浜崎前監督の姿勢を継承し“攻撃力強化”へ 接戦続きの大会から見えた課題と可能性
中学硬式野球の石狩中央リトルシニアを1月31日、チーム訪問した。今シーズンから指揮を執る平山純一監督に話を聞いた。
秋季大会では6試合を戦い、ほとんどが1~2点差の接戦。あと一歩で勝利を逃す試合も多かったが、そこには次の成長につながる手応えもあったという。新体制で迎える今季、平山監督はチームのどこを伸ばし、どのような野球を目指すのか。大会の総括、チームづくり、そして戦力構想を聞いた。
接戦続きの大会 「あと一歩を越える力」
平山監督は大会を振り返り、「課題の多い大会だった」と率直に語る。
「押し込むところまではいくんですが、先に点を取れない、追いついても追い越せないという試合が続きました。特に“ここぞ”という場面で、あと一歩勝ち切れない試合が3試合ほどありました」
接戦が多かっただけに、あと1点の差が勝敗を分けた。
大会後には選手たちと話し合いの場を設け、「自分たちに何が足りないのか」を確認したという。
「秋から冬にかけては、どのチームも成長してきます。それ以上のことをやらないといけない。ただ、選手たちは“あと一歩で違う世界に届く”という感覚も持てたと思います」
悔しさは、冬のトレーニングへ向かう原動力となった。
「打力や球の強さなど、まだ力負けしている部分もあります。接戦ではありましたが、その差を埋めないとあと1点の壁は越えられない。この冬が大事だという話は、練習に入る前に選手たちへ伝えました」
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浜崎前監督の姿勢を継承 攻撃力強化へ
平山監督は、前任の浜崎監督が築いてきたチームの土台を大切にしていく考えだ。
「浜崎監督が大事にしていたのは、技術だけでなく“取り組む姿勢”です。すべてはそこにつながるという話を常にされていました。その部分はしっかり継承していきたいと思っています」
投手のトレーニングや基本技術など、多くを学んできたという。
そのうえで、今季は攻撃面の強化をテーマに掲げる。
「守備はもちろん大事ですが、攻撃から生まれる勢いがチームには必要だと感じています。そこが少し弱かったので、攻撃力を高めて守備にも良い相乗効果を生み出していきたいですね」

楽しさと勝利の両立 自ら考えるチームへ
石狩中央リトルシニアの特徴の一つは、チームの雰囲気だ。
「体験に来てくれる子どもたちから『雰囲気がいい』『楽しそう』と言ってもらえることが多いんです。その良さは大事にしたい」
一方で、競技スポーツである以上、勝敗からは逃れられない。
「楽しさを大切にしながらも、結果もしっかりついてくるチームにしていきたい。そのためには選手同士や指導者との会話を増やしていきたいですね」
目指すのは“やらされる野球”ではない。
「自分たちはどうなりたいのか。そのために何をするのか。選手自身が考えて行動するチームになっていければと思っています」

エース候補は石渡 複数投手で継投構想
戦力面では、複数の投手による継投を思い描く。
エース候補は石渡健悟(手稲富丘ベアーズ出身/新3年)。
「ストレートとスライダーを中心に、コントロールよく打たせて取るタイプ。ゲームを作れる投手で、先発として長いイニングを任せたいですね」
そのほかにも投手陣には候補がそろう。
・軽部真乃介(金山ファイターズ出身/新3年)
・岡本璃空人(ポルテ札幌西出身/新3年)
・林慶祐(手稲鉄北イーグルス出身/新3年)
岡本は力のあるストレートが武器。
「体も大きく、手足が長いので上から投げ下ろすタイプ。勝ち上がっていければ終盤を任せたい投手です」
林はリリーフ型。
「力のある球を投げるので、途中から出て流れを止める役割ですね」
左腕の軽部はコントロールが持ち味。
「三振を取るというより、打たせてアウトを取るタイプです」
さらにキャプテンの吉田紘翔(ポルテ札幌西出身/新3年)もマウンドに上がる。
「石渡、吉田、軽部あたりが先発で試合を作り、他の投手がつなぐ形が理想ですね」
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攻守のキーマンと新戦力
守備の中心となるのはキャプテン吉田。
遊撃手としてチームを支える。
二塁の勝野伸彦(新陽スターズ出身/新3年)、内野を守れる高木槙哉(花川スワローズ出身/新3年)も成長を見せている。
攻撃では岩岡和真(花川スワローズ出身/新3年)と林に期待。
「岩岡は中軸を打ってもらいたい。林も長打力がありますが、まだ少し荒さがあるのでそこが安定してくれば楽しみです」
岡本や高木の機動力にも注目している。
内野ではポジション争いも激しい。
「堀部はサードを守ることが多いですが、ライバルもいるので必死に頑張っています。少ない人数でも内野は競争があります」

全力で取り組む1年生 小梅に期待
最後に名前が挙がったのは新2年生の小梅颯真(栄北ナインスターズ出身)。
「練習への取り組み方が本当にいい。3年生から1年生までいる中でも一番全力でやっていると言っていいくらいです」
新人戦では代打でヒットを放つなど結果も残した。
「そういう選手が出てくると、チームのモチベーションも上がりますね」
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主将・吉田紘翔 接戦の悔しさ胸に「日本選手権決勝トーナメントへ」
石狩中央リトルシニアのキャプテン・吉田紘翔(ポルテ札幌西出身)は、秋季大会を振り返り「あと一歩勝ち切れなかった試合が多かった」と語る。接戦が続いた大会の中で感じた課題と、新体制で迎える今シーズンへの思いを聞いた。
接戦続きの秋季大会 「気持ちの切り替え」が課題
秋の大会は1点差の試合が多く、最後まで勝敗の分からない展開が続いた。
吉田主将は「先制されたときの気持ちの切り替え」を大きな課題として挙げた。
「1点差の試合が多かったのですが、先制されてしまったときに気持ちを切り替えきれず、そのままズルズルいって負けてしまう試合が多かったです。もっと早く気持ちを切り替えてプレーすることが大事だと感じました」
僅差の試合だからこそ、精神面の強さが求められる大会だったという。
勝負どころの一本 あと一歩届かなかった要因
接戦を勝ちきれなかった理由について、主将は攻守両面での課題を挙げる。
「ピッチャーで言えば大事な回の先頭打者を出してしまったり、打者ではチャンスの場面でフライを打ち上げてしまったりと、勝負どころで一本が出なかったことです」
気持ちは入っていたものの、試合の流れをつかみきれなかった。
「なかなか噛み合わない試合が多かったです。試合の立ち上がりから自分たちの野球ができないまま終わってしまう試合もありました」
その悔しさは、今シーズンへの原動力となっている。
明るさを武器に 日本選手権決勝トーナメントへ
新体制となる今季、主将として目指すチーム像について吉田はこう語る。
「うちのチームは明るいのが売りです。ただ、明るい反面、集中が切れてしまうこともありました。みんなが一丸となって気持ちを合わせ、練習や練習試合に取り組んでいきたいです」
目標は明確だ。
「日本選手権で決勝トーナメントに進出することです。秋の大会でも1点差の試合が多く、その中には決勝トーナメントに進んだチームもありました。自信をつけていけば十分に可能性はあると思います」
チームのキーマンについては守備と攻撃の両面から名前を挙げた。
「守備では若狭選手です。キャッチャーでチームの要ですし、打撃も良くなってきています。攻撃では林選手。長打力が魅力で、基本的にクリーンナップを打っています」
接戦の悔しさを胸に、主将が描く新シーズンの挑戦が始まる。
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吉田 紘翔(よしだ ひろと)
石狩中央リトルシニア/新3年
右投げ、右打ち
176センチ、56キロ
家族は両親と弟の4人
野球を始めたきっかけは小学1年生のとき。近くの公園で活動していたベースボールスクール「ポルテ」に参加したことだった。その後、小学4~5年生の頃にテクニカルクラスのポルテ札幌西へ進み、6年生までプレーした。
林慶祐 4番の自覚「どの打順からでも点が取れる打線へ」
石狩中央リトルシニアで4番・ライトを務める林慶祐(手稲鉄北イーグルス出身/3年)。秋の大会では接戦が続き、あと1点が届かない悔しさも味わった。チャンスでの課題、4番としての役割、そして新体制で目指す打線について話を聞いた。
接戦で感じた「あと1点」の難しさ
秋の大会では、1点差の接戦が多く続いた。
林はその中で、得点機を生かしきれなかったことを課題として挙げる。
「チャンスは作れるんですが、ワンアウト一・二塁からダブルプレーになったり、三振やフライで終わってしまったりして、チャンスを生かせない場面がありました」
あと1本が出ていれば、試合の流れは変わっていた可能性もあった。
「そこで得点できていれば同点や逆転につながったと思うので、そこが課題だと感じています」
4番としての責任 ランナーを返す打撃へ
チャンスで打線が噛み合わなかった要因について、林は精神面の影響も挙げた。
「力んでしまったり、『ここで自分が打たなきゃ』と考えすぎてしまうことがありました。負けが続くと体も硬くなってしまって、悪い流れになってしまったと思います」
個人としては、4番としての役割を強く意識している。
「長打が出ることもありますが、ずっと長打ばかりというわけではありません。三振や引っかけたファーストゴロなど凡打を減らして、ランナーを返す打撃をしっかりしたいと思っています」
守備面でも課題は明確だ。
「普通のゴロをこぼしたりフライを落としたりするイージーミスはなくしたいです。ファインプレーはなくてもいいので、確実にアウトを取れる守備をしていきたいです」
どの打順からでも得点できる打線へ
新体制の中で林が思い描く打線の形は明確だ。
「上位打線はある程度決まっていて、それぞれ役割があります」
例えば1番を打つ若狭は俊足と長打力を兼ね備える選手。
「まず出塁して盗塁を決めて、バントなどで進めて、3番で最低1点を取る形です」
そして4番としての役割は明確だ。
「前の打者が出したランナーをしっかり返すことです」
さらに理想とするのは、下位打線からでも得点できるチームだという。
「6番までつながって二・三塁になっても、7番や8番でもヒットや長打が出て得点できるようなチームになりたいです。どの打順からでも点が取れる打線を作っていきたいと思っています」
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林 慶祐(はやし けいすけ)
石狩中央リトルシニア/新3年
右投げ、左打ち
173センチ、79キロ
野球を始めたキッカケは小学5年生の頃、学校近くで少年団のチラシが配られていたものを手に取りそのまま体験して手稲鉄北イーグルスで競技をスタートさせた。昨秋は4番・右翼手として出場した。
守備の要・若狭塁 声で試合を動かすキャッチャーへ
石狩中央リトルシニアで守備の要を担う若狭塁(ポルテ札幌西出身)。秋の大会では接戦が続き、キャッチャーとして守備の重要性を強く感じたという。接戦の中で見えた課題、印象に残る試合、そして新体制で目指すキャッチャー像について話を聞いた。
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接戦の中で感じた守備の難しさ
秋の大会では接戦が多く、守備の一つ一つのプレーの重要性を改めて感じたという。
「キャッチャーとして、守備の指示を出すことの大切さを強く感じました。外野に飛んだ打球でも、ライン際ならしっかりカットまでつなぐよう指示したり、ランナーを返さない守備を意識して声を出したりしました」
接戦では、小さな判断や連携の精度が勝敗を左右する。
「そういう一つ一つのプレーの精度がとても大事だと思いました」
失点につながったプレーの悔しさ
印象に残っているのは、外野の連携ミスから失点につながった場面だ。
「外野への打球で『自分が取る』という意識が少し弱くて、守備同士が譲り合うような形になってしまい、打球を落として失点につながる場面がありました」
接戦の試合だからこそ、その1プレーの重みは大きい。
「そういうプレーは本当にもったいないと思います」
その経験は、守備の意識をさらに高めるきっかけとなった。
声で流れを作るキャッチャーへ
新体制となる今シーズン、若狭が目指すのは守備をまとめるキャッチャーだ。
「キャッチャーは守備全体を一番見られるポジションだと思っています。だからこそ、正確な指示を出すことや、その指示がみんなにしっかり伝わっているか確認することが大事だと思っています」
声でチームを動かす存在を目指す。
「自分の声で試合の流れを作れるようなキャッチャーになりたいです」
印象に残る試合として挙げたのは、1年生大会での札幌西戦。公式戦で初めて勝利した1点差の試合だったという。また、秋季大会の空知滝川戦も記憶に残っている。序盤は先制して良い流れだったが、途中で気の緩みから流れが変わったという。
今シーズンの個人的な目標は明確だ。
「キャッチャーとして盗塁阻止率を上げたいです。声掛けでチームを盛り上げて、元気なチームを作っていきたいと思っています」
守備の要として、若狭の声がチームの流れをつくっていく。
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若狭 塁(わかさ るい)
石狩中央リトルシニア/新3年
右投げ、左打ち
170センチ、60キロ
家族は両親と弟2人と妹の6人。
野球を始めたきっかけは年中の頃。自分から「野球をやりたい」と親にせがみ、ポルテで野球を始めた。小学校6年生までポルテ札幌西でプレーしていた。
石狩中央シニア・村上 「1年前に戻れるなら体力づくりを」
石狩中央リトルシニアで3年間プレーしてきた村上。打たせて取るピッチングを持ち味にマウンドに立ってきたが、振り返れば「もっと体力をつけておけばよかった」と語る。3年間の経験を経て感じた自身への言葉、そして後輩たちへ伝えたい思いを聞いた。
「1年前に戻れるなら」体力づくりの大切さ
もし1年前、中学2年生のこの時期に戻れるとしたら、自分自身にどんな言葉をかけるのか。
村上は迷わず「体力づくり」と答えた。
「体力づくりをもっとしっかりやっておいた方がいいと言いたいです。自分はコントロールに自信があって、試合でも打たせて取るピッチングができていました」
序盤は自分の持ち味を十分に発揮できていたという。
「試合の最初の方は球のスピードもコントロールも自分の力を出せていました」
しかし試合終盤になると、体力の差が結果に表れた。
「終盤になると体力が落ちて球速が遅くなり、威力がなくなってしまうことがありました。そうするとコントロールも少し落ちてしまいます」
だからこそ、今振り返るとこう思う。
「もっと体力をつけて、土台を作っておけばよかったと思います」
後輩へ伝えたい「キャプテンを支えるチーム」
3年間を過ごしたチームで、村上は主将という立場も経験した。
その経験から、後輩たちに伝えたいことがある。
「キャプテンはみんなのことをよく見てくれている存在だと思います。だからこそ、周りの選手たちもキャプテンのことをしっかり見てあげてほしいです」
チームをまとめる役割は、決して簡単ではない。
「今のキャプテンは一人で抱え込んでしまうところもあるので、みんなで支えてあげることができれば、もっといいチームになると思います」
仲間同士で支え合うことが、強いチームを作る。
3年間の経験を通して得たその思いを、村上は後輩たちへ託した。
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村上 希紗(むらかみ きさ)
石狩中央リトルシニア/3年
右投げ、右打ち
151センチ
野球を始めたキッカケは小学校2年生のときです。4つ上の兄が野球をやっていて、その影響で手稲富丘ベアーズで競技をスタートさせた。
高校進学は女子硬式野球の強豪・駒澤大学附属苫小牧高等学校へ進学を決めた。
フォトグラフ



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協力:石狩中央リトルシニア
