有賀監督が掲げる日本選手権への挑戦 新チームが冬季強化に着手
中学硬式野球の札幌大谷リトルシニアが、再び全国の舞台を目指して動き始めた。10月31日、札幌市東区中沼町の札幌大谷学園野球場を訪ね、秋季練習に励む選手たちを取材した。新チームは秋季全道大会新人戦でAブロックを3勝2敗1分の4位で終え、ワイルドカードで決勝トーナメント進出を果たした。守備面では着実な成長を見せた一方、得点力不足などの課題も浮き彫りとなった。有賀良太監督が見据えるのは、近年遠ざかっている日本選手権の舞台だ。新主将・泉心耀(飛翔スワローズ出身/2年)を中心に、投打の主力選手たちが秋の悔しさを胸に冬季強化へ踏み出している。また、同校では2027年度新入生の募集も本格化。11月1日から出願受付が始まり、12月21日に締め切られる。1月7日の入試を前に、11月も練習体験会・実技点検会を開催する。
守備は成長、攻撃に課題――秋季大会で見えた新チームの現在地
3勝2敗1分、Aブロック4位。
札幌大谷リトルシニアの新チームは、秋季全道大会新人戦のリーグ戦で接戦を重ねながら、ワイルドカードで決勝トーナメントへの切符をつかんだ。
決勝トーナメントでは、最終的に大会を制した札幌新琴似と対戦。全国を目指すうえで、自分たちに何が足りないのかを突きつけられる大会となった。
有賀良太監督は、秋季大会を振り返り、まず守備面の成長を評価した。
「夏休みに新チームになってから、守るということに関してはだいぶ成長してきたと感じています」
守備位置や選手の役割も徐々に固まり、チームとしての形が見え始めている。
一方で、攻撃面には課題が残った。
「いいピッチャーになってくると難しい部分もありますが、もう少し点数を取れる形にしていかなければいけないと感じています」
好機であと一本が出ないだけではない。相手投手によっては、得点圏に走者を進めることさえ難しい場面もあった。
守備で試合をつくる力はついてきた。しかし、上位チームに勝つためには、攻撃の質をもう一段階高める必要がある。
秋季大会は、新チームの可能性と課題の両方を確認する機会となった。

「基本の基本に立ち返る」有賀監督が重視する冬季強化
秋季大会を終えた札幌大谷は、すでに来春を見据えた強化に取り組んでいる。
有賀監督が重視するのは、特別な練習ではなく、基礎技術の徹底だ。
「今はとにかくバットを振らせています。平日も振りますし、捕ることも含めて、基本の基本に立ち返って練習しています」
年内は打撃や守備の基礎練習と体力強化に重点を置き、年明けから徐々に実戦的な練習を取り入れる方針だ。
取材当日も、全体練習の後には選手たちがそれぞれの課題に向き合う姿があった。
打撃力向上を目指してバットを振り込む選手。力強い打球を生み出すために体を鍛える選手。低めのボールへの対応を繰り返す捕手。投球フォームを確認する投手。
練習内容は異なっても、目指す方向は同じだ。
秋季大会で見つかった課題を、一つずつ克服していく。
有賀監督は技術面だけでなく、精神面での成長にも期待を寄せる。
「素直で優しく、落ち着いた子が多い学年です。ただ、秋の大会ではもう少し思い切ってプレーさせられるような声掛けや雰囲気づくりができればよかったという反省もあります」
選手たちの良さを生かしながら、勝負どころでは自ら前に出ていく積極性を育てたい。
その思いは、新主将の選出にも表れている。
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新主将・泉心耀に託した思い――誠実さと発信力でチームを変える
新チームの主将を務めるのは、泉心耀(飛翔スワローズ出身/2年)だ。
有賀監督が泉を評価するのは、野球の技術だけではない。
「人柄もそうですし、勉強も野球も一生懸命、誠実に取り組む選手です」
主将の選出にあたっては、複数の選手が立候補したという。
もともと3年生が在籍していた時期から、下級生にもリーダー役を経験させる取り組みを行っていた。上級生から下級生へ指示や考えを伝える際、その学年の中心となる選手が必要だったためだ。
候補となる選手に交代で役割を経験させ、その姿を見ながら泉を主将に指名した。
「以前よりも少しずつ発信できるようになってきています。周りを巻き込んで、もっと前面に出てきてほしいですね」
穏やかで優しい選手が多いという新チーム。
だからこそ、主将には仲間をまとめるだけでなく、自ら声を上げ、周囲の意識を変える存在になってほしいという期待がある。
日本選手権を目指すチームにとって、泉のリーダーシップは大きな鍵を握りそうだ。
主将・泉が名前を挙げた仲間たち――新チームを支える主力選手に聞く
今回のチーム訪問では、有賀良太監督へのインタビューに加え、新主将の泉心耀(飛翔スワローズ出身/2年)にもチームの現状について話を聞いた。
その中で、泉に新チームの中心となる選手や、今後の成長が期待される仲間について尋ねたところ、複数の選手の名前が挙がった。
そこで今回は、泉が名前を挙げた選手たちの中から数人にインタビューを実施。秋季大会で感じた手応えや悔しさ、冬季練習で取り組む課題、そして来春に向けた目標を聞いた。
同じグラウンドで汗を流し、ともに勝利を目指す仲間だからこそ分かる、それぞれの持ち味や可能性。
選手たちの言葉からは、秋季大会の経験を糧に、もう一段階成長しようとする姿が見えてきた。
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【プロフィール】
泉 心耀(いずみ・もとき)
札幌大谷リトルシニア/中学2年/主将
出身少年団:飛翔スワローズ
右投げ、左打ち
162センチ、53キロ
野球と勉強に誠実に取り組み、自ら主将に立候補。周囲への発信力を高めながら新チームをまとめる。
監督からの期待として仲間を巻き込み、自ら前に出てチームを引っ張ること。
エース候補・大西竣介 秋の悔しさを力に「球速135キロ」を目指す
投手陣の中心として期待されるのが、大西竣介(岩見沢学童野球クラブ出身/2年)だ。
身長174センチ、体重62キロの右腕。小学2年生から野球を始め、幼い頃に観戦した大谷翔平の投球に憧れて投手を志した。
持ち球はストレート、カーブ、スライダー、スプリット。中でも自信を持つのが、大きな落差を生かしたカーブだ。
秋季大会では、真駒内戦の投球に手応えを感じた。
「変化球も使えて、ストレートも良かったので、一番手応えがありました」
一方で、札幌栄戦と札幌新琴似戦には悔しさが残る。
「自分のピッチングで負けてしまったのが悔しかったです」
特に札幌新琴似戦では、強豪を意識するあまり力が入り、制球が乱れたという。
「ボール先行になってしまいました」
この経験から、冬季練習では投球フォームを安定させ、狙ったコースへ投げ込む制球力を磨く。
目指すのは、ただ速い球を投げる投手ではない。
試合をつくり、チームを勝利へ導く投手だ。
「球速135キロを出して、完璧なゲームメークができる圧倒的なエースになりたいです」
個人目標を語った大西は、チームとしての目標を「全国制覇」と力強く口にした。
秋の悔しさを知る右腕が、この冬、どこまで成長できるか注目される。
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【プロフィール】
大西 竣介(おおにし・しゅんすけ)
札幌大谷リトルシニア/中学2年
出身少年団:岩見沢学童野球クラブ
ポジション:投手
右投げ、右打ち
174センチ、62キロ
野球を始めたきっかけは幼い頃に大谷翔平の投球を見て投手に憧れた。小学2年生から競技をスタートさせた。
持ち球:ストレート、カーブ、スライダー、スプリット
得意球は落差の大きなカーブ。
来季の目標は球速135キロを達成し、試合を支配できるエースになること。チームとして全国制覇を目指す。
正捕手・平田粋平 投手陣を支える「信頼される捕手」へ
投手陣を支えるのが、平田粋平(栄ゴールデンキングス出身/2年)だ。
身長169センチ、体重62キロ。小学1年生から野球を始めた右投右打の捕手は、秋季大会を通じて自身の成長と課題の両方を感じた。
手応えがあったのは真駒内戦。
投手の制球が安定しない場面でも、これまで練習を重ねてきたブロッキングでボールを止め、後逸を防いだ。
「ブロッキングがしっかりできたのが良かったです」
一方、千歳戦では捕球ミスから走者の生還を許した場面が悔しさとして残った。
この冬は、低めのボールへの捕球技術を磨くとともに、投手への声掛けにも力を入れる。
打撃面でも内角球への対応を改善し、攻守でチームに貢献する考えだ。
平田が目指す捕手像は明確だ。
「誰からも信用されるキャッチャーになりたいです」
大西を中心とする投手陣に加え、平田は小泉大和(釧路ゴールデンモンキーズBBC出身/2年)、佐藤新(東雲ファイターズ出身/2年)、さらに1年生の梅木陽一郎(SKRスピリッツ出身)にも期待を寄せる。
複数の投手が成長し、試合を任せられるようになれば、チームの戦い方も広がっていく。
捕手として一人ひとりの持ち味を引き出せるか。
平田の成長も、来季の札幌大谷を左右する重要な要素となりそうだ。
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【プロフィール】
平田 粋平(ひらた・いっぺい)
札幌大谷リトルシニア/中学2年
栄ゴールデンキングス出身
ポジション:捕手
右投げ、右打ち
169センチ、62キロ
野球を始めたきっかけは親の勧めで小学1年生から野球を始めた。
家族は両親と弟の4人。
持ち味:練習を重ねてきたブロッキング技術
来季の目標は誰からも信頼される捕手となり、日本選手権本大会での優勝を目指す。
1番・遊撃手の追出町健心 攻守の悔しさを胸に飛躍誓う
新チームの1番打者として打線をけん引するのが、追出町健心(旭川東光サンボーイズ野球少年団出身/2年)だ。
右投左打の遊撃手で、父親の影響を受けて小学1年生から野球を始めた。
秋季大会で印象に残っているのは、リーグ戦の室蘭戦だ。
4打数2安打を記録し、中前安打と右翼への三塁打を放った。
「ボールがよく見えていました」
広角に打ち分けられる打撃が持ち味で、1番打者として攻撃のきっかけをつくる役割を担う。
しかし、真駒内戦では忘れられない悔しさも味わった。
二死から遊撃への打球を失策。その後、相手に7点を奪われる展開となった。
「自分のミスから流れを悪くしてしまいました」
守備では捕球に自信を持つ一方、送球の安定感を課題に挙げる。
「一球一球を大切にして、正確なところに投げられるようにしたいです」
この冬は送球精度を高め、遊撃手としての信頼をさらに積み重ねていく。
打撃の持ち味を伸ばしながら、守備の不安を減らす。
「日本選手権で優勝して全国制覇したい。その勝利に貢献できるように頑張ります」
秋季大会で味わった悔しさは、追出町にとって次の成長への原動力となっている。
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追出町 健心(おいでまち・けんしん)
札幌大谷リトルシニア/中学2年
旭川東光サンボーイズ野球少年団出身
ポジション:遊撃手
打順:1番
右投げ、左打ち
野球を始めたきっかけ:野球経験のある父親の影響で小学1年生から協議をスタートさせた。
持ち味は広角に打ち分ける打撃と捕球力
来季の目標は守備における送球の精度を高め、攻守でチームの勝利に貢献することと日本選手権優勝を目指す。
目標は日本選手権――再び全国へ挑む札幌大谷
有賀監督が来季の目標として掲げるのは、日本選手権への出場だ。
「日本選手権にはしばらく行けていないので、もうそこしかないですね」
かつて全国の舞台を経験してきた札幌大谷だが、近年は日本選手権出場から遠ざかっている。
だからこそ、再びその舞台に立ちたいという思いは強い。
選手たちの目標は、さらにその先にある。
大西は全国制覇を掲げ、平田も日本選手権本大会での優勝を目指す。追出町もまた、日本一への思いを口にした。
もちろん、現時点で全国の頂点を語るには、乗り越えなければならない課題が数多くある。
攻撃力の向上、投手陣の底上げ、守備の安定、そして勝負どころで力を発揮する精神的な強さ。
その一つひとつに向き合う冬が始まっている。
10月31日の札幌大谷学園野球場。
全体練習を終えた後も、選手たちはそれぞれの課題を克服しようと自主練習に励んでいた。
全国への挑戦は、こうした日々の地道な積み重ねから始まる。
「野球だけではない」有賀監督が大切にする人間力の育成
札幌大谷中学校硬式野球部が大切にしているのは、野球の技術を高めることだけではない。
有賀監督は、中学3年間を人として成長する大切な時期と捉えている。
「うちの学校は人間力を育成することを大切にしています。勉強もそうですし、人柄や心の部分も含めて成長してほしいと思っています」
ときには厳しく指導することもある。
しかし、その根底にあるのは、野球を通じて自立した人間に育ってほしいという願いだ。
「プレーだけではなく、中学生の大事な3年間で、大人に向けて自立し、成長していけるように指導しています」
野球に真剣に取り組むこと。
仲間と協力し、困難を乗り越えること。
そして、自ら考えて行動できる人間になること。
札幌大谷が目指す育成は、グラウンドの中だけで完結するものではない。
これから中学進学を迎える小学6年生と保護者にとっても、進路を考えるうえで大切な視点となりそうだ。
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2027年度新入生募集が本格化 11月1日から出願受付、12月21日締め切り
札幌大谷中学校では、2027年度の新入生募集が本格化する。
同校の硬式野球部では、現在の1年生と2年生がそれぞれ13人ずつ在籍。有賀監督は、来春も同程度の新入部員を迎えたいとの思いを持っている。
今年の練習体験会には、9月に1日で約20人が参加した日もあったという。その後も小学6年生が訪れ、複数回参加する児童もいる。
有賀監督は「何度でも来ていただいて構いません」と話し、実際の練習を通じてチームの雰囲気や指導方針を知ってほしいと呼び掛ける。
2027年度の中学校入試では、野球に取り組む児童の進学先として、Prodigy Programのアスリートコースが設けられている。
募集人数は学校全体で100人。このうちProdigy Programは、プログレスコース、アスリートコース、芸術コースを合わせて75人となっている。
出願期間は2026年11月1日(日)から12月21日(月)まで。アスリートコースが対象となるⅠ期入試は2027年1月7日(木)に実施される。
2027年度 札幌大谷中学校入試概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 募集人数 | 全コース合計100人 |
| アスリートコース | Prodigy Programに設置 |
| Prodigy Program募集人数 | 3コース合計75人 |
| 出願期間 | 2026年11月1日(日)~12月21日(月) |
| Ⅰ期入試 | 2027年1月7日(木) |
| 合格発表 | 2027年1月9日(土)午前9時予定 |
| 出願方法 | Web出願登録後、必要書類を簡易書留で郵送 |
アスリートコースの出願には、自己PR書や活動実績申告書などの提出が必要となる。出願前に学校が公表する入試要項を確認しておきたい。

11月は5日間の練習体験会 実技点検も兼ねて実施
札幌大谷中学校硬式野球部では、進学を検討する小学6年生を対象に、11月も練習体験会を開催する。
日程は7日、21日、22日、28日、29日の計5日間。会場は札幌市東区中沼町の札幌大谷学園野球場で、練習体験と実技点検を兼ねて実施する。
小学5年生以下も見学が可能で、参加希望者は各実施日の2日前までに専用フォームから申し込む。
練習体験会・実技点検会の日程
| 開催日 | 時間 |
|---|---|
| 11月7日(土) | 14:30~17:00 |
| 11月21日(土) | 8:45~11:30 |
| 11月22日(日) | 8:45~11:30 |
| 11月28日(土) | 14:30~17:00 |
| 11月29日(日) | 8:45~11:30 |
会場: 札幌大谷学園野球場(札幌市東区中沼町36-5)
対象: 小学6年生(小学5年生以下は見学可能)
持ち物: 現在所属するチームのユニフォーム、帽子、グラブ、スパイク、トレーニングシューズ、雨天時の室内用シューズ、飲み物
申込期限: 各開催日の2日前まで
練習体験会は実技点検も兼ねているが、参加したからといって必ず受験しなければならないものではない。
また、アスリートコースに関連する学校行事として、11月28日(土)と12月5日(土)には「アスリートのための文武両道講習会」も予定されている。
進学を考えている児童や保護者にとっては、実際の練習や学校の教育方針を知る機会となりそうだ。
練習体験会・詳細
【日時】
・2026年11月7日(土)14時30分~17時00分
・2026年11月21日(土)8時45分~11時30分
・2026年11月22日(日)8時45分~11時30分
・2026年11月28日(土)14時30分~17時00分
・2026年11月29日(日)8時45分~11時30分
【場所】
・札幌大谷学園野球場(札幌市東区中沼町36-5)
【持ち物】
・ユニフォーム(現在入団しているチームのユニフォーム)
・帽子
・グラブ
・スパイク
・トレーニングシューズ(運動できるシューズであれば、どんなシューズでも可)
・室内用シューズ(雨天時)・・・靴底がきれいであればOK
・飲み物
お申込について
練習体験会実施日の2日前までにお申し込みください。
学校ホームページの専用フォームからWEB登録をお願い致します。
必要に応じて、学校側から連絡する場合があります。
担当:有賀、五十嵐、太田
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その他
・練習会当日は野球場へ直接お越しください。(現地集合・現地解散)
・雨天の場合は室内練習場で行います。※室内用シューズが必要です。
・プレイするのは、小学6年生を対象とする(5年生以下でも見学可)
フォトグラフ
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協力:札幌大谷中学校
