チーム一丸でつかんだ価値ある白星
埼玉県で開催中の「第2回年中夢球杯2025・全国学童軟式野球大会」で、北海道代表・山の手ベアーズが初戦を白星で飾った。11月1日に行われた2回戦で栃木県代表・犬塚学童と対戦し、3―2で競り勝って3回戦進出を決めた。初の全国舞台でも、選手たちは「いつも通りの野球」を貫き、粘り強く勝利をつかんだ。
イニングスコア
◆2回戦(11月1日)
山の手ベアーズ(北海道)3-2犬塚学童(栃木県)
犬塚学童
000200=2
01200x=3
山の手
(犬)石井、山田ー工藤
(山)川端ー元安
二死からの連続タイムリーで勝ち越し
山の手ベアーズは初回から緊張感のある展開を見せた。二回、5番・倉谷遼汰(6年)のライト前ヒットを皮切りに、死球と四球で満塁とし、8番・安川心夏(6年)の内野ゴロの間に三走・倉谷が生還。まず1点を先制した。
続く三回には、2番・川端将希(6年)が敵失から出塁し二盗。二死二塁から再び倉谷がライト前へタイムリーヒットを放ち、貴重な追加点を挙げた。さらにバッテリーミスの間に倉谷が二塁へ進むと、6番・山田湊斗(5年)が鋭い打球を一、二塁間に弾き返し、ライト前へ抜けるタイムリー。攻撃の手を緩めず、この回で2点を奪い、リードを3点に広げた。この二死からの連続タイムリーが、結果的に決勝点となった。
小原慶太コーチは「苦しい展開だったが、何とか初戦を突破できてホッとしている」と振り返る。「二死からの連打は、メンタルの強さが出た場面。精神的な成長を感じました」と選手たちの粘りを称えた。

エース川端、冷静な投球でピンチを切り抜く
投げては、先発の川端将希投手(6年)が立ち上がりから三回までノーヒットピッチングと完璧な内容。四回に二者連続安打とバッテリーミスでピンチを招き、3番打者に2点タイムリーを許したが、「二、三塁の走者を返されてもいい」とベンチの冷静な指示を受け、落ち着いて後続を断った。五回にも四球で走者を出すも、最後まで集中を切らさず3―2のまま逃げ切った。
試合後、川端は「3ボールからでもストライクを取れたのが良かった」と振り返り、「次はもっと厳しいコースを突いていきたい」と気を引き締めた。
=(写真・チーム提供).jpg)
チームを支えた準備と一体感
 小原コーチは「試合前の練習ができたことが大きかった」と語る。保護者の協力で大会使用球場ではない場所を確保できたことにより、「いつも通りの練習ができ、スムースに試合に入れた」と感謝を口にした。
チームのキーワードは「いつも通りの野球」。全国という大舞台でもその姿勢を崩さなかった。
「この勝利を自信にしてほしい。二死から得点できたこと、バントでチャンスを広げられたこと。今までやってきたことが全国でも通用することを証明できた」と手応えを語った。
主将・元安隼都「接戦でも勝ち切る」
主将の元安隼都(6年)は「初戦突破を目標にしていたので本当に嬉しい」と笑顔を見せた。試合を支えた仲間として川端を挙げ、「2点取られても動揺せず、粘り強く投げてくれた」と感謝の言葉を口にした。
自身の守備については「監督から“教科書みたいな送球だな”と言われたのが嬉しかった」と振り返り、次戦へ向けては「今日のような接戦をしっかり勝ち切りたい」と力強く意気込んだ。
次戦へ――“守りからリズムを”
次戦となる3回戦では、富山県代表・新庄北イーグルスと対戦する。小原コーチは「相手は打撃が良い印象。川端の制球力を中心に、守りからリズムを作れれば勝機はある」と展望を語った。
「全国の舞台を楽しみにしていた選手たち、OBや地域の皆様からの期待を力に換えて、全員野球で戦いたい」と力強く締めくくった。
 山の手ベアーズはあす2日午前10時、富山県代表・新庄北イーグルスとの3回戦に挑む。
北海道代表としての誇りを胸に、次なる一勝へ挑戦が続く。
.jpg)
全国・トーナメント表

協力:山の手ベアーズ
