、自分の役割をできるようになりたいです」

先頭打者、中軸、下位打線。それぞれに求められる仕事は違う。

誰か一人の力だけではなく、9人がそれぞれの役割を果たすことで得点につなげていく。6年生の戦いを間近で見てきたからこそ、門馬の中にも「自分の仕事をする」という意識が強く刻まれた。

それは、新チームで自身が目指す打者像にもつながっている。

一打席を大切に「勝利に貢献したい」

新チームとして挑む秋の新人戦。

門馬が掲げるチームの目標は明快だ。

「優勝することです」

そのために自分が何をすべきなのかも理解している。

「チームで戦う中で、自分のできる仕事をしっかりやって、勝利に貢献したいです」

個人として大切にしたいのは、一つひとつの打席だ。

「一打席、一打席を大事にして、悔いのない打席をつくっていきたいです」

豪快な一打が必要な場面もあれば、走者を返す打撃、次につなぐ打撃が求められる場面もある。

状況を読み、その時に必要な仕事を果たす――。

札幌オールブラックスの新チームが勝ち上がるためには、そんな門馬由春の「つなぐ一打」「決める一打」が大きな力となりそうだ。

攻撃の要・門馬(札幌オールブラックス)
攻撃の要・門馬(札幌オールブラックス)

【プロフィール】
門馬 由春(もんま・よしはる)
小学5年/右投げ右打ち
身長146センチ、体重42キロ
小学2年から野球を始める。野球を始めた理由は「楽しかったから」。父、母、妹との4人家族。

フォトグラフ

ウォーミングアップする選手達(札幌オールブラックス)
ウォーミングアップする選手達(札幌オールブラックス)
ランニングする選手達(札幌オールブラックス
ランニングする選手達(札幌オールブラックス
ランニングする選手達(札幌オールブラックス
ランニングする選手達(札幌オールブラックス
ウォーミングアップする選手達(札幌オールブラックス
ウォーミングアップする選手達(札幌オールブラックス
カメラを向けると最高の笑顔で応えてくれた札幌オールブラックスナイン
カメラを向けると最高の笑顔で応えてくれた札幌オールブラックスナイン
球回しする選手達(札幌オールブラックス)
球回しする選手達(札幌オールブラックス)
投手陣(札幌オールブラックス)
投手陣(札幌オールブラックス)
捕手陣(札幌オールブラックス)
捕手陣(札幌オールブラックス)
内野手(札幌オールブラックス)
内野手(札幌オールブラックス)
外野手(札幌オールブラックス)
外野手(札幌オールブラックス)
学童野球後半に向け、まだまだ力を込める6年生
学童野球後半に向け、まだまだ力を込める6年生

協力:札幌オールブラックス

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA