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第23回日本少年野球東北大会が7月20日、仙台市民球場で開催され、北海道代表の札幌手稲ボーイズが出場。初戦では川越ボーイズとの激戦を延長タイブレークの末、劇的なサヨナラ勝利で突破。続く2回戦では地元・仙台ボーイズと対戦し、終盤に逆転を許し惜しくも敗退となった。2試合を通じて選手たちは、守備の連携、粘り強さ、チームの一体感という大きな成長を見せた。試合後には涙を見せる選手も多く、東北の舞台で培った経験は、次なる挑戦への確かな糧となった。
初戦は劇的サヨナラ!投手陣の粘投が光る
川越ボーイズとの初戦は、互いにノーエラーの引き締まった展開となり、0-0のまま延長戦へ突入した。札幌手稲の先発は林優羽(3年・小樽稲穂スラッガーズ出身)。伸びのある直球と制球力で安定した投球を披露し、六回からは武内和希(3年・朝里ホーネッツ東小樽合同出身)、そして七回途中からは樫野颯佑(3年・篠路BFジュニア出身)がマウンドを引き継いだ。
最大のピンチは四回と六回の二死満塁。しかし、内野陣が声を掛け合い、集中力を切らさず守り抜いた。特に守備の不安があった内野陣が成長を見せ、粘り強い守備でピンチを断ち切った。
攻撃では、初回に一死二塁、五回に二死一・二塁、そして七回には一死二塁とチャンスを作ったが、なかなか一本が出ない展開。それでも八回のタイブレークで勝機をつかむ。
八回表の守備、樫野が先頭打者を三振、次打者を外野フライに仕留め、無失点で切り抜ける。すると、その裏。8番・樫野に代わって打席に立った館将真(3年・手稲山口メッツ出身)が期待に応え、センター前へのサヨナラヒット。劇的な1-0での勝利に、ベンチも歓喜に包まれた。
札幌手稲のこの試合での安打はわずか2本。もう一本は五回、好投していた林に代わって代打で登場した北山柊(3年・北発寒ファイヤーズ出身)がレフト前に放った一打だった。貴重な安打でチャンスを広げ、存在感を示した。
◆1回戦(20日、仙台市民球場)
札幌手稲ボーイズ(北海道)(1)0-0(0)川越ボーイズ(埼玉県)
川越ボーイズ
00000000=0
00000001=1
札幌手稲ボーイズ
(八回タイブレーク)
(川)岩瀧、竹本ー髙尾
(手)林、武内、樫野-武田

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2回戦、強豪・仙台に一歩及ばずも粘りの姿勢貫く
ダブルヘッダーとなった2回戦は、開催地・仙台ボーイズとの一戦。初戦の勢いを保った札幌手稲は、初回から仕掛けた。
敵失で一死二塁のチャンスを得ると、3番・濱田弦希(3年・銭函ボーイズ出身)がライトオーバーの三塁打を放ち1点を先制。続く4番・武田悠汰(3年・銭函ボーイズ出身)も、内野安打で三走・濱田を返し、幸先よく2点を先制した。
マウンドには2年生の長出有芯(銭函ボーイズ出身)が上がり、緊張感ある中でも堂々とした投球を披露。六回からは平野央宙(3年・北発寒ファイヤーズ出身)が登板し、試合を引き継いだ。
しかし二回、五回と先頭打者に与えた四球をきっかけに、それぞれ1点ずつ失い、2-2の同点に。迎えた七回、先頭打者を打ち取るも、再び四球で走者を許すと連打で3点を献上し、痛恨の逆転を許した。
最終回、4番・武田がセンター前に鋭いヒットを放ち、意地を見せたが後続が倒れ、2-5で試合終了となった。
◆2回戦(20日、仙台市営球場)
札幌手稲ボーイズ(北海道)2-5仙台ボーイズ(宮城県)
仙台ボーイズ
0100103=5
2000000=2
札幌手稲ボーイズ
(仙)伊藤、鈴木、高根ー平尾
(手)長出、平野ー武田
▽三塁打:渡辺(手)
▽二塁打:平尾、後藤、塩田(仙)



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敗戦にも光る“成長”と“絆”
越中築監督は試合後、「今までならミスを引きずってしまっていたが、今回はミスの後も全員で粘っていた。精神面でも大きく成長している」と手応えを語る。敗戦の原因となった甘いボールや連係ミスについては、試合後すぐに選手同士で意見を交わす姿もあった。
これまで個の力で戦う場面が目立っていた札幌手稲ナインだったが、今大会を通じて「チームとして戦う」姿勢が際立った。試合後、涙を流す選手もおり、敗戦を悔しがる姿に本気で挑んだ証がにじんだ。
次なる戦いは北海道で
札幌手稲ボーイズは、21日に宮城中央ボーイズとの交流戦を行い、22日に帰札。次の舞台は8月9日に開幕する「東商テクノ旗争奪第4回日本少年野球北海道大会」。昨年は準優勝と躍進した大会で、今年こそ頂点を目指し、“成長の証”を勝利に変える。

協力:札幌手稲ボーイズ